2019/05/04 のログ
■イスラ > (さぁ、早速これを味わおう。愉しもう。
代金も払い終えれば、きっちり買い物を小脇に抱えて歩き出す。…何処か早めの足取りの侭。
未知の味は、きっと、新鮮な喜びを与えてくれるのだろう。
尽きない好奇心を擽ってくれるであろう、期待のままに…今日は。良い夜になりそうだ)
ご案内:「王都マグメール 平民地区」からイスラさんが去りました。
ご案内:「鑑定屋『触れることなしに識ること能わず』」にハヤヴァリさんが現れました。
■ハヤヴァリ > さて、今日もお仕事がんばりまスヨ!
(鑑定屋の看板を「OPEN」にしてから、事務所の中へ。
飛び込みで鑑定を求められるものの他にも、
鑑定を求められ、預かっている代物はいくつもある。
それらの真贋や真実を見極めて鑑定書を認めるのが自分の仕事なのだ。
机の前に並べられた数々の品を見ては資料にあたり、つらつらと
文章をしたためる。 古代王朝のツボ…偽物です。
時の覇王の側近が賜ったという宝刀…近年に作られたものです。
古代迷宮から出土した謎の土器片…本物かとは思いますが、
時代の特定には至りませんでした。
などなど、日々の業務を推し進める。)
■ハヤヴァリ > むっ…これは…。
(いい感じに鑑定業務を続け、今日の最後にと手に取ったのは獣の毛皮だった。
太い毛が高い密度で敷き詰められているその表面を
手袋をした手でそれをそっとなでながら、小さく唸る。
能力を使うか、使うまいか。 かすかな逡巡のあと、
最後だからよいだろうとあっさり決意する。
手袋を取り、深呼吸。 触れてしまえば自分は魔物のような姿になるし、
その状態から元に戻るまでお外には出られないのだ。
この後の予定は空いていただろうか。 壁に貼ってある予定表を確認。)
■ハヤヴァリ > …あっ、そういえば今日は出張鑑定があるんでしタネ。
(予定表には「貴族の所に向かう」と記載されていた。
渋々といった表情で立ち上がると、外に出る。
ついでに看板を「CLOSE」にかけかえてから、
大急ぎで顧客のもとに向かうのでした。)
ご案内:「鑑定屋『触れることなしに識ること能わず』」からハヤヴァリさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にビスコさんが現れました。
■ビスコ > 夕暮れ時の商店街。
この地区は雑貨商やアパレルなどの小売店が多く、夕刻になれば1軒また1軒と店の戸が閉められていく。
今でこそ人の往来も多めだが、じきに閑散としてしまうだろう。夜街と比べれば街灯も少ない。
そんな通りの端、店と店の間の裏路地入り口を塞ぐように、長身の女性が立ち尽くしていた。
ただでさえの長身が、厚さ10cm近くもある木製の厚底靴でさらに底上げされており、とんでもなくノッポに見える。
ピシッと背筋を伸ばし、手は臍の前で組み、微動だにすることなく。左手の甲にはどこかの家の紋章が焼印されている。
生気を感じられない白い肌も相まって、初見の印象はまさしく人形だろう。
そのへんのアパレルショップのショーウィンドウに飾られたマネキン人形と見紛うが如し。
……しかし、時折かすかに灰色の目が動き、往来の人影を追う。たしかにこの人形は生きているのだ。
「………18時30分。まだいらっしゃりません」
ぼそり、抑揚のない声でつぶやく。ビスコは現在、待ち人の最中。
公主降嫁の騒ぎに乗じ、シェンヤンから王都にやってくる商人も数を増した。その1人と今日、ここで落ち合う約束なのだ。
あまり公然と会いたくはないらしく、まずここでビスコと互いの身の上を確認したうえで、フィナ家の屋敷へ。
……という段取りだったのだが、日が暮れようというこの時間になっても、一向にその商人は姿を現さない。
「スッポかされたのでしょうか。ナメられたものです」
そうボヤくビスコの顔には、悔しさも自嘲の色も感じられない。冷ややかな鉄面皮。
フィナの家が他家や商人から侮られていることはビスコも気付いている。ただの奴隷であるビスコには如何ともし難いが。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にヘイグイさんが現れました。
■ビスコ > フィナ家の『所有物』であるビスコは、魔力の導線を通じてある程度主人との遠隔意思疎通ができる。
もしかすると、件の商人はビスコに会わず直接屋敷に向かったのではないか? とも考えた。
しかしその場合は主人からビスコへと帰還命令が下るであろう。会えなくなった等の連絡があった場合も同様。
未だその命令が届かないということは、何らかの事情により王都到着が遅れているのか、マジにスッポかされたのか。
「……ご主人様、また気分を損ねそうです。それはビスコも困ります」
きっとこの待ちぼうけも徒労に終わるだろう。
ならばせめて、主人に持ち帰る土産話の1つでも見つかれば良いものだが。
だがここで待ち人を待機する命令を受けている以上、自分から探検に出ることは許されない。
■ヘイグイ > 人がまばらになり始める商店街、往来から正反対の方向を歩く黒い長包を纏った男がキョロキョロしながら
路地裏の近くを歩いている。腰ほどもある長い一本の三つ編みを風で揺らしながら
何かを探しているように歩いていた。
「………………?」
男は路地裏の入り口近くで止まると、首を伸ばして遠くを見たり後ろを向いたりしている。
■ビスコ > 一人の屈強な男が、ビスコの立ち尽くす路地裏の入り口へと姿を現す。
「…………………?」
何かを探す素振りを見せるその男を、ビスコは依然として微動だにしないながら、眼球だけで追っていた。
伝え聞いていた商人の風体とは違う気もする。
男が髪を編んで垂らすスタイルは王都では珍しく、シェンヤンではよく見られる髪型だ。
身に纏う黒服もシェンヤン風の縫製だが、自分が待つ商人はここまで服装をキメる者ではないと聞いていた。
諸々の判断材料を合わせ、この男は自分が待ちわびるシェンヤン商人ではない、と仮定するが。
「………どうなされました、旦那様。何かお探しものでしょうか?」
直立の姿勢で立ち尽くしたまま、首だけを男のほうに向けて、声をかける。
抑揚薄く、ややボソボソ気味に早口の声で。
■ヘイグイ > 「ん……んっ?」
呼びかけられる男、煙草でも吸おうと思ったのか腰元に手を当てている所に声をかけられ振り返る。
見ると、抑揚の余りない、何かに仕える仕草、旦那様という呼びかけ方、真っ白な肌。
肌の色に関しては人の事は言えないが
「まぁ………探し物…かな、探し物といえばそういう事になる…」
「王国に物を入れるのに手伝ってほしいっていうから…持ってきたんだけど……」
「物はあっても…売り込む商人が来てなくて…」
腰から煙管を取り出しながらソレを熱し、吸い込むと紫煙を燻らせる。
「ハイブラゼールでずっと待ってたんだがね……遅れて来るかもしれないから港にはウチの連中を待たせてるんだけど」
「この辺で待ち合わせるって話だったから…」
■ビスコ > 「なるほど、貴方様も待ち合わせに御座いましたか。ビスコも待ち合わせのためにここに居りました。
どうやら互いに待ち合わせ相手というわけではなさそうですが」
男の語る事情を聞くに、やはりこの男はビスコが待ちわびていた商人とは異なるようだ。境遇は似ているが。
……似ていて異なる、ということは新たなるパイプになる可能性もあるわけで。
「ハイブラゼールくんだりから王都まで人探しにございますか、ご足労様です。
ビスコはここ王都の商家であるフィナ家の従者にございます。
もしかすれば、貴方様のお持ちになられている商材、我が主人が興味を持たれる可能性もあるかもしれません。
時間が許すのでしたら、少しお話をお伺いできれば幸いです」
堅苦しいセリフをスラスラと読み上げるように発しながら、ビスコは相手の方に向き直り、手の甲の焼印を見せつける。
「……おや。貴方様の吸っていらっしゃる煙管、葉を焼くものとは異なる仕組みのように見受けられます。
この国でそのような煙管を見たことはありません。いずこかの外国の産物にございましょうか」
そして、彼が吸っているパイプの特異性を目ざとく察すると、それについても問うてみる。
やや興味をそそられたように口調に少し抑揚が現れるが、それでも表情は冷ややかなままだ。
■ヘイグイ > 煙草を吸いながら、彼女が見せる焼き印に目を細める。その内商売をするかもしれない所は覚えておく。
「最近は他の仕事が忙しいから小口の仕事は一つの船に複数でまとめてるからね…それでも結構な量だったから」
シェンヤンだと複数の貴族や官人が肩入れしている商店が複数男を頼ってくるのだが
王国にはそういう者がまだ少ない。
「フィナ家ね…取り扱いは主に帝国の物品?…」
「宙ぶらりんになってるこっちの商材は香料、煙草、海洋性の宝飾品…あと薬だけど」
「それでもいいなら運んで品定めしてもらうけども」
パイプについて聞かれると、ふと口から離して全体が見えるようにしてみる。
「一応帝国の物だね、外れの地方にある古い物だけど…焚いた練炭が香油を熱して…その蒸気を吸う物だよ」
吐き出される煙、これは正確には煙ではなく甘い花の芳香を含んだ蒸気であった。
■ビスコ > 「むむ、やはり、シェンヤンの交易を取り扱われる方にございましたか。
いま我が家は既存の販路だけでは成果を上げられず、さらなる販路とコネクションの拡大を当座の指針としております。
フィナ家が取り扱う商材も貴方様の言われたような品々ですが、種類が被らなければ主人は喜んで売買に望むでしょう。
手を結べればきっと互いの家のためになりましょう。つきましてはお名前だけでもお伺いできればと」
ヘイグイの述べる商材をビスコの核にしっかりと記録し、後々主人に伝えるために人工の体に焼き付ける。
そして、しとやかに首を傾げながら膝を曲げ、ニコリと笑みを作って見せる。いわゆる営業スマイルというやつだ。
恭順さを見せる仕草を取り終えた後はまた直立姿勢と仏頂面に逆戻り。厚底靴を合わせてようやくヘイグイと並ぶ背丈だ。
「その煙管は帝国のものだったのですか。初めて見ました。
フィナ家は帝国と長い付き合いがあり、ビスコもしばらくシェンヤンに身を置いていたのですが。
辺境の産物とあれば見かけないのも致し方ないです。しかし面白い仕組みです。香油を蒸すというのも斬新です。
この国の民衆はともかく、我がご主人様はこのような珍しい嗜好品に目がないのです。
もし、もしよろしければ少し手にとって観察してもよろしいでしょうか。在庫があれば数点購入して持ち帰りも……」
飲食をほぼ必要としないビスコだが、香りを嗅ぐ機能は備わっている。
ヘイグイの口から吐かれる香油の蒸気の匂いには心地よさを覚え、つい距離を狭めてしまう。
薄手の下着に裸エプロンという娼婦然とした装いだが、ビスコはその容姿を恥じる様子はない。
そして、許可を得る前にそっと手を伸ばし、煙管へと手を触れて硬さなどを確かめようとしてしまうが……。
「……あっ」
ビスコの細い指が、パイプの底、練炭が焚かれている皿の付近に直接触れてしまう。
するとまるで氷が解けるように、指の腹がドロリと溶解して凹んだ。流体化した組織が糸を引いて垂れ下がる。
■ヘイグイ > 「まぁま…俺は家とかじゃないが…個人で…ぅん、色々と」
「今回のは元々俺の品でもないし…来ないっていうなら大本で処理する約束にはなってるしね…」
「今回あるのはそっちが望んで取り寄せた物じゃないし、言い値で譲るよ…ココから先欲しいものがあれば」
「…………まぁ、そっちの待遇次第で望むのを紹介する。待遇がどういう意味であっても」
こんな2国間、そして目の前の彼女の恰好を見て何と無し頷いてみせる。
随分と背の高い女だ、とは思いつつ焼けた練炭の皿に触れる彼女を見て流石に驚く
「おわ、危ないよ…火傷を……ぉやっ?」
とろける彼女の指、人間ではないと思っていたからそれだけでは驚く事はないが
男が意外に思わず目を開いたのは、溶けて粘る彼女の指から香る匂いだった
「何だ?……糖蜜?…人間じゃないとは思ってたけど」
■ビスコ > 熱で指が溶けるのと同時に、カラメルが焦げるような香りがふわりと発せられる。
ヘイグイの吸っていた煙管にも少しばかり糖蜜の成分がついてしまっただろう。
「……なるほど、ここで練炭を焼いているのですね。
はい。貴方様の推察どおり、ビスコは人間ではなく、糖蜜を練り固めて作った人造物にございます。
ですので、このように指が欠けてしまってもビスコは痛くも痒くもありません」
飴の体組織が滴って路地裏の地面にポトリと落ちると、引いていた糸は急速に固まり、蜘蛛の糸めいてたなびく。
地に落ちた飴粒にはさっそく蟻が寄ってきた。大仰な厚底靴も、実は蟻避けのための装備なのだ。
「……しかし、貴方様の扱われていた煙管を汚してしまったことは心痛です。
今後健全に良好な協力関係を築くためにも、何かしらの弁済をさせていただきたく思います。
貴方様がそれを手放してよろしいのでしたら言い値で買いましょう。それ以外にも、ビスコのできる範囲でなら何なりと」
やや悲痛な面持ちを帯び、中腰になりヘイグイを見上げながら宣う。
熱に炙られて変形した右手人差し指を庇う様子もない。
■ヘイグイ > 煙管に付いた糖蜜を見ると、一つ吸い。香油の蒸気を吐き出す。
「少しだけアンタの味がするようになった…」
「多分ゴーレムの一種だろうけど…生きた飴細工なんて初めて見た…フィナ家だっけ?…
昔は結構実力のある家だったんじゃない?」
さっさと帰ろうと思っていた所で、目の前のメイドに凄い興味が引かれる。
「まぁコレも味があって良いから…煙管は気にしなくていいけど………ただ…」
「………アンタを一晩貸して欲しいって主人に頼めないかな?…今雇い主何処にいるの?」
ゴーレムといえば肉か、石、陶器で出来ているのが一般的だが
糖蜜で出来ている【生きた飴細工】に興味が尽きない
■ビスコ > 「ビスコの味………」
男に傅き見上げる姿勢のビスコ。その感想を聞くと、ほんのり目を細めて頬を赤らめる。
人工生命でありながら、性的なニュアンスを伴う言葉には無意識的に興奮を覚えてしまうのだ。
それがセクサロイドとしての性である。
「……ええ。そうですね、『昔は』相当の知名度と実力・財力を伴った名家でした。
今ではその頃の栄光にすがりつつも、名を絶やすまいと奔走することの方が多くなりましたが。
彼がビスコを手に入れたのは一種の偶然ですが、きっとその時こそが絶頂期だったのでしょう」
ヘイグイの言葉に、ビスコもそう遠くない過去の記憶に思いを馳せる。
『ビスコを手放すとしたら、没落寸前、最後の最後での事だ』と言ってくれた今のご主人。
今も彼がそんな気持ちのままかどうかは知らないけれど。そのくらい、切羽詰まっている。
「……ビスコを借りたい、ですか。それはぜひ。ビスコは大賛成です。
ご主人様は屋敷におりますが、貴方様のような方とのコネクションを結べるのでしたら事後でも承諾してくれるでしょう」
ビスコを貸して欲しい、という向こうの要求に、ビスコはうっとりとした笑みを向けて肯定の意思を伝える。
その顔は先程の営業スマイルとは違う、色香と艶を帯びた娼婦の顔。
「それに、貴方様とのお話ももう少し続けたいですから。
未だお名前もお伺いできておりませんし、我が家を救う助け舟に足るかどうか、判断もせねばなりません」
娼婦の雰囲気を醸しつつも、締めるところは締める。今の所はまだ、ヘイグイの商才について裏付けをとれていない段階。
■ヘイグイ > 「ビスコって名前なんだな…俺は黒鬼(ヘイグイ)だ…宜しくね……………………」
彼女の表情…といっても表情、といえるほど動いたかは分からないが、それでも
雰囲気を感じ取るぐらいはできる。気のせいかもしれないが割と今の家に対して
義理固いのであれば、何だかゴーレムらしくないなとしみじみ思って、飴玉である彼女の
その目を見ていた。
「…いいね、俺もそんなのが欲しいよ。」
ちょっと表情が変わる彼女の身体をしっとりと眺めながら
「言っても頼まれ事を重ねててついでに始まった商売だからね…貿易に関しては新参者って言える立場だから」
元々は官人や王国貴族の極秘裏での政治的やり取りがメインであった男は
商いに関しては表向きの顏として作ったもので、規模としてはハリボテみたいなものだと
自分では認知していた為、家を守る為に己を見極めようとする彼女に対して少しバツが悪そうにした
「…え?後からの連絡でもいいの?」
「……………じゃぁ、宜しく………って流石に外じゃないよね?」
■ビスコ > 「ヘイグイ様ですね。以後よろしくお願いいたします。
……交易の世界で新参者といえど、築いたパイプが確かであるなら協力関係を結ぶ利点はあろうというものです。
あくまでもそのパイプが真実であるなら、の話にもなりますが。……あっ、ご主人様から呼び出しがかかりました」
ふと、ビスコの左手に捺された焼印が痛ましい赤色に光る。家の烙印とゴーレムコアの魔力を繋いでの通信術式が起動したのだ。
すっかり暮れてしまった夜空を見上げ、ボソボソと虚空に向かって呟き始める。
「………はい。…………ええ、件の商人は来ませんでした。…………………はい、ビスコも立腹です。
…………………いいえ、それとは別件で興味深い商人様とお会いしましたので、今夜一晩彼とご一緒したいと思います。
……はい、はい。ぜひ吉報をお持ち帰り致しますので、期待していてください………お休みなさいませ」
周囲には通話先の声は聞こえないが、ビスコはフィナ家の主人と会話をしているのだ。
ひとしきり会話を終えると、再びヘイグイの前に傅いて見上げる姿勢に戻る。
「ご主人様からも許可を得ました。翌朝8時まで、ビスコはヘイグイ様に『貸与』されます。
お話相手と褥のお相手、どちらも承ります。食事はできないので会食は難しいです。お金の話も後日ご主人様とお願いします。
……ビスコとしましてはここでお話を続けても構いません。宿を取っても、ヘイグイ様のご邸宅にお誘い頂いても。
ここでお話を続けるなら、地べたに倒すのだけはご遠慮願います。見ての通り飴の体なので、汚れやすいのです」
相変わらずの仏頂面のまま、淡々と言葉を述べる。
■ヘイグイ > 「神通力みたいなもんなのかな………」
そういえば自分の故郷にも貝殻を神通力で繋げて話す術があったなとパイプを吸いながらしみじみ
感じていた。そして帰ってきた答えには、突如現れた飛び込みの商売人を商談としてとはいえ
温かく迎えられたのは有難い事だった。金が絡んでいると打算づくめの様に感じるかもしれないが
商いで生きている者であれば損益で生まれた人間関係も本物の信頼である。
「じゃぁ、俺がこの辺に宿を取ってるから其処に………」
■ビスコ > 「ええ。どこへなりと」
ビスコはヘイグイに付き従い、彼のとっている宿へと向かっていく……。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」からヘイグイさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」からビスコさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にリアさんが現れました。
■リア > (平民地区にある人気の料理店。
常に店内は満員であり、表には長蛇の列が並ぶ様な店であった。
並べば数時間待つのは当たり前であり、そこで働き従業員も苦労していた。
何度も客の注文を聞き、作っては運んで提供。会計までしなければいけないために必死であり、時には不満を漏らす客も多かった。)
「...はーい!ただいま、お持ちします!」
(そんな中、1人の少年がせっせかと働いていた。
その店の従業員服に着替え、小さいながらも持てる皿を持ってはきちんと運び、周りに気をつけながら走っては次の料理を提供する。
魔術により、バレない程度にすり抜け、持ち前の体力を使って、疲れを見せずに懸命に働いていた。
可愛らしい容姿のために、不満を起こさない上に満足さを提供し、かなりの良いペースで客を迎えては見送りを繰り返していた。)
ご案内:「王都マグメール 平民地区」からリアさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にリアさんが現れました。
■リア > (すぐさまその店内ではリアはある意味マスコットの様に扱われ、時折チップを渡されることもあった。)
「え?あ...ありがとうございます!!」
(突然の金貨に驚いて慌ただしく受け取ると、丁寧にぺこりと頭を下げて大事そうにポケットに入れる。
しばらくすれば、注文を落ち着き、少しの休憩を与えられるが。)
「あ、僕は平気です。全然疲れていないので。それよりも...他の方を休憩させてあげてください。
他の人の方が僕よりも疲れてると思うので、よろしくお願いします。」
(ニッコリと口元を笑わせるとそのまま戸惑うも受け入れたようにしたバイトリーダー。
他の従業員を休憩に向かわせ、自分はしっかりとクレームや掃除など、余っている時間を無駄にせずに仕事を続ける。)
■リア > (しばらくすれば長蛇の列も消えていき、いつもよりかなり早く店の中が静かになった。)
「またお越しくださいませ〜♪」
(上機嫌な笑みを浮かべながら最後の客を見送る。
そのあと、ゆっくりと扉を閉じればふぅっと息を1つ吐いて落ち着く。
疲れは無いものの、やはりずっと走りっぱなしは厳しく、休みのない作業も大変だった。
けれども、生活費を稼ぐ分には十分にできたと自分を褒め、最後にテーブルを拭きながら軽い掃除を始める。)
■リア > (しばらくすれば閉店時間がやってくる。
全員が帰る直前までにしっかりと最終確認を済ませて着替える。
平民地区の住民らしい服装に着替えて、今日分の給料を受け取ってはそのまま自分の家へと帰ることにした)
ご案内:「王都マグメール 平民地区」からリアさんが去りました。