2015/11/06 のログ
■オーベ > (小さな畑の直ぐ側で小さく山になった雑草や落ち葉に火を点ける。薄い色の一条の煙が登って行くのを眺めながら、ふう、と一仕事終えた心地良い疲労感に、額の汗を拭った。鼻をスンスンと草木の燃える匂いに気がついたか、伏せていた老犬の閉じていた瞼があがり、ちらりと此方を見るようにしたかと思えば、くわり、と鋭い歯列を見せるように大欠伸をすれば再びそっと瞼が落ちる)………俺も少し、昼寝でもするかな(ぐーっ、と伸びをしつつ火の傍まで簡素な椅子を引っ張ってくれば腰を下ろし、脚を組むようにしてぼんやりとくすぶっているような炎を眺め)
ご案内:「小屋」にレティシアさんが現れました。
■レティシア > (男の直ぐ傍で空間が歪み、ゆらりと姿を現したのはエンパイアドレス姿の女。以前は、遠慮?してか、男が編んだ結界のほつれから入ってきたものだが、最近は結界の中へと直接、空間を渡り、姿を現すようとなったらしい。女は足音も立てずに、火の傍の椅子に腰を下ろす男の背後に近づけば、無言で立ち尽くし)
■オーベ > (草や落ち葉の燃える匂いは嫌いではない。心地よい風が吹けばうつら、うつら、と浅く眠るような状態。突如として空間が歪めば椅子に座った主人より先に老犬が気配を察知したか、目を見開くが彼女の姿を確認し、ただ立ち尽くすだけの姿を確認すれば、こてん、と一度上げかけた頭を落としてまた小さく寝息を立て始める)
■レティシア > (己の目の前で、穏やかな寝息をたてる一匹と一人に、女は呆れた表情を浮かべる。寝息をたてる男の背後へと更に近づけば、身を屈め、スルッと両腕を男の首筋へと絡め) …随分と不用心ではなくって?(相手の耳元で囁きを落とせば、その首筋へと唇を寄せる。小さな音を立てて、口付けてから、ほぉっと吐息を一つ、零した)
■オーベ > (するり、と彼女の腕が首筋に絡めばびく、と肩が揺れ覚醒する。微睡んでいた意識が無理矢理、覚醒してぞわり、と肌が粟立つ)…驚かすな…というか、結界を超えて入ってこなかったな…?(聞き覚えのある声に、緊張した身体が弛緩し、はあ、と短く息を吐いた。これは結界に手を入れなければな、と思いつつ)…しかし、いい教訓になったよ、結界の中に転移してくるとは…(失念していた、零しながら顔をくるり、と彼女の方へと向ければ苦笑を浮かべ)
■レティシア > ……あら、いけなかったかしら?(相手の咎めるような問いに、悪びれた様子も見せずに、しれっと言葉を返した。相手の首筋へ回した両腕はそのまま、相手が顔をこちらへと向ければ、女は小首を傾げて見詰めて) …一度、入ってしまえば、次からは転移できてしまうわ。…他の方達はどうかは知らないけれど…。(苦笑を浮かべる相手に対して、こちらは、にっこりと笑みを向けつつ、スリっと頬を摺り寄せようともして)
■オーベ > 魔族のマナーに関しては全くの無知だが、そうさな、ノックぐらいはして欲しいかな…(悪びれない彼女に困ったような表情を浮かべつつ、見つめ返して伝える。彼女が笑みを浮かべれば、やれやれ、とでも言いたげであったが、頬を擦り寄せられてしまえばそのまま、出かけた言葉を飲み込んでしまうほかなく…僅かばかり肩を竦めるような気配を見せた)…お腹空いてるんだろ…?何か作ろうか…大したものは作れんが…(彼女の使い魔に添えられた手紙の事を思い出す。返事を認めようとする間に、使い魔が飛んでいってしまい、出せずじまいであった事を思い出せばそんな風に聞いてみる。どちらの意味で空腹であるか、とは思ったが彼女の姿を鑑みるに、淫魔として空腹であるようには思わなかった)
■レティシア > ……お前が小屋の外にいた時は、どこをノックすると言うの?それに、そのコはあたしを見ても、何も咎めなかったわ?(相手が浮かべる困ったような表情に、女は菫色の瞳を細め。そのコと、直ぐ傍で寝ている狼犬へと視線を向けて、まるで狼犬には許可を貰っているとでも言うかのような口ぶりで) ……えぇ、お腹が空いてるの……おばかさん…そちらの空腹じゃあなくってよ…(男の心遣いの言葉に、女は可笑しそうにクスクスと笑う。もちろん、女は空腹は淫魔としてのそれ。相変わらず、鈍いわね…と思いつつ、両腕を解き、今度は相手の正面へと佇む。いつもとは逆の身長差、椅子に座る相手を見下ろせば、両の指先を漆黒の髪へと差し入れて、後ろへと流して)
■オーベ > …ノック、と言うのは物の例え。「ほつれ」から入ってきてくれれば俺にだってわかるって話さ…アイツは女に弱いんだ、それに何と言っても口が聞けないから咎めようがないだろ?(ちらり、と自分も老犬に視線を送る。背中が痒かったのか、地面に背中を擦り付けるとまた、横になって眠り始める…まるで此方を気にする風でもなく)レティなら相手は選り取りみどりだろうに…眼が肥えすぎてるんじゃないか…?…その割に俺みたいのを相手にしたりするから理由がわからん…(正面に立つ彼女を見上げる。髪に触れられれば瞼を伏せ、僅かに彼女の腹部の辺りに顔を寄せて…ポツリと、このドレス、良い素材使ってるな、と零し)
■レティシア > …オーべがそう言うなら、今度からそうするわ。…そうね、あたしもお前が、何処かのお嬢さんとお楽しみ中の時に蜂合わせたくないものねぇ…。…あら、女に弱いのは飼い主の方もでしょう?(ふと、他の可能性も見出したらしい女は、業とらしく神妙に頷いた。こちらを見上げる、漆黒の瞳に己の姿を映して満足しつつ) 最近、中々、美味しそうな獲物が捕まえられなくて……あら、お前は判らなくていいのよ………………は?(相手の髪を後ろに流し、その額に口付けた所で男の呟きが聞こえた。……ドレス?この雰囲気で、この男、ドレスの素材に関しての感想?と女は瞳を瞬かせれば、小さく吹き出してから、クスクスと笑いだす。ひとしきり、笑えば、もう雰囲気も何もあったものじゃなくて) …もぉ、オーベ、食欲を無くすような事を言わないで頂戴。…やっぱり、他の獲物でも探しに行こうかしらねぇ……。
■オーベ > どこかのお嬢さんが、こんな森の中にのこのこやってくるとは思わんがそういう事だな…。悲しい事に、世の中を大半の男は女には弱いものだと思うぜ?まあ…稀に例外がいる事もあるが…(彼女の神妙な様子。それが明らかに態とらしく、小さく笑い声を零す、もう少し、あるだろ?と笑いながらそれを指摘する)俺は淫魔ではないから判らないのだが、やっぱり甲乙あるのか………ん?どうした?(は?と彼女の声が聞こえれば、癇に障るような事を言ったろうかと眼を瞬かせる彼女を自分も同じようにして見つめ返す)いや、俺は褒めたつもりなのだが…(どうやら、食欲を失わせてしまったらしい。彼女のドレスから離れて椅子から立ち上がり)…せっかく来たのに帰るのか?もう少し付き合ってくれてもバチは当たらんだろ?(腕を伸ばし、彼女の髪の毛先に触れようとしながら、柔らかな声で頼むよレティシア、と呟くと浮かぶのは僅かに照れたような表情で)
■レティシア > あら、判らないじゃない?こうして、のこのことやってくるお嬢さんがいるのだから。…男は女のスカートの下で我慢してるのねぇ…(自分の事をいけしゃあしゃあと、お嬢さんと自称して、やはりその可能性はあるかもしれないと内心、思う。相手の指摘に、恍けるように、「ん?」と聞き返しもして) …好みは淫魔それぞれじゃないかしらね。質より量の方もいれば、量より質の方もいるし…。(己の好みは告げない。きっと、口にしたら、益々、男が首を傾げるだけだと思うから。ドレスの件、男が誉めたつもりだと聞けば、女は椅子から立ち上がった男を見上げて、軽く睨みつけ) お前が誉めたのは、このドレスだわ…あたしの事じゃなくってよ?(ツンっとそっぽを向いて、踵を変えそうとした所で、男の指先が己の髪へと触れる。相手の引き留めるような言葉、そして、自分の愛称ではない本来の名を呼ばれれば、「もぉ」と怒ったような声をあげるが、トンっと男の胸へと身を任せて) …オーベがそう仰るなら、もう少し、お付き合いしてあげてもよくってよ?
■オーベ > 一般的に、魔術士の張った結界の中に転移してくることは「のこのこ」とは言わないんだよ、知っていたかなお嬢さん?(そもそも、自身を転移させるなんて高位な魔術であるように思える。自分は意識を飛ばすので精一杯である。諭すような口調で告げた。指摘に彼女が恍けてみせれば、なんでもない、と発言を撤回し)そういうもんなのか…だとすると、レティは…いや、止めておこう…聞いた所で多分、俺には理解できないだろうから…(種族が違えど、話せばわかる…という考えの持ち主であるが、例外はある。男と女…この思考の違いは如何ともし難いのは経験上わかっていることである)…着る人あってのドレスだと言っても言い訳になるな、これは…(今更な弁解をするも直ぐ様それを取り下げる。後は彼女の慈悲に縋るしか無い…と、彼女に呼びかければふわ、と彼女の身体が寄せられる。その身体をそっと抱きとめれば、ふ、と安堵の息を零して)…聞き届けてくれて何より。(彼女の髪に触れた指先が、そっとそのまま頬に添えられる。怒りはしないだろうか、と思いながら滑らかな頬をそうっと撫で下ろせば、中でお茶を…と彼女を促し小屋の中へと案内するのだった―――)
ご案内:「小屋」からレティシアさんが去りました。
ご案内:「小屋」からオーベさんが去りました。
ご案内:「第十三機関」にアイリーンさんが現れました。
ご案内:「第十三機関」にヘルガさんが現れました。
■アイリーン > 薄暗さの際立つ研究室。
ぼんやりとした光は、空の培養槽や散らかった机上だけを照らし、
床の上に散乱した見当はずれの資料は概ね裸足で踏みにじった跡がある。
乾燥を怠った長い銀髪の別れた毛先を弄るアイリーンの表情は機嫌のいいものではなく、先程から貧乏揺すりが耐えない。
実験は概ね順調だった。
素体となる強者を見つけ、確保をしたまでは上出来だ。
しかし、部下の話しによれば何でも悪魔の呪いを受けているという。
「ーーチッ。悪魔め、よりによってなんでアイツなんだ」
アイリーンは舌打ちをして悪態をつき、肉感の良い白い脚を組み直す。
魔力の素質も健康的な身体も機械人形の素体としては完璧だった。
それなのに、一つ咬み合わない歯車のせいでその前提は破綻してしまう。
清らかな魂を持つものでなければ予知しない事態を起こすことは十分考えられた。
本人に話を聞き、対処できるか確認するために、研究室まで連れてくるように部下へ命じたが、
数分の遅れにも苛立った様子でひっきりなしに机上を細い指先でコツコツと叩いた。
「ーー最悪始末することも考えないといけないな」
■ヘルガ > 罠であったと気づいたのは後の祭りだ。
自分に災厄と不貞しかもたらさない悪魔は、危機回避の助言などしてくれる筈もなく。
剣を振り振り、疲れ果てたところを捕縛されてしまったという運び。
……司法に捕まって裁かれるなら兎も角、それが良くわからない集団相手、というのがなんとも業腹だったが。
(正当な裁きなど、期待するべくもないという事か……)
嘆息する。数日に渡って身体の隅々まで調べつくされ、睡眠時間は長いのに随分と疲労感が嵩んでいた。
抵抗する気力もないとばかり、着替えを済ませ、緩慢な足取りで所定の場所にたどり着く。
「遅参、申し訳ない。少し着替えに手間取ってしまって、ね……」
ほとんどまともに口を聞いたこともなければ、こうしてガラス越しでもなく直接対面するのも初めての相手に対して。
詫びようとした顔は、僅かばかりに引きつった。目の前の女性があからさまに不機嫌を通り越して怒りを見せていたからである。
手は手錠に繋がれ、身体の前にだらんと垂れている状態。
ぐしゃり、と踏みつけてしまった紙に、思わず心臓求まる心地。
封印魔術によって魔法も剣も奪われているのだから、相手が自分を殺そうと思えばどうにでもできる。
いざとなると、若干の緊張と恐怖、冷や汗が頬を伝った。
「……本日は、何のご用向きかな?……私は未だ、貴女の名前も知らないのだが」
極めて騎士然と、紳士然としながら、恐る恐る尋ねた。
■アイリーン > 「……ようやく来たか。確か……」
「ーーああ、そうだ。ヘルガだったな。私は此処の所長のアイリーンだ」
彼女が踏みつけた資料には目もくれず、寝不足の金色の瞳がじろりと彼女を見遣った。
疲弊した様相を見れば、裸足の足を立ち上がらせてぺたぺたと石で固めた床を跋扈して目の前に立つ。
じろじろとその身体つきを観察する瞳はまるで値踏みをしているかのようで、
短い溜息をつけば白衣の中からじゃらりと鍵束とを取り出して、繋がれた彼女の手錠を外した。
「健康面に問題はないな。ーー何、話しというのは悪い話でもない。立ち話も何だ、こっちへ来い」
「それと、資料のことは気にするな。読んだものは全部頭の中に入ってる。それに散らかってるのは大抵失敗作だよ。気にするな」
外した手錠を白衣に仕舞い、踵を返せば先ほど自分が座っていた場所へと戻っていく。
言葉の通り、散らかった資料に価値はないのか、アイリーン自身も裸足で踏みつける。
別段武器になるものもなく、魔力を封じてしまっているのだから、相手も早々反旗を翻すことはないとアイリーンは踏んでいた。
未だ温もりの残った椅子を明け渡し、デスクの資料を軒並み床にバサバサと落とせば、その上にふてぶてしく座り冷たく見下ろした。
騎士然としたその態度からも、至って素体には申し分ない。
悪魔憑きという訳有りを除けば、今すぐにでも作業に取り掛かってしまいたいという焦燥を抑え、気怠げな言葉が有無を言わせない様に続いた。
「率直に言おう。貴様の呪いについての詳細を聞きたい」
「程度によるならば此方で治してやる」
■ヘルガ > 普段の旅装とは違い、女性用のロングドレス――
白い無地のボタン留ではあるが、入院着としては野暮ったくなく、旅慣れの数年を忘れるように力が抜ける格好だった。
そこに浮かび上がる女性的な体つき。健康的な発育と、筋肉質な四肢。
カジュアルなものではなくても、きちんと身を清められた今となっては、まるで洗われた犬猫のような有様。
それをじろりと睨まれるなら、まるで不機嫌な大山猫にでも凄まれたような心地。
装いを変えると、不思議と落ち着かない。これも、相手方の手腕なのかどうか。
「無作法は詫びよう。と言うと、皮肉になってしまうのかな」
「私としてはここから釈放してくれるという話が、一番"良い話"であるのだけれど……」
手錠を外され、まずは拳の開閉。肩を回して動きにも問題ないことを確認する。
髪の毛を背中に流しつつ、その後姿に続く。許可は得ても、意識すればこわごわと散らばる資料をよけながら。
椅子に座り、落ち着かずに座り直す。
捕縛と拉致監禁を成した相手に少々場違いな謝罪を、自嘲気味に笑いながら落とすと、
改まった彼女の話に顔と意識を向けた。その顔がすぐに色を変える。
「なっ、本当に……っ!?」
目を丸くして、思わず椅子を蹴るように立ち上がり。
…そして、はやる気持ちを抑えながら、失礼、と一言断って、座り直すと。
「……私の故国、西方の小国なのだが。そこに眠っていた魔法書の悪魔と契約した」
「人間一人を助けるために、私の人生を明け渡した、ということになる……」
「……その、そのせいで。時々、私が私ではなくなるというか、あらぬことをしてしまう、こともある――のだが」
次第に言葉に歯切れが悪くなる。
すべてが自業自得であるからだ。悪魔の所業も、そもそもの契約も。
■アイリーン > 「魔法書の悪魔か…。つまりお前自身悪魔に魂を売ったという話になるわけだ」
「チッ…。そうなると少々厄介だな」
肩こりの原因とも言える重たげに発育した大きな膨らみを持ち上げるようにして、アイリーンは腕を組む。
相手の呪いの症状までは感知していないのか、
黒いブラウスからはち切れそうなほどに強調された整った形が白衣からはみ出し、魅せつけた様。
それを見せつけるわけでもないが、ここ数日軟禁状態にあった彼女からすれば度が過ぎるものかもしれない。
アイリーンは彼女の言葉を聞いて暫し頭を抱えるように険しい顔を浮かべる。
「基本、他者からかけられた呪いであるならば解呪は可能だ」
「ーーが、自分の意志が働いてくるとなると難しい。大基を絶つ必要があるか、或いは」
そこまでいってアイリーンは机から身体を退かせば、歯切れの悪くなる彼女の顎を、ささくれた白い指がくいっとこちらへ上げさせた。
寝不足を示すクマを抱えた気怠げな金色の瞳がじっとドレス姿のヘルガを見下ろす。
そこにはどこか狂気すら覚えるほどの爛々とした色を孕んでいて。
「ーー貴様自身の魂を肉体から引き剥がしてしまうか、だ」
「と、いきなり言われても返答に困るだろう。何、私の知り合いに魔術のエキスパートが居る」
「性格に少々難はあるが、そいつを訪ねてみると良い。条件付きだがな」
そういって顎から細指を離せば、乱れた髪をがしがしと描いて、デスクの引き出しを開ける。
条件付きというのは、その悪魔がなしたことと同じ契約だ。
外へ放つ代わりに一度此方へ帰属ささせる呪いをかけること。
そのための契約書を支度した。
無防備なまでに強調された、抱き心地の良さそうな臀部を向け、
その意思はなくとも、仕草はまるでヘルガを魅了しているかのようだった。