2023/08/27 のログ
■コルボ > 喧噪に紛れて、あらくれ達は余興に耽って―
ご案内:「王都マグメール 冒険者ギルド」からコルボさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2/冒険者ギルド」にメリッサさんが現れました。
■メリッサ > (休日の昼過ぎ。
広い王都を散策するついでに訪れたのは冒険者という者たちが集まる組合。
青く長い髪を揺らし、念の為腰には二本の愛用の武器を下げながら、中へと入る。
この時間はあまり人がいないのだろうか、予想よりも人は疎らで職員たちも昼食を取りに行っているのか、
人数は必要最低限と言った雰囲気だ。
他にも王都には冒険者ギルドと銘打つところは多くあるようなので、その中の一つとしては平穏な雰囲気。
メリッサがここを訪れた理由は、単純に見学だった。
冒険者になりたいわけでもなければ、依頼をしに来たわけでもなく。
ただ王都で知り合った知人から、魔物討伐の素材で収入を得ようとすれば登録したほうがいいと言われたので、
では実際どういう事をしている組織なのかと情報収集にきたとも言える。)
「……この掲示板で依頼を探すのか」
(カウンターと、併設する酒場のような施設と、そして大きくドンとある掲示板。
そこには多種多様な依頼が内容や報酬なども記載されて掲示されている。
都市内の雑用や捜索から、魔物討伐、薬草採取、素材収集、調査護衛、都市間移動護衛など多岐に渡るらしい。
便利屋みたいなものだろうか?と首を傾げながら、腕を組んで依頼内容を一つずつ眺めていた。)
ご案内:「王都マグメール 平民地区2/冒険者ギルド」にセリアスさんが現れました。
■セリアス > 昼下がりの冒険者ギルド。
朝一の依頼が張り出され、冒険者たちがこぞってそれらを取り合う時間も過ぎ、
前日に受けた依頼の報告なども一旦落ち着いて、職員たちも少し落ち着いた時間をすごす頃。
セリアスが依頼を出したり、すでに依頼した内容を確認しにきたりするのもこの時間帯。
自身の商会でも一応、直接冒険者を雇うようなこともあるが、急を要しない内容などはギルドに任せることも多い。
その日は常時依頼を出している薬草類の収集についての進捗を確認に着たところ。
かたんと扉を開き、中に入れば顔なじみの職員が会釈を向けてくるのにこちらも返して。
「……ぉや。メリッサ嬢、早速登録されたので?」
疎らな人影の中、掲示板を眺める女性の姿。
その後頭部で揺れる括られた髪に見覚えがあれば声をかけて。
掲示板の傍まで歩いて近づけば、ちらりと依頼を眺めてみる。
いわゆる、割のいい依頼などは全て受注され今あるのは常設の依頼か、あまり美味しくない依頼か、午後から張り出された依頼。
面白そうなものは無いですねぇ、等と。
愉快さで依頼を選ぶ冒険者などそうそう居ないだろうに、蚊帳の外からの意見を零す。
■メリッサ > 「……! ストリングス卿」
(しばらくの間掲示板の依頼を眺めていたところで声を掛けられて振り返る。
そこにいたのは見知った相手。メリッサにギルドの登録を勧めてくれた張本人だった。
二度の邂逅を果たせばそれなりに気心も知れた相手。特に強い警戒を抱く様子もなく、組んでいた腕を降ろす。
しかしストリングス商会の長である彼がここにいる理由に不思議そうに首を傾げて。
依頼物を眺めるその横顔をさほど身長差のない隣から軽く見上げる程度。)
「いえ、登録はまだです。
どんなものがあるのかと、依頼を眺めていました。
ご存じの通り、私はさる御方の従者ですので、短期間であろうと王都を離れるものは請けられません。
それに屋敷のこともありますから、半日程度で済むものでも私には厳しいですね…」
(短期間でも一日で済むものもあれば、数日要するものもある。
一つの依頼に割ける時間は、冒険者業を本職にする彼らとは比べるまでもなく少ない。
そんな中で請けられる依頼は多くないと、改めて依頼の中身を見て感じていたのだと告げる。)
■セリアス > 「セリアスで結構ですのに」
結われた髪をふわりと揺らしながら振り返る相手。
魔族の国では貴族位も持っていても、こちらでは一介の商人に過ぎない。
最初の市場での初顔合わせのときと比べれば格段に落ち着いた様子でこちらへ向けられる紅眼に、
へらりといつもの緩んだ笑みを返しながら。
「そぅでしたか。今の時間帯は危急を要するような依頼や、
張り出されたての条件の良い依頼は請け負われてしまっているでしょうから。
ここにあるのは常時需要があるものや、日時に余裕があるモノ。
ある意味メリッサ嬢の都合のよいように請けられる依頼ではあるんですが――……」
彼女が自由にできる時間がどのくらいあるかは分からないが、当然、彼女のほうの都合に合わせた依頼ではない。
王都の近くで済ませられるものは、逆に時間当たりの実入りは少ない。
彼女の能力とも釣り合わないだろうし、彼女と主殿の生活を賄えるものでもないだろう。
「ご主君と一緒に依頼を受けられるなどは?」
彼女の主がどういう人物で、何をしているかはあまり聞いていなかったと思い立ち。
仕える相手の都合で受けられないなら、その相手も巻き込めないかとも提案をしてみる。
■メリッサ > 「……、……────セリアス、殿」
(出会った時はまだ彼の事を知らないことと、異性との距離感が掴めなかったこともあり家名の方で呼んでいたが。
名前でよいと、変わらず伝えられれば少し思案し、悩み、思いのほか小さな声になったけれど、名前を紡ぐ。
色々と便宜を図ってくれようとしているのは伝わるので、それならば、いつまでも他人行儀なのも失礼かと。
しかしこれで良いのかどうかもイマイチよく分かっていないと言う顔だった。)
「冒険者の朝は早いと聞きます。良い依頼を取り合うこともあるとか。
まぁ、稼ぎは多い程良い物ですから、当然でしょうか。
……そうですね、数時間程度の拘束であれば、なんとかこなせそうなものはいくつかありますが。
数時間程度で済むものなので、その分報酬のほうも聊か、という感覚ですね」
(働くこと自体嫌いではないが、上手く時間をやりくりしなければ回らないものだ。
必然王都周辺のものになるが、駆け出しの冒険者でメリッサより時間がある者はいくらでもいる。
主君の通う学院とて、冒険者を兼業する学生もいるとか。となれば、報酬も雀の涙のようにメリッサは感じられた。)
「主君を連れ回すなど言語道断です」
(きっぱりと言い切る。
主君が自ら兼業してみようかと動くならまだしも、自分の都合に合わせて貰うなどあり得ないことだ。
貴族として、夜会や交流などは主君の外見的年齢から控えてはいるけれど、
いずれは主君の護衛として、傍仕えとして、行動を共にすることはあるので、益々時間は限られる。
────とは言え、好奇心からついてくることもあるかもしれないのがメリッサの主君。
その時はその時だ、主君の意向に従うのみと、従者であるメリッサに主君の行動をどうこうする意思はない。)
■セリアス > 名を呼ばれれば、ハイ、と。
魔族の国に居た頃の彼女の扱われ方、この国に着いてまだ期間も短い様子。
それらからあまり対人関係においての距離感に慣れていないのだろうなとも思い。
彼女の呼び方が問題ないとの意を込めて、わざとらしく返事を返し、にこりと笑みを深めて見せた。
「口さがない者は危険を冒さないと稼げない日陰者……などと呼びますしねぇ。
一部の者を除けば、そうそう余裕があるわけでもないでしょうから」
稼げる依頼や割の良い依頼は即時に早い者勝ちで消えていく。
そして稼いだ金も比較的荒い使い方をするのが冒険者という者たちで。
そういった金に敏感な者が受けていない、あるいは常に掲示されている依頼は、
それしか受けられない者や内容的にも美味しくない依頼ばかりで。
メリッサの視線から、そういう依頼は彼女にとっても当然、進んで請けたくはないのだろうと。
「ああ、ええ、そぅですか……となると、魔物の素材の買い取りくらいですか」
主を連れまわせ、とは言っていないのだけれど。
この真面目な従者は、最初から主と共に働いたり、とかではなく、全て彼女が自身で支える前提なのだろう。
それはそれで本来の主従とも逆なのでは、と男は思うも、わざわざ口には出さない。
代わりに当たり障りなく提案するのは、適当に狩った魔物なりの素材を持ち込むこと。
依頼として張り出されたものでなければ多少買い叩かれるが、時間の融通は利く。
ただ、それだと先日商会で話してもいたが、セリアスの店でも買取はしているので、
ギルドに登録して、という意味は冒険者としての実績部分くらいにはなってしまうが。
■メリッサ > (向けられる当たり障りのない笑顔を見ながらなんとなく、彼という人物像が見えた気がした。
名前についてはさておき、そんな風に呼ばれることもあるのかと不思議そうな表情をする。
魔物という外敵が当たり前に存在し、金品に変わる希少な品が沈んでいる遺跡がある以上、
危険を冒すことで稼ぎにする者がいても不思議ではない。
魔族や他国と戦争している昨今で、そんな風に宣う者もいるのか、とメリッサにすればそちらの方が世間知らずだなという感想だ。)
「どんな形であれ力はつけておくに越したことはないと思いますが。
誰もが危険を遠ざけていては皆共倒れになるだけです。
とは言え、そんな風に言われるなら冒険者も十把一絡げに実直で誠実な者ばかりではないということですね」
(冒険者がそんな風に言われるという事は、少なからず冒険者とそう言った者たちとの間で摩擦が起きてる証だ。
そんな風に感想を零しながらも、ギルド同士の繋がりや有名な冒険者などもいるのだろうか。
表には出ないような暗黙の了解のようなものもありそうだし。面倒そうだなと思い始めている。
主君に対する行動指針についての認識の違いは事細かに擦り合わせるような気もない。
要するにヴァハフント家の家訓。今は亡き一族が何十代にも重ねて積み上げてきた価値観で動いているだけ。
そんな風に真剣な表情で顎に手を当て考えていれば、買い取りの件になり。)
「そうですね……討伐依頼が出ているもののついでに、というのであれば、報奨金は出るようですが。
魔物の肉も加工次第で食べられるものもありますし、食材集めとしても悪くはないと思っています。
討伐専門の冒険者もいるんでしょうか?」
(別段冒険者になって知名度を上げたり実績を積んで優遇されたいわけでもない。
片手間に倒せる魔物を倒し、素材を回収して多少の売り上げとなれば十分と言った様子。
冒険者の中にもそういう者はいるのだろうかと首を傾げたり。)
■セリアス > 冒険者と聞き、華々しく強固な魔物を討伐したり。
遺跡で未発見区域を踏破して富と名声を築き上げたり、と。
そういった者はほんのごく一部の上澄みだけ。
ほとんどは破落戸よろしく日銭を稼いで酒と女に溺れるものばかり。
そういった者相手に商売をしていても、当然中には無体な振る舞いをする者も居る。
むしろこの国においては多い方だろう。
「あ――……脅威への備えは、軍や騎士団もありますしねぇ。公設私設問わず。
それに類するところに所属せず、あるいはできず。
好き勝手気ままに動く者というのが大半ですよ。
メリッサ嬢のいう所も正しいのですけれど、国によっての違いもありますし、ね」
冒険者の中にも、勿論清廉なものもいる。けれど、この国では本当に一部のものだけだろう。
そもそもの治安自体も表向きは整っていれど、一本道を外れたならそれも保証はない。
それにここは個人の実力が勢力指標に大きく影響する魔族の国でなく、人間の国。
戦争を他人事と思って暮らす者も少なくはないのだと、暗に違いがあると伝えながら。
「討伐専門の者もいますねぇ。討伐しかしたくないのか、できないのかはあるでしょうが。
……あまりここで大っぴらに言うと角が立ちますが」
ウチと取引します? と。そっと耳元に顔を寄せ、耳打ちするのは、
流石にギルド職員の目の前で新しい駆け出し冒険者候補を堂々と横から攫うような言動は憚られたからか。
冒険者になること自体があまり彼女の求める継続的な金策として適してなさそうであれば、
薦めたのは自分であるがゆえに、多少の責を感じる部分もあって、彼女に改めて提示してみる。
■メリッサ > 「その軍や騎士も……、いえ、ここで言うのはやめておきましょう」
(この国は今、国の頂点たる王が不在の状況だと言う。
私腹を肥やす貴族たちや悪辣に手を染め怠惰と腐敗が拡がっていっているのだと、
この国に来たばかりの時に、爵位や屋敷を用意してくれた魔族から聞いた話。
軍や騎士団といった公的組織も上層の方が清濁入り混じって正常な状態とは言い難いと。
冒険者に関してもまさしく賊や破落戸と変わらないレベルの者が混じっているなら、
ますますその手の組織に属するのは気が引ける。
人間の国、その人間は実際魔族より多くいると言うが、纏める者がいないからこそこの状態ということかと納得した表情だった。)
「……、ここで詳しく話すのは、流石に。
ですが、前向きに検討させてください」
(耳元へ顔を寄せてきて声を潜めたことから、確かに堂々と話す内容ではないかと。
しかし買い取りをストリングス商会が請け負ってくれるのであれば、メリッサとしてもありがたい話だ。
くるりと掲示板から踵を返して、時刻を確認する。
まだ少し余裕があるとは言え、詳細を詰めるには少し足りないというところ。)
「またお店のほうに伺います。その時に、お話させていただければと」
(そう伝えれば、この場にはもう用事はないということで表へと向かうだろう。
彼もまた用事を終えているなら途中まで帰路を共にするだろうし、そうではないのならばここでお別れだ。
近いうちにまたお店のほうで話を聞かせて貰う事にして、特に何もなければメリッサはギルドを後にするだろう。)
■セリアス > その、という切り出し方から、軍や騎士団の腐敗具合も彼女はいくらか聞き及んでいるのだろう。
王の不在が原因か、それとも元々そういう土壌であったのか。
表向きの平穏の裏にはいくらでも仄暗い話は転がっている。
冒険者たちに至るなら猶更で、彼女は良くも悪くも目立つだろうから、
隙間時間に受けて終わらせられる依頼だけで良かったり、ギルドと懇意にする意図が無いのなら、
無用なトラブルを避ける意味でもギルドに所属するよりはセリアスの店なり、
他のところへの紹介なりのほうが動きやすそうに思えた。
「ええ、ええ。歓迎いたしますとも」
耳打ちする距離からまた少し身を引いて相槌を返し笑みを浮かべる。
彼女が時間を気にするようにしていれば、それこそ自由に出来る時間も残り少ないのだろうと。
それでは、と、一言残し、胸に手を当て丁寧に一礼し。
歩いて行くのはギルドの受付のほう。
元々、依頼の進捗具合を確認にきていたのだったと。
危うく彼女との不意の邂逅に満足して同道しそうだったが、流石にそこは自重した。
後は受付と離し、ギルドを後にする彼女の結い上げられた蒼髪が揺れるのを視界の端で見送って。
次の店への来訪の機会には彼女のどんなところが知れるかと口端引き上げながら、
ギルド職員の案内で応接室のほうへと通されてゆき――……。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2/冒険者ギルド」からメリッサさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2/冒険者ギルド」からセリアスさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区/酒場」にミケリアさんが現れました。
■ミケリア > 平民地区の一角にある小さな酒場。
席数の少ない穴場的な酒場のカウンターで、緑髪の自称エルフがグラスを傾けていた。
「ああ……やっぱり暑い日はこの一杯に限りますね。うふふ」
頬をほんのりと種に染め、心地良さそうに息をつく。
今日は熱気のせいか体調を崩して施療院を訪れる者が多く、夕方近くまで大忙しであった。
その疲れを癒すように冷たく甘いカクテルをもう一杯。
樹木精霊にとって、アルコールは有益とは言い難いけれど。
身体に悪いものほど背徳的に美味なのは、人間も精霊も同じこと。
折角なので、一緒にグラスを傾けてくれる相手でもいれば、なお良いのだけれど。
ご案内:「王都マグメール 平民地区/酒場」からミケリアさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にレイナさんが現れました。
■レイナ > 平民地区にある冒険者ギルドに併設された酒場。
冒険者やそれ以外の客で込み合う酒場のカウンターで静かにカップを口に運ぶ。
カップの中身は本当に度数の低いアルコールであり、それをちびちびと舐めるように飲んで。
「ふぅ、美味しい。今日は良い依頼にありつけて良かったです」
カップから口を離して小さく息を吐き。
今日は急に受けた依頼ではあったが当たりだったので報酬もよく。
お陰で豪遊ではないが美味しいお酒をありつけ。
「……一緒に?いえ、結構です」
そうしてお酒を楽しんでいれば酔っ払った客に声をかけられるがそれはそれにし。
その客が去ればお代わりをどうするかを悩んではカップを眺め。
折角なのでもう一杯を頼めば静かに口をつけてお酒を楽しんで。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」からレイナさんが去りました。