2017/11/20 のログ
ご案内:「奴隷市場都市バフート 某奴隷置き場(過激描写注意)」にチュチュさんが現れました。
チュチュ > その部屋には、窓もなかった。檻こそ付いていないが、その扉は重厚であり、外から錠が掛けられていた。

「……、……」

壁も天井も床も、石畳の其処。黴と埃の匂いが立ち込めており、環境は劣悪だった。
そんな部屋―――決して寛げる場所ではないが―――の中央で、少女はぺたんと座り込んでいた。怯えている様子も、戸惑う様子もなく。
少女はふらりとこの奴隷都市に現れ、とある女性に声を掛けられた。物腰の柔らかな女性は少女の頭を撫で、優しい言葉を向け誘い込み、この場に引き渡した。
弱者は強者に虐げられるのが必然であるこの場所において、何ら抗う術を持たぬ少女が囚われるのも、また必然。

それでも、自分の状況を理解していないのだろうか、少女は助けを求めるでもなく、ただただぼんやりと前を見つめていた。

チュチュ > ガタ、ガタガタ、と壁越しに音が鳴る。声は聞こえないが、恐らくこの場に囚われた他の者が連れて行かれるか、若しくは調教を始められたのだろう。
その音が届いているのかそうでないのか―――恐らくは届いているだろうに、少女は其方に顔を向けることもない。
普通の少女なら、普通の者ならば、次は自分だと恐怖心を増すだろう。

「気持ち……いい……?」

少女は何処と向けるでもなしに、そう小さく呟くだけだった。

チュチュ > カツン、カツン、カツン―――ほんの微か、石壁の向こうから足音が漏れ聞こえた。
それは少女のいる部屋の扉の前で止まり……ギギ、ギィィ、と重く軋んだ音と共に、扉が開かれた。

チュチュ > 再び扉は閉じられ―――

その後少女は一時姿を消す。けれど数か月後
街の片隅にはまた少女の姿があった。

奴隷として売られたはずなのに―――しかし間違いなく
その姿はあの日消えた少女であった。

ご案内:「奴隷市場都市バフート 某奴隷置き場(過激描写注意)」からチュチュさんが去りました。
ご案内:「無名遺跡(過激描写注意)」にトルルさんが現れました。
トルル > 光差さぬ古代の遺構。床や壁は綺麗に切られた石ブロックで補強されているが、あちこちに風化の跡も見える。
一歩足を進めるごとに薄く積もったホコリが舞い上がり、砂とカビの匂いが嗅覚を刺激する。
手に持ったランタンで闇を裂きながら、少女はひとり、奥へ奥へと歩いている。
その装いは、薄手のワンピース1枚に布製のハーフブーツ。防具と呼べる類の装身具は一切帯びていない。
腰には短剣を1つ下げているが、ダガーよりもやや長い程度の刀身で作りは薄く、とてもたよりない。
あきらかに、冒険者とは呼び難い軽装だ。街中から直接ここに迷い込んだといってもおかしくない。

「……んー、やっぱり誰か、最近ここを通ってるのかなー。いつごろだろー?」

少女は独り言を紡ぐ。甲高いソプラノボイスが遺構にこだまし、わんわんと鳴り響く。
トルルは数十メートル進むごとに立ち止まり、ランタンを下げて床を観察していた。
彼女の目指す先に向けて、複数の足跡。長い年月をかけて積もったホコリにくっきりと刻まれている。
……しかも、今この場に刻まれている足跡は今までと明らかにおかしい。
方向が入り乱れ、踏み込みの強弱もまばら。おそらくここで、足跡の主たちが狼狽する何かがあったのだろう。

「……なにがあったんだろうなー? モンスターに襲われたかなー?」

トルルは再びランタンを掲げ歩み出す。
モンスターがいる可能性を口に出しながら、しかし、トルルの様子には警戒や怯えの色はまったく見えない。

トルル > 「………!」

やがて、ランタンの光が照らす視線の先に、大きな異物が床に横たわっているさまが照らし出される。
近づいて見れば、それは床に寝そべる人間の姿。男だ。造りのいい革鎧を纏っているが、乱暴に切り裂かれた跡も見える。
傷跡の周囲にはおびただしい量の血糊がついているが、完全に乾ききっている。
さらに向こうへと光を向けてみれば、床にも血の跡が伸びているが、やはり同様に乾き、黒ずんでいる。
……死んでいる。
おそらくそう遠くない向こうで戦闘があり、この男は瀕死状態のまま逃げ出し、入り口までたどり着くことなく横死したのだ。

「………あーあ、やっぱり、先客がいたんだね」

死体を検分し終えると、トルルは床にランタンを置き、その死体を見下ろしながら、フン……と鼻息を鳴らした。

ご案内:「無名遺跡(過激描写注意)」にレナーテさんが現れました。
トルル > こういった冒険の地において人間の死体に遭遇した時、冒険者と呼ばれる人々のとる反応はさまざま。
冥福を祈り、己の信ずる存在に向けて祈祷をささげる者。
念入りに死体を検分し、周辺に存在する危険を炙り出そうとする者。
彼の身元が分かる物品(あるいは高価そうな物品)を見つけ出そうと死体の装飾をあさり、辱める者。
アンデッドとなって襲いかかられる危険を案じ、念入りに焼き払う者。
……では、トルルはどうか。

「……うん、やっぱり死んじゃってるね。じゃあ遠慮なく、いただくね……♪」

再び男の死体の喉元に触れ、脈がないことを確認すると、少女は甘く艶の乗った声で、歌うように呟いた。
そしておもむろにワンピースの裾をつまみ、たくし上げる。
死体を跨げば、床に置いたランタンの光に、下着も纏わず産毛すら生えていない白い恥丘が照らし出される。
トルルはそのまましゃがみ込み、男の死体の頭部へと跨る体勢で覆いかぶさってしまった。

「……ん、ふ…♥ あぁ……冷たい……冷たくて固い……ほんとに死んじゃってる……かわいそう……♥」

かわいそうという言葉とは裏腹に、快感と色情で上ずった嬌声が彼女の細い喉から漏れる。
死後硬直しきった肉体に己の性器と尻を押し付け、なまめかしく腰を揺すれば、クチクチと粘っこい音が放たれ始める。
トルルの腰の動きは徐々に速度を増し、上半身までも狂ったようにゆすり、熱が入っていく。

死体を用いた自慰。あまりにも冒涜的な行動といえよう。
だがトルルの場合、これは単に快感を貪るだけの行為ではなかった。

レナーテ > 遺跡の奥側から、腰のベルトにランタンを吊るしながらやってくると、暗がりの角を曲がる。
普段纏っている深緑と白が主体となった可愛らしい戦闘衣も、所々に焦げ跡やら、血の跡やらがこびりつく。
丸メガネの向こうの金色が苦しげに半閉ざしになり、肩で息をしながらゆらゆらと歩き続ける。

(「ちょっと……無茶しすぎました」)

ダンジョンから帰らないギルドのメンバーを探してほしいと、飛び込みの依頼を受けたのがすべての要因だった。
すぐに出れる人員は新米が多く、この危険地域に放り込むにも難しく、ましてや援護に連れていけば、余計に危険となる。
故に一人で挑んだものの、凶悪な魔物と一線交え、唯一逃げ出した生存者を探し、歩いているところだった。

「……?」

遠くにぼんやりと見える明かり、なんだろうかと軽く首をかしげるも、近づくほどに妙な声が聞こえた。
情事のような響き、そして自分と同じぐらいの背丈の少女。
しっかりと見えるぐらいまで近づいていけば、死姦ともいえるまぐわいに気づき、さっと顔色が青ざめる。

「何を……してるんですか?」

声は淡々と落ち着いたものだが、金色の瞳孔が震えていた。
狂人ともみえる少女へ問いかけつつ、それでも手にしていた魔法銃の銃口は向けない。
ストレートダウン、銃口を真下に向けた待機の構えのまま彼女へ問いかけるも、5m程離れたところから近づこうとはしない。
驚きに交じる淡い不気味さかから来る畏怖に、吐き出す吐息が震えていく。

トルル > 「あ♥ う、ぁ……♥ ん、やっぱり、いいっ♥ 筋ばった男のひとの身体っ、硬くなってて、っあ♥」

先程まで静寂に包まれていた遺跡の通路に、甘く若々しい喘ぎ声が響き渡る。
トルルは白い肌の全身に紅を浮かべ、口の端からはだらしなく涎を垂らし、狂ったように自慰にふけっていた。
……奥側から現れるあらたな人影にも気付かない。声をかけられるまでは。

「………あっ、あ♥ 生きてる人間さんだぁ! 生きてるひともいたんだねっ!」

狂人の首がぐるりとまわり、呼びかける声の主の方に視線を向ける。唾液が散ってキラキラと舞う。
不自然なほどに鮮やかな桃色の虹彩が、その女性の姿を上から下まで舐めるように観察する。
銃と呼ばれる武器を手にしており、こちらを警戒していることは明らかだが、しかし狂人の側は警戒心を見せない。
首と視線はレナーテの方を向いているのだが、自慰を止める様子がない。
腰の動きも、死体を汚す愛液のほとばしりも、耳に痛く響く喘ぎ声も、止まらない。

「何をって……ん、ふっ、う♥ た、食べてるんだよぉ?
 このままこの人、ここに置いといたら、腐っちゃうだけでしょ? だから、ボクが、っふ、食べてるの!」

質問に対し、トルルは喘ぎ声混じりに応える。緊張感の欠片もない、朗らかな声だ。
……そして、常識的には不可解であろう「食べている」という返答を裏付けるような変化が見え始める。
死体にまたがって挟み込む形の、トルルの両脚が、みるみるうちに輪郭を失い溶けていく。
薄桃色の肌がケミカルピンクの半透明のジェルに変化し、死体を包み込むように覆っていく。
上半身は人間態のまま、トルルの脚も股間も、女性器の一筋さえも消失し、ぶよぶよと蠢く肉塊に変貌した。
そして、その半透明のスライムの中で、男の肉体もまた急速に溶けていくさまが見て取れるだろう。
皮膚が溶け、脂肪が溶け、筋繊維が溶け……すべて桃色の粘体に混じり、消えていく。骨が露出し始めた箇所さえもある。

「ん、ふ、ぅ……っ! ま、待っててねっ、この人食べちゃったらそっち行くから……!」

レナーテ > 「っ!?」

首の動きと、普通ではない瞳の色合いがぞわりと鳥肌を立てるほどに不気味さを感じさせる。
言葉がつまり、丸い瞳が更に見開かれて丸くなるほど。
こちらがいつでも銃を向けられる状態にしているというのに、自慰を止めるどころか、加速していくのは、やはり狂気としか見えない。

「食べるって……どうみても、たべ……」

言葉が途切れていくのは、彼女の両足が溶け始めたからだ。
視線をゆっくりと腰元にずらすと、スライム状に代わり、それをアメーバのように動かして死骸を取り込み始める。
人ではない、溶けていく様はホラー映画でも見せられているかの心地で、僅かに手が震えてしまう。
次はお前だというような甘ったるい声に、ひっ と小さな悲鳴が溢れると、脳裏にここには居ない相棒の念話が飛び込み、緩く頭を振る。

「よくわかりません、ユーレック……私の位置、見失わないでください」

強力な火の力を持つマシコの相方も、この狭い空間にはこれない。
自分でどうにかするしかないと思えば、バックステップで距離を取りつつ、銃口に魔法陣を浮かべていった。
真っ赤な閃光が生まれ、正面に向けて引き金を引くと同時に、光が弾けて周囲に赤い球体が3つ浮かび上がる。
黄色く浮かび上がるプリズムの照準を彼女の胸元に合わせ、しっかりと構えると、銃口に再び真っ赤な魔法陣が大きく浮かび上がっていく。

「来ないでください……っ、来たら、撃ちます……。貴方が何であれ、ただでは…すみませんよ」

言葉が通じるなら、警告して下がってくれる可能性もあるだろう。
あまり強そうなイメージはないが、不気味さはある。
じっとりと掌に冷や汗を感じながらも、訓練通りに綺麗な構えで狙いを合わせ、彼女の出方を伺う。

トルル > 「……わぁ! なにそれなにそれ、魔法? 銃って火薬を使って弾出す武器だよね? それ銃から出たのー?」

奥から来た女性が戦闘行動と思しき挙動を取り、銃口を向けても、なおもトルルは平然とそちらを見ている。
赤い光弾や魔法陣が展開されると、トルルは目をまんまるに見開き、レナーテの一挙手一投足に視線を投げかける。

「んー、そっち行っちゃダメ? ざんねんだなぁー、ボク、おねーさんとも遊びたかったんだけど。
 まぁでもこの距離でもお話できるよね? じゃあボク、すぐ食べきっちゃうからもう少し待ってて……」

レナーテの方をにこにこと笑顔混じりに見つめながらも、トルルの腰のくねりは止まらない。
……しかし、粘体に覆われた死体が溶かされていくとともに、粘体そのものの体積はどんどんと膨らんでいく。
哀れな犠牲者を蹂躙するジェルのうねりは徐々に重々しくなり、トルルの上半身も天井に向けて持ち上がっていく。
彼の身体を覆っていたなめし革の鎧も所々に穴が開き始めるが、肉体ほど素早くは溶かせないようだ。

やがて、スライム少女が組み敷いていた男性の死体が完全に白骨化してしまうと。
ワンピースの裾から覗く半透明ピンクの肉塊は直径1m弱程度にまでその嵩を増していた。
まるで玉乗りする曲芸士のように、か細い少女の上半身がその球体の上に生えていた。

「ごめんね、おまたせ、おねーさん♪
 ボクはトルルっていうの。おねーさんはだぁれ? もしかして、この死体の仲間のひと?」

食事を終えたトルルは彼女の方に向き直り、しかし言われたとおりに距離は詰めず。
相変わらず緊張感のない声で問いかける。

レナーテ > あまり知られていない魔法の技術とは言え、相手に刃を向けられてもマイペースな雰囲気は変わらない。
それがやはり奇妙で、嫌な寒気を感じさせる。
純粋な敵意や獣性の欲望の方が分かりやすくていいが、この手のものは何を考えているかわからない。
言葉を返すことも出来ず、ただ、銃を向けたまま無言の構えを続けていた。

「遊ぶ……って何をですか」

人の肉を溶かすことを遊びとでも言うのか。
静かに問いかけながらも、その合間に死体が骨へと変わっていけば、ひっそりと報告が面倒になったと何処かで考えてしまう。
ボールの上に身体が乗っかった状態で距離を保つなら、一度構えを緩めていく。
銃口を斜め上にずらし、手元に引き寄せるように休む格好。
構えようと思えばすぐに構え直せる、ギリギリの状態とも言える。

「トルルさん……私はレナーテです。その人達…冒険者ギルドの人達の捜索にきました。その人が最後の生存者だったのですが……」

思いの外、しっかりと会話ができると分かればすんなりと名前と理由を答えていく。
表情はやはり、少し驚きと怖さで落ち着きがないものの、敵意は向けずにいる。
そして、先程の言葉を思い出すように少しだけ目を伏せると、畏怖で抑えられていた痛みが蘇り、僅かに顔を顰めながら視線を向けた。

「っ……、死んでた、みたいですね」

生きている人、放って置いたら腐る。
その言葉を思い出しながら、彼女が殺したわけではないのだろうと察していく。
小さく溜息を零しながらも、急激に動いたせいか、応急処置した傷口が少し開いてしまい、身体が小さく揺れる。

トルル > 「レナーテおねーさん。えへへ、カッコイイ銃と魔法のレナーテおねーさんだ。よろしくねっ!
 …遊びってまぁ、色々だよぉ? えっちな遊びでもいいし、怪我しちゃうような遊びでもいいし。
 こうやってお話するのも遊びじゃない?」

無邪気な笑みに目を細め、ぶるぶると嬉しげに巨大な粘体を震わせるトルル。
粘体に飲み込まれていた白骨死体はその形を保ったまま、カタカタと踊るように体外へと排出される。
革鎧はほぼ浸食されてしまっているが、金属製品はまったく被害を受けず残されている様子。

「そっかー、この人を探しに来たんだね。冒険者さん? こんな深い所までご苦労様だねぇ。
 この人はボクが見た時は死んでたよ。食べた感じからするとー……死んじゃったのは3日くらい前かな?
 死んでる人とは遊べないから、食べるしか無いし……だからどっちかといえばボクは生きてる人間のほうが好きだよ?」

ちらり、と懐に打ち捨てられた亡骸に目配せして、トルルはここに来て初めて物憂げな表情を見せる。
とはいえその善悪観や死生観は常人のそれとは大いに乖離していることは明らかであろう。

「……あ、レナーテおねーさん、怪我してるのっ? だいじょうぶ?」

目の前の女性が苦痛に顔を歪め、うめき声を上げるのを見ると。
トルルは驚きの表情を浮かべ、ぶるりと下半身の粘体塊を震わせ、近づいてくる。
ずりずりという摩擦音とブチブチという粘性の音が入り混じった音声がスライムの身体全身から放たれる。
普通に歩くのと変わらない速度。身体を大きく揺すり、相変わらず警戒のけの字もない雰囲気だ。
何もされなければ、互いの体温が感じ取れるほどまで近づいてくる。トルルの全身は人のそれよりも暖かい。