2016/07/31 のログ
■ハナビ > 「はっ、はひっ、ぁ…んっ、ぁ…」
高々と上がる拳。そこに込められた膂力に、ビクッと戦慄する。
ようやく解放された手は、まだ痛みがあって咄嗟のガードには使えず、しかもアナルを犯されながらでは腹筋を固めてガードもできない。
「や、やめっ…えぐっ!!おごっ!おぉ…!!」
ズボン、と音を立てて体の中に入り込む拳。そして、打ち下ろされめり込む拳。両の拳が外と内から内臓を抉り、身体がビクンと硬直する。
何度も打ち下ろされる拳、淫紋を直に殴りつけられ、痣が浮かび上がるも子宮へダイレクトに振動が響いていく。
「かはっ、ぁ…おごっ、!おおぉぉ!!んげっ、ぇ、ぁ…」
ゴポッと口から胃液が吐き出される。アナルフィストに酔いしれ肛門は激しい快楽を産み、殴りつけられる腹部はボロボロに青くなりながらも愛液がタラガラと垂れ流す。
「は、ぇ…イギッ!んごぉおおおおおっっlt!!!」
狂気の笑みを浮かべるセリオンが両の拳を深くめり込ませると同時に、口と秘所から体液を噴水のように吐き出し、ついにアナルフィストと殴打の苦痛が快楽に脳内で変換されて、絶頂へ向かってしまった。
■セリオン > 凶器とも呼べる両拳の、内外からの殴打を浴び、ハナビが遂に絶頂を迎える。
その様をセリオンは、未だ獲物に跨ったまま、微笑みながら見下ろしていた。
「可愛いですよ、ハナビちゃん」
胃液も唾液も、愛液も、上下の口から垂れ流すハナビが、セリオンには、とても美しいものに見えた。
欲望に支配され、狂ったように他者を求める様――それこそが真実であると、この狂人は信じているのだ。
だから、最も美しい姿になったハナビが、愛おしくてならず――
「ちゃんとイけましたね、頑張りました、良い子ですよ……良い子にはご褒美を上げませんとね。
……ところで私、昔からずっと、ずっと気になってたんですけど……」
――ざく、と。
長さにして1mmも無い短い爪だが、セリオンは、ハナビの淫紋に、右手の爪を突き立てた。
肉にも届かない、皮膚を抉る程度の傷しかつかないだろうが――それで良いのだ。
その爪でセリオンは、図柄として完成された淫紋を、皮膚ごと削り取ろうとし始めた。
これも単に、試したことが無かったからだ。
皮膚を剥げば、形は歪むのか。それとも皮膚の下に定着しているものなのか。形が歪んだからとて、何か影響は有るのか。
そういうことを、好奇心として知りたかったと、それだけの理由だった。
そうしながらも、〝ご褒美〟も、同時に、一方的に与えられる。
アナルフィストを未だに続けていた拳が、また少し奥へ入り込むと――腸壁越しに、子宮を掴んだのだ。
しかもその手から、何かふんわりと暖かいながら、明らかに情欲を煽る類の何かが――
セリオンの、その生き方から〝淫気〟とも呼べるまでに変質した〝精気〟だ。
それが、傷付いた体を体内から癒すと共に、ハナビの性感を、肛内と子宮から更に煽り立てて行く――
■ハナビ > 「はぁ、はぁ…ぁ…んぷっ、ぇ……」
穴という穴から体液を吐き出し、ドロドロになった顔で見つめながらピクピクと身体を痙攣させる。痛みが快楽に置き換えられれば、おなかに走る鈍痛も心地よい快楽になっていた。
ジンジンした腹部が熱くて子宮をチリチリと焦がす。
「ご褒美………んぎっ!?あがっああああっ!!」
カリカリと引っかかれる淫紋。魔力で刻まれた刺青なので、物理的な力では干渉はされない。もし解呪や上書きするつもりで魔力を込めたら、どうなるかはわからないが、少なくとも皮膚を抉っただけでは呪縛が解けることはなさそうだ。
しかし、腸内越しに子宮をつかまれれば悲鳴のような声があがる。
子宮だって壁が厚く発達し、快楽神経が根付いている敏感な性感帯の塊。そこをつかまれれば目を見開いて絶叫する。
「はへっ、あっ…なに、これ、おなか、あついっ…!!んっ!!ぁっ、はぁ、ぁ…あついのっ、お尻とっ、オマンコの奥、じんじんするっ…」
急速に与えられる癒しと発情の魔力。身体の内側から作り変えられるような刺激に、つま先まで痙攣させて、断続的に潮を噴き上げながら乳首をピンと立たせて軽い絶頂を何度も迎えていく。
■セリオン > 「ほー……成程。もしかするとこれ、火で炙ったりしても大丈夫だったりするかしら」
多少皮膚に傷を付けたとて、淫紋が姿を崩すようなことはない。
もしかすると、肉を多少抉ったとて、形もそのままに保たれるのかも知れない。
もしここに火種があり、焼けた鉄があれば、この女は本当に、ハナビの淫紋を焼いたのだろう。
「ほらほら、ハナビちゃん、もう一頑張り! おかしくならないで耐えてくれたら、天国がきっと見えますよ?」
だが――狂人にも、狂人なりの道理がある。
ここからは褒美を与えると決めたのだから、只管に、許容量を上回る快楽だけを注ぐのだと――それが、セリオンの道理だった。
淫紋は、本質に沿って生きる者の証。解呪はしないし、上書きできるほどの技量は無いが、後押しならできる。
発情と快楽を齎す淫紋に、セリオンは、自らの手を当て、精気を溢れる程に流し込んだ。
例え生娘であろうと、子宮が精を求めて降り、その口を開くだろうという淫らの気を、淫紋の作用を後押しする為に注ぐ。
淫欲の衝動は愈々、炎の如く激しく、胎内から全身に広がるだろう。
「私はセリオン。貴女が、もう一度私に出会いたいと望むなら、そう難儀することも無いでしょう。
私を主人と呼び従う者達は、皆、この快楽を心ゆくまで浴びているのですよ」
子宮を腸壁越しに揉み解しながら、女は自分の名を告げる。
自分が復讐され、命を狙われるなど、全く考えても居ないような、自信に満ちた口振りで。
「また会いましょう、ハナビちゃん……っふふ」
そして最後に、肛内を埋めた腕は、一息に引き抜かれた。
指の節と手の甲が、腸壁をぞりぞりと擦りたて、文字通り気も狂わんばかりの、最大の快楽をそこへ残して――
■ハナビ > 「はひっ、はっ、ああっ!!あんっ!ひぐっあっあああっ!!!」
何もせずとも、穴が絶頂を迎えその刺激でまた絶頂し、連鎖的に絶頂が繰り返される。淫紋が作用し、精気と混ざり合って次々と化学反応を起こし、傷を治しながら身体がイキっぱなしに変えられていく。
「あっ、がっ、ふぅ、ぁ・・・セリオ、ン…」
薄れ行く意識の中、その名だけをシカと心に刻む。そしてアナルの中で蠢く腕が一気に拭きぬかれると、全身を引きつらせてブリッジのように背中をそらせると激しい絶頂を迎えていく。
「はへっ!?ヒグッアンンォォォオオオオオオッッ!!イグッ、うぅううううう!!!!!」
潮と腸液と小水を撒き散らし、残っていた胃液も吐き出しながら全身を痙攣させて深い絶頂を味わう。イキっぱなしのまま意識が戻らず、だらしない表情を浮かべて荒野のど真ん中で白目をむいて舌を出したまま体液の水溜りに沈んでいて。
■セリオン > 断末魔とも紛うばかりの嬌声を、セリオンは天上の楽と聴いた。
背を反らせて身を跳ねさせるハナビの動きが弱まり、やがて意識を失うまで見届けた。
仰向けだ。体液の水溜りで溺れることもあるまいと、揺り起こすようなことはやめた。
幸せそうだな、と、セリオンは心のそこから思った。
自分がどれだけの暴虐を振るい、どれ程に相手を痛めつけたかなど、この狂人には関係が無いのだ。
快楽で狂い、泣き叫び、喘ぐ獲物の姿こそが史上の美。
この美が、やがて人巷にて磨かれて、また自分の前に現れる時が来たら――
「その時は……どう壊してあげましょうか」
左腕を濡らす腸液を、舌で拭い、喉を鳴らし。
狂人は人の住む街へ、人のような顔をして帰って行く。
■ハナビ > 「っ、はぁ、ぁ…ぁ…ぁ…」
意識を取り戻したのは、すっかり夜になっていたころ。
近くに餌を求めに来た魔獣の殺気にあてられて目を覚ました。
影からこっそりと近づく死の魔物。
しかしそこから感じるのは、死とは程遠いもの。
ゆっくりと身体を起こし、ぼーっとしながら空を見上げる。魔獣は意に介さず、ゆっくりと立ち上がる。
魔獣が好機と見て襲い掛かるも、その頭をつかんで思い切り地面にたたきつけ、頭部を砕いた。
「次は…負けないから…」
獣の瞳を浮かべ、獣化した腕を雑に振ると、再び毛皮の服を練成して、荒野のどこかへと去っていった。
ご案内:「荒野」からセリオンさんが去りました。
ご案内:「荒野」からハナビさんが去りました。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 街道の外れ」にシャロンさんが現れました。
■シャロン > ひそやかな夜の街道は、獣の声と風の音、草の擦れる音に満ちていた。
整えられた地面が終わり、草むらから茂みに、そして森へと変わっていく境界線。
緑の始まる縁に、少女は立っていた。
白銀色のレイピアを右手に、左手には照明の呪文を宿した石を持ち、周囲に視線を配る。
今夜の少女の仕事は、街道の哨戒任務だ。
夏も盛りになればまた、祭りの時期がやってくる。
書き入れ時の、様々な人が行き交う街道――その治安を守るのは国家事業らしい。
それ故、騎士団を出奔していた少女は久しく、依頼の斡旋という形で警護に当たっていた。
「……現状は異常なし、ですね。このまま何もないなら御の字ですが……」
彼方には城壁と町明かり、また別の方には恐らく村であろう影が見える。
そのどちらもを繋ぐ動脈となる交通網、その交差する場所に佇みながら、周囲の気配を意識する。
目を閉じ、呼吸を抑え、僅かな違和もとらえられるように研ぎ澄ませる。
ゆっくりと少女はその気配を溶かすと、そのまま見張りの任につく。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 街道の外れ」にセリオンさんが現れました。
■セリオン > 見張りの少女が持つ、照明の呪文の石。
夜に煌々と光を放つそれは、やがて村の方角からやって来る影を照らしだす筈だ。
その影は、よたよたと、今にも倒れ伏しそうな足取りで歩いて来る。
近づいてくれば分かるのだが、身に着けた衣服も、所々が引き裂かれ、また土埃などに塗れている。
その理由がなんであれ、ただならぬ姿――
「そ、そこの人――みず、水を」
影は、枯れた喉で少女を呼んだ。
修道服を着た、金髪の、二十代半ばほどの女が、水を求めていた。
■シャロン > 周囲を静かに見回していた少女はふと、人の気配を得る。
村の方向からやってくる影は、足取りはおぼつかない様子で。
龍の血を引く少女の目は、僅かな明かりだけでも人影の姿を鮮明に映した。
纏っている修道服を見るに、何かに襲われたのだろうか。
ならば、と足取り軽く宙を蹴ると、そのまま人影まで駆けていく。
右手の剣を隠さないのは、周囲に襲撃者がいた場合に即応するため。
同時に、女性が被害者を装った襲撃者の場合に対応するためだ。
とん、と一足飛びに女性の下に駆け寄ると、左手の照明を懐に収め、代わりに水筒を取り出して。
蓋を片手で器用に開けると、そのまま女性にそっと差し出す。
「……ともあれ、まずはお水をどうぞ」
警戒をしながらも、微笑むことを忘れない。
幼いころから培った"聖女"としての所作がそこにはあった。
■セリオン > 修道服の女は、水筒を受け取ると、がぁっと一息に、半ばまでを飲み乾した。
喉がごくん、ごくんと蠢く速度より、水を口に注ぎ込む速度が勝った為、
「――げほっ、っ、げほっ、ごほっ」
咽た。
たっぷり十数秒も咽て、深呼吸を繰り返し、それからようやっと、水筒を少女へ返した。
「ふぅ……あ、ありがとうございます……」
少女の微笑みに応じるように、女もまた、良くできた聖職者の笑みを浮かべた。
万人に等しく向ける博愛を、自らは努めて心がけているのだと示す、名札のような笑みである。
とは言うが、その修道服の意匠は、ノーシス主教の主流の宗派のどれとも違う。
敢えて言うならば、昨今はほぼ粛清の進んでしまった、古い教派のそれに近いだろうか――
「――っ、すいません、お礼もきちんとしないうちになんですが、人の手はありませんか!?」
ふいに、女が、微笑みを消して、大きくは無い声を張る。
「魔物がっ、もう二人ほど、だからっ」
急いた言葉でも、その意図の半ばまでは通じることだろう。
■シャロン > 水筒の中身は、少女が煎じた薬茶だ。
飲めば体力や外傷を、ある程度ではあるが回復してくれる代物である。
本来は少女が哨戒中に受けた傷を癒す為のものだが、このような場合の備えにもなっている。
半分ほど無くなった水筒を受け取ると、その飲みっぷりには少し驚きながらも。
「大丈夫ですか?何があったのかは、話せます?」
あくまで安心させるように、告げる。
女性の衣装――それがかつての古い教派のものだということは理解していた。
何せ少女は少し前まで、神聖騎士団の騎士として様々な任務に携わってきたのだ。
粛清された教派――そう分かっていても、少女の取るべき態度は変わらなかった。
逆に、目の前の彼女にもまた、少女のバトルドレス――その意匠等から、神聖騎士団の騎士だと言う事が理解できるかもしれない。
粛清を進めた、今の教派を司る存在。無論、出奔した今ともなれば元、がつくのだが。
「――ん、人の手は、この辺りだとないでしょう。ただでさえ通りがかるのは少ない夜ですし……」
とはいえ、彼女を一人にするのも、戦わせるのも忍びない。
ゆえに、腰の短刀を差し出しながら。
「では、護身用にこれを。ここで撃退してしまうのが一番でしょう。村や町に寄せれば、守る物が増えてしまいますし」
ふむ、と悩んだ後で、少女は告げる。
対する彼女が逃げようというならば同行するつもりで。
留まるならば、追ってきているはずの魔物を打つつもりで。
あるいは狂言であれば、とも思うが、その可能性は低いだろうと勝手に判断を上乗せしていた。
それはある種の、油断かもしれなかった。
■セリオン > 水筒の中身を半分も飲み乾した女は、喉や腹から伝わる感覚に、ひっそりと感心していた。
癒しの魔術を用いたか、聖水を元にでもしているのか。体力が回復して来るのが分かる。
〝元より万全に近い体〟が、昨夜から痛む右腕まで癒されて、愈々無傷に近い状態にまで――
「村や町に――いえ」
女は、変わらず荒い息、枯れた声のままに言葉を続ける。
「その村に、魔物が出たのです」
それから滔々と女が語った所によれば――女が語った所を信ずるならば――
女は、村の教会で宿を借りていた。田舎の村のこと故、宗派云々の諍いも少なく、居心地が良いからと。
ことの起こりは、夕暮れ時。森に遊びに出ていた村の娘が、帰って来るや否や、別の娘に襲い掛かった。
居合わせた男達が引き剥がそうとしたが、森から帰ってきた娘は、人にあらざる力で男達を振り払、村の女達を次々に組み伏せ――
「……信じられない。まるで虫がそうするように、腹に針を突き刺し、膨れ上がるほどに――」
卵を産みつけていたと、そういうのである。
二人と言ったは、既に二人、その卵を腹の中で孵し、魔獣の子を生み落す際、気の触れたように喘ぎ、笑っていたと、そういうことであるらしい。
「森に行った娘――インクと言いますが――彼女を捕えようにも、私一人の力ではままならず。背に悲鳴を聞きながら、此処まで逃げて来ました」
だから、助けて欲しいのだ、と。そう言って女は、少女を、村へ連れて行こうとする。
村までの道のりは、走れば数十分程で着く程度の距離だ。
全く女の言葉は、真実味があり、目は真剣そのもので、目尻に涙さえ浮かべたものだった。
■シャロン > 「――それはまた……厄介ですね」
村に魔物が出た――その報告は本来、王都まで持ち帰るべきもの。
だが、この場において判断できる人員は少女一人のみ。
彼女を王都までの使いとするには、距離が離れているのは言うまでもない。
彼女が"ただの修道女"であるならば、踏破するのも難しいだろう。
ならば、ここでするべきことは一つ――村の魔物を一人で討伐するだけだ。
「では、村に参りましょうか。とりあえず、助けられる者は助けます。それ以外は、使者を用立ててからの話になりますが……」
彼女の鬼気迫る様子から、話の内容に信を得る。
この動揺は詐術ではあるまい、そんな感情を覚えたのだ。
ゆえに少女は、彼女に続いて村へと向かうことにするのだった。
■セリオン > 「ああ、ありがとうございます……! こうしている間にも、まだ被害が広がっているのではと――」
実際、そのような魔物が出たというならば、一瞬の躊躇が惨劇の引き金。
村へ迅速に戻り、魔物を討伐する、或いは生存者を助けるという選択は正しい筈だ。
そして、修道服の女は、少女を先導して走り出した。
脚が速いかと言えば、そういうことは無い。が、足取りはしっかりしている。
薬茶の効能であるかも知れないと、思考の隅に追いやれる程度の健脚であるが――
「……寒い夜ですね」
と言って女は、懐から小瓶を出し、その中身を一口ばかり飲んだ。
漂う臭いから分かるが、水では無い。酒だ。
喉が渇いている時に呑めば、余計に喉を焼く羽目にもなろうが――。
「昂揚剤の代わりに……兵士達もこうして、恐怖を紛らわします」
と言って、女は、少女にもその小瓶を渡そうとする。
もし口を付ければ、酒の臭いではあるが、やたらと甘ったるく、そのくせ喉に通りの良い液体だ。
確かに酒の、喉につんと来る刺激は有るが、幾らでも飲めそうな気がする程、飲みやすいのである。
飲みやすい筈だ。そういう薬を、たんと仕込んでいるのだから。
その正体は、高濃度の眠り薬と媚薬を混ぜて、少量の酒で割ったもの。
混ぜ物をした酒ではなく、薬物に酒を混ぜたという、高純度のよからぬ代物である。
修道服の女は、善意に満ちた微笑と共に、そんなものを少女へ差出していた。
■シャロン > 「……急がねばなりませんね」
そう言いながら、少女の足取りは軽く、前へと向かう。
街道の舗装された石畳は、程よい反発で少女に加速を与えた。
女性を前に、先導を任せながら道を駆け行き、村へと近づいていく。
その途中、寒さを訴えながら立ち止まる女性。
傷が熱でも持っただろうか、と思いながらその様子を検分する。
足取りは確かで、表情も青ざめたりはしていない。
ならば平気か――そう思った矢先に、差し出されるのは小瓶だった。
中身は月明りには暗く見えるが、漂う匂いは酒精のそれで。
女性の言葉を聞きながら、受け取った以上は飲むのが礼儀か、と瓶に口をつけて嚥下する。
甘ったるい、しかしするすると喉に入っていくそれは、少女の口へと流れ込み、小さな瓶は瞬く間に空になった。
「……っと、ありがとうございました。さて、では先を――う、ぁっ!?」
どくん、と心臓が跳ねるような感覚と同時に、強烈な酩酊が少女を襲う。
同時、下腹部に刻まれた竜の刻印が熱を持ち、体内の毒素を浄化し始める。
たたらを踏む少女。その足が堪えられるかどうかは偏に毒の強さ次第だった。
それが、万が一龍すら病ませる代物であった場合、少女の体は毒に蝕まれ、年相応の力しか出せない娘に成り下がることだろう。
■セリオン > 「おや、どうしました……もしかして、お酒駄目でした!?」
白々しくも修道服の女は、とんでもないことをしてしまったと驚愕するように声を上げる。
内心では舌を出しながら、獲物が弱り、眠りに落ちるのを待ち侘びるのだ。
だが――直ぐにも異変に気付く。
ただの人間相手なら、瞬時に意識を刈り取る程度には無茶苦茶な配合をしたつもりだった。
その後、その人間が一日や二日、性欲に狂った獣となろうが構わぬ、と。
然し流石に、龍を基準にしてまで、薬の強度を強めてはいない――龍を狂わす薬なら、人など壊してしまいかねない。
それでも、完全に解毒するまでには時間が掛かるだろうと。
女は、少女の背をさすりでもするかのように背後に回りながら――
「なら、村までは私が運んで差し上げます」
と、首に両腕を巻き付けようとする。
所謂、裸絞めだ。両腕で首の血管を圧迫し、血流を遮断して意識を奪う。
仮に意識を失ったなら、次に目を覚ます時は、どのような有様にされていることか――?
■シャロン > 人間を狂わせるには十分すぎる毒は、しかし半龍の少女には効き目が薄かった。
それでもなお、少しの間は強烈な酩酊と墜落感――本来の薬効を示し、眩暈と強烈な不快感、そしてほてりにさいなまれることになる。
その最中、背に回った女性が首筋に腕を這わせて来る。
それは抱きしめ――というよりも極めに近い感覚。
人間と身体構造は一緒であるが故、首を絞められてしまえば、意識は当然落ちていく。
呼吸を抑えられているが故に声を出すこともできず、少女はそのまま絞め落とされた。
次目覚めた時にどうなっているか――それは彼女次第である。
■セリオン > さて、意識を失っていたのは、どれ程の時間か。
絞め技による血流遮断と薬効――大きいのは薬効だが、これは普通の人間を前提に作ったもの。
二時間は眠らせられまい。
一時間も、できるかどうか。
だが、数十分もあれば、女には十分に、狂宴の用意は進められた。
次に少女が目を覚ました時、最初に見るのは夜の空だろう。
起き上がろうにも、手足が上手く動かない。縄で、木の台に括り付けられているのだ。
とある村の、中央にある広場に、木の祭壇が築かれている。
その祭壇の上に、一糸まとわぬ姿にされて、少女は手足を大の字に縛り付けられていた。
「……お目覚めが速いですね。貴女、本当に人間です?」
と、怪訝な顔をして見下ろしてくる女。だが、答えを返そうとすると、上手く言葉を発せられないことに気付くだろう。
少女の口には、ろうとが押し込まれている。
錬金術の学者などが使うような、細い瓶の口などに薬品を流し込むための道具であるが、
「まさか貴女に、適量を聴く訳にも行きませんし……家畜の10倍くらいで見積もりましたが、どうです?」
少女の口――否、喉へ強引に流し込まれていたのは、やはり媚薬の類であった。
それも、先程までの、人間基準に作られたものではない。
女の言葉の通り、牛馬でさえ色狂いにするだけの媚毒を、十倍にも濃く煮詰めた液体――
それを、ろうとを伝わらせ、女はひっきりなしに、少女の喉へ注いでいたのである。
■シャロン > 少女が意識を失っていたのは、一時間に少し満たない程度だった。
薬効による隙を絞め技で突かれ、気を失ったが故に加護の勢いが衰えて。
結果、彼女には十分すぎる準備時間を与えてしまう事だろう。
やがて目を覚ませば、見えるのは幾万の星だった。
ちらちらと輝くそれらは、平時であればきっと、心安らぐものだっただろう。
しかし、腕や足を縛られた今は、星を楽しむ気にもならない。
手足を動かそうとすれば、縄がぎしぎしと音を立てる。
膂力を使って引きちぎろうとするも、限界ぎりぎりの長さの縄で拘束された体は余裕がなく、筋肉が伸び切っている為に動けない。
吹く風が全身を冷やす感覚から一糸纏わぬ姿にさせられていることはわかるが――。
「ん、ぐっ……んむっ!?あ、あいうう、えうあっ!?……!」
彼女の声に答えを返そうとするが、舌の上に突き立った何かが遮る。
結果、『何するんですか!?』と問うた声は、ただの音へと変えられた。
下から見るとよくわからない器具は、しかし中空で甘ったるい液体を流し込んでくる。
どろどろとした、ただ甘いだけの粘液――家畜用の媚薬を十倍濃度にした魔の薬が、呼吸のために嚥下されていく。
腹部の刻印で浄化をすることはできるが、それでも毒を際限なく流し込まれればやがて加護による浄化と拮抗し、浄化を待つ分だけ媚毒が体にしみわたっていく。
少しずつ桜色に色づく体、滲む愛液、嫌な汗が全身にあふれ出てくるのがわかる。
やがてわずかに身じろぎが始まり、腰をくねらせ始めると、慎ましやかな少女の肢体は火あぶりの様に熱を持ち始めるのである。
■セリオン > 「……うーん。調合は合ってる筈なんですけど、まだ足りませんね……あれえ?」
よもやこの女も、獲物として狙った少女が、龍の血を引くなど夢にも思うまい。
そう知った瞬間、嬉々として少女の肌を刃で裂き、滴る血を啜るような女だ。
自分が媚薬の調合を間違えたかとばかり思い込み、暫くは注ぎ込む量を増やすことばかりに注力していたが、
「ああ、失礼。これでは会話ができませんね……まずは、先程のお茶、ありがとうございます。
おかげで右腕も調子が良く。罅が入ってないかと不安でしたが、もう普段通りに動きますよ」
と、ろうとを引き抜いて放り出しながら、これまた完璧な善人の笑みを作って見せた。
そもそも、この狂人は自分の行為を悪行だと思っていない。故に、善意そのものの笑みを、無理なく浮かべられるのである。
それから女は、何の前触れも無く、少女の秘部へ手をやった。
仮にも修道服を着た女が、聖職にあるだろう少女の秘所をへ、無遠慮に指を潜り込ませるのである。
人差し指と中指の二本が少女の聖域を、ぐいぐいと不作法に掻き回し、鉤状に曲げた指で滲む蜜を掬い取る。
「思った程に効き目が無いんですよね……体質の問題ですか? おーい、インクちゃん、あれ持って来てくださーい」
祭壇の上から女が呼ぶ名は、ここへ来るまでの間に一度聞かされた名と同じであり――恐らく、境遇も途中までは正しい。
と言うのも、呼ばれてシャロンの方へと歩いてきた娘は、目に力が無く、腹は歪に膨れ上がっているのである。
その娘、インクが持っていたのは、毒々しい色の液体に満たされた浣腸器だった。
何をするのか――されるのか――分かるだろう。覚悟を決める間も、有るだろう。それ程に、娘の歩みは遅いが。
娘は、ついにシャロンの開かれた脚の間に進むと、浣腸器の先端をその後孔へ潜り込ませ、先程まで喉に注がれていたのと同様の薬液を、一気に注ぎ込み始めた。
■シャロン > 流し込まれてくる媚毒、その量は油断すれば呼吸が詰まるほど。
何度かせき込みながら、強制的な嚥下を繰り返し、その度に下腹部がじくじくと熱を持っていく。
下腹部の龍の刻印は、しかし彼女にはまだ見破られていないらしい。
であれば、彼女にとっての少女は"異教の神に救いを求める哀れな娘"とでもいったところだろうか。
口元の漏斗を引き抜かれると、ごふっ、とせき込むと同時に唾液と媚薬の混合液がこぼれて、頬を伝い落ちていく。
「……油断、しましたね……少しばかり怪しいと思った、その時にどうにかしておけばよかったですが――怪我に、ついては……お気になさらず。どう、あれ……直すのが私の性分でしたから、ねっ」
女性の笑顔に曇りがないことから、狂気に理性を振り切ったのかと理解する。
自分に理解できない行動原理で動き、それを全く疑わない。
そんな相手は狂人だ、そういっても間違いはない――理解できないのだから。
そんな彼女が、少女の秘所を抉る様に指を差し込む。
そこにあるべき純潔の証は存在せず、きつく締め付ける粘膜が指に絡みついていく。
摩擦が強いのは愛液の量が未だに少な目だからだろう。
「ぃっ……そう、ね。元、騎士だもの……普通の人よりは、慣れてる、でしょう?」
確かに騎士であれば毒物に耐性を得られるよう、訓練を積むものである。
だが、少女ほど強い耐性を持つはずはない――そう判断出来るかは相手の知識次第だった。
縛り付けられた中、かろうじて動かせるようになった頭を動かすと、その目の前には腹部をいびつに膨らませた娘がいた。
その手に持たされているのは、大きな浣腸器――家畜用、と言っていたのが頭をよぎった。
「っ……下衆、ですね……!とはいえ、今はなすすべもない、ですがっ……うぁあっ!?つ、めたっ……は、ぐぅっ、はいって、く、るっ――!?」
やがて、無造作に突き立てられる嘴。同時に注がれる薬液は、腸粘膜に触れると同時に強烈な熱を持ち、焼く様な刺激を与えながら、粘膜に吸収されていく。
経口摂取とは違う直接の吸収は、半龍の体をしてもなお分解できず、徐々に少女の体を蕩かしていく。
とはいえ薬効が出るまでの時間もまた、半龍故に人より遅い。
効果が出るまでにどれだけ注がれるかは、彼女の意思一つで変えられてしまうものだった。
■セリオン > 「いやいや、騎士とは言っても程があるでしょう。前の騎士はこんな持ちませんでしたよ?」
薬毒の知識を、この女は正当なルートで学んでいない。全て独学、全て生体実験で得た知識だ。
その中に、騎士を弄んだ経験も幾つかは有るが、流石に常人の数倍量で事足りる。
この少女はどうだ。常人の、既に数百倍量は浴びせているにも関わらず、理性を保っている。
だが――その正体を知る程には、流石に知識が無かった。
「下衆とは言いますが、困ってるのは本当なんですよ……いや、もう、本当に。
あー、インクちゃん。この子大丈夫そうだし、あと五本くらい行きましょうか」
知識が無い。故に、上限が何処であるかも分からない。
女の命令に従い、歪な腹の娘は――桶になみなみと注がれた薬液を、筒に充填しては、少女の後孔に注いだ。
一本目で既に、家畜用の十倍。それが、二本、三本、四本、五本……
こうまで行けば、吸収云々の問題より、腸の容量の問題が生じる。少女の薄い腹も、内側から液体で膨らむこととなるだろう。
そして、五本目が注ぎ終わり、浣腸器が引き抜かれたかと思いきや――入れ違いに、並みの男の根よりは太い金属の棒が、少女の菊座を貫く。
滑り止めがわりの歪な凹凸が刻まれたそれは、女が得物として用いるメイスの柄であった。
「零れないようにしておいてあげますね、ちょっと聞きたいこともありますし。
……まあ、一番知りたいのは、貴女が人間なのか何なのか、ってことなんですが」
薬液で膨れた腹にもたれかかりながら、女は、少女の胸に手を伸ばした。
両手で、胸のそれぞれの先端を抓むと、軽く爪を立てたりもしながら、手持無沙汰の子供のようなやりかたで弄ぶ。
快楽の度合いとしては、本当に些細なものである――筈、だった。
■シャロン > 「加護の、量にも……よります、から、ねっ――う、ぁあっ……ま、だ、入れてっ――」
彼女の予想通り、一回の騎士ではこのような毒攻めに耐えられない。
龍種故の強靭すぎる体が毒を拒絶していなければ、無論経験通りに堕ちていたことだろう。
そうならない秘密は、当然このような聞き方をされれば話すわけもない。
代わりに、返礼として寄越されるのは五本分の浣腸だった。
一本ですら家畜用の大きなもので、その中に並々と入った十倍濃度の媚薬が、容赦なく腹に収められていく。
大きな桶に並々注がれていた液体全てが少女の腹に入り込むと、なだらかだった腹回りのラインは歪に膨らまされて、臨月の妊婦にも似た膨張を得ていた。
その薄い腹の肉の下、腸管は目一杯に膨らんでおり、腸詰の様になったまま、代わりに何かをねじ込まれる。
それはごつごつとした、凹凸を持つ物体――首が下まで動かず、正体を探れないが、硬質で冷たい感触は金属の様な気がする。
そんな、硬く太いものが腸壁をこすり、凹凸が返しの様に肉粘膜に食いついて。
「は、ぐぅっ!?――うぁ、っ、は、ひっ……ぐ、るしっ……ふ、ぐぅっ、ん、んぅうっ♪そんな、の、いうわ、けがっ……は、ひぃっ!?」
腹部にのしかかられると、それだけで強烈な便意で汗が噴き出る。
ごろごろ、ぐるぅ、と液体を得た体内は逆巻いて荒れ狂っており、栓がなければ悲惨な粗相をしていたことが容易に想像できた。
体内、秘された汚泥とどろどろとした媚薬の混ざった、粘液上の物を抱えた少女は、排泄欲を何度も喚起されながら、胸元の刺激に身を震わせる。
小さな乳首は媚薬でぷっくりと熟れており、膨らみもわずかに大きくなっている。
爪を立てられる、その些細な痛みにすら神経が過敏化しており、震え揺れて、その度に腹痛で悶え苦しむ。
拷問じみた責め苦の中、少女はただ汗に塗れながら、メイスのしっぽを振り続けていた。
■セリオン > 「これ以上はお腹が破裂しちゃいますかね……それはそれで面白いんですけれども。
ただ、貴女は何となく、どこかで見たような気が、するような、しないような――」
丸々と腹を膨らまし、苦痛の呻きの何処かに、快楽の予兆を混ぜて喘ぐ少女。
その様を見下ろしながら、女は記憶の中の人名リストを照会していた。
常に野心を抱く女だ。有名所の貴族や、騎士、聖職者の、美女と呼べる者なら、一通り名前を頭に入れているし、遠目に見たこともあるかも知れない。
仮に彼女が、調練や遠征などで人の前に出る機が、過去に有ったのなら、やがてはその名を思い出すかも知れない。
だが、名を思い出す、思い出さぬは、今はまだ良い話だ。
名があろうが無かろうが、獲物が美しく、そして次第に淫らになり始めたことに変わりは無い。
「処女じゃないんですね……すると、この体を誰かに見られたことも、体を開いたこともある、と。
最近の修道女には、体を売って生計を立てる者も多いと聞きますが――いや、それはいいんですよ。聞きたいのは違うことです」
メイスで栓をされた孔の周囲を指でなぞり、時折つついたりもしながら、もう片方の手で、少女の秘所を押し広げる。
時折、中指だけを秘所の中へ押し進めながら、人差し指と親指で、その上の陰核を抓み、やわやわと揉み解したりもした。
後孔へ施された暴虐とは裏腹、前に与えられるのは、純粋に快楽ばかりで、
「貴女達神官騎士の中で、特に女性が多い集団というのはありませんかね?
できるなら貴女のように、既に操を捨てた者が多いと喜ばしいのですが――」
問いは――早い話が、仲間を売れ、というものだった。
■シャロン > 「う、ぁっ――は、ぐぅっ……ひぁ、ぁああっ……うぐぅっ!?」
便意と圧迫感と快楽の入り混じった、ノイズ交じりの性感が少女を襲う。
その秘所は先ほどよりも潤いを増し、潤滑となる愛液も増したように思える。
低く鳴動する腸は、媚薬によりぐずぐずに溶かされながら、より強烈な便意を伝えていく。
そもそも、生理現象には耐えられないように作られているのが人体である。
荒く浅い呼吸で、僅かに舌を突き出しながら、幾度となく込み上げてくる腹痛を堪え続ける。
その度に揺れる金属のしっぽは、しっかり腸壁を食い、容易には抜けないように引っ掛かりを増やしていく。
「う、ぁっ――生憎、とっ……純潔は、捨てて、しまいましたから、ね……ひぅうううっ!?お、しりっ、なぞら、ない、でっ……ふ、ぁ、ぁあっ――ん、ひぁっ♪」
秘所を弄られれば甘い快楽が、尻をなぞられれば便意が戻ってくる。
その両極端な刺激を交互に繰り返されながら、少女は身悶える。
実際の所、少女の生家は名のある名家であるし、遠征にも"幼き聖女"と称された形で何度も出撃した試しがある。
"聖女"の称号を背負う存在はそう多くないことも考えると、少女の身元は類推できるかもしれない。
同時に、少女にとっては母親に当たる存在が行方不明になっていることも、事情に明るければ知っていることだろう。
そこまでわかれば、さすがに「龍との駆け落ち」、と言う事までは公示されていないまでも、曰く付きだと言う事は確実に知れることになる。
ともあれ、次いだ彼女の言葉には、僅かに笑うと。
「残念、ですが……私は、すでに除隊して、ますから、ねっ……今はただの、一冒険者と、変わりませんよっ――です、から、分かり、かね、ますっ……!」
仲間を売る気はないし、離れて少しの時間がたつ間に組織の再編はなされているはず。
故に知らない。だから答えようがない。そう、しっかりとした声で告げる。
それが相手を怒らせたならば、それはそれ。その時はその時である。
■セリオン > 「んー……まあ、教えてくれませんよね。
高潔な神官騎士様は、自分の苦痛と引き換えに仲間を売るなんてこと、できませんものね。
……しかも多分、貴女、結構な有名人でしょう。思い出しました」
などと白々しく言った女は、ぴょん、と祭壇から降りた。
拘束された状況では、少女もあまり首を動かせず、何をしているか全ては見えなかっただろうが――
女が、祭壇から少し離れたところにある松明、幾つかに火を点けたこと。
その火が引き金となったのか、人の気配が幾つも動き始めたことは分かるだろう。
そもそも、こういうやり方で、素直に白状する獲物の方が珍しい。
だから、否と返るのは予想出来ていたし、そうしてくれた方が都合がよかった。
「だいぶ待たせてしまいましたからね。あの子達には、全く良い見世物となるでしょう」
ここは、村の広場。少し離れた所には、何件か、当然だが民家も有る。
そこから何十人もの若い男、或いは若い女が、一様に呆けた顔でぞろぞろと集まって来る。
意識は、あるのだろうか――
分からないが、数十人分の目である。
数十人分の目が、祭壇のすぐ間近、それこそ吐き出す息の熱まで感じられる程に近づいて来ていた。
全裸で、大の字で括りつけられた状況。良く分からぬ女に秘所を嬲られて濡らし、腹は蛙のように膨らんだ惨めな様。
ましてや、腹で渦巻く衝動を解き放てば、それこそ数十人に、まじまじと見届けられてしまう――
「私は、貴女に興味をもちましてね。だから、恩情を差し上げます。
さっきの質問――まあ、別に複数でなくともいいんですよ。神に身を捧げた神官騎士で、誰が快楽に弱いのか。
或いは――ああ、こっちでもいいですね。どうして貴女は、こうも薬毒に強いのか。……普通だったらもう狂い死にしてますよ?」
どっちか、一つだけ教えてくれればいいんです。いえ、〝幼き聖女〟が、よもや自分の為に仲間を売るなんて思いませんが。
もちろん、意地を張らずに答えないというなら、苦しみが何時までも続くだけではありますし――」
言いながら女は、メイスをもう一本――二本を一組として持ち歩く、もう一本だ――を、少女の尻穴に宛がい。
「――答えたら、直ぐに楽に、気持ち良くしてあげますよ?」
ずぐっ。
既に一本、金属で押し広げられている後孔へ、同じ体積のもう一本を押し込んだ。
媚薬漬けの菊輪を、腸壁を、ごりごりと押し上げる暴力的な快楽が、少女の体を貫くだろう。
そして数十の目は、女の指示であるのか、じっと少女の裸体へ注がれている。