2020/05/04 のログ
ツァナ > 「 …や、やっぱり、お前には……正論と、いうか、理詰めで言、言われると…うぅ。反論出来ない… 」

(そこら辺。知識の差だろうし、他者との会話に対する、場数の差でもあるだろう。
最初遭遇した時だって、言葉に気を取られていなければ、負けなかったのだなどと。今になって主張してみせるが。
実際の処は…どうだったやら。
ともあれ結局、今回も。端から結果は見えていたという所。何やら神妙にも見える面持ちで。頷いてしまうだろうか。)

「 ぉ…お前は、恵まれている、よ。最初から。
……この…世に、ぅ、生まれて来られる…それは、既に。幸運で。
その上、お前には…か、カミサマが……カミサマ、達、が。つ…ついているんだ、し。 」

(此処も。達、という単語を。きちんと、付け足しておこう。あらゆる意味で、彼女は、一人ではないのだから。
…ただし、最初の方に言った事も。真実だと思っている。迫害される民ともなれば。衣食住すら覚束無いままで。
結果…ちゃんと子供が産まれて来られない、育ってくれない、そんな事も。往々にして起きてしまう。
彼女によって、カミサマに守護されて、速やか且つ健康に産まれてくる、此処の子供達もまた…幸運である筈だ。きっと。)

「 うん。…う、ん。それ、なら。…良い。
まぁ…まぁ?もし、ぉ…前が、変な間違い、方、したら。わ…私が、怒る。…うん… 」

(それでどうなる、という事はさておき。
きっと、彼女が自身の信仰を忘れたり。ニンゲンとして堕落するなら。自分が許さないだろう。
その時は再び、敵に回る事となるのだ…と言い含めるが。抱き締められたり、撫でていたり。この状況で、そんな事を口にしても。
何だか、子供に悪い事をしないようにと。言い含めている様子にも見えてしまう…かもしれない。)

「 ………… …! 」

(それから。翳された掌に。耳を逆立てるようにして、驚かされる。
彼女の掌に、魔力が流れ込んだかと思えば。今まで見た事のない様子で、紋章となって具現化する。
続いてそこに宿る意味合いを聞かされると。少しだけ身を乗り出し、おそるおそるといった表情で、紋章を覗き込み。)

「 そういう、物…か。…そ、そうだ、な……私は…
私も、魔力って、持ってる筈、だ…だけど。つ…使い方、わからない、し……
無駄にする、よりは。そ、その方が良い…の、かも。…ぅ、ん。…わかった。…それで、良い。 」

(…きっと。知らなくて幸いだろう。
ミレーという種族と、魔術や魔力への親和性。
それ故に今正に。戦の勝利というお題目の為、同族達が、どんな目に遭わされているか。
もし何処かから聞き及ぶ事になったなら…それはもう。どんな状況だろうが飛び出して。何をしでかしてもおかしくないのだから。

さて。知らないままのそれと、似たような形で。自分の魔力を、彼女が使えるというのなら。
それも良いだろうと頷くのだが。…一つだけ、人差し指をたてて、条件を。)

「 けど、そ…その。……ぁ…あんまり。め…目立つ所、とかは。駄目… 」

ネメシス > 「理詰めって…私なんて賢くない方よ?」

前回の会議の場でも、そうだが。
今回も上手く転がされたりしていた。
王城の海千山千の猛者たちに比べればネメシスも子供である。

「そうかもしれないわね。
産まれた時からこの姿で能力だし、部下はいるし。
その分、貴方達にも幸せをおすそ分けするわね。」

だからこそ、皆を導く必要がある。
神がどのような考えでネメシスを使わしたのか、真相は分からないが。
次第に神の恩寵が強くなっている以上、これが正しいのだろうと。
隣に腰掛けている愛する妾に触れながら口の端を伸ばし。

「その時は早いうちに叱った方が良いわよ。
脱線は早い段階で修正しないと大変だものね。」

素直に頷くネメシス。
先日の船の上でツァナに母親、あるいは姉のような役割も求めるようになっている。
可愛いツァナの言うことならネメシスは耳を貸すだろう。

「身体に影響をきたす程度には取らないわよ。
あくまで日常で消費しちゃう範囲だけど。
その代わり、他の子たちからも集めていくつもり。」

ツァナが首を縦に振れば、ネメシスは嬉しそうに右手を近づける。
明日以降はこの拠点で暮らしている妾や団員の一部からも集めていくだろう。
その中にはミレー族以外も含まれており。
ネメシスは今後一回り強くなる。

…オリジナルの術に関しては伝える日は来ないだろうが。

「じゃあ、どこが良いか見せてくれる?
志願者全員に場所は選んでもらうつもり。」

ツァナ > 「 という事は、そ…そりゃ、うん。…私はもっと、賢く…ないって、事、だ… 」

(確かに、彼女よりも上には幾らでも。頭の良い者達が居るのだろう。
けれど逆に、下の方にも、色々存在するという事だった。
いい加減、自覚は有るものの。改めて、口にしてみると。少々情けないのだろうか。ぺたん。猫の耳が折れてしまう。)

「 …ぉ前に、貰う…貰ってる、よ、色々。
大半は…赤子に、流れ…るのかな、けど、あ、ある程度は… 」

(母親となる、彼女の精を受け取る、少女自身にも。きっと、カミサマの恩寵は宿っている。
そういう意味では。散々異神扱いしているものの、自分もまた、色々有り難がる必要が有る訳で。
唯一絶対の神ではなく、この世界には幾多の神々が存在すると。…そこも。今は認めていた。
世間や世界に対して、色々と認識が改められていく事も。幸せといえば幸せなのだろう。
それも、彼女によってもたらされた物だ。素直に頷いて。)

「 わかって、る。其処…で。遠慮、というか、て、手加減はしな…い、つもり。だ。
……でないと、そ…う。そうだな、お前達の、カミサマにだって…失礼だと。思う…し。 」

(これだけ世話になっているのだから。そういう形で、恩を返すというのなら。当然全力で挑むだろう。
但しその頃には。彼女は以前よりも…今よりも、ずっとずっと。更に強くなっているのだろうから。
なかなかに難しい、厳しい事になるだろう。
それでも、万が一の際、諫めたり止めたりという行為を。諦めるつもりはない。
求められているのが、母等であるというのなら。責任を取るというのも、立派にその一つの筈だから。)

「 魔法、つ…使える者からは。そ…うだな、その方が良い…きっと。
…最近も。結構、数、増えてるから……束ねていったら、か…かなりの量に。なりそう、だし… 」

(そう。この数日でまた、ミレー族の団員が、増えた気がする。
その辺も、オリジナルの術や。それが行われている場所に、関係しているのかもしれないが…。
差し伸べられる右手。そこに宿る紋章に。また少し、首を捻るようにして考えてから。)

「 た、丹田って。し…ってるか?
気とか、丹とか、そういう力…魔力も。そ、其処によく、あ…つまるんだ、って。
…だから、そ…其処が。良いんじゃ、ないか…な…? 」

(例えば寧ろ、シェンヤンの方面などで。良く知られている話だろうか。
…ただ、それが何処に当たるのか。実際に示す時は。物凄く、熱が有るのではないかという程、頬を染めた。
大凡にしてみると、それは臍から幾らか下…という位置取りになるわけで。
見方によっては何というか。淫らな意味合いを持つ紋様と、勘違いしてしまいそうな場所に程近く。)

ネメシス > 「別に耳を下げる必要はないわよ。
賢いだけが全てじゃないし、
色んな特徴のある人が集まっているのがうちの強みでしょう?」

騎士団には頭脳派も少ないながら存在し、当然暴れるだけのメンバーも居て。
そういった個性派を全て飲み込んでいくことで大きくなってきたのだ。
だから気にするなと、頭を撫でておく。

「もっともっと幸せにしてあげるわね。

そうそう、遠慮も要らないし、力も必要ないわよ。
貴方が眉を潜めた段階で私は多分躊躇しちゃうもの。」

力を貯め込んでいけば、自然と踏み外してしまう恐れがある。
その怖さは十分に理解しているだけあって、ツァナの言葉に温もりを感じ取っていた。

「でしょう? 皆が皆前線に出てくるわけじゃないし。
それに私が強くなれば騎士団も安全でしょう。
今回の会戦も私が正面切って戦うのは変わらないしね。

丹田…あまり聞いたことないけど、お腹の辺りだったわよね?
じゃあ、お腹…見せてくれる?」

意外な場所を提案され、ネメシスは息をのむ。
日頃見ている場所であるも、これから印をつけるとなるとまた別の話。
生々しい想像に生唾を飲み込み、思わず力が籠る。
それは紋章にも影響を及ぼし、炎の形でありながら
色が桃色に。更には少し淫紋らしい形に歪んでしまう。

ツァナが希望する場所を示せば、右掌が触れ、紋が移るだろう。
それは痛くも熱くもなく、ほんの一瞬。
しかし、誰かが触れれば魔力の奔流を感じるだろう。
それは今後、ネメシスが触れることで魔力を集めていくことになる。

元々孕んだことのある妾達からはミルクを絞ったりしていたのだが、
それに魔力も加わる形で。

ツァナ > 「 それはま、ぁ、そうかも…だけど。…だけど、何て、い…言うのかな。
…任せて、い…良いっていう、のと。…任せきって、怠けるの…は。……べ、別だ…から? 」

(なので。頭脳派になりたいとまでは言わないものの。せめて、ニンゲン達の常識くらいは。知っておきたい。
その辺りも。先程のように、本などでの勉強を始めている理由。という事になるのだろう。
とはいえ、彼女がそういうからには。無理はしない、そう頷いてみせただろうか。)

「  そ。…そぅ、か…?…出来たら、ぉ…お前には。もっと、大勢。他の、者も。救って欲し…欲しいけど。
…そう、言われる…言っても、もらえるのは。 …何だか……良いな、うん…。
ん…うん。そう、お…お前が。思ってくれて、る間は。…大丈夫だ、きっと。 」

(その力によって、踏み躙られた者達の側。そんな自身の立場を、忘れた訳ではない。
…時々。今のように、自分一人が救われていて。良いのだろうかとすら、思えてしまう。
とはいえ、同様に救い上げられたミレー族が、決して少なくなかったり。今も増えつつある為に。
彼等、彼女等の幸せも。我が事のように思えるから。今は間違い無く……幸せだ。自分は。)

「 出て、い…行かないけど。 その分…お前、に。預けてく。そう、思ってお…おく。
私達が。力を、預けるって。そう…言っても良い…のかな?

そ、ぅ。…へそが、有って。其処から、さ、下がって……  っ、っ…!?んぁ゛…!? 」

(ぱちんと火花が弾ける…そんな、錯覚が有った。
実際に伸ばされた掌と、臍下との間で。発火や放電が起きた訳ではなく。
現実に、痛覚神経が何かを感じ取った訳ではない。もっと、目に見えない何か…
二人の魔力が引き合って、繋がって。内から外への流れが生じた、その感覚なのだろうか。

一瞬を経て、臍と恥丘の真ん中辺り。彼女の掌が離れれば。
掌に在った光が、転写されたように。指摘したその場所に、紋様が移されていた。
…騎士団の紋章から。少し形が歪んでしまった気がするし、色も随分違うのだが…というか本当に、淫紋めいてしまっていて。
ぐぬぬと呻き、色赤く染まった頬が、まるで元に戻らないものの。
それでも、納得したように頷いた。
触れられれば、其処から、魔力の流れが生じるのだという事を。
知覚能力だけはある為に、理解する事が出来たから。

自分が第一号という事も有ったから、最も効率の良さそうな場所を選んだ事もあり。無事成功したのなら…良かった、と。)

ネメシス > 「その通りね、私もその辺は考えないといけないわね。」

最近は読書迄始める熱心ぶりに感心していた。
同時に、任せて怠けることの多いだけに耳も痛く。

「大勢ねえ…救っていくのもいいけど。
これ以上の規模は今の所難しいわね。
これでも他の勢力に比べたら急拡大よ?
何せ島の本拠迄入れたら凄い人数なんだから。」

爵位を仮に得たとしても、政治的な根拠を得るだけで。
実際の規模などは今と変わらない。
だからツァナの期待にはすぐには応えられず。
ネメシスは困ったように天井を見上げていた。

「そうね、屋敷に居る皆が背中に居ると思うとなかなか心強いわね。
まるでヒーローみたい。」

皆の希望を背負って立つ日がやってくるとは。
これまでの振る舞いからは想像できない状況に思わず苦笑する。

「大丈夫? 痛みとかは走らないはずなんだけど。
うん、大丈夫そうね。
貴方のお腹から魔力が宿ってくるわ。

…見てみて、こーんなことも出来るわよ。」

ふたりが頭の中に想像していた淫紋が、ばっちりツァナの下腹部に刻まれてしまう。
顔を赤らめるツァナと、微妙な表情のネメシス。
とにかく話を先に進めようと、出来たばかりの紋に右手を当て、
早速魔力を集めていく。
紋の作用で集め過ぎそうになる場合、触れても流れない様になっている。
その辺の機能も確かめた後、左手を開き、小さな雷を走らせる。

紫色に光る電流はネメシスの意思に応じて形を変える。
今まで見たことのない、新しい力であった。

「おかげで上手く行くことが分かったわ。
明日から屋敷中の子たちに試していこうかしら。
ありがとう。」

ご案内:「旗艦『ブラックパール号』」からツァナさんが去りました。
ご案内:「旗艦『ブラックパール号』」からネメシスさんが去りました。
ご案内:「九頭龍山脈 山中の温泉宿」にエレイさんが現れました。
エレイ > ──とある夜。
九頭竜山脈のとある山の麓付近にある、やや寂れた感のある小規模な温泉宿を、男は訪れていた。
ロケーション的に立ち寄りやすい場所ではあるものの、あまり目立たない隠れ家的な
建物ゆえか客は殆どおらず、人気もあまり感じられない。
夕食を済ませ、ひとっ風呂浴びようと露天風呂まで足を向け、脱衣所で服を脱ぎ
タオル一枚を携え、浴場へと足を踏み入れて。

「いつもの旅籠の温泉もいいのだが、たまには違う風呂も楽しんでみるのが大人の醍醐味」

などと得意げに独り言ちながら、目前に現れた露天の岩風呂を眺め回す。
見慣れた旅籠のそれとは違う趣に、表情を緩めて。

「あっちよりは出会いの期待値が低いが、まああそこら辺はしょうがな──て、おや?」

その視界に、先に湯船に入っている人影を捉え、男は意外そうに目を丸めた。
てっきり自分以外は居ないものだと思っていたので驚きだ。
そう思いつつ、タオルを腰に巻くと湯船にゆるりと歩み寄って行き。

「……やあやあコンバンハッ。湯加減いかがですかな?」

と、緩い笑みを浮かべながら、片手を上げつつ気安く声をかけてみた。