2017/05/02 のログ
レイカ > 「ええ、言いましたよ。…だって、カナム君は昔からちょっと考えが浅い子でしたから。」

私は、彼がそんなことをしてしまった以前を知っている。
ちょっと考えが浅くて、だけど今のカナム君のほうが好感が持てた。
以前、私の凝り固まった思考で彼を見なくなった分、きっと好感が持てるようになったのだろう。

「…大丈夫ですよ、次の皆はカナム君がどうなってもいなくなったりはしませんから。」

違う、いなくなったりしないんじゃない。
いなくならないように、私が今ここにいるんだ。
もう二度と、この子にミレー族を殺させたりなんかしない。

「ああ、大丈夫ですよ。
皆わかってくれて……ちょっと……?」

でも、確かにさっきまでの私の顔は、まるで氷のように冷たかっただろう。
目つきはもともと鋭い、でもその時には私の顔はむしろ表情がなくなる。
そんな私の顔を、カナム君は触ってもみほぐそうとしているのだろう。
演技をしているつもりはないけれど…いつもは楽しく過ごす。
そのことだけは、私も大賛成だ。

「さて…今日は帰ったら何を作りましょうか。
カナム君も食べるでしょう、いつもたくさん食べてくれるから作り甲斐があります。」

カナム > 「…正面から馬鹿にされた」

ぷくーっと頬を膨らましてそっぽを向いた
フォローもなし、言い訳もできないので拗ねるしかできなかった

「なら、行くよ。お姉ちゃんの事信じてる」

きっと自分がまたおかしな事をしでかした時は彼女が止めてくれる
そう信じて、しっかりと頷いた

「分かるのと受け入れるのは別だよ。
それに子供が見たら泣いちゃう顔してたよ?」

少し表情が出たのでそう言ってみる
さっきまでは子供が見れば泣いてしまい大人が見れば立ちすくんでしまうような眼をしていた
常に張り詰める必要はない。必要な時に必要な事ができればいい

「じゃぁ今日は魚とか食べたい!」

川魚を思い浮かべて手を上げる
沢山食べるのは好きなので彼女の言葉に嬉しそうに何度も頷いて

レイカ > 「フフッ……、そういうところがまだまだかわいいですね。」

今日もかっこいいカナム君というのを見ることはできなかった。
ふぉろもーも何もしなかったけれど、それはそれだけ私が彼を信じている。
もう二度と、そんなことはしないということを信じている証でもあった。

「……もう…、そんなこと言ったら頑張るしかないじゃないですか。」

信じている、とても心地のいい響きだった。
裏切りに会い、信じることを無くしてしまった私だけど、まだ心のどこかでは。
誰かを信じたいのだろう、だからその言葉はとても心にしみた。
そして、この子にこんな殺意を覚えさせた女を、私は許せなかった。

「え…そんなにひどい顔をしてましたか?」

確かに、いつも張りつめているつもりはなかった。
けれど、まさかそんなひどい顔をしているとは夢にも思ってなかった…。
そういえば、いつも私がこんな顔をしている時は誰も近寄っては来ない…。
そう思えば、よほどひどい顔をしている野はすぐにわかるはずなのに…。
うーん、と私は唸っていた。

「魚ですか…分かりました。
里の人がとってきてくれてるなら、今日は魚にしましょうか。」

漁をしている人が、今日はいただろうか。
もしいるなら、川魚を取ってきてくれているはずだ。

カナム > 「それって褒めてるの?」

いまいち褒められていない気がしてチラリと視線だけ振り返る
勿論本気で馬鹿にされているとは思っていない
こんな風に言い合える相手は今のカナムにはレイカただ1人だけなのだ

「期待してる。信じてるよお姉ちゃん!」

喜んでくれるのが嬉しい
だから自分は彼女の事を信じている
裏切られるなんて考えもしない、心の底からの信頼
傭兵として身を立てていた頃には絶対にできなかった事

「うん、夜中に見かけたら斬りかかる位だった」

かなり怖かったのだと頷く
あの表情のレイカに近付くには里の者では勇気が足りなかったのだろう
自分だった少し怖かったのだから

「沢山取れてるといいなぁ」

帰った後の魚料理を妄想しながら里へと2人で帰っていく
この後、正式にカナムが里の中で暮らす事を発表
夕食はカナムの希望通り魚での宴となったとか

ご案内:「設定自由部屋2」からカナムさんが去りました。
レイカ > 「さあ、どうでしょうね?」

でも、かわいい弟のように思っているのは間違いない。
彼はもう私にとって、家族も同然のように思っていた。
一緒に怒って、一緒に泣いて、そして笑って。
きっと、本当はこういう風に過ごしたかったのだとは思う。
戦ううちに、私はいつの間にか本当に楽しいことを見失っていた。

だからと言って、許せない相手は確実にいる。
私たちを怒らせたことを後悔させる…絶対にだ。

「……そ、そんなに…ですか。」

女を捨てたわけじゃないだけに、その言葉はちょっとショックだった。
そんなに怖い顔をしていたならば、今度からは里では自重しよう。
ドリアードたちが笑っている気がするけど…うん、木のせいだけだということにしておこう。

「その時にもよりますからね…でも、今日はたくさん取れてるはずですよ。」

…その期待通り、今日は豊作だった。
私は、その魚料理をたくさん作り、またみんなで楽しく騒いだ。

そのあと、私はカナム君を里に迎え入れることをみんなに伝えた。
そして…カナム君の敵…許せない女がいることも伝えた。

私の中の憎悪は…人間に対しての憎悪は。
また少し、膨らんでいた。

ご案内:「設定自由部屋2」からレイカさんが去りました。
ご案内:「瘴気溢れる沼地」にマティアスさんが現れました。
ご案内:「瘴気溢れる沼地」にエアルナさんが現れました。
マティアス > ――英雄になりたいという訳でも何でもないが、金銭は贖わなければ得ることは敵わない。

それはそうだ。日々の食事を得るにも金を使い、満足できる空間を得るためにも金が要る。
まして、魔術のあれこれに手を付けていれば、より金が飛ぶ。
兎にも角にも、否、この世の中だからこそ金が必要なのだ。時に金はそれこそ、神にも勝るのかもしれない。

「――……ああ、うん」

脳裏に浮かんだ戯言は、つくづく神に仕えるものたちに話せるものではない。
冒険者として受けた依頼に基づき、赴いた場所に立ち込める臭気に眉を顰めつつ、そっと息を零す。
また、魔族の仕業か、それともそもそも、この地にはそうなる定めでもあったのか。

元は清らかな湖であったらしい地が、見る影もなく変貌している。
踏みしめる地面には淀んだ汚泥が半乾きで堆積し、水たまりにはぼこぼこと臭気を吐き出している。
対策がなければ、この場にじっと居るだけで命取りになりかねない。

懐に仕込んだ護符による加護を纏いつつ、前に進む。――淀んだ沼地。其処に用がある。

エアルナ > 「見る影もない、というやつですねえ…これは」
湖だったというそこは、面影すら残らずに沼地に変化している。
澱んだ水に、枯れた水草、漂う臭気。
腕輪に嵌めた魔晶石の一つに風の呪文を込め、自分達一行の周囲に清浄な風の障壁を張り――呼吸の安全を確保して、ともに進む。
白狼と、青年とがいつもながらの同行者だ。

おそらく。この地をこんな風に変えたものは、潜んでいるならあの…沼の中か。
冒険者ギルドに依頼が来るのも頷ける、わけだ。

「蛇がいるらしい、とのことでしたよね?」
近づきながら。ごく小さな声で、確認してみる。
もちろん、周囲への警戒は怠らずに。

マティアス > 「まさに言葉もない、という情景だねぇ。分かっていると思うけど、加護を切らさないようにね?」

正直に言えば、個々人単位での防護を考えると余計な伴はない方が最良である。
無論、どうにかできる程の魔力があるのであれば、余計な言葉を言うつもりはない。
痛い目を見なければわからないと、いうこともある。
最悪、撤退も脳裏に浮かべる選択肢に入れながら前に進む。
靴底から感じる地面の感触は、きっとこう書けばより的確かもしれない。腐りかけの肉を踏むのにも似る、と。

「蛇じゃあないよ。ただ大きいだけの蛇なら、まだどうにかなる。……ほら、見るといい」

言いつつ、右手で前方の一角を指させば、見えてくる淀んだ沼地の水面が屹立する。
汚濁に染まった水を散らし、出てくるのは巨体。ただの巨体ではなく、蛇の如くあって蛇ではない。

異様に尖った大きなる牙を鳴らし、爛々と輝く眼で獲物を睥睨するのは、いわゆる多頭の蛇である。
目算で5本の首を備えた竜の眷属だ。毒液を吐き出し、再生能力にて名高い怪物。
その出現に表情を引き締め、腰の剣を引き抜く。

常日頃の余裕の気配が緊張の二文字に引き締まる。否、引き締めざるをえない。