2020/12/13 のログ
ご案内:「九頭竜の水浴び場 マッサージ室」にエレイさんが現れました。
エレイ > ──温泉旅籠内の、主に宿泊客向けに用意されたサービスの一つが、このマッサージ室である。

その施術室はいくつかの個室に分かれており、客は専用のカウンターで受付を済ませた後、各個室で待機しているスタッフと
一対一でマッサージを受けることになる。

なお、客にどのような施術を行うかは、スタッフの判断にすべて委ねる、というあたりはこの旅籠らしいといった所。
ついでに、各個室内には客に安心感を与え、施術への抵抗感を知らず知らずのうちに薄れさせてゆく効果を持った、
ほのかな香りのアロマが炊かれていたりもする。効果がどれほど出るかはその客次第なのだが。

「──よしこんなモンかな」

その中の一室を臨時スタッフとして担当している金髪の男は、施術用ベッドの近くにあるアロマの噴霧器(ティフューザー)の前に立って
ゴソゴソと何やら怪しい挙動をしていた。
男の手が離れたあとには、噴霧器のそばには銀色の小さな箱のような物体が置かれているのが見える。
それは最近になって入手した撮影用の魔導機械であり、ようはマッサージ中の映像を撮影してやろうという魂胆である。
なおこの箇所だけでなく、室内の他の場所にも密かにいくつか設置済みのため、あらゆる角度からの撮影が可能になっている。

「あとはいい感じのお客が来るのを待つだけなんだが……おっとと」

眉下げて笑いながら、うまく『標的』になる客がやってきてくれるかどうかが問題だ、なんて考えていれば、
狙ったようなタイミングで背後のカーテンが開く音がして振り向く。
はてさて、そこに現れたのは男が望む対象なのか、それとも──

エレイ > そして男は客を迎え入れ、カーテンは再び閉じられ──
ご案内:「九頭竜の水浴び場 マッサージ室」からエレイさんが去りました。
ご案内:「設定自由部屋」にジェイクさんが現れました。
ご案内:「設定自由部屋」からジェイクさんが去りました。
ご案内:「暗い小部屋」にカサンドラさんが現れました。
ご案内:「暗い小部屋」からカサンドラさんが去りました。
ご案内:「設定自由部屋」にジェイクさんが現れました。
ジェイク > 王都から離れる事、半日。昼下がりの近隣の村落に通じる街道。
普段から人の往来が多い、その道を遮るように柵が設けられ、
道の脇には幾つかの天幕が建てられ、簡易的な陣営の趣きを為していた。
街路に立ち、通行する馬車や通行人を差し止め、積み荷や身分の検査を行なっているのは、王都の兵士達。
曰く、此処最近、山賊や盗賊の類が近隣に出没するために検問を敷いているという名目であるが、
実際の所は隊商からは通行税をせしめ、見目の良い女がいれば取り調べの名を借りて、
天幕でしっぽりとお楽しみという不良兵士達の憂さ晴らしと私腹を肥やすための手段に他ならなかった。

「――――よし。次の奴、こっちに来い。」

でっぷりと肥った商人から受け取った賄賂を懐に入れて、彼の率いる隊商を通せば、
列をなしている次の通行人に声を掛けて近寄るように告げるのは一人の兵士。
何よりも厄介なのは、彼らが紛れもない王国の兵士であり、市井の民が逆らえない事だ。
そして、その事を理解している兵士達は、御国の為ではなく利己的に国民を食い物にしている最低最悪な屑揃いであった

ご案内:「設定自由部屋」にソラムさんが現れました。
ソラム > 初めて検問といういうものを見た彼女は何故にこの場所に陣を敷いているのか理解できなかったが、近寄ってくる人間は間違いなく王都の兵士で間違いなかった。

「.........特に変なものは持っているつもりはない」

近づいてくる兵士にそう言う。言っていることに嘘はないと彼女は思っている。強いて言えば今彼女が持っているのは護身用のハンドガンとエストック、メインウェポンのバスターソードと黒いファイルくらいしかないが、果たして兵士の反応は.......。

ジェイク > 裕福な商人からの賄賂で懐を温めた後、次に通したのは小柄な身長の女。
対峙した兵士はその少女の貌から爪先迄を舐めるように無遠慮な視線を向ける。
だが、彼女の身に着ける武器の数々を目に止めれば舌打ちを一つ洩らして。

「あぁ、……通って良いぞ。」

彼女の素性を確かめる事も、年恰好に似付かわしくない重武装を咎める事もしない。
今、此の場所において彼らの目的は王都の治安警護ではなく、
飽く迄も、自分達の欲望を満たすという下衆なモノ。
態々、得物を有した少女を手に掛けずとも、容易く歯牙に掛けられる獲物は存在している。
勿論、彼女の素性を問い質す等と言う真っ当な仕事に汗水垂らす気などは端から存在しない。

「――――次、」

そうして、彼等はもっと獲易い憐れな他の犠牲者を求めるのであった。

ご案内:「設定自由部屋」からジェイクさんが去りました。
ご案内:「設定自由部屋」からソラムさんが去りました。
ご案内:「暗い小部屋」にカサンドラさんが現れました。
カサンドラ > ―――――目を覚ますと、暗い部屋の中に居た。

床も壁も天井も、冷たく硬い石造りの部屋だ。
塔の上なのか、何処かの屋敷の地下なのか、窓も灯火も無い今の有り様では判らない。
ただ、己が部屋の真ん中に居て、天井からは滑車のついた頑丈な鎖がぶら下がり、
その先に繋がる金属製の枷に、己の両手首が吊り上げられている―――――
鎖の長さは靴を脱がされた、ストッキング履きの足を爪先立ちにして、
やっと姿勢を保てる程度に調節されている、ということだけが情報の全て。

暗くて、風の流れの感じられないこの部屋は、恐らく牢獄の類だろう。

覚えているのは、先刻、城からの帰り道。
体調不良でふらついていたため、通りすがりの男に絡まれた際、
うっかり生気を吸ってしまって―――――その男を昏倒させた、記憶はその辺りで途切れている。

あの男に仲間でも居たのか、それとも怪しい女として、然るべき場所へ突き出されたのか。
そこから先は、何故か記憶が無かった。
何らかの手段で、意識を刈り取られたのだとは思うけれど―――――。

カサンドラ > 部屋を満たす闇は動かず、意識は再び揺らぎ始める。
どことも知れぬ場所で、誰が来るとも知れぬ状況で―――――とは、思えど。

じゃらり、鎖を鈍く軋ませて、修道衣の女は項垂れた。

ご案内:「暗い小部屋」からカサンドラさんが去りました。
ご案内:「富裕地区/王都闘技場/訓練場」にビョルンさんが現れました。
ご案内:「富裕地区/王都闘技場/訓練場」にアイリースさんが現れました。
ビョルン > 家を出る前の腹ごしらえは自ら厨房へと立った。
粥を炊いて掻き割った餅を入れて一食とする。
それも相手が顔も腹も狙った来る相手であること、故に消化が早く活力への変換効率の良い物を、という考えがあった。

誘い合わせるでもなく目配りだけで家を出て、今日辿り着いたのは本戦場でも模擬戦場でもなく、修練場の一室だった。
立派な施設だけあって、長尺の得物を手にしても広さに困ることはないだろう。

アイリース > 先日、相手と訓練をしてから。
私は、いざという時に備えて日々の鍛錬の量を少し増やしていた。
そうして、予想通り、というかなんというか。
なんだか、自然とそういう流れになり……。

「……」

こうして、私と相手は、訓練場に立つことになった。
お互い、ピリピリとした雰囲気まで身にまとってはいないが。
少しだけ。心地いい緊張感がある。

「……で? 今日はどういった訓練をするんですか?」

少し体を捻ったりして、準備を整える。
一応、名目は相手の訓練に付き合う、ということなので。
問いかけてみるのだが。はたして。

ビョルン > 訓練場に準備された稽古用の武具の中から真剣とほぼ同じ大きさの竹光を手に取る。
そうして女へと向き直り、

「女に拳を打ち付けるというのは些か気がひける。
 ──好きなのを取れ、それ以外は前回と同じだ。場所は、違うけれどな」

と、声の起伏なく発する。
一通り、いろんな種類の練習用武器が揃っている。
殆どは、大きさこそ実物と同じなれど材料や構造を変えて重量ならびに殺傷力を減じたものだった。

チェスターコートとスーツのジャケットは壁へと預ける。
三つ揃いのベストの上からネクタイを緩めて、肩を回す。
支度が済めばその部屋の中央へ出て。

アイリース > 「それ、なんだか言い訳みたいですね。
 ……分かりました、少し、時間をもらいますよ」

なるほど、そういうことか。
私は、納得し。武具を見る。
私が扱えるような武器、となると……。

「じゃあ、これで」

私は、短刀サイズの竹光を二本に手にする。
それを、両方逆手に持ち。軽さを確認する。
そのまま、相手同様。中央へと歩み。

「……それじゃあ。始めましょうか」

そう言って、武器を構える。両手を軽く前へと突き出し。
腰を落とし、戦闘に備える。

ビョルン > ──お前じゃなきゃ殴ってるよ。

とは、言えない何かを察して黙っている。
相手が両手に短刀型の得物を握るのを見ればやはり女らしいと見る。

「ja,」

西の言葉で頷き、正眼に構えた。

「いこうか」

竹光の先に相手を見据える。
二刀流剣士はこれもまた、速攻連撃を狙うのが王道であろう。
相手の一歩を見れば、己もいざ駆けん。

アイリース > 実際のところ、武器を使った戦闘は久しぶりだ。
それが本物でなくても。武器というのは、否応なく、真剣さが増す。

「えぇ」

相手の気配が、一段重くなったのが分かった。
私は、構えたまま、相手に向かってすり足で近づいていく。
そして……軽く駆け、相手の射程距離へと入れば、牽制のために、右手を横なぎに振る。
もちろん、これを直撃させよう、なんて考えていない。

ビョルン > 構えたまま駆け、距離が削げれば長刀の射程へと詰める一歩は跳躍。
そうしながら高く振りかぶる。
着地と同時に重い一撃を相手の脳天めがけて打ち下ろしたい。

女が振った短刀の切っ先は己の脇腹へと当たる。
歯を食いしばり声は出さず。

アイリース > 「くっ……!」

相手が、私の攻撃を回避してくれれば一番よかったのだが。
なんと、そのまま体で受け止められる。
竹光なので、当然相手の体は切れない。
どころか、単純に私の右腕の動きを止められた形。
私は、そのまま相手の振り下ろしの一撃を、左の短刀で受け止めようとするが。

「あだっ!?」

体重のしっかり乗った一撃は、短刀を腕ごと弾き。
私は、頭に一発イイのを貰ってしまう。
そのまま、私は後方にごろごろと転がり、相手と距離を取るが。

「……むぅ……」

左手で頭を擦る。
幸い、コブなどにはなってはいないが。
やはり、単純な力比べでは分が悪い。
私はもう一度、短刀を構えつつ、相手の周りを旋回する。

ビョルン > 打ち下ろした後は、女の短刀に掛かる左側へと飛んで突きの衝撃を緩和させようと試みる。

そうして相手へと放った甲割の一打は重すぎたろうか。
防ぎきれず貰ってしまったらしい相手へと

「お医者でも呼ぶかい──…?」

と、軽口を飛ばすが己の想定よりお鉢の硬い様子に、また竹光を構える。
警戒していれば、女は己の周囲を回り出す。
前回の素手喧嘩のときもこの動きがあったとの記憶。

狙いは実に定め難いが、それが狙いならば止めようか。
上段に構え直す。そこから女が己の真横を通るタイミングを見澄まして袈裟掛けに斬るように右下方へと竹光を振り落とす。
切っ先は相手の脛辺り。
足を縺れさせることは叶わなくても進路を塞ぐことは出来ようか。

アイリース > 「ぬ……まだまだ。
 この程度では、参りませんよ」

相手の軽口に、思わず表情が険しくなってしまう。
が、ここで激高しては相手の思う壺。
なので、私は飛び掛りたい衝動を抑えつつ。
まず、相手の隙を突こうとするのだが……。

「っと、とっ……!」

相手の足元狙いの攻撃に、思わず私は飛びのいての回避を行ってしまう。
相手との距離が開いてしまったことに、思わず舌打ちするが。
私は、再度、ゆっくりと相手に近づきつつ、旋回を再開。
今度は、相手の武器の範囲の外で回るが。

(……なかなか。隙がないなぁ)

やはりというか。相手は刀の扱いに慣れているようで。
私は、次の作戦を考えようと、必死に思考を回す。

ビョルン > 相手が飛びのき距離を取るのならばそれはまた狙いの一つでもある。

けれどまあ。
けれど、己を中心として同心円状に相手が旋回するというのならばどちらを向くこともない。
適宜何処かの方向へ切っ先を振り下ろすだけで己のリーチ圏内は守られるのだろう。
けれど、それでは進展がないことは自ずと見える。

(呼び込むか)

思わず、飛び掛からずを得ないような隙だらけの姿勢とは。
しばし考えたのち、あからさまに音を立てて「ふぅ」と息をついて。

「もう息切れてるんじゃない?」

竹光は左手を外して右手で掲げる。
首の後ろを通して左の肩へと担ぐ。
さながら、棒手振りのような格好を取って相手の動きを見る。
全身隙だらけと見れば相手はどう出るだろう。

アイリース > 「……」

相手が隙を見せず。私も踏み込まず。
その状態で、数分経過。
相手が焦れる様子もなく。まさに千日手の様相だ。

「……ぬっ」

さてどうしたものか。
そう考えていれば、相手が構えを解く。
……明らかに罠であるのは間違いないのだが。
このままにらみ合いをしていても、相手の訓練にならない。

「……さて、それはどうでしょう……ねっ!」

ならば、と。私は両手の短刀を構え直し、大きく振りかぶり……。
そのまま、相手に向かって短刀を投げる。
竹光ゆえ、そこまでの速度では飛ばないが。
私はそのまま竹光の後ろを追うようにし、相手に接近する。
二振りの飛来する短刀。そしてその背後の私。
さぁ、どうさばくか、お手並み拝見、というところである。

ビョルン > 「……!!」

まさかの投擲。
視認できる角度からであるならば、横っ飛びに避ける。
そしてそれに続いて相手が飛び掛かって来るのであれば、刀を担いだ格好のまま己からも距離を詰めるように迎える。
己の腕<かいな>自身が届く距離になれば女の肩越しにその背中へと右手を打ち下ろそうとする。
竹光は握ったまま、順手側になる切っ先ではなく柄の頭部分を逆手から打ち付ける打撃である。

アイリース > 「くっ!」

完全に不意を突いたと思ったのだが。
相手は、私の投げた短刀をあっさりと回避する。
しかし、私としても、最早勢いは殺せない。
なので、そのまま相手に接近戦を挑もうとするのだが……。

「がはっ……」

同時に、相手の一撃が背中に落ちれば。
凄まじい衝撃と痛み。
刀の柄での一撃である、とわかったのは、地面に横たわった瞬間。
私は、必死で呼吸を整えようとするのだが。
衝撃は肺にまで届いており、なかなか呼吸は落ちつかない。

ビョルン > 無造作に柄を突き下ろした時、己はどんな顔をしていただろう。
手応えを感じる暇もなく、女の咳き込む声が聞こえる。

(やりすぎた)

咄嗟に得物を足元へ落として地に倒れた女の元へしゃがみ込む。

「おい、大丈夫か!」

己が声を荒げれば、ここは修練場ゆえに本来の職員も駆けつけてこようか。
床に両膝をついて相手の様子が落ち着くのを待ち。

アイリース > 「げふっ、がふっ……」

結局のところ、呼吸は気合で元に戻るものでもなく。
私は、盛大に咳き込むことになる。

「……え、えぇ。なんとか……。
 ……やはり、正面から、武器を用いて、となると。
 私は、そこまで強くはないみたいです」

ごろり、と身を転がし。
仰向けになり、相手に言う。
苦笑を浮かべてみせるが。うまく笑えているかは、自信がない。

「……しかし、えぇ。
 お見事でした、若様」

少なくとも、相手はそこいらのゴロツキでは相手にならないくらい。
武器を使っての戦闘には長けているようだ。
……素手での格闘術よりは、こちらを磨いたほうがいいだろう。

ビョルン > 「薬師、薬師は居るか──? ……は? 連れの裸なんか見せるか下がれ」

相手が咳き込んでいる間にそんな遣り取りがあったが大きく本筋を逸れる故に割愛をすれば。

「動けるようになるまで横になっているといい」

スラックスのポッケからハンカチを出せば相手の額に滲んだ汗を拭い。
そうして相手が続ける言葉を聞けば緩く首を振って。

「──駄目だよ、褒めたら慢心する。
 俺の世界には、きっと俺より強い相手がいっぱい居るんだろうし……」

そうして時間が経てば手を貸して相手を抱き起す。
2人の使った獲物は既に元の場所に返却されているようだ。

アイリース > 「……申し訳ありません」

寝転がったまま、相手の言葉に従う。
痛みは強いが。骨などに異常はないようだ。
このまま少し休めば、すぐに動けるようになるだろう。

「……まぁ、それはそうかもしれませんが。
 でも、訓練を続ければ、もっともっと強くなれますよ」

相手に抱き起こされながら、そう言って笑う。
次第に落ち着いてきた呼吸を確認しつつ。
私は相手をまっすぐに見て。

「……では、今日の訓練は、これくらいにいたしましょうか?」

そう、問いかける。
もちろん、相手がまだ続けたい、というのなら。
それに従うつもりだが。

ビョルン > 「これに懲りずまた付き合ってくれるなら」

そして、もしかすると訓練場や模擬戦場をただ使うばかりでは済まないのかもしれない。
いずれ誰かの目に掛かれば試合の日程が組まれる可能性は互いにあるのかもしれない。

相手を立たせたら互いの衣服の埃を払い落とし、闘技場の訓練所を後にするだろう。
今日は相手の体を気遣うように己の腕を取らせて、肩並べて帰路につく。

ご案内:「富裕地区/王都闘技場/訓練場」からアイリースさんが去りました。
ご案内:「富裕地区/王都闘技場/訓練場」からビョルンさんが去りました。