2019/02/03 のログ
■キニス > 水を受けた取った様子を見て、顔色を窺うようにする
怒ってるのか、それとも気分が悪いのか
そのように考えていれば、彼女から声が掛かり
「あ、お、おう。大丈夫だよ。大丈夫」
眉が寄せられている様子を見て、苦笑いを浮かべる
腕を上げて、力こぶを作るようにしつつ、はははっと掠れた声で笑う
「…えっと、怒ってるか?」
不安げに彼女にそう聞く
■ジナイア > 男の様子にほんの少し、唇の端を微笑ませる。
それから発せられた問いに、視線を自分の前に転じて、考え込むような表情でもう一度ゆっくりと瞬きをした。
「……肝が冷えたよ」
そう零して、片手で目を覆う。
信じられないものを見た…その衝撃と…あの感覚。
彼は知らないだろう。彼がこと切れた後女が発した絶叫と、その表情を…
「頼みが、あるんだが」
目を覆っていた手を降ろしながら視線を男に戻す。声音はいつもの取り澄ましたものに戻っている…
■キニス > 「…すまんな」
何があったかは予想できるが敢えて口に出さず
彼女の感情を察知すればあまり言葉を発しないようにする
本当は死ぬ気は無かった。だけど、あの場合、仕方なかったんだ
「あ、あぁ…何だ?」
彼女と視線の高さを合わせ、そのように問いかける
■ジナイア > 「…今後、私に何か起こったとしても…キミが命を賭するような事は、しないで欲しいんだ…」
語尾が、震えそうになった。
言い終えるや否や、俯いて、更に項垂れる。黒髪が前に零れ落ちて、赤銅色の項が寒々と晒された。
俯いたまま唇を噛んで、耐えられないんだ…と零す。
「…誰だろうと、私の所為で…犠牲になるのを見るのは…」
■キニス > 「…」
彼女の言葉を聞く
その言葉の重みを受け止めれば、彼女へと寄り添って
顔を見ようとはせず、その手を握って
「お前に、過去何があったかは知らないし、無理に知ろうとも思わない
…だけど、わかった。美人の頼みは断れないからな」
まっすぐ前を見て、彼女の手に自分の温もりを教える
生きている。今は生きている、と。
■ジナイア > 握られた手を俯いたまま見つめる。瞬きをすると…水滴が零れ落ちて、白い袖に密かな染みを作った。
(…この手は、もうあの出会った時のものではない…)
その考えが忍び寄れば、更に涙が零れる。
呼吸を少し整えるのに数舜。歯を食いしばって…頼むよ、と俯いたまま呟いた。
「もう少し…キミ自身の命の重みを思い出した方が良い……」
絞り出すような声は、抑揚に乏しく、静かに耳に届くだろう…
■キニス > 涙を零す彼女を見て、少し戸惑ったように頬を搔く
泣いてる女性に声をかけることが出来ず、ただただ黙って、その手を握るしかなかった
自分のせいだ。どうすれば分からない戸惑いと罪悪感が芽生える
「長い間、『こう』してると…忘れがちになるんだ。すまないな」
彼女の言葉を聞けば、そのように謝る
確かに今彼女の手を包んでるそれは、出会った時の物ではない
死ぬ度にリセットされる身体。それはそれで便利かと思われるが
死ねないのは、生き返るのは、それはそれで苦痛なのだ
■ジナイア > いや…と声を返して、ゆっくりと取り澄ました表情の顔を上げる。…未だ、彼を直視はできない。
「キミが好きでなった状況でないのは知っているからな…だから、これは私の…我儘というやつだ」
瞳の泣いた跡は隠せはしないが、声の抑揚はいつものしれっとした調子を取り戻していた。
「…全く、キミとはうかと『模擬戦』もできやしないな…」
■キニス > 「…おう」
彼女が顔を合わせようとはしない
その気持ちも分かる。だから敢えてこちらを向くようには言わず
目元の泣いた跡を見れば、彼女の肩に手を忍ばせ、抱き寄せるようにしようとする
「しょうがねぇ、その我が儘に付き合ってやるさ。…それは、何か悪い」
模擬戦の範疇を出過ぎた、と後悔する
次ぎは木刀か何かでやろうかと考えて、苦笑いを浮かべる
■ジナイア > 抱き寄せられれば、抵抗なく柔らかく凭れかかった。この方が、顔を見られずに済む…そう思うとまた不意に涙が零れて、唇を噛みしめて震えを押し殺す。
「…何、私もそこそこ楽しませてもらったからな…
まあでも、次はやり方を考えた方が良いのは確かだな…」
いつもの取り澄ました調子の声が震えそうになって、ひとつ吐息を吐く。
「…兎に角今はキミにひとつ、『借り』ができているわけだ」
早々に返させてもらわないとな…と言葉を継いで、漸く顔を上げて翠の双眸が彼を見据えた。
■キニス > 抵抗なく凭れ掛かった彼女をその太い腕で抱きかかえる
涙が流れているのも、少し震えているのも分かる
悔しかったのか、悲しかったのか…どちらにしろ、今の自分にはその拠り所になるしかない
「だな。考えが浅はかだった…落ち着いたか?」
持って来ていた綺麗なタオルを彼女へと渡す
出すのが遅かっただろうか、と思いつつ、少しぐらいは顔の汚れは取れるだろうと
彼女のぐしゃぐしゃになった顔は見ずに
「借り…ね。そこは俺が死んで、お前を悲しませたことで帳消しにして貰ってもいいんだけどな?」
顔をあげた彼女の頭を軽く撫でる
サラサラとした黒髪に沿うように指をなぞり
彼女をちょっとだけ愛おしむように微笑む
■ジナイア > 差し出されたタオルに瞬いて、次に少し笑みこぼしてありがとう、と呟きながら顔を拭う。
「それとこれとは別勘定だろう。…何より私の気が収まらない…」
ややぶっきらぼうな調子でそう言って、借りたタオルを微笑む彼へと押し返す。
「…此処から王都まで駆けて、どちらが早いか…やってみるというのもいいかもしれないな…」
冗談なのか本気なのか解らない、取り澄ました声で言うと、視線を王都の方へと向けて細めた。緩く風が通って、少しだけ黒髪がなびく。
■キニス > 「マジか…なら、キスしてくれるならチャラにしてやるよ」
彼女が笑みを零してるのを見て、こちらも笑顔を向ける
ぶっきらぼうに言う彼女にこちらは調子が良さそうに告げれば
彼女に少しだけ、顔を近づける
「おぉ…駆けっこ勝負かよ。俺は構わないけど…お前、疲れてるんじゃないのか?」
彼女の提案を聞けば、困惑気味にそう答える
自分は体力も回復したし、勝つ自信はあるが、彼女はどうだろうかと
少し心配気味に聞く
■ジナイア > 彼の軽口に、余計なお世話だ…と近づけられた男の顎を押し返す。
「まあ、確かにな…勝てる気はしない。…次の機会だな」
あっさりと認めて肩を竦めて見せる。そうしてしれっとした横顔を見せながら、王都への道を踏み出した。
「陽が落ちるのも早いからな…急ごうか」
■キニス > 「こっちは割と本気なんだけどな」
溜息交じりにそう告げれば、彼女から顔を離して
抱き寄せる手を離す
「ま、そうだな。…あぁ、飯でも食って帰ろうや」
彼女の背中を軽めに叩けば、その横に立つ
様々な感情が渦巻いた模擬戦も終わり、王都への道を彼女と共に歩み始める
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 平原」からジナイアさんが去りました。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 平原」からキニスさんが去りました。
ご案内:「平民地区 隠れ家」にチェシャ=ベルベットさんが現れました。
ご案内:「平民地区 隠れ家」にリンさんが現れました。
■チェシャ=ベルベット > 温泉宿で先日会ったばかりのリンをまたぞろ平民地区でばったり出くわした。
どうやら相手はひどく焦っていて、しかもいつもよりも縮んで小人サイズであった。
聞けば借金取りに追われているそうなので、普段のチェシャなら「あ、そう。頑張って」で通り過ぎてしまうのだが
リンが必死に泣きついてくるものだから仕方なく匿ってやることにした。
王国内に隠れ家は結構多いチェシャは、おもちゃ屋の二階に入る。
ここも隠れ家の一つ。手狭の小部屋だがやり過ごすにはちょうどいいだろう。
胸ポケットからリンをつまみ出し、部屋に置かれていたおもちゃの街にぽいっと落とすと
自分も上着を脱いでそのへんの椅子に腰掛けた。
なんだか厄介なことに巻き込まれたなぁと思う。
ミニチュアで出来た町並みは家々やガス灯など精巧に出来ている。
女の子がおままごと遊びするのに適しているのだろう。
■リン > 「いやあ助かった助かった……」
向こうがこの部屋を突き止めたってまさかミニチュアの街の中まで探してはこない……だろう。そう思いたい。
広がる街の中にいると自分の大きさが常人に戻ったような錯覚も覚えるが
精巧にできていると言ってもところどころパーツがデフォルメされていたり
パステル調だったりで違和感は生じるものである。
微妙に自分と縮尺の合っていない家に入って人心地つく。
窓を開けると街の向こう側には風景のようにチェシャがそびえていた。
文字通りの一寸法師と化したリンには彼はお城のような大きさである。
目が合うならのんきに手を振ったりするだろう。
■チェシャ=ベルベット > 「お前のんきだなぁ……」
こちらを見て窓から手を振るリンに思わず人差し指でちょんと弾いてやる。
まぁ借金取りがどれだけしつこかろうとおもちゃ屋の二階までは探しに来ないと思いたい。
まして縮んだリンならば見つけづらいだろう。
ふぁあ、とあくびして椅子に座り直すと、ぼんやりと上からリンと町並みを見下ろす。
ちょこまか動く小人はまぁ目に楽しませてくれるもので、このまま貴族子女に売りつければ借金とか一切チャラになりそうだなぁ
なんて思ったりもするわけだが。
「まぁ夕方くらいまでなら匿ってやってもいいけど、用が済んだらとっとと出ていけよ。
僕も暇じゃあないんだから」
■リン > 「この身の上だと危機感がだんだんマヒしてくるんだよね……
いてっ! やめろって!」
チェシャが身体を近づければ、リンは家ごと影に包まれてしまう。
指で突かれて部屋の中に転がる。
ベッドの上に寝転んでみたが、やはり小人がくつろげるようにはできていないらしい。
服がなかったので、真の住民である家に置かれていた人形からワンピースを勝手に剥ぎ取って着る。
規格が合っていないのでぶかぶかだ。
ドアから外に出てチェシャを見上げ、ぴょんぴょん跳ねて存在をアピール。
「せめて元に戻るとかぐらいまでは保証してほしいなぁ。
あ、おやつとか出ない? おなかすいちゃったし喉も乾いた」
天性の図々しさを発揮して要求を重ねる。
■チェシャ=ベルベット > 傍若無人でミニチュアの街の主となったリン。
ぶかぶかのワンピースに似合ってないなぁなどと思いながら
図々しくおやつを要求する相手に辟易してきた。
「お前、衣食住を僕で満たそうとするんじゃない。
このままここに暮らすつもりか?」
あんまり快適には出来ていないのに、それなりに楽しんでいるらしい相手に
呆れ顔で尋ねる。
まぁ水ぐらいなら出してやってもいいだろう。
下の階から鳥用の水入れと自分で飲むコップ一杯の水を持ってきて
水入れをリンの前に置いた。
コップは窓のふちに置いておく。
「食べ物はもとの大きさに戻るまで我慢しろよ」
■リン > 「もし元に戻れなかったらそうなるかもね。
まあほら、かわいいペットを世話するぐらいの気持ちで。
この借りはちゃんと返すからさ~」
胸の前で手を合わせておねだりするポーズ。
「わ~い。ありがとうチェシャ様。
ははは。これで水飲むのだいぶ人間以下になった感じ。
……あ、ぼくの大きさだと歯が立つような食べ物ない?」
苦笑いしつつもそこまでは堪えてなさそうな様子で、
浸かれそうなぐらい大きい水入れにかがみ込んで口をつける。
「にしてもこうしてるとまるでチェシャが大きくなったみたいだな……。
下手なドラゴンぐらいならひねりつぶせそう」
■チェシャ=ベルベット > 「どこが可愛いペットだ。邪悪な小人の間違いだろ」
うへぇ、と自分に媚を売るリンを見下ろす。
まぁ鳥用の水入れはやり過ぎだったかなあと思いつつ
ちょうどいいサイズが無かったので。
「僕が大きくなったんじゃないだろ。
ドラゴン、ねぇ。まともにやり合いたくはないなぁ。
捻り潰すにしてもやけどぐらいは負いそう」
夢想するような物言いにこちらも冗談を返す。
ふと、こいつ卑猥な妄想で縮むなら、賢者タイムでもとに戻るんじゃないかと思った。
こいつの賢者タイムってどんなのだ……?
シワシワのじいさんばあさんとか見せれば一瞬で元に戻るのかな、とか考え始めてしまう。
とりあえずちょっとビビらせたら、青ざめてもとに戻ったりしないかな。
そう思うと実行せずにはいられないのがチェシャである。
椅子に座ったまま街ににじり寄り、靴を履いたままのつま先でちょっとリンのそばを踏んでみる。
ぐしゃっと、あっけなくミニチュアのおもちゃがバラバラにされてそこらに散らばった。
リンにしてみればちょっとした地震が起こったに等しいかもしれない。
■リン > 「人をゴブリンか何かみたいに言うなよ……」
軽口の押収をしていると、見上げるチェシャが大きくなった……のではなくこっちに近寄ってきた。
なんだろうと思っていると、片脚がミニチュアの街の上に翳される。
「え?」
靴のつま先が、精巧に作られた代わりに頑強性が犠牲になっている塀やガス灯を安安と破壊する。
その振動でリンはチェシャを見上げたまま転がってしまった。
「え……ちょ、何?」
相手の考えを測りかねた様子の小人は、逃げもせず呆然と一軒家のように大きい、
よく磨かれた靴とそこから伸びる少年の脚を見上げている。
縮んだ身体がもとに戻ったりする様子はない。
■チェシャ=ベルベット > 「性悪さに関してはどっちも似たり寄ったりだろ」
振り下ろされた足があっけなくミニチュアの街を破壊するのを
振動で転がってぽかんと見上げているリン。
その間抜け面が面白くて口の端が釣り上がった。
「いやぁ、卑猥な妄想で縮むならビビらせたり賢者タイムに無理やり突入させたりしたら
元の大きさに戻るんじゃないかなと思ったんだけど……。
どうもそう上手くは出来てないみたいだなぁ。つまんないの」
意地の悪い笑みを浮かべながら足を器用に動かして尻もちついたままのリンをつま先で小突く。
その衝撃でまたがらがらと家の中の家具が倒れたり、揺れたりしながらリンを突っつき回す。
「ほらほら、逃げないと踏み潰しちゃうぞ」
本気かどうか怪しい口調。
■リン > 「あぎゃっ!」
大質量のつま先にこづかれて大げさにも見える吹っ飛び方をする。
「じょ、冗談だよね……?」
しかしミニチュアの街の地震は臨場感がありすぎて、リンに恐怖を刻むには十分だった。
とはいえ、逃げる場所などない。
どこか楽しそうな声をBGMに、通りにあたる部分を転びながら走り、まだ無事な家を見つけては
回り込んでチェシャの反対側に隠れる。
「はぁ、はぁ……」
半泣きで息を切らしてへたり込む。
隠れられたつもりになっているのだろうが、上から見下ろせば簡単にわかってしまうだろう。
■チェシャ=ベルベット > ちょこまかとネズミのように家々を逃げ回るリンに
チェシャの猫としての本能が呼び起こされる。
ちょろちょろするものを見たらとりあえず追っかけ回したくなるのが猫の性。
このまま、地盤になっている厚紙をひっくり返して床にはたき落とすのも楽しそうだが
とりあえず隠れたつもりになっている相手に、さらなる恐怖を刻みつけようといつもの黒猫に変身する。
とん、と軽い音を立ててミニチュアの街並みに降り立つと、のしのしと我が物顔で通りを歩く。
「どこだどこだ、うるさい小人は噛み付いてしまうぞ~」
かくれんぼの鬼のような声音で家の窓を金緑の目が覗く。
まぁもとよりどこにいるかなど丸わかりなのだが、長い前足で隙間を引っ掻き回したり
しっぽで壁を叩きつけたりしながら焦らしてリンを探す振りをする。
「んん~見つけた!ネズミのような小人!」
家をひっくり返して、リンを暴き出すと、前足でがばっと取り押さえようとする。
■リン > 人から黒猫の姿になってスケールダウンしたが恐怖の対象であることには変わりない。
丸太のようなかわいい前脚が立ち並ぶオブジェクトをなぎ倒し、
大蛇のような尻尾が家の壁を打ちつける。
巨人から巨獣と化したことで家探しの所作が粗暴になり、家々が荒らされるけたたましい轟音にますます身がすくむ。
暴れる黒猫におびえて息を殺す様子はいかにも滑稽だろう。
「ひぃっ!」
そしてとうとう前脚の下敷きになってしまう。軽く押さえられただけでもう動くことはできない。
「や、やめっ……食べないで……」
猫を見上げて恐怖に震える瞳は本物だが、肉球の下でワンピースの裾がめくれあがり
股座にぶら下げているものが大きくなっていることが……チェシャにはわかるだろう。
被虐と屈辱に反応してしまったのだ。
■チェシャ=ベルベット > 「こんなやせっぽっちのネズミ、食べたって腹の足しになりゃしないよ」
ははん、と鼻で笑うと前足の下敷きになっているリンを見下ろす。
と、はだけたワンピースの下、股座に付いているものが何故か勃起していた。
猫の目がきょときょととそれを見つめると、ぷっと吹き出して笑い始める。
「なんだよ、お前こんな事されて勃起しているのかよ!
難儀な性癖だなぁ……!」
けらけらとひとしきり笑うと、片足の肉球で豆粒よりも小さな突起をつついてやる。
なんだかよく出来た品のないおもちゃみたいだなぁと思いながらつつくとやがて先っぽから我慢汁が滲むだろうか。
「んん~、こんだけ小さいと犯す気力もなくなっちゃうなぁ。
どうしよっかなぁ……舐めたらたぶんヤスリみたいに痛いだろうしなぁ」
猫の舌はざらついていて、下手なことをすると傷つけそうな気がする。
とすると、方法は一つしか無いんだけれど。
ぴょんと街から遠のいてまた人間に変身すると、椅子に座り、靴を脱いで足を晒す。
靴下に包まれたつま先で、リンの頭を小突くと
「お前、オナニーしろ。その粗末なものをちゃんとしまえよ」
ぐにぐにと足裏で相手の体を地面に押しつぶす。
■リン > 「だって……」
大きくなってしまうものは止めようがない。
笑われながら戯れに突かれるとそれでも反応してしまう。
相手が人の姿に戻り、牛一頭よりも大きい足裏が小人の全身を覆い隠す。
「は、はい……」
足指に顔をうずめ、身体を揺する。足の裏にこそばゆく動く感覚が伝わるだろう。
靴に閉じ込められていた足の代謝と匂いが発散して、リンを包み
じっとりと支配する。呼吸をするたびにそれらが肺に取り込まれていく。
興奮したリンには、それも芳香に感じてしまう。
頼んでもいないのに足指に口づけて、ちろちろと舐めはじめる。
「はぁぁ……チェシャ、チェシャっ……」
許しを求めるような喘ぎ声が小さく足指の間から漏れ、
少し待てば小さく震え、靴下越しの少年の温かさを感じながら、みじめにチェシャの足裏を汚すだろう。
■チェシャ=ベルベット > 「はぁ、今の姿、記録できる魔道具があったらさぞ面白いんだろうなぁ。
好事家に売りさばきたいなぁ。”怪奇!足裏で興奮する小人”ってタイトルでさぁ」
意地の悪いことを言いながら自分の足裏で好き勝手されると、なんだかこそばゆくて仕方ない。
ネズミの舌のようなリンの舌が足指を這っていくと、思わずくすぐったくてその震えで踏み潰しそうになる。
「僕でオナニーするのは高いんだぞ。まぁ今は足だけだから
破格で請け負ってやるけど」
少しはサービスしてやるか、と画鋲の先ほども無いリンの性器を足の親指と人差指で挟んで擦ってやる。
ちょっと加減を間違えると潰してしまいそうで、結構気を使う。
まぁ潰して不能になっちゃっても自業自得だよな、なんて思いながら
シコシコと靴下の繊維で扱いてやる。
足裏にリンの先走りが濡れたようだが点のような湿り気ではわかるわけもない。
「ほら、みっともなくイけ!小人のイきかた、見せてみろよ」
■リン > 恥辱と快楽に苦しんでいるのは自分だけである。
相手がふざけあざ笑う声が耳を心地よく感じてしまう。
さらしものにされて売りさばかれる自分の姿を想像して、興奮が高まる。
「も、もうイッ……ひぎっ! あっ、やぁっ、とれちゃう……っ!」
規格が違う上に加減の聞きづらい足指での責めは小人にとって苛烈すぎて、
焼け付くような痛みと快楽が同時に襲ってくる。
「あっ、ふぐぁ、あ゛――っ」
荒っぽい命令を叩きつけられて身体が揺さぶられる。
口端からよだれをこぼし、足指の間からぴゅうと勢いよく白いしずくを噴出し、チェシャの靴下に再びシミを作る。
■チェシャ=ベルベット > 「あーあー……靴下汚れちゃった。ちび小人の精液でベトベト。
これもう、履けないからお前にやるよ」
荒い刺激で果てたリンの上に両足脱いだ靴下をぱさりと投げ捨てる。
素足のまま靴を履き、さて、暴れた後始末をどうしようかと考える。
ミニチュアの殆どが倒され、壊れているものが多いからきっと店主から文句を言われるに違いない。
今のうちに修理代を支払って、機嫌をとって置かなければならないぞと思いつつ
なんでこいつだけ性的に満足して僕が尻拭いしているんだ?という思いにも捕らわれる。
まぁ後でリンから代金をふんだくればいいか、と納得してぐったりしているリンをそのままに階下へと降りていった。
■リン > 「ううっ……」
さめざめと泣きながらも残り香のこもった靴下を抱きしめて
もう一度自慰をしてしまう。悲しい生き物だった。
後に金を請求されるなら「いや……確かにぼくだけ気持ちよくなったけど
そもそもそっちが暴れたのが悪いじゃん……」と奥歯にものの挟まった表情になるだろうが
それはまた別の話である。
ご案内:「平民地区 隠れ家」からリンさんが去りました。
ご案内:「平民地区 隠れ家」からチェシャ=ベルベットさんが去りました。
ご案内:「ゾス村近くの森の中」にオルティニアさんが現れました。
■オルティニア > 「はぁっ、はッ、はぁ…ッ、ん、くぅ…っ。 ――――やっぁぁあアアッ!」
ひいでた額に珠汗を浮かべ白皙の美貌を紅潮に染めたエルフ娘が、化物の胴部から銀剣を引き抜いたておびただしい鮮血を噴出させた。
昼尚暗い森の中、美貌のエルフは妖精らしからぬたわわな双乳を派手に揺らしながらの大立ち回りを演じていた。
木々の合間に見え隠れするのは、小柄なエルフ娘よりも更に一回り小さな緑肌。まばらに生えた頭髪と、黄濁した双眸、魔女めいて大きな鷲鼻と汚らわしい乱杭歯の醜悪な妖魔―――ゴブリンである。
刃毀れの著しい手斧、赤錆びた小剣、半ばから折れた長槍等の獲物を携え、キィキィと耳障りな声音を上げてエルフ娘を囲む数は実に20を越えている。
1対1なら相手にもならぬ雑魚ではあるが、流石にこれだけの数ともなるとエルフ娘の手に余る。
真正面から戦えば、程なく全周を囲まれて嬲り物にされるだろう。
死角からの攻撃にも問題なく対処出来る"真の達人"と言えるレベルには、まだまだ達していないのだ。
■オルティニア > 故に、先程から大きく動き回り、包囲を形成しようとする外側からちまちまと数を削っているのである。既に7匹は屠ったが、連中は血に酔って興奮を強めるばかりで引く気配がない。
対するエルフは1太刀で1匹を葬る技量こそあれ、スタミナに不足がある。
正直言ってジリ貧の大ピンチであった。
「ハッ! てやぁぁああッ! ―――……ッ痛!? つぅう…ッ」
立て続けに2匹を刺し貫いて、ようやく生き残りの数を20以下に減じた物の、背後からの槍突きに気付くのが一瞬遅れた。
それでも必死に腰を捻り、脇腹を抉るはずだった一撃を腰横へのかすり傷に抑える事は出来た。丁度チュニック横のスリットから覗く白肌を傷つける形で裂傷が刻まれ、そこから溢れ出した鮮血が純白の太腿を紅く濡らしていく。
「はぁ…ッ、はぁ…ッ、はぁ…ッ、い、いい、加減……諦めなさい、よぉ…ッ!」
豊乳を激しく上下させ、形良く整った顎先からぽたりぽたりと汗を滴らせて脚を止めたエルフに対し、ゴブリン共は嗜虐の興奮も露わな歓声を上げている。ジクジクと血を流す傷口の薄い痛みに意識の一部が奪われる。このままでは、本当に……。
ご案内:「ゾス村近くの森の中」にエリミアさんが現れました。
■エリミア > 「えいっ」
エルフの少女に襲いかかるゴブリンの群れの後方で、少女の声が響くと、頭を凹ませて穴という穴から血を流す一匹のゴブリンが倒れ伏す。
その背後に立つ少女の鋼鉄で覆った腕甲に血がついていることから、新たな闖入者であることは他のゴブリンやエルフの少女にもわかるだろう。
眠たげな目で残りのゴブリンをざっと見た後に、追い詰められつつある相手を見咎めると少しだけ瞼を大きく開く。
「あれ、オルティニアだ、久しぶり。……あ、もしかして冒険者ってオルティニアのことだったんだ?」
エルフに似ているが、少女の発育はエルフの少女ほどではなく、軽い調子で手を振っていく少女の口元から尖った犬歯がのぞく。
相手にも、仕事を頼んだ冒険者の到着が遅れてる、という話があったことに覚えがあるかもしれないが、どの道少女であることを伺わせる話はなかっただろう。
「別にお金とかいらないんだけど、大変そうだし、手伝う…よっ!」
少女はそのまま担ぐように持っていたグレイヴを構えながら、唐突に走り出す。
そしてすっかり追い詰めた気になって興奮していたゴブリンたちの内の哀れな一匹を、持ち前の怪力で両断するだろう。
■オルティニア > 『――――……ギャギ?』
「―――ッ!? ……誰、ってぇ、偽エルフっ!? な、なんであんた、こんなトコに……って、と、とにかく助かったわ、あんたはそっちから、あたしはこっちから! 下手打って死んだりしないでよっ!」
不意打ちで仲間を殺されたゴブリンは間の抜けた声音を上げて、助けを得たエルフ娘は苦しげだった表情に改めて活力を漲らせて、新たに現れた細身の少女に目を向けた。褐色の肌に黒の短髪。相変わらずの眠そうな赤瞳にエルフっぽい長耳。
その外見こそ、陵辱相手が一人増えたといった代物だが、無骨な腕甲で仲間の頭部を叩き潰したのだから驚異である事は確かなはず。それでも乱入者の油断を誘う見目が初動を遅らせ―――それは更に数匹の犠牲を産むこととなった。
まともな回避運動を見せる事も出来ずに、非力そうな小娘が振り回す両手武器で次なる一匹が"両断"され、それを今度ははっきり目にしたゴブリン共がますます浮足立つ。
「――――シッ! ……いゃぁぁあッ! ……ハァッ!!」
そして、オルティニアとてこここそが己の生死を決定付ける"際"と判断出来ぬ新米ではない。限界に近付きつつあったスタミナの残りをかき集め、疾風の様に枯葉を巻き上げ困惑の最中にある小鬼の軍勢に切り込んでいく。
喉への刺突、胴部への2連続突き、そして頭部への切り下ろしを見せ技として刃を滑らせ、脇下の大動脈を切り裂き多量の血を流させる。
奇襲で2匹倒してくれた彼女に続き、エルフ娘が更に3匹。
それでも残りはまだ14。
『ギッ、ギギィッ!!』『ギャッ、ギギャッ、ギャァアッ!!』
その上黄濁した双眸を血走らせ、ますますの戦意を見せるゴブリン達は、8匹をエリミアに、残りの6匹をスタミナ切れの近いエルフにぶつける形で身を寄せ始めた。
■エリミア > 「に、偽…私はエルフだってことにしてくれないと、誰かに聞かれたらどうするの」
開口一番の聞きなれた呼び名には、少女は半眼の目のまま少し苦笑いをしつつも、まだまだ元気のある様子には安堵する。
血の付いた腕甲の指を唇の前に持っていきながら、間合いを詰めてもう一匹のゴブリンを血祭りに上げたところで、他のゴブリンにもその姿を認められる。
見た目こそエルフであるが、本質的にはゴブリンのような魔物と同じ少女の赤黒い目が、混乱するゴブリンたちを映していき。
「すごいすごい…聞いてたより多いね?うわっ…!」
その混乱に乗じて、あっという間に更に3匹のゴブリンを倒した相手に少女はまた少し目を見開いて。
わらわらと近づいてくるゴブリンを見て、取り回しで不利になるグレイヴを投げ槍のように扱って並んでいた2匹を串刺しにしていく。
そして流れるように振り上げた拳でもう一匹を殴り飛ばしたところで、両腕に纏わりつくようにゴブリンが抱きついてくる。
それにバランスを崩してさらにもう1匹が飛びかかってこようとするのが見えれば、手を抜く場合でないと判断する。
「もー、これお腹減るんだけどなぁ…オルティニア、そっちは大丈夫そうー?」
そのまま残りのゴブリンが殺到しようとするところで、不意に少女に抱きついていた2匹のゴブリンが切り裂かれて倒れ伏す。
血にまみれた少女の無手だった両腕が、黒曜石のような色味の甲羅で覆われている。
そこから三日月の如く反り返った刃が生えており、それがゴブリンを切り飛ばしたのだった。
少女は残った3匹に無造作に近づいていきながら、少なからずゴブリンが殺到していた相手を見やるだろう。
■オルティニア > 「――――ハッ! 聞いてくれるような誰かさんがいるくらいなら、今頃こんなウジャウジャ囲まれてないわよっ!」
気力さえ尽きかけていた状況での顔見知りの登場。そんな彼女との軽口の応酬が心地いい。口を閉ざして呼吸を整えるより、余程に体力を回復させてくれる気さえする。
彼女が冒険者としてどの程度に"出来るやつ"なのかは分からない。
しかし、素手で1匹叩き潰し、2匹目を1刀で両断せしめたのを見る限り、下手な立ち回りをしなければ8匹相手でも早々に負けはすまい。何より、オルティニアに精霊魔術という切り札があるのと同じく、彼女には触手召喚の魔術がある。ほぼ無詠唱で召喚された無数の触手はそれぞれにかなりの膂力も秘めていたし、筋力においては非力なエルフとも大差の無いゴブリン相手を一方的に鏖殺する事さえ出来るかも知れない。
で、あるならば、オルティニアが取るべき戦略は『ここを逃したらもう勝ち目はない』『エリミアが死んだらどうしよう』そんな弱気に激発されて、残り少ないスタミナを無為に消耗する吶喊に賭けるなんて無謀に出ない事。
「―――――ふぅぅう…っ、はぁぁ……っ、ふぅぅう……っ。フンッ、当ったり前でしょ! エルフ様がこんな汚らしいチビ鬼共に負けるわけないじゃない! あんたの方こそ――――って、ちょ、バ、バカ……って、うっわ……っ!?」
耳障りな声を上げつつ戦術もなく一塊に寄せてくるゴブリン達を、立木を盾に上手くいなすオルティニアは、離れた方から掛けられた声音にちらりと目を向け流石に慌てた。
先程まで持っていた長柄武器を2匹のゴブリンの墓標にしているのはいいけれど、別の2匹に抱きつかれて、更には3匹目にまで纏わりつかれる少女の姿が見えたからだ。連中に押し倒されてめちゃくちゃにされる彼女を幻視したのは一瞬。その直後には彼女に抱きついていたはずの2匹が血飛沫を上げて崩れ落ち、籠手から凶悪な刃を生やした彼女の姿に安堵して――――ゴッ!
側頭を石礫に殴打され、パッと中空に血しぶきを散らしてその身体をグラ付かせた。
周囲に群がるゴブリンの動きこそきちんと捉えて対応していたけれど、ゴブリンに抱きつかれた彼女を目にして乱れた心の隙を付く形で、視界の外からの投石にやられたのだ。
■エリミア > 「それもそうだけど、癖ってつい気の抜けた時に出ちゃうからね?」
まだまだ軽口を言う元気があることには安堵しながら、少女も乱暴ながら確実な手段でゴブリンを減らしていく。
大した魔術の心得もないが、怪力だけなら人並み以上の自信があるため、それを振り回してゴリ押すのみという戦術の何もない戦いでゴブリンを減らしていって。
「あ、あんまりこうやってわらわら来られるの得意じゃないんだって…!…オルティニアっ!?」
元々は人里への潜入用、それに乱暴な強化である程度の相手と一対一で渡り合えるように造られた少女は、減らしても減らしてやってくるような消耗戦は苦手の極致だった。
そして纏わりつくゴブリンを腕の刃で斬り飛ばしたところで、視界に入ってくるのは何か攻撃を受けたのか身体を傾ける相手の姿。
その様子に両目を見開いて慌てたように声を上げながら、接近戦の不利を悟って投石に切り替えつつあるゴブリンに、腕の刃を投げ飛ばして1匹を打倒して駆け出す。
「邪っ、魔ぁ!」
自分に向かってきた残り二匹のうち一匹の顔面に甲羅の鉄拳をめり込ませて、その勢いのままに相手を包囲するゴブリンの群れに突っ込んでいく。
背後で見逃されたと思って石を投げようとするゴブリンは、背後からブーメランにしてもあり得ない軌道で少女の腕まで戻っていく刃に巻き込まれて、そのまま倒れ伏すだろう。
それに見向きもせず、少女は相手の無事を確かめるように猛然と群れの中に飛び込んでいこうとして。
■オルティニア > クラ…ッと傾いだ細身が枯葉の大地に倒れ伏すかと思った所で、華奢な細脚を地面に突き立てどうにか耐える。しかし、歪めた双眸の翠瞳は不安定に揺れ、歓声を上げて近付くゴブリン達をまともに捉えてさえいない。額からドロリと垂れ落ちる血の赤がそんな目の一つに入り、エルフ娘の豊乳を支えていた蒼銀の胸甲が籠手と共に光の粒子となって消え失せる。
「―――――ッけんじゃないわよォ!!」
エルフらしからぬ咆哮と共に奮った細腕が、胸甲の支えを失った豊乳を大きく揺らし、ゴバッと地面を抉る業風にて下卑た笑い声と共に至近へと迫っていた4匹を小枝の如く吹き飛ばす。ゴブリン達は致死の勢いで巨木や大岩に叩きつけられ、背骨を圧し折り、脳漿を散らし、内臓を破裂させてへたり込んだ。
しかし、直後にかくんっと折れた細脚がエルフの小躯を跪かせ、横合いから飛びかかった小鬼のタックルに
「――――ッきゃあ!?」
押し倒された。すかさず近付いたもう一匹が細剣を持ち上げようとした細腕を蹴り、その繊手から銀の煌めきを弾き飛ばす。
『ギヒェッ!』『ギッ、ギギギィッ!』
興奮に歪む口元からだらだらとよだれを垂らし、汚らしくも爪の尖った指でエルフの胸元を鷲掴みにして、ビィィイイッと勢いよく若草色のチュニックを引き裂いた。その内からばるんっと弾け飛ぶかに零れた白乳の先端、シェルピンクの色彩が場違いな程に鮮烈な印象を残す。
ゴブリンの頭部を包み込める程に卑猥なボリュームを有する柔肉の塊が、桜色の先端を小さく震わせる様に興奮した小鬼は、ただでさえ存在するか怪しい理性を飛ばしてもう一人の驚異も忘れていきり立った肉棒を粗末な腰布から引きずり出して、真白な手足を弱々しく跳ねさせる瑞々しい獲物の股の間に突っ込もうとした所で――――『ギギャッ?』猛然とこちらに駆け寄る褐色に気付く。完全な死に体。
■エリミア > 「うわっ!あっぶない…!」
気を失うには至らず、血を流してその身を守る鎧を失いながらも奮戦を続ける少女の元へと急ぐ。
少女の咆哮と共に業風が吹き荒れて、その細身の身体が吹き飛びそうになるのを、地面に三日月の刃を突き立てて堪えて、それが治まればまた駆け出す。
「………」
相手のチュニックが破られ、あられもない姿になっていき、ゴブリンに纏わりつかれる少女の悲鳴が聞こえたところで、すっと少女の顔が険しいものになる。
直後、目の前の獲物に夢中になっている2匹のゴブリンの首に黒曜の甲羅に包まれた指が回る。
それに気づく間もなく、ゴブリンは左右に怪力によって放り投げられて、落ちた先が梢や落ち葉の山であっても、勢いで折られた首が致命となるだろう。
その血に濡れた腕甲は、まるで液体のようになって褐色の肌に染み込むように消えていく。
「大丈夫だった?…なんかおっぱい大きくなってない?」
何時もの半眼の目に戻った少女は、倒れ伏している少女にただの腕甲だけをつけた相手に腕を差し出していく。
そうして相手を助け起こしたところで、無事だとわかれば露わになっている乳房を見て揶揄うような余裕も出てくるだろう。
■オルティニア > 「―――やめっ、やッ、ぁぁあ…ッ!!」
唯一の武器を飛ばされ、汚らわしいゴブリン共に押し倒された無力な身体。人間の子供程度の体躯とはいえ、それでもオルティニアよりは体重もある。それが二匹掛かりでのしかかっているのだから、体術の心得の無いエルフ娘では容易に押しのける事も出来なかった。
そして、その矮躯には見合わぬ巨大な逸物が、黄ばんだ滓もたっぷりとこびり付けた穢らわしさを見せつける様に取り出され、ヒッと息を呑み思わず両目を瞑った。
その直後、不意に四肢を押さえつけていた重みが消えて、じんわりと涙を滲ませた翠瞳を恐る恐る持ち上げたなら、その眼前にあったのはいつも通りに茫洋とした赤瞳で、それでも確かに心配そうに覗き込んでくる少女の顔。
「~~~~~~……っ!」
傍らにしゃがみ込み、片手をこちらに差し出した彼女に思わずガバッと抱きついてしまっていた。双腕を包む籠手こそ無骨なれど、それ以外は冬場の野外では酷く浮いて見える水着めいた装束の彼女である。魔素鋼の胸甲も消え、破れたチュニックからあらわとなったエルフの爆乳の感触が、それはもうダイレクトに伝わるだろう。
ふんわりとマシュマロの塊を押し付けられた様な、それでいて薄く汗ばむ体温と、ドッ、ドッと内側から叩きつける胸の鼓動が生々しいエルフの肢体は、非力な細腕で褐色の細身をぎゅぅううっと抱きしめながら小さく小さく震えていた。
コンプレックスである胸へのからかいに憎まれ口を返す余裕もない。