2015/10/30 のログ
クロイツ > 「それはそれで士気が上がったりしない?
部隊の中に英雄がいればそれだけでみんな頑張るしね」

単騎での戦闘力の低さは自覚があるだけにそれをあえて行う騎士の姿をじっと見る
低いといっても何の人間よりは強いのだが

「ま、そうだね。
そこまで細かく考えるのが俺の性分じゃないしね。
ははは、そうなんだよ。これでも長きなんだ」

信号だけで命令を受け取るよく訓練された騎士の隊に目を向けて

「誰にだって役割はあるよ。
俺だって昔は魔王なんてやってたしね。
もう魔族軍は引き上げちゃったしさ。俺は今回は乱入者だから別に引き上げてもいいんだよ」

とんと軽い仕草で距離を取る様に後ろにと跳ね
戦うなら蹂躙しちゃうよ、と笑って騎士の反応を見る。

オルヴァ > 「英雄ね……それが役割というなら、つらい業だ。
私には向かない気がしますよ」

後ろにと跳ねる元魔王を見て剣を収め、愛馬を呼ぶ。
一体どこにいたのか、ポクポクとオルヴァに近づきクロイツをボーっと見つめる馬。

「よっと、それではお引取りを。それにしても魔王ですか。
魔族の方は人間を玩具程度にしか思ってないと認識していましたが貴方の様な人もいるんですね」

そういうと愛馬に跨りポクポクと騎馬隊に向かっていく

「そうそう何故、魔王を降りたのです?
はばかりなければお教えくださいよ」

半身だけ振り返りそう聞く

クロイツ > 「あれ?人間ってそう言うのに憧れるんじゃなかったっけ?
君みたいなのもいるんだね」

向かないという姿に変なものを見るような目をしてみてしまい
剣を収めるのを見ればゆらゆらと手を揺らす

「そうするよ。そろそろ帰らないと駄目だしね。
人間にだって色々といるでしょ?それと一緒だよ」

馬にまたがり騎馬隊に向かっていく姿を見れば背を向けて反対へと歩み出し

「降りた理由?
飽きたからだよ。ただそれだけ」

詰まらない理由だよと笑って答え。

オルヴァ > 「賢者は語らない。真の英雄はその魂、姿で相手に膝をつかせる。
それは理想だが間違ってる訳でもない、壊すことしかできないわたしには荷が思い……」

険しそうに、自らを嘲笑う。気持ちの悪い微笑だ。
前を向き馬進め、魔王の降りた理由を聞けば

「「飽きた」の一言で王を降りると……。
やはり、人と魔族は相容れない」

と呟き、それをかき消すように

「それでは、また戦場で!」

振り返る事なく手を上げ、騎馬隊と共に去っていった。

クロイツ > 「そんなものかな。結構様になると思うよ?」

英雄なんて結局は剣を振るものとしか考えていない少年は騎士の考えなど理解できずに眺め

「それはそうだよ。相容れるなら戦争なんてしてないって
んー、案外他であったりしてね」

そうして去ってく騎士を見送れば去っていくのであった

ご案内:「タナール砦」からオルヴァさんが去りました。
ご案内:「タナール砦」からクロイツさんが去りました。
ご案内:「タナール砦」にサロメさんが現れました。
サロメ > 装甲馬に跨った騎士が数名、砦へと現れる
第七師団が副官サロメの率いる魔法騎士小隊であった

「オーギュスト将軍の遠征の隙を狙っての襲撃…。
 フォルローク卿の迎撃が間に合ったから良かったものの…」

やはり、人間側の動きがある程度魔族達に知れている
そんな危機感を感じてやまない

「荷馬車から食料を降ろせ、今晩は砦に常駐するぞ」

サロメ > 砦を防衛する兵士達への労いと資材の補填も重要な任務である
現在タナール砦は魔族との戦線の要、魔族が動いた際には真っ先に襲われる危険な場所だ
それだけに武器や食料の備蓄は十分にしておかねばならない
……一部の強大な力をもつ魔族は平然と人間の街に入り込んでいるが、
その享楽的な思考が幸いしてか大きな被害は今のところ確認されていない
それは戦力を誤解させるためなのか、あるいは何か魔族の力を阻害する力が働いているのか
実際王城には強化された退魔結界を最近張り巡らせたばかりと聞く

「(街全体に施したという話は聞かないが)」

王城が最優先なのは当然として、
街にも施術しているなら、この砦にも施すべきである
思案しつつも積荷の移動を手伝い始める
流石に量が量だ。部下に何もかもさせるというわけにもいかない

サロメ > 『副官殿!?どうして副官殿が砦に…』

砦の防衛にあたっている第七師団の兵士慌てたような様子を見せる
将軍自ら最前線に突っ込んでいくオーギュストとは違い、
どちらかといえばサロメは副官としてその後ろに控えている立場だ
前線に赴くことは、副官の座についてからは少なくなったと言える

「机の上で紙と向き合う仕事にも飽いてしまった、…というのはまぁ半分冗談だが。
 魔族達の動きが激化している以上いつまでも部屋に篭っているわけにはいかないだろう」

降ろした積荷を兵糧庫へ運ぶ指示をしつうそう答える
相変わらず好き放題なオーギュストの監視も含めて前線に出てきた、というのが本当のところだが

ご案内:「タナール砦」に『触手ちゃん』さんが現れました。
『触手ちゃん』 > ―――しゅるり。
しゅるしゅる。にょろん。

いつのまにやら、砦に元いたと思われる、触手の残りカスが呻く。
絡み、絡まり、絡まって、絡まって。大きくなって、人の形。

(凛とした風貌の女性って素敵だよね。あの働く女性の脇汗をペロペロしたいよ。)

「やあ。毎度毎度、御苦労様だね、王国騎士団。だったかな。
よくも飽きもせず砦に訪れるね。人間は暇なのかい?」

声は、何処からともなく響く。第七師団の全員に、皮肉り笑った高く幼い声。
砦と言う場所にもかかわらず、一切濁る事も阻まれることもない、声。
魔力がある者なら、誰でも等しく聞くことが出来るだろう。

「美味しそうな食べ物と女の人だね。」

師団の兵と、サロメが居る所へと鉄壁なるスカートを風に煽り跳躍してくる、
中性的で無邪気そうな、それでも明らかに異様だと分かる雰囲気を持つ魔族。
彼女等の都合など知ったことではないとばかりに二人の会話に割り込む。

「単刀直入に言うよ、今日は運が悪かったって諦めてさ。
それだけ置いていって帰ってくれない、かな?」

サロメ > 『───!?』

突然響き渡る声に周囲にいた兵士達もどよめきだつ
ほどなくして、声の主とわかる魔族はその場へと現れた

その場にいた兵士、そして慌てて駆けつけた全員が即座に武器を構える

「待て!」
今にも斬りかからんとしていた兵士をサロメが制止する

「魔族か、自らこの状況に飛び込んで来るとは、
 よほど腕に覚えがあるのかはたまたただの酔狂か…。
 それで、『それだけ』というのはこの兵糧のことか?
 だとしたら答えは『いいえ』だ」

スラリと脇に差した長剣を引き抜き、突きつける
鈍朱の刀身がパキパキと音を立てて結露し冷気を放ってゆく

「それと…運が悪かった、などと諦められるなら人間達はとうに降伏している」

『触手ちゃん』 > 「わぁ。凄いや。」

全員が、一気にこちらに武器を構えた。手練れだ。思わず両手を上げて苦笑い。

「魔族?何を言っているんだい。ボクは『触手ちゃん』だよ。」

そういう事を聞いているのではない。

「あ、そうだ。物はついでだからお姉さんの名前も教えてもらえるかい?」

武器を振りかぶった一般兵らしき人物をそっちのけでナンパちっくなセリフを。

「あはは、勘違いしてるみたいだけど、ボクだけじゃないよ。ね、皆?」

さっきと全く同じ要領。
彼方此方から爺や老婆、若い女や少年、また人間とも思えない鳴き声が響く。
そして、砦の方々で黒くて細長い何かが呻く。
これは、攪乱する為の演出。音魔法と、自分の体の一部を使った自作自演。
だが、さも沢山魔族が居て、もう囲まれているよ?と言いたげな表情をする。
最もこの手練れ共相手にそれが通じるかなど分からないが。

「うん。そうだね。ボクは食べる事が大好きなんだ。」
(あと可愛い女の子も大好きなんだ。)
「…そりゃ残念だ。あ、『それだけ』ってのは兵糧だけじゃなくて。
キミも、だよ。可愛らしい騎士のお姉さん。」
(露出している太ももをペロペロしたいな。)

無邪気ながら、少し背伸びしたキザったらしく高い声で、笑いかけた。

「人間は諦めが悪いの、知ってるよ。だからこうして砦に要らない事を―――
ぁ。ボクをどうするんだい?…斬って殺しちゃう?」

両手を上げたまま。ちょっと怯えたフリを。

サロメ > 身構えた兵士達は一分の隙も見せていない、
が、周囲からの声と気配にそれも散漫となってしまう

『囲まれているのか!?』
『バカな!いつの間に!!』

ざわめきだつ兵士達を他所に、サロメは剣を突きつけたままに少年とも少女とも思しき魔族を見据える

「サロメ・スペルレイム。第七師団の副官を務めている。
 ……魔族には享楽的な思考のものが多いらしいな。
 この砦は我らの要だ。物を知らず遊びに来たというだけならば斬られる前に魔族の国へ帰れ。
 そうでないというならば、我々も容赦はしないぞ」

怯えるような様子を見せれば強い口調で忠告する
周りを固める兵士達も、周囲に気を配りつついつでも斬りかかれる体勢を崩さない

『触手ちゃん』 > 「ふふ…。」

意外と、攪乱できたらしい―――が、触手の前の大物と言える女性は、
そうではなかった。

「御丁寧にありがとう。親愛を込めてサロメって呼ばせてもらおうかな。
あ、もう一回言うね。ボクは『触手ちゃん』だよ。
第七師団って、アレだね。最近話題の。ボクも知ってる。」

にっこりと嬉しそうに笑う。両手を上げたまま。
しつこい自己紹介。

「そうだね。享楽的思考の理由の一つとして、
魔族は寿命が長い、若しくは尽きないからという物が考えられる。
せっかちで余裕がない人間とは違うのさ。
御苦労な事だね。何度何度も飽きもせず、奪われ、奪ってを繰り返して。」

怯えた素振りはどこへやら、
右に左にと、ゆっくりと歩く。そして。

「つまんないでしょ?」

剣先に向き直って、問う。

「帰れ?やなこった。ボクは言ったよ。
運が悪かったと思ってお姉さんと兵糧全部置いて帰ってくれって。
そして、キミは『いいえ』と答えた。答えてしまった。」

皮肉って笑う口調。

「選択を誤ったね、第七師団。
その選択肢はゲームオーバーでバットエンド直行だ。」

ふん、と拗ねたように鼻を鳴らす。

「『我々』も容赦をしないって言うなら―――。」

何か言いかけた折、言葉を止めて、すまし顔でフィンガースナップ。指を鳴らす音が砦に響く。
因みに響いた「ピンッ。」という気持ちの良い音は指の音ではなく音魔法の産物である。
過去に死滅した筈の触手の魔物であった残りカス、
先ほどの自演に使われた黒く細長い触手たちの十数本の束が呻く。
散漫になった兵士たちを男は粗野に頭部や顔面ぶちのめそうと、女は眠らせる毒素を噴き出して眠らせようと、
襲いかかり始める。まるで、一つの統合された意思の下に指揮されている様な動きで。
異体同心。異様な程に連携された動き。だがこれは当然だ、実際にそれらを操っているのは一人なのだから。
そして、それを統べるのは莫大な智慧を持つ魔族なのだから。
手練れであれど、異体異心たる人間の軍勢はどれ程戦えるだろうか―――?

サロメ > 「───どうかな?」
周囲から妙に統率の取れた動きで襲いかかる触手、しかし……

「前進!!」
号令がかかると即座に兵士たちは頭を切り替え、サロメが剣で差ししめす相手…
すなわち一人の魔族へと全員が狙いを定め突撃する

それが叶うのは、ただただ第七師団達が持つ将軍およびその副官へのある意味絶対的な信頼感である

全員の思考が切り替わったのを確信したサロメは長剣を自身の足元へと突き立てる

「私達人間は短命だからこそ実りある生を全うする。
 そこに短命も長命も、不老不死であろうと違いはないのさ。
 ……そして、これくらいでは我ら第七師団を相手どるなど…戯言だな!」

第七師団は対魔族に特化した部隊である
その柱となるべき将軍や副官に座する者の実力は推して知るべしと言ったところか

「氷獄に囚われろ───ミスティック・ケージ!!」

円を描くように周囲をアイスブランドが薙ぎ払う
周囲から襲ってきた触手はあるいは氷柱に貫かれ、あるいは冷気によって凍てつきその動きを止める
全方位に展開された氷の牢獄によってその動きを全て封じられる

兵士たちは、既にその領域を離脱し、目標の魔族へと斬りかかってゆく

『触手ちゃん』 > 「―――せめて『我々』って言えるようにしようね、って言いたかったんだけどなぁ。
なんて理不尽なんだろうね。嗚呼。」

悲観的に我が体の一部が凍てつき止まって行く様を見て嘆く。
触手が千切れ跳んで、動けなくなって。多方向からの攻撃が円形によって防がれてしまった。
最後の抵抗とばかり、魔力の残滓を吸い上げて、そして触手はサロメを舐め回すように剣技を眺めていた。
(あの剣技にサービスシーンはないんだね。いやまぁ鎧の所為だね。…覚えたよ。)
触手ちゃんは同じ失敗を繰り返さないのである。目にその鮮やかな剣技を焼き付ける。

「そう?ボクはね、キミたちが憐れだと思うな。
短い命を、自分の楽しみの為にも生きられない、憐れな憐れな砂利だよ。
ふふ、何を言っているんだい。ボクはまだ魔力を1ミクロンも使ってないよ。
…あ、でも喋ってるから使ってるのか。どうなんだろう。サロメはどう思う?」

手練れ。間違いない。展開速度が異様だ。
最初武器を構えたと同じで、全員迷いなく向かってくる。
といって触手の側も今なおこうして話を続けるのは、それでも余裕があるからだろう。

「じゃあこんなものはどうだろう?理不尽(いしゅ)返しだ。」

「ミスティック・ケージ…モドキ。4個分。」

ニヤァ、と厭味ったらしい悪餓鬼がやる、してやったという笑顔。
どれ程コピー出来たかは分からない。そもそも剣を持っていないのだが。手刀で代用。
まるきり同じ威力で、まるきり同じ属性の、まるきり同じ術式で、
しかし扇型に収束させた冷気の波が兵士たちの向かい風となり迎え撃った。4連打。
(これなら女の子も傷つけずに済むよね♪魔法耐性も鬱陶しいけど、そっちは物理面で何とかしてくれるんじゃないかなぁ。)
尚、別の魔法を使っただけである可能性もある。

サロメ > 「!!」

魔法剣という特殊な攻撃をただの一度で覚えきったその事実にただただ驚愕する
戻れ、という言葉も虚しく兵士たちは冷気の風に蹴散らされる

「退がれ!負傷した者は砦の中へ退避させろ!」

ガントレットに具現化させたアイスシールドで冷気を打ち払いながら、そう叫ぶ
が…下がるばかりでは意味がない、ならばと、今度は自身が切り込む

「お前達に憐れんでもらう必要はない!」

冷気を打ち払いながら駆け出し、その途中でアイスブランドを逆手に持ち替えて斬りつける

砦の中、そして城壁の上で異変に気づいた兵士たちが慌ただしく動き始める
やがて、敵の来襲を告げる警笛が鳴り響いた

『触手ちゃん』 > 「やめてほしいな。そんな事されたら邪魔が増えるじゃないか。」
(可愛い女の子が増える分には問題ないんだけど。)

概ねの兵士を薙ぎ払う事が出来た。
成程使える魔法だ。いや、魔剣、と言うのが正しいのか。

「どれどれ。じゃあ今ので凍っちゃった男の人は食べてしまおうかな。
ああ、性的な意味じゃなくて物理的な意味で。
女の人は可愛い子だけ食べてしまうよ。ああ、こっちは…皆まで言う必要はない?」

冷気をぶっ放した後ろから、ゆったりと蹴散らして後退した兵士達に詰め寄る。
要は、敵陣へと前進する。

「あ、キミ。まだ居たんだね。
強がらないでよ。ボクでいいなら幾等でも生きる喜びが得られないキミを…っ。」
(そろそろ舐めさせて貰えないかな。)

冷気を持つ剣が、少女とも言えよう魔族の右腕を捉えて、斬り裂いた。力加減一つで分断することも可能だろう。
異質でスライムの様な粘液感。彼女であれば分かるだろうが、刃に伝わるのは人を斬った感覚ではない。
骨でも肉でも皮でもない。触手の塊そのもの。死んで色褪せた触手が零れ出る。

「止めてよ…痛いじゃないか。」

地獄の釜の蓋が開く。

斬られたところから、青、赤、緑と様々な色を含む触手が噴き出す。
うねり狂う。鞭よりもしなやかで、血管のように筋が浮き上がったグロテスクと言って間違いのない触手が。
或いはサロメに襲いかかり、或いは触手の主の体に引っ付き、或いは倒れた兵士に襲いかかる。
生きている触手。統制された意思の下、軍神の指揮に置かれたような連携行動。

「ゲームオーバーだ。って、言ったでしょ?抗いようがないんだ。
キミたちは本当に諦めが悪いな。あ、あとボクのTシャツどうしてくれるの。」

サロメ > 「───」
痛い、などと口にはしているが実際のところのダメージは大したものではないだろう
骨を断ち切った手応えもなし、であれば…
見た目通り、触手の集合体が意思を持った邪神か何か、
もしくは不定形生物がその手の擬態をしているか……

考えている余裕はない

自身に迫る触手を、そして可能な限り後退した負傷者に向かう触手を斬り飛ばしてゆく

「(くっ…相手が悪い。砦に対魔族の封印礼装が持ち込んであるならばもう一息足りただろうが……)」

相手にダメージを与える有効な手立てが浮かばない、であれば…

「一旦後退する!触手は可能な限り引き剥がせっ!殿は私が務める!」

剣から冷気を放ち、せめて襲い来る触手の動きを鈍らせようと

『触手ちゃん』 > 「―――後退?」
(中々の尻をお持ちの様だ、追いかけるのも悪くないね。)

負傷者にはポンプめいた触手が少ないながらも取り付けられた。
大体が男性に取り付けられているあたり、やはり抜け目は無い。
一度付いてしまったら最後、魔力を、精力を、栄養分を吸い上げる。
死にはしないが、数日は窶れて病気の様に寝込むことになるだろう。
そして、その栄養分は触手の中。

「ボクは、なんて言ったっけ?」

触手が凍る。
だが、その集合精神たる少女は先程までに浮かべていた表情とは打って変わって無表情。

「運が悪かったと思って置いていけ、って、言ったよね?」
(兵糧なんておまけだけど。実際御腹膨れるだけであんまり美味しくないし。)

口元を拭う。残っていた手を振る。
そうすれば、最初からそうであったように、腕が太くて束ねられた触手に変わる。
片方が凍らされてしまったならば、もう片方。
次第に足も、頭も、触手に変わる。

「後退するなら良いけどさ。」

口は無いが、喋っている。非常に奇妙な光景。

「こんな魔族の領地に足を踏み入れたんだ。入場料くらい取るのがセオリーでしょ?
置いていって、くれるよ…ね?」

サロメ > 武装馬の引く荷馬車に配下の兵士が乗り込み、サロメを待つ
しかし先に行けと激が飛び、慌てるように馬車は走り去る

砦は門扉を閉じ、一時的な結界を張ったようだ
懸命かつ迅速な判断、相手が外にいるならば入れなければ良い
さすがは第七師団、対魔族の戦い方はわかっている

目の前のコイツを倒す、もしくは封印する準備がない以上は守りに徹して正解だ

あとは馬車がこの領域を離脱するまで、コイツを足止めすればいい

「入場料か…生憎と魔族の国の通貨などは手持ちがなくてな。
 三途の渡し賃くらいならばくれてやるぞ」

もはや周囲を気にする必要もなし
長剣を水平に構え直し、突撃する
異形へと変貌した眼前の魔族に向けて、一切の温情はなしに斬りつけた

『触手ちゃん』 > 「…御飯が。」

(荷馬車がいってしまった。)


「うん?そうだね。でも大丈夫。」
(うん、良い手だね。戦略的には。でも個人的にはそっちの方が有難いかも。
兵糧は要らないけど、こっちのお姉さんが貰いやすくなった。あ、でもお腹空くかなぁ。)
チチチ、と指を振る…つもりがないので、右腕から生えた触手の一本が左右にぶれた。
胴体部分以外全てが触手。頭も、四肢も。水流の様にあぶれ出る。

「物々交換って、知ってる?」

斬られれば、当然そこにあった触手は死滅する。
水平斬が胴体を真横に斬り裂いた。段々と触手に変わっていくが、
人間であった部分が残っていないわけではない。
真っ二つになったソレが、砦の外に転がる。
斬った口からすぐに、その切り口が見えない程に触手があぶれ出す。

「…うーん。ダメみたいだね。随分強気なお姉さんだ。サロメは。
じゃあボクも頑張るね。えい。」
(触手ちゃんヴェノムー!)

魔法要素は一切ない、純粋な動物性の痺れ毒の透明な液体が、一斉一気に撒き散らされた。

サロメ > 「知っているさ、そして物々交換などというものは対等な者同士でなければ成り立たない。人と魔族では、知れたことだっ!」

横薙ぎに切り裂く
が、やはりその手応えは薄い

生命体である以上、何処かに核となるものがある筈
しかしそれを明確に探知する技術を持っているわけではない

「(今は時間を稼ぐだけでいい、王国に連絡がいけばすぐにでも討伐隊がやってくる)」

「っ!?」

得体のしれない液体が撒き散らされる
単なる体液とは思えない、刺激臭とセットでないことから強酸の類ではないとアタリをつけ、
マントをばさりと翻し包むように身を守る

『触手ちゃん』 > 「ボクは魔族じゃないよ。『触手ちゃん』だ。だから安心して取引に応じて欲しいんだけどどうだろう。」
(勿論等価交換なんかしないけど。)

仰々しく両手を広げる…事が出来ないので、代わりに触手が彼女の周りを抱擁する様に動く。
陣取る。触手は泉から溢れる様に増えていく。少女から独立して蟲の様に独立して蠢いているものも。

「あ、今のは賢いね。」
(マントごとひん剥いて良いかい。)

十分な効果は得られなかった。液体である以上、付着さえしなければ全く問題はない。
魔法耐性では防げないが、物理的に遮断されると弱い。

「こういうのならどうだろうか。見様見真似なんだけど。ええと、何だっけ。
パラリシスサンダー。だったかな。」

頭だった場所から生えた黄色い触手から、所謂電気の魔法が放たれた。電光が走る。
学校で習えそうなくらいの初級魔法であり、相手を痺れさせる以上の効果がないが、立派な電気魔法。
それを合図に、何処に目があるのか、その全身にと多方向から触手が迫る。
今までと同じ。それぞれ独立していながら、それぞれ統一された意思の下に。
四肢を、特に冷気を放つ長剣を持つ腕を拘束しようと、筋が浮き出た太い触手がバラバラに跳び、
細めの触手が鞭の様に撓って、意外に頑丈な生体の体をぶつけようとする。

サロメ > 「魔族ではない…?ではなぜ人間を襲う!」

撒き散らされた毒液を振り払うようにマント翻し、再び剣を構えるが…

「ッ──!?」

パリッ、と前進に走る痺れ
防御のためとはいえ視界を塞いだことが災いしたか、レジストが遅れる

魔法防御の高い甲冑が功を奏したか、一瞬の麻痺に済んだ、が

「(不味い…!)」

一瞬といえど麻痺した四肢の反応速度が鈍った
飛び退いたところを右脚に巻き付かれ転倒する

「…っあっ!」

その隙を逃ささぬとでも言いたげに右腕に触手が巻きつき締め上げられ、
メシリを悲鳴を上げる右腕から長剣が落ちる

『触手ちゃん』 > 「そんなの決まってるじゃん。享楽の為と、繁殖するためだよ。
見たよね?触手(コレ)が全部、『触手ちゃん』(ボク)なんだ。カワイイ?可愛くないね。
ボクは可愛いものが好きだから、可愛い格好してるんだけど。
何十何百と、キミに殺されてしまったよ。とても、理不尽だね。」

ウネウネとアピールする様に突起がついた触手が踊る。

「人間でも魔族でも、『触手ちゃん』でも精神がある限りは欲望がある。
ボクは、欲望のままに生きているんだよ。」

どちらかといえば、というかどうみても魔族なのだが。
その正体は謎だ。本人もよく分かっていない。

左も右もすべて縛るつもりだったが、半分が逸れた。流石に早い。
だが、怪我の功名だった。転んでくれた。剣を落としてくれた。

「うん、上出来だね。
ふふ、動いて疲れちゃったでしょ?汗びっしょりじゃないのかな。
もう休んでいいよ。約束の通り、喜びを知らないキミを憐れんであげるから。お疲れ様。
じゃあ。

サロメのうすしお味、頂くね。」

触手の一部が、剣をひょいと持ち上げようと伸びる。バラけた触手が、次第に波の様に様々な色合いの群れを作り、迫って行く。
右脚に巻き付いた触手が吸盤の様に吸い付き、その肌を擽る様に、接吻の様に体液と肌を吸う。
果たしてどのような御味なのやら、どんな力が吸えるのやら―――?

サロメ > 「ならば…人間にとっては、害だな…っ」

ギリ、と右腕に力を込める
それなりに鍛えてはいるつもりだがはたして触手を切れるかといえばそれには頼りない

「っ、貴様…私を玩ぶつもりか…」

肌に吸い付く触手に、表情へと嫌悪感が混じる

と、触手が剣に近づくとまるで自衛するかのように剣が氷塊へと閉ざされた

『触手ちゃん』 > 「そうだね。でもさ。人間って何なの?
人間自体が人間の害になる事だってあるの、ボクは知ってるよ。
人間は他の動物を食べているけど一体何様の心算なんだい。」
(塩味美味しい。)

氷の魔力、の様なものが体液から感じられた。
触手は文字通り、びくともしない。元から太いやつを仕掛けた。

「…ん。なにこれ。」

触れず、阻まれた。どうにか触ろうにも、触手では恐らく無理らしいので氷塊を突くだけ突いてみて駄目だったら諦める。
触手はにじり寄る。そろそろか、という頃合いを見計らって、そこにあった破れたTシャツとスカートが消えて、
全てが触手になった。地面が盛り上がったかのように嵩が増す。

「最初からそう言ってるよ。お姉さんを置いてけって、ね。…んばあ。」

囲い込むように触手の雪崩が出来たかと思えば、「んばあ」の声に合わせて
上半身だけの『触手ちゃん』を名乗るソレが触手の中から湧き出てきて笑った。下半身は埋めている。

サロメ > 「…化物と哲学の論議をするつもりはない」

人間に対して敵性存在であれば斬り捨てる、それだけのことだ
しかしそれも、剣を手放させられたこの状態では虚しい主張である

チラリとアイスブランドを見れば、自衛のために氷塊の檻に自らを閉じ込めている
意思を持つ魔法剣らしい行動だ、助ける気があるともっとありがたいのだが

「…抵抗くらいはさせてもらう」

───アイシクルスピア!

自由に動く左手を向けて魔術を発動する
白い薄氷の槍が顔を出したそれに向けて放たれる

『触手ちゃん』 > 「へえ。じゃあ魔族と人間は永久に分かり合えないね。勿論、ボクともね。
分かり合えないと何が起こるかって言ったら、戦争だ。愚かなものだよ、人間は。
一体何度それを繰り返すのかな。」

遠い目でそう言う。
達観している様で、ただ皮肉を言いたいだけだ。

「じゃあボクはその抵抗も禁止してあげるよ。」

口が開く。人間の口の開き方ではない、ヘビが顎を外したような、異形そのもの口の開き方。
魔法と言う理不尽を、理屈もなしに触手の口が噛み潰し、飲み込む。
どうやって食べたのか、ダメージはないのか、等、全ては都市伝説の謎に包まれる。
白い槍が、異形の口に飲み込まれた。

「ところでボクの事、嫌いなのかい。」

サロメ > 「分かり合えないことなど歴史が証明している。
 何方かが屈服するまでは繰り返すのだろう」

無論理解しあえればそれに越したことはない
しかしそれは不可能だ
一分の望みすらもないと言える

「何…っ!?」

魔術で創りだした氷の槍が文字通り喰われた
強力な大魔術ではないにしろ、これは───

「……嫌われたくないのなら拘束を解くことだな」

『触手ちゃん』 > 「あっそ。失望したよ。なら大人しく屈服しようか。矮小な人間。
和解すればよかったのにね。」

といっても、魔族の側からもきっと大多数は分かり合う気などないのだろう。

「…やなこった。どうせもう嫌いなんでしょ。顔を見たら分かるよ。」

触手がうねる様に、異物に包まれた下半身が蠢き、
元の口に戻った触手の統率者がにじり寄る。
若干拗ねたような顔つきをしている。
右側の拘束を強め、更に左側も縛ろうと触手という拘束具が伸びていく。
そして、また吸い付き、舐めとる様にチロチロと這い回る。生温く絡み付き、皮膚の触覚を擽る。

「さて、サロメ。今度こそゲームオーバーだね。
でもボクを出し抜いてアレを逃がしたのは良い判断だったんじゃないかな。」

サロメ > 「……っぐッ…!!」

ギリ、と右腕が締めあげられ骨が悲鳴をあげる
同様に、左腕と左脚にも触手が巻きつき自由を奪われた

「…ゲームオーバーなどと言い回すならば、すぐに命を奪えばいいだろう?
 それが叶わないならば、潔く自害するまでだ」

自刃ができなくとも、舌を噛み切ることくらいはできる
醜態を晒し、何かに利用される可能性もあるならば死を選ぼう

『触手ちゃん』 > (えっ?自害?!)
「あっ!それはダメだよ。若いのに死に急いじゃ。」

ちょっと動じた素振りを見せた。目をパチパチ。
但しその目はハリボテだ。

「さっきも言ったけど、短い人生なんだ。楽しい事もいっぱいある。
ゲームオーバーだけどコンティニューも出来るのさ。生きて居る限りはね。
人間は残機1だけど、ボクはこれだけ残機がある。
ボクはサロメを殺したいわけじゃないんだ。勘違いしないでね。」

ズブズブと触手に埋めた下半身から、花柄ロングスカートの華奢な足が出てくる。
完全に触手の塊と人間体が分離した。

「考えなおそう。死なない方が良いって。こんなのどう、かな?自害も忘れちゃうくらい楽しくなれると思うよ。

ぺーっ。

あ、別にボクはこうゆうプレイが好きなんじゃないよ。ほんとだよ!」

触手の統率者は拘束されたサロメの前へと。
そして、その透明感のある粘ついて臭い体液を、唾の様に大きくおっぴろげた口から吐き出した。
栄養分と媚薬効果がふんだんに詰まった体液。通用するかどうかは、全般的に相手次第。
その量は凡そアルミ缶飲料に入ってるくらい。蒼く美しい髪を穢すには十分に多い。

サロメ > 「…?」
なんだか途端に説得を始めた
玩ぶ気ではあっても殺す気はないようだ…しかし

「化物に辱めを受けるくらいならば命を捨てると言っているんだ。
 解らない言葉があるわけでもないだr …っぷ…!?」

どば、っと液体が頭上から吐きかけられ

「っ何を……これは…」

粘性のある液体に顔を汚され、思わず首を左右に振る

『触手ちゃん』 > 「勿体ないなぁ。ゴブリンやオークの討伐隊が集団凌辱されるなんてよくあることでしょ?
化け物に辱められるくらいならって、そんな理由で自殺してたらこの世から可愛い女の子が居なくなっちゃうよ。」

また達観した様な口ぶりで、すまし顔をしながら諭す。

「それはね、触手ちゃんエキスだよ。」

そういう事を聞いているのではない。

差し詰め塗り薬、の様なものだが精液のそれに似ている。飲んだら更なる効能。
体温が上がったり、感度が上がったり、発情したり。最も、やはり相手によって効能は些か変わるのだが。

「ところでボク、そろそろ御胸とご対面したいんだけど。
これはどうやったら外せるんだい?あ、「拘束解け」はナシだよ。」

ハーフプレートの主に胸部辺りを弄り始める。
触手さえなければ、普通の少年か少女であり、手つきのたどたどしさも幼子のそれだ。

サロメ > 「ぅ───!?」
体の芯が熱くなってくるのを感じる
なるほど、媚薬のようなものらしい
ぶるりとその体を震わせる

「……触れる、な…。
 触れれば、舌を噛み切る……」

精一杯睨みつけるものの、このままでは不味い
体の芯から発生する熱が頭をぼうっと犯しはじめる

『触手ちゃん』 > (効いてる効いてる…!)
「それはやめてよ。御願い。」

片手が幾多の触手に変わって、ぐい、と強引に口に突っ込む。

「先に言っておくけど、噛まない方が良いよ。
お腹に触手(ボク)を生やされたくなければ、ね。」

ふふ、と薄く笑って忠告。

「さて、もう一回聞くけど。これはどうやったら外せるんだい?」

空いた片手は相変わらず胸部を弄る。

サロメ > 「ッグ───!!?」
口の中に触手を捩じ込まれる

どのみち舌を噛み切るつもりなのだ、腹の中に触手が入ろうと構いはしないが、そもそも腕力で切れなかった触手だ
そもそも噛み切れるほど歯が立たない

「………」

眉を顰めて睨みつける、そもそも口が塞がれていては口も利けないのだが
ぞくぞくじんじんと下腹部に滾りを感じる
媚薬の効果だろう
しかしこの程度に絶えられないほど精神が未熟でもない

『触手ちゃん』 > 「あー、そう。そんな態度取っちゃうんだ…。」

頑な。あくまでもこちらを睨むその目を、そんな風に思った。

「教えてくれないと、お仕置きしちゃうよ。」

口に突っ込んだ触手から先程と同じエキスが分泌された。
女性の口では大凡溢れてしまうくらいの量。苦くて粘ついて熱いそれ。喉に絡み付く様ななにか。
口をふさいでいてそもそも喋れない事には、気付いていないらしい。

「さぁ、吐く気になったかい?あ、それとも…鎧を食べてしまえばいいのかな?」

サロメ > 「ンぅッ───!!?」

口の中に何かを大量に放出される
口をふさぐ触手との隙間から僅かには液体が漏れだすものの、
ほとんどは胃の中へと流しこまれてしまう

ずるりと口から触手が引き抜かれる

「げふッ!ぅえ…ッ…!」
吐き気を催す、と同時に、先程よりも遥かに強い"疼き"
頭がぼうっとする、そんな中、聞こえた言葉は

鎧を、食べる───?

『触手ちゃん』 > 「やっぱり答えてくれないんだね。それとも…答えられない?」

ロングスカートを穿いた下半身が溶ける、また幾多の触手に変わる。
転んで拘束されたその身の上、鎧の上、肌の上を、数多の細長い足が這いずり回る。

「じゃあボクがやるよ。」

疼く彼女を他所に、その体の上を陣取る。
蝕む。貪る。そんな形容が正しいだろうか。
可能であるなら、その鎧を剥がし取る様に雑多に食べてしまおうと、
触手が吸い付き、融解して吸収しようとする。

サロメ > 「ッ…やめ…っ!」

蒼黒の鎧が溶かされ、剥がされてゆく
その下に着込んでいるインナーまでも

もがき動こうとしても四肢を拘束している触手はびくともしない
魔法も、さきほど通用しなかったばかりだ

「ッ……」

程無くして白い肌が、控えめな乳房が露わにされる

『触手ちゃん』 > じゅるり。にょろ。
着ていたものをボロボロに溶かし、食べてしまった。

(わぁ…かんわいいー…!)
「うん、良いおっぱいだね。ボクはもっとおっきい方が好きだけど。
美乳っていうのかな。あ、そうだ。サロメは何歳なんだい?」

一旦また後退して、人間の形に戻って頷く。
微笑ましい目でじろじろと乳房を眺めたり、表情を見遣ったり。
後は、舌をかまない様にだけ口には特に神経を向ける。
触手の容姿が容姿だけに貴族の厭らしい目とは違った、ある種純粋な目ではある。

サロメ > 「なぜ…お前などに答える必要がある…っ」

ぼうっとする頭を振りきって、気丈に答える
口から触手を引き抜かれたというのに、飲み込んだ液体のせいか、筋肉が弛緩して力が入らない
舌を噛み切るほどの力もそこにはなかった

騎士然としているがその体には一つの傷もない
優秀な騎士だったことが伺えるだろう

『触手ちゃん』 > 「そっか。じゃあキミの年齢を聞くのは止めよう。」
(あー、頑張ってる頑張ってる、可愛いなぁ…♪)

見えたお肌はすべすべだった。
色白で綺麗だ。蒼い髪に映える。
力が緩んでいると見れば、もうそこまで自害する事への危惧に神経質になることはない。

「そうだね、じゃあ逆にボクについて聞きたい事はあるかい?」
(教えてあげるとは言ってないけど。)

そこにちょこんと三角座りして、
またその体を飽きることなく眺めまわしている。
満足そうで、微笑ましそう。

サロメ > 「………こんなことをして、何が楽しい」

熱で潤んだ眼を、それでも懸命に睨むようにして向ける

晒された肢体はしっかりと鍛えられた騎士のもの
色素は薄く、媚薬の影響もあってかじっとりと汗ばんでいる

『触手ちゃん』 > 「成程。良い質問だね。」

それでも屈さないと言うのも、また楽しさがそそられる。

「キミ、兵団の偉いさんなら知ってると思うけど、
部下の男の人が娼館なんかに行くよね。基本的にはアレと同じかな。
…って言ってもちょっと違うんだけど。ボクは可愛い女の人が大好きなんだ。それだけだよ。」

人差し指を空へと立てて、にっこり笑う。尚も着丈に、羞恥もなく睨み付けられるのは、
これもまた手練れたる証明だろうか。体の方は、そうも言っていられない様だが。
徐に立てた人差し指をサロメの方へ向ける。

「じゃ、次はサロメの番だね、人間のキミは何歳なの?」

サロメ > 「………」
要するに遊びだ
遊ばれているということだ
屈辱の怒りに震えるところなのに、体はいうことをきかない

質問をして相手答えた以上、
逆の立場にそれを答えないことは、真面目な性格であるサロメには難しい
うまく利用されたような気もするが、深くを考える余裕もなかった

「……に、21だ。それがどうした…!」

『触手ちゃん』 > 「ありがとう。素直に答えてくれたね、今。嬉しいな。」

口調こそ穏やかで抑揚が少ないけれど、純粋に喜んではいる様子。
触手の血行が良くなったり、柔らかく微笑む。ただ、それで空気が和やかになるかと言えば否だ。

「どうしたって。なんてことはないんだけどね、
人間で言えばもう成体なんだ。まだ10代でも通用するって思ったけど。」

正直な感想だった。

「じゃあついでだからもっと聞こうかな。サロメは生きてて、楽しい?」

すり足で拘束された美形へとにじり寄って、見下ろす。
満足そうに腕組みして、主に胸辺りを凝視しつつ、表情をちらちら伺う。
目はハリボテだが、見られていると言う自覚を持たせたいらしい。

サロメ > 「………」

わからない
この怪物の目的も意図も、人間では計り知れないところがある

「…今は死んでやりたい気分だな」

隠そうにも隠せないので、思わず視線を外す

『触手ちゃん』 > 「ふふ、死なないでってば。」

もう死ねる事もないだろうと踏んでいるので、言葉を躱すように笑って返す。
それから、その白い身体の御腹にちょこんと腰かけて馬乗りになる。

「そうだね。じゃあ…好きな事は何だい?」

サロメ > 「……質問が多いな。
 好きなことは自由だ、この拘束を解け」

言っても無駄だろうとは思いつつもそう答えて

しかし時間を稼げるのは都合もいい
馬車がこのエリアを離脱してそれなりの時間が経った

もうすぐ、報告を受けた王国から増援が到着するだろう

『触手ちゃん』 > 「それは出来ない相談だよ。
あ…そんな事よりえっちな事は好きかい?好きだよね。人間だもん。」

増援部隊が来るだなんて露も知らない。
そのまま話を続ける。質問しておいて答えは聞かない。

「例えば、そうだね。コッチの方も手をかけようかな。
それとも、揉んでからの方が良いかな。いっそ両方同時も、ありだけど。」

触手がまた何処かから枝分かれすれば、秘所と股を覆う器具ににゅるりと手をかけ、同じ要領で融解しようとする。
そして、まずは手始めと言った具合に触手の統率者の小さな手が、感度が上がったろう胸を突き、
乳首を摘み上げる。

サロメ > 「………」
媚薬のような体液を塗りこみ、呑ませ、
わざわざ鎧を引き剥がして肌を晒させたのだ
そういった辱めを受けることはわかっていた
質問には答えず、ただただ媚薬の効能で紅潮するその顔を背ける

「ぅ…あッ」

ついに下半身まで露出させられる
俊足に重きをおいた剣技を使うだけに、下半身は上半身よりも鍛えられている
歳相応の茂みが顕にされ、敏感にされた乳首を摘まれてますますその顔に赤みが差していく

「はっ……ぅ…っ」

声をあげることを拒否し、熱い吐息だけが漏れだした

『触手ちゃん』 > 「…あはは。答えたくない?素直になって良いと思うけどね。
ほら、キミの部下も居ないよ。誰も聞いちゃいないんだ。えっちな事が好きって言っちゃえ。ほら。」
(ああああ!可愛いなぁ!!ペロペロしたいな!!)

押し殺したような、それでも抗いがたい声と、感じていると見て間違いのない顔。
にこにこした顔はより笑みを深める。

「…こっちは10代じゃ通用しないんだね。」

筋肉よりもそこに目が行くのは、恐らく当然の事だろう。

「ぁ。良く知らないけど母乳は出るのかな?ボク、あれ好きなんだ。…ちゅー。」

露わにした秘所は触ることはせず放ったらかし。
右の乳に唇を宛がい、人ならざる強い吸引力で吸い上げ引っ張り上げる。

サロメ > 「っ…誰がっ… っうぁ…ッ!」

戯れ言など聞き流せば良いもの、
そんな余裕すらもなくなりはじめている

「なっ…!?」
そんなもの、出るわけがない
妊娠どころか性交の経験すらそこまでは…

「やめッ、吸、う…なぁ……っ」

先端が引き伸ばされるような吸い付きに思わず上ずった声をあげる
媚薬の効果も相まって、全身が跳ねるように反応してしまう

『触手ちゃん』 > 「うーん。出ないね。残念だ。…ふふ。意外とキミ、初心だったり?
もしかしてさ、処女なのかな。それは無いと思うけど。」

口で喋っているわけではないので、吸いながらでも戯言は溢せる。
一通り吸い上げ終わると、顔を上げておさげ髪をふるふる。また満足そうに表情を伺って。
乳首をつん、と突けば体の脈動にわざとらしく微笑む。

「あ、感じちゃった?えっちな気分になっちゃった?」
(言わなくても、分かっているけど、ねっ!)

顎元に手を宛がって、心で思った事を付け足すかのように首を傾げてウインクを飛ばす。

「こっちはどうかな?」
(これも分かっているけど試してみたいよね!)

今度は左側に、小さな口を宛がい、吸い付く。
触手がうねる様に、人の舌でない何かがチロチロと舐める。

サロメ > 「うくっ……」

吸い上げられ刺激に晒された乳首はピンッと突起し、突かれればふるっと震える
ただ乳房を責められただけだというのに背筋に抜けるような快感が走る
媚薬のような液体の効果なのかと頭では理解しつつも、だんだんと熱があがるように正常な思考ができなくなってゆく

「戯れ…言をぉ… ──あッ!」

左の乳房に、今度はそんなに強くもなく吸い付かれて思わず小さな声を漏らす

「(不味い…このままでは……おかしく、なる)」

熱に侵されその眼も次第にとろんとした蕩けたような目になり、
茂みの奥は既にしっとりと濡れ、つうっと太ももを何かが伝ってゆく

『触手ちゃん』 > 「喋れない?気持ちいいんでしょ?ホラ…おっぱいの先っぽ勃ってるよ。
キミは触手の魔物の人間体に弄ばれて感じているんだ。ちょっと面白いね。」

舐め回して、吸い上げて。それから、甘く噛む。
歯と言えるものもなく、それも触手だから、やんわりと奇妙なぬるぬるのゼリーに挟まれる感触。
跨った向きを変える。今度は彼女の頭に背を向けて、下半身の方を向いた。

「じゃ、両方吸っちゃったし…そろそろ。あっ。」
(これは、愛液…!!)

太ももを、触手が這いずり回って吸い上げる。
彼女に背を向いたまま。

「これ、濡れてるね。ふふ…おもらししちゃった?21歳の良いトシしたお姉さんが。それとも…ふふ。」

サロメ > 「───」

言いたいように言わせてしまうのが悔しいとすら思えないほどに、熱が高まる
吸い上げられ、刺激された乳首は両方の乳房ともにピンと尖り、
茂みの奥で皮に隠れた淫核も体の状態そのままに反応している

「(こんな…こんな辱めを…私……)」

自分の気持ちとは裏腹にたっぷりと媚薬を注がれた体は女としての厭らしい部分を曝け出してしまう
触手が這いまわる度に、ぞくぞくを下半身を震わせた

『触手ちゃん』 > 「…ふふ、身体はもう待てないって言ってるみたいだ。」

茂った秘所に指を宛がい、ツー、と滑らせる。
触手であり手である指に、その液体が付着する。
そして、それを自分の口に持っていって、舐めとる。
何度かそれを繰り返す。

「えっちな事、もっとしたいんでしょ?好きなんだよね。舐めとってあげるよ。
って言っても、人間とヤるよりとってもアブノーマルだと思うけどね。」

触手の統率者の口内から、舌の様な触手がはい出して、湿った茂みを蹂躙する。
細く長い異形の舌は、秘所の周りを弄る。人ならざる吸引力で溢れた体液を吸い上げる。
液体共々に口が当たっている部分を吸い上げるのだから、毛むくじゃらにも影響を及ぼすやも。

「あ、そうだ。可愛い女の子だし。今後もボクと遊んでくれるようにマーキングしておこうかな?」

サロメ > 「ッあう!」

秘肉を舐られると面白いように体が跳ねる
ぞくぞくとした快感がまるえ体内を這いずりまわるような感覚に囚われ、思わず大きな声が出る

「っは…っな、なにを、する気、だ……っ」

息もあがり、蒸気する顔のままに、
これ以上何かをされることに僅かな恐怖心をおぼえて