2019/07/28 のログ
ヴィルヘルム > 「俺は大丈夫だ、あんな猫相手に手傷を負うほどやわな鍛錬はしてねえ。
 …!」

ふくらはぎの傷を見ると、顔色を変えて地面を見渡し…
マンティコアの尾から抜け落ちた棘を見て、少しホッとしたように肩を緩める。

「…毒はない種だったみてえだ。良かったな…
 とりあえず、包帯巻くから。」

そういうと鎧の中から包帯を取り出し、その足に結びつける。
応急処置でしかないが、野営地に戻れば救急箱もあるだろう。

「…これでよし。…痛みはあるだろうけど、出血が治まるまでは我慢してくれ。
 ……いいんだよ、命に別状がなくて何よりだ。
 …でもちょっとだけ怒るぞ。」

そういいつつも、その顔からは安心と気遣いの感情が溢れ出るばかり。
そしてくるりと振り返り…

「…その足じゃ歩いたら傷が開きそうだからな。マンティコアの尾の傷はタチ悪いから。
 ……おぶってやるから、ほら。」

目の前で、背を向けたまましゃがむ。

ウルスラグナ > 「……猫……」

あの絶対的な恐怖を与えてくるような咆哮と、恐ろしい風貌の魔物を猫。
そう言い切ったヴィルヘルムに、眼を丸くしてから苦笑いした。

足の傷を見て色々慌てる様子を、知恵もない故に少し不安げに見つめていたが。

「……あぁ、我慢する。……その」

ごめんなさい。と、小さく零す。
俯いた顔。自分が危なかった以上に、どんなに相手が屈強な戦士だとしても、"もしも"がある。それにヴィルヘルムを出逢わせてしまった自分を自責するように。

「……えと」

両手の荷物を、一度纏めてから。

「……その、重かったら言ってくれ」

小さく呟けば、その背中に、ぼふ、と、おぶさった。
――必然的に、その双丘が押し付けられる。鎧越し故感触はないだろうが。
そうなる形を、逆にウルスラグナのほうが意識してか顔を赤らめていた。

ヴィルヘルム > 「……マンティコアの中にはな、尾に猛毒を持ってる種類も居るんだ。
 それこそ、腕に掠っただけで肩から下を切り落とさにゃいかんくらいにな。
 ……ほんと、無事で良かった。」

……叱責したりする様子はない。ただ本心で、『家族に大事がなくて良かった』と。
小さく聞こえる謝罪の声にも何も言わず、ただ頷く。

「大丈夫だ、こんなもん重いなんて内に入らねえよ。
 ……帰ったら罰として、皿洗いでもやってもらおうかね?」

ふふ、と笑いながら、野営地へ戻る。
先程の咆哮は、きっと野営地にも響いているだろう。警戒態勢になっているに違いない。
早く帰って安心させてやらねば。…そう思いつつ、マンティコアの肉を引きずりながら、帰路に着いた。

ウルスラグナ > 「……ッそう、なのか」

背中の方から聞こえる声が、ちょっとだけ引き攣ったような声だった気がした。
しがみつき、その後のちいさな呟きに、ぎゅ、と、回した腕に力を籠め。

「……すまなかった、その、本当に。……ん、罰なら幾らでも受ける。
……その、ヴィル」


……戻っていく道すがら、揺れる背中の広さに、ふと頬など寄せたかもしれない。

あの時、命の危機を感じて、そこに姿が現れて。
一瞬だけ、彼が彼じゃないという位に凄んだのを、驚いたりもしたけれど。

あの一瞬の姿、勇猛な一撃。

「……あり、がとう」

零した声は、お礼だからこそちゃんと言わないとと声を張ったはずなのに、尻すぼみに小さくなっていた。

――――だって、言えるはずもない。
あんなタイミングで、あんな姿で、あんな瞬間。

『自分の中に、熱い何かが産まれたようになって、見惚れていた』なんて。
そして、こんなにも、"邪な気持ちでいる"ということ。


「……っ」

広い背中に、ぎゅっと抱き着いて身を寄せた。
伝わってくる熱は少ないのに、何故だかとても暑かった。





野営地に戻ってからは多少ドタバタしたりもした。
せっかくの肉が台無しになる前にと急いで調理をして、部隊へ肉を振舞う。
しかし何よりも、"あのマンティコアも調理してみよう"なんていって本当に調理してしまったのは、
抱えている熱量を、この浮つくような心地をごまかす為の頓珍漢な冷却だったこと。
言えるはずもない。

ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道/山中」からヴィルヘルムさんが去りました。
ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道/山中」からウルスラグナさんが去りました。
ご案内:「ドラゴンズネスト」にフィリオソリスさんが現れました。
ご案内:「ドラゴンズネスト」にキルド・ニッヒトさんが現れました。
フィリオソリス >  
(元)ドラゴンズネストの奥底でガタガタと騒がしい音が鳴り響く
綺麗に片付けられていた大広間はこれほどものがあったのかと思えるほど散乱していた

「これは……うーむ……不要」

ポイっと、うずたかく積まれたゴミか宝かわからない山にさらなるよくわからないものがつまれていく

キルド・ニッヒト >  
「……何をしているんですか?」

いつものように、手に菓子を持ち。
いつものようにやってきたら

彼女はいつもどおりではなかった模様

「――なんか山ができてますけれど」

フィリオソリス >  
「ひゃわっ!ぬしさま!?
 ふ、普段はかように散らかってはおらぬのだぞ?」

慌てたように山を背で隠そうとしているが人型の体躯ではその一割も隠せていない

なにかを聞かれたことよりも汚れている部屋を見られたことの方が重要らしく
わたわたと手を必死に振って何やら言い訳をしている

その頬は褐色の肌であってもわかるほど赤く染まっていた

キルド・ニッヒト >  
「え、あ、いや。そこは気にしていませんが……」

聞いた意図とはまた違うような……?

「片付け、ですか?」

フィリオソリス >  
よくよく考えれば普段綺麗に片付けた部屋を何度も見せていたのだ
勘違いなどするはずもないだろう、と自分を納得させる
(そうであっても)気にしないという言葉は引っかかるものがないでもないが……
 
「こ、こほん…
 うむ、引っ越しの準備をな……」

咳払いをして取り澄まして答える

キルド・ニッヒト >  
「え、引っ越し? どこへ……?」

会えなくなるのは困るからか、少し困ったような雰囲気
表情は変わりないのだけれど――

「……近いのですか?」

フィリオソリス >  
なんとなく話がかみ合っていないと思いながらこたえる
近い……?時期だろうか?

「え?いや、わからぬが?
 ちかくかといわれればすぐにでもしたいところじゃな?」

キルド・ニッヒト >  
「……?」

おや? と首をかしげる

「すぐ? ――あ、いや場所は近いのかといいますか。会いに行ける場所、でしょうかという意味で」

噛み合ってないことに気づいたのか、付け足して

フィリオソリス >  
「んー?同じ所に住むのじゃ、毎日会うじゃろう?」

輿入れする気満々であった
人の身でダンジョンに住むというのもつらいだろうと配慮してのことである

そう思って準備していたのだが…

「ま、まさか別居が良いのか!?」

勝手に話が進んでいた