2015/10/18 のログ
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯」にオルレアさんが現れました。
■オルレア > (すんすんと鼻を鳴らす。ほんの僅かに感じられる血の香りに女の口元が緩んだ。
目標となる魔族の人相書き――らしい布切れを片手に、野原を歩き回る。
女は盲目である。故に人相書きなどあてにはならなかったが、標的となる魔族の声と匂いは既に把握済みであった。
とある魔族へ暗殺指令が下っていた。女は嬉々として依頼に乗って野原へと足を踏み入れたのだった。
魔族はどうやら負傷しているらしい。
負傷しているならばなおさら勝率は上がるもの。魔族は殺したくてたまらない相手である。その昔のことを思えば。)
「ドブネズミめ。地獄のそこまで追い詰めてやるぞ」
(女は仮面の奥で呟くと、野原に生える花を踏みにじりつつ前進していった。)
■オルレア > 「……くっ」
(胸元を押さえ立ち止まる。
正規の手続きを踏み――といっても金で作った機会であるが――体の治療をしてもらったのだが、依然として治らない部分もあった。
魔族に再度犯され抜かれた後始末がいかに大変だったか。
鎧の奥で窮屈そうに存在を主張する胸元を宥めるかのようにため息を吐くと、再度歩き始めた。
花を踏みしめて。
飾りげのない斧を携えてひたすら歩いていく。時折、犬のように屈んでは地面の匂いをかぎつつ。
音、聴覚、触覚、味覚。視覚を失った後に手に入れた鋭利な感覚に狂いは無く)
■オルレア > (人ごみに居るから妙なものを吸わされるのだ。
誰も居ないような野原なら妙なものを吸わされる余地はなかろう。
というお前ストレート過ぎないかといわれても仕方がない論法によって導き出された結論がこの任務である。
野原のどこかに居るであろう魔族を追跡し殺せ。
もし魔族が隠れることに長けていたら? 既にとんずらこいていたら?
不確定要素が多すぎだった。任務達成率など切り株に兎が頭を打ち付けた後で二度目が無いかを待つようなものだ。
匂いが切れてしまっていた。
両膝立ちの姿勢で天を仰ぎ、ぺたりと額に手を宛がう)
「落ち着きなさいオルレア。慎重になりなさい」
(自分に言葉をかけて首を振る。
こと魔族に関しては殺意やらが抑えきれない性質の自分に対し、落ち着けと宥める。
実際のところ殺意以外の感情も秘めているのかもしれないが)
■オルレア > 「糞ッ!」
(苛立ちが頂点に達した。
斧を取るや、両手持ちで目一杯の力を込めて木の幹をものの一撃で粉砕する。
悲鳴を上げて木が横に倒れ掛かった。斧を振りぬいた姿勢でオルレアの肩が震えていた。)
「……馬鹿なことを。
誰も見てはいないでしょうが……見えぬ我が瞳がこうも憎らしいとは」
(視線を気にして目を見開く。暗闇だけが広がっている。
胸元を押さえてぜいぜいと苦しげな呼吸を刻む。とにかく苦しくて仕方がなかった。)
■オルレア > (鎧の上から胸を掻き毟るような仕草をみせると、再度斧を振りかぶり地面へと叩き落す。
ズドンッ。
重低音。一筋の曇りさえなく銀色を放つ斧の刃に映りこんだ顔は苦しげに歪んでいて。
荒い呼吸を抑えるが如く水筒の水を一口飲む。唇を拭うと、その場に膝を抱えて座り込んでしまった。)
「集中……集中しないと」
(ぶつぶつと念仏のように言葉を吐き出しながら、瞳を閉じて一種の瞑想状態に入り込んでいく。
鎧の隙間からぽつりと一滴が零れていく。
甘ったるい香りを放つ白い液。淫紋の影響で肥大化後も中々戻らぬ胸元から伝う雫であった。
医者曰く待つしかないとのことだったが、女にはもう医者が信じられないでいたため眉唾物だと考えていた)
■オルレア > 「あの男め……」
(忌々しいといわんばかりに首を振る。淫紋を調べるだの治療だの抜かして平然と行為に及んできた男の姿に心の中で斧を振り下ろしておく。
人外の快楽に正気を失わされていたことは完全に棚の上に追いやって。
自己暗示を組み立てる。自分だけの世界に篭り湧き上がる快楽への渇望を押さえ込み心を守らんとして。
呪文染みた言葉を暗誦しつつ自分の両腕の影の中に引きこもり続ける。)
■オルレア > 「……よしっ」
(頭を上げる。自己暗示を再度かけなおすことに成功した。
ないよりマシ程度の力しかないが、無いことと比べれば天土地ほどの差がある。
オルレアは野原へと歩みを進めていった。
標的が見つからずに骨折り損をしたというのはまた別の話となる)
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯」からオルレアさんが去りました。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯」にオーベさんが現れました。
■オーベ > (何時もの通り、薬のための野草や自分で食べるためのハーブの類を採取していれば、共に歩いていた老犬が突然、走りだし進む。何事かと思い、その後を追えば次第に濃くなる匂いに歩く速度を落とし、木々抜ければそこは森にポッカリと空いたエアポケット、古い遺跡の名残であった)………酷いな(フードの中の顔を顰め目前に広がる風景に視線をやる。折り重なった幾つかの死体に曳く馬のいなくなった台車の残骸…野盗にでも襲われたのだろうか、死体は風化しかかっており、襲われてから時間がたっていることはわかる)轍の跡を見るに逆方向からここまで逃げてきたのか…(向こうの森の方から伸びた轍の後を見ながら死体に近づき、腰を落とせば検分する。傷みが酷いが、這ったような跡があり、力尽きていた。立ち上がれば、フードを取り、少し離れた場所まで移動して…2つ、3つ程の文言の呪文を口ずさむと少し深めの穴が幾つか生まれ)
■オーベ > 本来ならば、手ずから墓穴を用意してやるべきなんだろうが…(こちらは1人と1匹。そんな事をしていれば一日仕事になってしまう。野ざらしにされるよりは幾分マシだろうと朽ちた遺跡に杖とベルトに括った長剣を立てかければ死体をそれぞれ、作った墓穴に引きずっていく)………すまん、脚がちぎれた。許せ(腐敗が進んでいたのであろう、穴まで引きずるようにすればずるり、とそのまま、脚が千切れてしまい、それを誰に言うでもなく詫びれば作った穴に安置していく………1時間ほど掛けて墓穴に死体を埋めてやり、その上に幾つかの石を積めば、その辺りにあった小さな花の咲いた野草をせめても、と手向けてやり)………こんなものか?迷うことなく眠ってくれればよいが…(疲れた、と近くの岩に腰を下ろして)
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯」にアイさんが現れました。
■アイ > やさしいんじゃの(背後から、ふいに子供の声。いつの間にか、この場に似つかわしいとも思えぬ童女の姿がある。静かに、傍らにいる老犬の側に歩み寄り、しゃがむ。)……ばばには、なんもできなんだよ。(頬杖をつき、オーベが積んだ形ばかりの墓石と、供えられた花を寂しげに眺める)
■オーベ > (突然の声に驚き、びく、と肩が揺れる。腐ってもかつては宮廷に仕えた魔術師。その中でも選りすぐりの1人…とは、自分では少なくとも思ってはいないのだが、そういう事になっていた手前、そういう事だった、としておくが、そんな人間がここまで接近されて気配の1つも感じ取れない。老いた狼犬も、ぽんやりと脇に歩み寄る童女を見上げるばかりであった)…優しい、というか…「彷徨われて」また街道辺りに現れたらそれこそ、旅人、商人が難儀するだろうから…?残念ながら彼らの宗派に則って埋葬してやれないのだけどな…(声の主に肩を竦めて見せながら、懐から細い煙管を取り出せば、仕事終わりの一服、とばかり火を灯し煙を吐き出し)
■アイ > んむ、坊のおかげで、黄泉帰りの亡者に難儀する者たちが減ったじゃろ?誰も、それを知ることもないじゃろに。倒れておった者たちも、弔ってもらえた事に感謝する術は持たん。坊がそれで得をするでもなし。じゃで、ばばは、坊がやさしいと思うたよ。(オーベの吐き出した煙が辺りに漂い、ゆっくり、ゆっくりと立ち昇っていく。)まっつぐ行けりゃぁええが、の。(ゆらり、ゆらり登っていく煙を見つめ、童女はそう呟いた)
■オーベ > ふむ…(深く煙を吸い込み、吐き出せば薄っすらと薬草の香りが漂った。何やら只者では無さそうな童女の言に耳を傾けつつ思案顔を浮かべ)ババ様は俺が得をするでもない、とは言うがね…行商人がこの辺りの街道を使わなくなれば、物流が滞って物の値段が上がる…すると日用品が手に入りにくくなると思えばやっぱりこれは、自分が得をするんじゃなかろうかねえ?(幾らか大袈裟だが。自分がなんの見返りもなく、死者を埋葬した、と言われるのは少々むず痒い。無理やりな理由付けをし、自分1人、納得すれば満足気な笑みを浮かべ)どうかな…そこまでは責任持てないかな。俺の管轄じゃあないし…(彼らの神様にでもお任せしようか、と続ければ煙管を軽く叩き、灰を捨てる。なんとなく童女にならって空をみあげていた視線を童女に向け)さて、ババ様よ、貴女は―――一体何者なのだ?意識の外から突然、現れるなどおよそ人の身ではないとは察するのだが?
■アイ > 【情けは人のためならず】ちゅうてな。(東国の言葉。もしかすれば、オーベの国の言葉に近いかもしれない。)縁は円環、巡り巡ぅて己が所へ帰ってくる。坊の云うことも、ばばめの云うことも、なんも矛盾せんよ。(何者かと聞かれれば、くるりとオーベに顔を向け、その言葉に耳を傾ける。)ばばかね?ばばはのぅ……ただ古いだけのばばじゃよ。東から西へ、くるりくるりと巡っておる、ただの古いばばじゃ。…何か呼び名が無いと、得体が知れんで恐ろしいかね?別にとって喰ったりはせんで、安心するとええ。
■オーベ > (彼女の言葉に、ほう、と懐かしい言葉を聞いたような表情を浮かべ、眼を丸くした。因果が巡る、というのであればこれまでのことを思えば、自分もろくな最後ではないであろうとも思ったけれど…驚きの表情は一瞬のことで、直ぐ様、自嘲とでもいうか、なんとも言えない苦笑を浮かべて「そうだな」と頷き)…ふむ。だとすると、年甲斐もない、と言っていいのだろうな。人であれ、魔族であれ、年相応の格好というか見た目をするべきだと思うがな、俺は…(古いばばの童女。そんな冗談を口にしつつ、恐ろしいか、と問われれば、じ、と童女の姿の彼女を見て)まあ、なんというか、その姿は恐ろしくはあるかな。童女のような見た目で老婆のような言葉を口にする貴女は、不自然そのものだ、いやはや、恐ろしい(誂うような口調。喉を鳴らして笑いながら、薄着に見える童女に寒くはないのか?なんて続けて尋ね)
■アイ > ふふ、こればっかりはのぅ。ばばが自分でどうにかできりゃええんじゃが、どうにもならん。姿を変えれるなら、もっと奮発してええおなごの姿でも見せてやれたろうに。(そう呟いた表情はほんの少し、寂しげな表情にも見え)そうか、恐ろしいか。そりゃどうにかせんとならんの。これ、からかうでない。ばばの次は茶でも恐ろしいかいね。(そういいつつもどこか楽しそうに、自身もつられて笑う。)寒さは、気にならんよ。むかしと比べりゃ、ぽかぽかしておる。…やれ、ずいぶと日が傾いて来たが…ばばめはボチボチ退散させてもらおうかの?坊も、日が落ちきる前には帰るのがええよ。(そう云うと、すっくと立ち上がる)
■オーベ > それは難儀だな…変化の類かと思ったが、どうやら違うらしい(さみしげな表情に気がつけば、詮ないことを言ってしまった、と軽く頭を下げるようにして詫び)こうしているうちに幾らか慣れてきたけれどね…よくよく見れば、こう、なんというか…(適当な単語を探しているのか、やや間があって)愛らしいと言えんこともないさ(告げる表情は果たして、これが適当であるか未だ悩んでいるような、そんな表情であったかもしれない)…それなら、構わないが、日が落ちれば冷え込むからな…(彼女がすく、と立ち上がれば、それに合わせてこちらも立ち上がり)介添えは要らんだろうし、きた時同様に、突然、見えなくなってしまうのかもしれないが、どれ、街道辺りまで共に行こう。そんな、成りの者を森の奥、1人行かせるのはどうにも、すっきりしない。(果たして送る必要はあるのかどうかは判らないが。それでも、童女1人森歩きさせるのは気が気でない。いや、童女なのかも怪しいのだが…。行こう、と老犬に声をかければ、彼女の言い分を聞こうともせず横に立ち)…ババ様からみれば、坊やだろうが、流石にこの歳で坊はないだろう…オーベという、名前で呼んでくれ(自己紹介を済ませば数歩先をいき、道の脇から伸びる小枝を歩きやすいよう退けるようにしながら歩き)