2023/06/29 のログ
ミシェル > 「やぁ、呼んだかい?」

不意に、メイラの背後から聞こえる声。
振り向けば、見知った長身で巨乳の女男爵がいることだろう。
ミシェルは目の前で行われる凄惨な拷問が目に入らないかのようにニコニコ顔だ。

「ちなみに僕はこう見えて意外に鍛えてたりするよ。
まぁ勿論…君達みたいな騎士様には敵わないけど」

勿論、剣や弓等の武器を使った戦闘はからきしである。
鍛えているのも、その方が女の子にモテるからでもあり。

「で、王城でこんな騒ぎを起こして何用かな?
まぁ君が騒ぎを起こすのはよくあることだけど…」

多くの貴族に恐れられ、また煙たがられる目の前の令嬢。
しかしながらこの宮廷魔術師は彼女の友人である。
フランクな態度で、ミシェルはメイラに接する。

メイラ・ダンタリオ >  
 周囲はギョっとした。
 不意に近づく足音は踵の音を良く出す
 メイラは気にもせず、目の前の学者肌の男の手首を真っ直ぐにしながら掌のみを砕く手前の握力
 それを維持しては小声で吐き出す言葉に注視するも、近づく他者の足音で口をつぐんでしまった。
 他は遠巻きだった分 語れた口元も、すぐに閉ざす。

 相手がミシェルでは、猶更か。
 魔導機械を口にしたら顔を出すこともあった女だ。
 メイラは邪魔が入ったという雰囲気は作らない。
 目の前の状況に笑みを浮かべる 相変わらずこういった場を平気で
 いや、以前タナールで一人尋問したい相手がいるからとメイラに頼んだこともある。
 むしろ喜んでいるかもしれない。


  「あら、ごきげんよう。お久しぶりですわね。」


 意外と思う者もいるかもしれない
 二人は友人であるし、女体好きな矛盾した肉付きの、麗人服姿とは一応知った夜を持っている。
 手を未だ握るせいか、片手カーテシーで気楽に挨拶をすると未だ笑みを浮かべる高身長。
 メイラも半分呆れた笑みを浮かべている。


  「相変わらず地獄耳ですわねぇ 魔導機械の相談を老人としているときといい。」


 ちょいちょいと耳を近づけるよう、指先を内側に曲げて顔を寄せさせる。
 ヒソヒソと語る内容に、ミシェルは知らなかっただろう話。
 読唇術もないよう、唇は隠すように掌で覆っている。


  「■■■■」


 それでミシェルも納得の一貌をしたらしい。
 目の前の関係者が手を破壊されそうになりながら言わされていた内容の半分以上は理解できている。


  「いっそ貴女もわたくしの所に来なさいな。
   一緒に殺しまくれますわよ。」


 そしてこともなげに、あっさりと勧誘していく。
 ずっとではない 一時の関係だ。
 別ベクトルの狂人であるミシェルはずっと遊ぶよりこうして
 時折出かけるようにするほうが本人も楽しめるだろうこと
 それをメイラは友人として把握している。

ミシェル > 女男爵は周囲の様子など気にもかけない。
気になったから近寄って声を掛ける、それだけだ。
遠巻きに見ている連中の印象などどうでもよい。
元々宮廷魔術師とは変人の集まりなのだ。

「僕は宮廷魔術師だよ?王城は僕らの職場さ。
何か変な騒ぎがあったら駆けつけなきゃいけないからね」

と、ちらりと視線を向けた先の壁には、装飾に擬装した魔導監視装置。
魔術的なセキュリティはミシェル達の仕事でもある。
そしてメイラがそんな地獄耳を寄せるよう合図すれば、
ミシェルは興味深げに耳を近寄らせて。

「…………ふーん、なるほどねぇ」

にい、と笑みを浮かべる。

「別に荒事が好きなわけじゃないんだけどね。
それどころか君に好き勝手殺して回られると後々困ることもありそうだ」

人によっては、殺さず幽閉程度で済ませた方が良い場合もあるだろう。
そして誰を殺さないか判断するのは彼女より自分のほうが良さそうだ。

「そうだね、じゃあ君について行こうか。他に仲間はいるのかい?」

メイラ・ダンタリオ >  
 ミシェルの地獄耳をただ感想でつぶやくと、あっさりとその正体を現すミシェル
 王城にセキュリティが無いはずが無い
 その恩恵を受けて、目の前の騒ぎを友人が行っているので、近づける人材である自身がやってきている。
 それに納得を示すものの、王城内で騒ぎなど王もいない今、王族同士 貴族同士の争いなど
 片手間の作業中に聞いても、またか で済ませることもあるだろう。


   「全く気にしていませんでしたわね。
    見られて困ることなど 何一つ ありませんもの。」


 平然と 不正 不利 状況悪 を持ち合わせていないメイラ
 目の前で同じ土地同じ城に勤務している一人の右手の平をミシらせたまま
 言うセリフとしては軽いものながら、メイラの場合それが当然と言えた。
 清廉潔白というよりも、もっと単純なものだ。


   「あら心外ですわね 貢献度が生かす方が、王はお喜びになると思えばこそ。
    それで斬らずに済む相手もいるでしょうに。
    問題点は いるか いらないか ですわ。」


 余計な者まで殺さないか心配だと言われると、メイラは眉を八の字にして笑みを浮かべ
 無差別なつもりもないのだと、きちんと訂正させる。
 殺して廻ると言っているものの、ミシェルのような魔導機械に携わる者の中では特に慎重だ。


   「少人数ですが知らせていますわ。
    関係者達のみですが この件を片付けないと自由に動けませんもの。」


 二人の会話 それは小さく済ませているものばかり。
 協力するよと、メイラと共に動く側になったミシェル
 しかし、簡単に明かす辺り、メイラはこの件 ミシェルが関わっていないと断定している。
 信頼や友人関係というよりも いちいちこんなことに協力する相手ではないと思っているからか。


   「とりあえずこいつからはたいして聞けませんでしたもの。
    貴女に比べて木っ端でしたわね。」


 問題は斬るか否か こういうことがあったと知られても割と困るのだ。
 メイラの所業的に言えば、カバーストーリーを与えるべきか。
 それとも。


   「…、…デカパイのミシェルはどう思います?。」


 さっそく云々言うのなら、と聞いてみた。 


 
  

ミシェル > 「君はそうだろうねぇ。僕もそうだけど」

目の前の令嬢も、自分も、己の爵位に固執する質でもない。
故に不正などともほぼほぼ無縁だし、そもそも例え何かがあったとて、
目の前の彼女を咎めようなどという勇気のある貴族も滅多にいないだろう。

「はは、それならいいけど。…まぁ、一応ね?
知り合いだったらいい分ぐらいは聞いてやりたいし」

聞いたところで許されることは無かろうが。
それに、即処断しないだけで必要なことを聞き出したら処断というのもあり得る。

「ふむふむ。必要なら後で僕にも紹介してくれよ?知らない方がいいならそれでいいけど」

何だかんだと言って、メイラだけでこんなに大胆には動くことはないだろう。
もっと上、王族あたりに協力者がいるか…。
そんなことを考えつつ、目の前の男の処遇を問われ。

「うーん、そうだねぇ…あ、そうだ。
丁度今一つ実験していることがあってね。彼には僕の屋敷で協力してもらおうか」

そう言って、メイラにウインクを飛ばす。
…協力と言っても、メイラにこの場で殺されるほうがマシな内容だろうことは想像がつくかもしれない。

メイラ・ダンタリオ >  
 関係者を聞かれると、少人数ならとぼかす素振り
 公に話すつもりもないのだろう 小さな会話でも亜人や読唇術 聞かれる術はいくつもある。
 メイラが戦場以外で行動を起こすこと自体が稀 謀反 反逆 メイラ個人を狙っている何かなど
 色々な事柄が予測できる中でも、真実を知っているのはミシェルのような一部関係者のみ。

 後始末をどうするか 生かすべきか殺すべきか 此処でこれがいなくなって察せられてしまうだろうか?
 そんな展開を、メイラよりも賢いだろうミシェルに問うところ、あっさり返って来た処分発言。
 それもミシェル側でやってくれるというのなら堂々と殺す必要もなくなった。
 これだけ公開プレイ同然であれば、関りがあることは明白でも、バレているとは思えまい。

 
   「それは助かりますわね。 では早速。」


 何かの仕事の途中だったかもしれない男
 それもメイラととある出来事で関連させている時点で詰み。
 引き上げ、みぞおちに一撃 ガクリと気絶した様子にそのまま手首を引きずり出そうか。
 米俵の様に担ぎ開けるやさしさすら持ち合わせていない。


   「理由は適当にでっちあげておきましょうか。
    どうせ守られる程度でもないでしょう。」


 そう言って、メイラ もしくはミシェルの関係者が引き取りに来るまでの間所定位置まで
 二人は連れ立って歩きながらひきずりだすだろう。
 周りはそれを見て関わるべきではないとまるで地面と同化した何かを見るように視線を向けないのだった。 

ご案内:「王都マグメール 王城」からメイラ・ダンタリオさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 王城」からミシェルさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 王城/資料室」にエリシエールさんが現れました。
エリシエール > 王城の重要書類を管理している資料室のうちの一つ。
文官から報告を受けて王女はところどころ放置されて埃の目立つ
汚い資料室に入るや否や不潔さに眉をひそめた。

「……せめて、私が出入りすると承知しているならば
 埃ぐらいは払っていただけると親切だったのですが」

忙しい臣下には理解を示しつつも、淑女が出入りする一室をこんな
有様で放置しておくとは気配りに欠けた者である。

もっとも、それに気を損ねて罰するといった考えはなく。
用が済んで戻れば、少しだけ”しつけ”ぐらいは必要かもしれないが。

「…………なるほど、あの方達が私を呼んだのはあちらですか」

結界が張られ、光る魔法陣がいかにも「入るな」と言わんばかりに
薄汚れた資料室で輝き続けている。
文官の中で、あの結界を解けるものは居なかったのだろう。
故に、魔力に目を付けられてどっちつかずの立場を貫いていた己に
白羽の矢が立ったところか。

「……このような決して軽くない責務を担っていながら、呆気なく
 不正を暴かれ城を去るとは」

最近は妙に増えた、不正の摘発。それによる政務の担当者不在問題。
よりによってこのような厳重なセキュリティを敷いて守るべきものを
抱えたまま後始末をする間もなく失脚してしまうとは。

ご案内:「王都マグメール 王城/資料室」にグスタフさんが現れました。
グスタフ > 「おや、こんなところで何をしているのかなマドモアゼル」

軽薄そうな笑みを称えて、いつの間にか男が部屋の入口に背を預けて彼女に声を掛けてきた。
閉じていた目を開けながら、下から上までじっくりと舐るように見やる。

「こんなところの掃除なら、使用人にもさせればいい……何かお探しかい?」

入口から両手を広げてゆっくりと彼女の方に近づいてくる。
目測で彼女の服の中身を採寸するように手をかざして、伸ばしてくる。
手を取るように差し出して。

「よろしければ、お名前を聞いても?」

エリシエール > 不意に、聞こえる男の声。その声はどこか愉快さを交えている。
薄汚れた資料室の隅っこに見える蜘蛛の巣や埃まみれの机に
うんざりした表情だったが、声に気付けば薄明かりに照らされた
美しい桃色の髪をふわりとなびかせてそっと振り返る。

「御機嫌よう。掃除……ふふ、ごもっともなお話です」

目を瞑り微笑を浮かべる王女。人を目の前にすれば安易に
愚痴や悪感情を露わにすべきでないと途端に改まって中年間近と思わしき
屈強な男へ軽く会釈する。

名を訊かれれば、くすりと微笑して青い双眸で男の体躯を眺めると

「ふふふ、淑女へ先に名乗らせるとは……。
 卿は、性急な殿方でございますね?」

手を伸ばす男に臆する事なく近づき、己に迫る手の太くゴツゴツとした手首を
細く白い手でそっと掴めば、ぎゅ と自らの胸元へ引き寄せてにっこりと妖しく笑う。
儀礼服に閉ざされてなお豊満に実った乳房の質量が衣服越しに伝わるだろう。

「まあ良いでしょう。……エリシエール=シア=ヴァエルフィード。
 数ある王族の一つにすぎませんが、ヴァエルフィードの血族に名を連ねております。
 どうぞ、お見知りおきを……ふふふ」

エリシエール その名を聞けば城内に勤める時期がそれなりに長いならばどこかで
耳にはする存在である。

王位争奪に燃えるヴァエルフィード王家の血族……それだけではなく、この女は
数ある王族の中でも色事に際して一際頭一つ抜けた色情魔ぷりから”狂王女”とさえ
噂される存在……。

「卿の、名と所属をお伺いいたしましょうか??
 職務の最中ではございますが、さして急ぐような内容でもございません故……」

ふふふ と穏やかだがどこか不気味さを帯びた笑みは、じっと何かを期待するように
張り付いたまま男へ向けられている。