2020/05/05 のログ
ブルート > 渇いた喉をこくりと嚥下する。
彼女の唇から溢れた言葉に、いよいよこちらは声を失ってしまった。
先程のおぞましい妄想と違い、その声を耳元に受け、指先がこの身体にふれる懸想のなんと甘美なことだろう。
自分にそういう趣味はないはずだし、今は"棒"を抜いていないから、自分が悪いんじゃない。
……勘違いさせられちゃったのだから、しょうがない。身体を傾けて、彼女にしなだれかかる。

「……商談とか、使い方とか……連絡のつけかたもですし……。
 ここじゃ、その、いろいろ……不便、ですよね。 ひとのめも、ありますから」

そのケープごしの肩に、無自覚に見せつけていた乳房の軟みを押し付けた。
晴れた日に、濡れた瞳で上目遣い。眼鏡のせいで隠せぬ色。
火照っているのだ。鎮めてもらわねばならない。火を消すのにあえて完全燃焼させるような手法で。

「………お、おねがいします……」

その視線を伏せてぽそぽそとした『お願い』は、依頼した薬半分、もう半分は言わずもがな。
心身を一時彼女に委ねようという消極的な宣言であった。

ルーミス > 羽織っていた布越しに、彼女の柔らかな乳房が押し付けられる。
上目遣いで『お願い』を囁かれれば、小さく頷いた。するりと伸びた腕が、手指が彼女のそれに絡みつく。

「……それじゃ、行くか。……確か近くに、良さそうな宿があったから…」

促して、二人一緒に立ち上がろうとする。
腕を絡めれば、彼女の腕にも己の柔らかな乳房が押しつけられる筈。
手を繋ぎ、とても商談とは思えぬ雰囲気で寄り添いながら『商談』に適しているという宿の一室へと向かっていった……

ご案内:「王都マグメール 富裕地区」からブルートさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 富裕地区」からルーミスさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 富裕地区」にリュシーさんが現れました。
リュシー > (さて、この国では、貴族というものは総じて、ロクな遊びをしないものである。
とある貴族の邸宅、施錠された扉の向こうに伸びる幅の狭い階段を下りた先。
わりと良くあるタイプの地下サロンでも、普段から、ロクでもない集まりばかりが行われていた。
それは重々承知している、というか昔は己の実家でだってやっていた。
やっていた、どころか主催が己だった。
だからもちろん、文句など言えた義理ではないのだろう、が)

――――…っ、ざけんなよ、おまえぇ!
今日はそーゆーのナシ、って話だったろぉおお!

(右手で鼻と口を覆い、左手、というより全身でサロンの扉を押し開けて、
薄暗い廊下へ飛び出しながらわめき散らせば、背後でカードテーブルを囲む旧知の仲の連中が、
悪い悪い、そーいやおまえも効くんだったな、とか何とか、
たいそう友達甲斐のない台詞を投げつけてくる。
中には既にカードを放り出して、ヘロヘロになった少女に手を出し始めている奴も居て、
己は盛大な舌打ちとともに、勢い良く扉を閉ざした。)

バッカヤロ、クスリ使うならせめて、焚くやつじゃなく飲むやつとかにしろ!

(まだ鼻腔にこびりついている気がする、忌々しくも甘ったるい香り。
あいつら、今度会ったらカードで身ぐるみ剥いでやる、などとぼやきつつ、
ずるずると閉じた扉に凭れかかり、その場へぺたりと座り込んだ。
立てた両膝を両腕で抱え、火照る顔をそこに埋めてため息を吐き)

………ったく、もう。
あいつらまさか、ぼくにもなんかする気だったんじゃねぇだろうなぁ。

(それはさすがに、ちょっとどころでなくキモチワルイ。
なにしろ相手は全員、男だった、どころか、ガキんちょだったころからの付き合いなのだ。)

ご案内:「王都マグメール 富裕地区」にゾーイさんが現れました。
ゾーイ > さて、座り込んだ少女は屋外にまで待避したか、まだ邸宅の中にいるのか。
どちらにせよ、彼女に向けて話しかける人影が一つ。

「大丈夫? 顔色悪いよ?」

それはミレー族の少女だった。
猫の耳と尻尾を持った、典型的なミレー族の容姿。
奇異な部分を挙げるとすれば、両目の色が異なるということか。
そんな同い年程度の少女が、リュシーの顔を覗き込むように様子を伺ってきた。

リュシー > (女の身体にはたいそうヨロシクナイ香りが満ちている地下から退避し、
己が背中を預けているのは、地下へ続く階段手前の扉である。
俯く己の上に影が差し、こちらを気づかう愛らしい声が聞こえた。
怠そうに頭を持ちあげて、声の主をぼんやり見やる双眸は、きっと不自然に潤んでいるだろう。)

―――― ぇ、……あ、えぇ、と……うん、……ん?

(昔馴染みの男の屋敷に、見知らぬにゃんこさんが居る。
大丈夫、という問いかけに曖昧に頭を揺らしてみせてから、軽く目を瞬かせて。)

いや、……あ、もしかして、下に用事?
ここの坊ちゃんに呼ばれてる、とか、そういう子?

(坊ちゃん、といったって所詮は三十路男だが、それはともかく。
あいつ、一人二人じゃ足りなくてまだこんないたいけな女の子を、とか、
旧知の男にたっぷり濡れ衣を着せかけつつ。
こつん、と後頭部で、閉ざした扉を軽く小突き)

だったら悪いこた言わない、帰った方が良いよ?
ここの連中、とんでもないド変態だからさ…。

ゾーイ > 「ホントに大丈夫? 風邪とか引いてない?」

気怠げな声色に潤んだ瞳、真っ赤な顔にますます心配そうに声をかける。
眉を下げて、リュシーへと手を伸ばし、抱き抱えるように起こそうと。

「ボクはここの使用人だよ。悪く言えば、奴隷かな……アハハ。
 蝋燭切り(質の悪い蝋燭は、定期的に芯を切らないと酷い煙が出る)の当番だったんだけど、キミを見かけてさ」

にこりと微笑みながら話すが、真っ赤な嘘である。
彼女は泥棒であり、この邸宅には盗みに入ったのだ。
けれど、体調を悪そうにしている少女を心配する気持ちは本当だった。
だからこうして、嘘がバレるリスクを背負ってまで話しかけた。

「とにかく、移動しよ? 
 本当に辛そうだし、ここに居たらキミも乱痴気騒ぎに引っ張り込まれるかもだし」

リュシー > 風邪、とかじゃなくてね、……えっと、つまり。

(少女相手に、何をどこまで話して良いものか。
そんなことばかり考えて引き攣り笑いを向ける己は、彼女の嘘に気づかない。
伸ばされた手をありがたく取り、ふらつく身体を凭せかけるようにして、
やっとの思いで扉から身を離しながら)

……ありがと、……んー、と、そっか、……うーん……

(使用人、というより、奴隷というのが正解なのだろう、と即座に納得してしまうのは、
この国でミレーの少女がどんな扱いを受けるか、熟知しているからである。
熱に浮かされたような目つきではあるが、気づかわしげに彼女の顔を窺い見つつ、
歯切れの悪い口調で)

あのさ、……こんなこと、気軽に言うの、アレだと思うん、だけど。
出来るだけ早く、別の仕事、探した方が良いよ?
ここの坊ちゃん、ね、ほんとに、あの、……

(多分、キミみたいな年頃の子、めっちゃタイプだと思う。
――――とは、どうしてもぶっちゃけられなかった。)

ゾーイ > 「風邪じゃなくて、言いにくいことなんだね」

歯切れの悪い言葉には、そう察して。
少女の体を支えながら、負担にならないようにゆっくりと歩き出す。
螺旋階段をえっちらおっちらと昇りながら、定期的に「大丈夫?」等と声をかけて。

「気にしないで。その……アハハ。
 キミ、いい人なんだね。じゃあ気にするなって方が難しいよね」

こちらも少し困ったように笑いながら、そして彼女の忠告を耳にする。
猫の耳がくるくる回り、唇がへの字に曲がり。

「坊ちゃんが変態さんだと知ってて、体調が悪そうで、風邪じゃない。
 もしかして……ちょっと、ごめんね?」

当て推量でしかないが、推測が正しいのであれば……そう考えながら、仔猫は少女の胸をふに、と揉みしだいた。
もしも予想通りの反応が返ってきたなら、続けてこう質問するだろう。
「もしかして、盛られた?」と。

リュシー > えー…と、言い難い、と、いうか、その……、

(言い難い、のは間違いないが、彼女の思っているような、
女の子として、口にするのが憚られるのです、という理由ではない。
外見詐欺で彼女を騙している現状が申し訳なくて、けれども正直、
ひとりで歩ける状態でないのも確かなので―――大差ない身長の相手に、
ありがたく支えてとなって頂きながらの道行きである。
まさか彼女の方も、己に嘘をついているのだ、とは、気づくはずもなく。)

イイヒト、ってのは、違うかなぁ……、
ただ、ほら、助けてもらってるからさ、やっぱり、ね、
――――― ふ、きゃあんっ!?

(困ったなぁ、なんて言ったら良いかなぁ。
モダモダと考えていたので、彼女の行動に気づくのが遅れた。
不埒な熱を溜め込んだ身体に、不意打ちの刺激はあまりにも甘美で、
―――――ふるん、と身震いし、思わずあられもない声を放ってしまってから、
耳まで真っ赤になりながら、ばしっと片手で口許を押さえ)

――――――…、

(至近距離で彼女の顔を見つめ、へにゃりと眉を下げて、小刻みに首肯を返した。
正確には、己が目当てで焚かれたものではないにせよ、―――影響を受けているのは間違いない、ので。)