2019/01/26 のログ
ルキオラ > 「お?」

相手は何かに祈るような素振りを見せた。ノーシス教の神官のものではない。
強く向けられた眼光に一瞬鼻白むも、何も起こる気配はない――
そう思いかけたときに風は吹きすさんだ。

「わ~~~っ!?」

荷車のヘリにつかまるが耐えられたのは数秒。つるっと手が滑って飛ばされていく……
風は路地の奥へ――つまりアルブムのほうへ。
集中が途切れて荷車ゴーレムへの指示もキャンセルされ、財布がごとっと落ちる。

「ぐえ。んぎゃ。あいて!」

風に流されるままネズミ大の身体が地面をバウンドし……
アルブムの広がったローブの下にすっぽりとシュートされる。
つまり股間にぶつかった。

「……!?!?」

何にぶつかったのか即座に理解できず、柔らかく膨らんだタイツに張り付いたまま
それをペタペタと手で触りだす。
身体を打ったもの、大したケガはないようだ。

アルブム > ガシャンッ!! と音を立てて、鈴付きの杖が倒れ込む。
アルブムは不慣れながらも受け身を取り、尻を強く打ち付けるのは避けられたようだ。
とはいえとっさの突風、驚きはする。しばし荒い呼吸を続け、目をぱちくりと瞬く。
しかる後に……。

「……小人さん? ……ひゃっ!?」

自分以上に風に煽られていた小人の陰を、暗がりの中へ視線を配り探す。
しかし彼の者の居場所はすぐにわかる。股間に走るこそばゆさ。
風が止み、落ち着いたローブの裾を再び捲りあげれば、脚の間に小人はいた。
一見すれば無事な様子。ふぅ、と一心地つくように目を細めるが、すぐにまたキッと剣幕を張って。

「……ど、どうですかっ! 今のがぼくの《かみさま》の下した天罰です! 《かみさま》は凄いんですよ!
 飛ばされて怖かったでしょう! あげく、ぼくのおちn……いや、不浄な部位に触れちゃうなんて。
 悪いことをしようとしたらこのようにバチが当たるのですっ。わかりましたか!」

どこか得意げな笑みを浮かべながら、脚の間にいるルキオラを見下してまくしたてる。
ふんす、と鼻息も鳴らしてみせるが、しかし、その得意満面の笑みもすぐに勢いを失う。
自分も風に煽られてビビッているというのに、慣れたことはするもんじゃない。

「……そ、その。お怪我はありませんか、小人さん。結構飛ばされたようですけど。
 それに……や、やっぱりそこ、汚いので、あまり触らないほうが……」

今までどおりの心配性な表情を浮かべながら、ルキオラを気遣う言葉を掛ける。
股間は汚い、とアルブムは言うが、彼の身体からはまるで香水のように白檀の香りが漂い、男らしい匂いは微塵も感じられない。
そしてタイツの中の肉体から、心地よい暖気が伝わってくるだろう。脚に挟まれれば、当然暖かい。

ルキオラ > 「のわ……っ!」

天幕のようだったローブがまくりあげられ、光差し込み、見上げれば少年の覗き込む顔。
そうしてようやく自分の囚えられた場所がわかった。
地味に生殺与奪を握られた状況でまくしたてられる声にひええと身をすくませるが
自分の股間に向かって得意になってるわけだよな~と気づくと、少しほっこりしてしまう。

「うん、まあ、理解しましたけど……」

相手はまだ何か言っているけど、なんだかここはいい香りがする。
男の子の股間に押し付けられているという現実を忘れてしまいそうなほどに。

「……いや、もっとバチを当ててもらわないといけない気がしますよ。
 あたし、悪い小人なんで……」

先程まで冬の冷たい風にさらされていた身にこの空間は心地よすぎた。
どこかとろんとした表情で股間に顔を押し付け、全身をこすりつけ、すんすんとにおいを嗅ぐ。

アルブム > 「そ、そうですか? ……まぁ、うん。いきなり人の持った財布を奪うなんて、やっぱり悪い人な気がします。
 もっと罰を与えるべきだって《かみさま》も言ってます! さっきみたいな危ない奴はもうやめますけど……」

一般的には不浄の部位である股間に、こうして全身を挟まれる。
相手の立場になって考えれば、少なくともアルブムとしてはこんな目には遭いたくはない。たぶん。
急にしおらしくなった相手の言い分ももっともである。この小人の真意や性癖など、アルブムにはわからない。
半ば乗せられる形で、アルブムは細い脚にきゅっと力を込めて小人を挟み込んだ。

「ん、くすぐったい……けど、これも罰ですから。ぼくもガマンです」

大腿の裏は太い血管が通う箇所である。ゆえに、こそばゆさもひとしお。力を込めて挟まれれば、温もりもさらに強くなる。
苦々しい顔で小人を見下ろすアルブムと、少年の芳しい股間を堪能する小人。どっちが罰を受けているのやら。

「……その。ぼく……あ、ぼくはアルブムっていうんですが。あなたみたいに小さい人間って見るの初めてなのです。
 元からそうだったんですか? それとも、はじめは大きかったのに小さくなったんですか?」

脚の間に走るむずがゆさを紛らわすように、アルブムは囁くような声で、小人に質問を投げかける。

「もしかして、悪いひとだから小人になったんです? だとしたら、ぼく、なおさら悪いことできませんし……」

ルキオラ > 「んんっ。あ。すごくいい。かなりいい感じの罰です……。
 かみさまっていうのは話がわかるなぁ~。きっとうまい酒が飲めそう。
 あたしは大錬金術師ルキエルの下僕ルキオラ。
 借り受けたゴーレムで錬金術製の雑貨なんかを売る仕事をやってます」

という設定。別にルキエルはさほどの有名人ではない。
程よく力を入れられて全身が圧迫される。苦痛を感じるほどではないが独力で逃れるのは難しい。
人工生命であるが身体機能はおおよそ人に準拠している。
温かさと気持ちよさでパンツの下のものがむくむくと持ち上がりはじめている。
その微細な感触に相手が気づくかどうかはわからない。

「そそ、悪い人だからちっちゃくなっちゃったんですよ~。
 悪い小人にはもっと苛烈な罰が必要じゃないですかねぇ。
 たとえば、この中に閉じ込めちゃうとか~」

(技量が)悪くてこんな小さな体を使うハメになっているのはまあ事実ではある。
いい加減なことを言いながら、かろうじて自由に動く手でタイツの表面をつんつんとつつく。

アルブム > 「ルキエルさんちのルキエラさん……錬金術師ですか。すごいですね……」

ルキエルという人物は知らないが、錬金術師という職業は大雑把に知っている。
彼らの目指すところはよく分からないが、彼らが市場に流すポーションというのは旅人や冒険者に重宝するアイテムだ。
後ろの荷車に積まれてるのもきっとそれなんだろう。アルブムも試しに飲んでみたこともある。

「……んっ。ふ。やっぱり、こうしてるとくすぐったい……というか、なんか、よくない気分になってきます。
 駄目……ひとに罰を与えてるんだから、もっとまじめにならないとっ……っ? うぁ…っ」

相手の自己紹介を噛み砕くのに思考を巡らせていたが、それもすぐに乱される。
脚の間にモゾモゾ蠢く生き物を挟むというのは、思った以上に掻痒感が強い。挟まれる側はもっと不快だろうが。
『罰』に興奮するルキオラにつられるように、アルブムの男性器も徐々に熱を帯びてくる。
体格相応の小さな突起が鎌首をもたげていくのが、タイツ越しにもまざまざと見せつけられるだろう。
さらにそんな敏感な部位を突かれれば、甲高い喘ぎ声も漏れてしまう。

「さ、触らないで……えっ? 閉じ込める? まさか、ぼくの服の中に? そんなの罰になるのです……?」

白かった頬が徐々に紅を帯び、息も荒く湿っていく。のぼせたような顔に、戸惑いの色を浮かべるが。

「……え? ほんとに? わ、わかりました。《かみさま》が言うなら……その罰がこの悪い小人さんにふさわしいなら……」

ルキオラを見下ろしてた視線が束の間、誰も居ない中空に向けられる。そして、不可視の第三者と語らう仕草も。
何者かの声を聴いたようにこくこくと頷くと、惚けた顔のまま、脚の間からルキオラをつまみ上げる。

「そ、そうですよね……悪いことをした人は、反省するまで牢に閉じ込められるんです。
 ぼく自身が牢になるってことですね……うん。ぼくだったらこんなこと、されたくないですし。
 ……る、ルキオラさんが言い出したことなんですからね。気持ち悪くてあとで泣いても知りませんよ!」

未だ戸惑いの薄れない顔に、気張って強い剣幕を作って小人を睨みつけると。
意を決したように、首筋を引っ張ってタイツを伸ばし、その中に小人をそっとねじ込んだ。
異物感が首から胸元あたりまで滑り降りるのを感じれば、唯一の開口部をぱちんと閉じる。

「ふ、ぅっ。ど、どうですかっ、きょう1日外を歩いて、あまり綺麗じゃない身体とタイツですよっ。
 苦しかったり嫌だったら『ごめんなさい』って言うんですっ。そしたらすぐ出しますから。
 あと……あまり、動かないで……んっ」

そこまで言うと、路地に座り込んだまま、来るべきこそばゆさに備えてぎゅっと口を結ぶ。
アルブムが言ったとおり、タイツの内側はしっとりと汗ばんでいるが、それ以上にサンダルウッドの香気が強い。
まるで全身から香水が滲み出ているかのよう。そしてその香気は、下腹部に近づくほど強くなる。
狭くぴっちりとしたタイツのなかだ、どこに向かうのもルキオラの自由だ。

ルキオラ > 目の前でむくむくと盛り上がる雄の徴のシルエットと、上気する肌。
相手もまんざらな気分ではないことに嬉しさと面白さが笑みになってにじみ出る。

(かみさまというのが実在するとして、
 この坊やは絶対ダマされてるな……)

頭の冷静な部分でそんなことを思う。別に哀れには思わない。
そしてつまみ上げられ、首元まで運ばれる。
クレバスにも似て広がったタイツの中に落とされ、入口を閉じられれば暗黒の世界だ。

「うわ、すっごい濃厚……」

芳しい香りが鼻孔を突き抜けて脳まで染み渡っていくかのようだった。
すべやかな柔肌とタイツにぴっちりと挟み込まれ、少年のハリと温かみをダイレクトに全身で受け取る。
あまり動かないでと言い聞かせる言葉はまるで聞こえていなかったように、這って下腹部へと下る。
ルキオラの勃ちきった雄茎で、アルブムの肌をひっかきながら。

「おいし……」

滲んだ汗をちろちろと舌で舐める。子供の老廃物はこの人工生命にとって栄養価だった。
汗と香気に酔っ払いそうになりながらも、やがて胸とおなかを通り過ぎ、
座り込んでいる股ぐらへとたどり着くだろう。

アルブム > 「はっ……や、ぁ……だ、ダメですってば! 動いちゃ……っ、う……す、滑って、下に落ちちゃいますよ!
 それに……そんな、んふっ、つ、爪も立てないでください……痛くはないですけど、く、くすぐった……いっ!」

薄い布地の下を這い回る小動物めいた蠢き。皮膚をひっかく小人のペニスの感触を、爪を立てられてると勘違いしたようだ。
普段はこの国のあちこちを旅しているアルブム、野宿も日常茶飯事である。
テントの閉め方が甘いと虫が入ってきて、このようにタイツの中に入ってくることだってあった。その時の経験を思い出してしまう。
虫もなかなか殺せないアルブムだが、いまタイツの中にいるのは小さいながらもれっきとした人間である。
その時以上に神経質になってしまい、そのせいで、すさまじい掻痒感にも身を捩ることすらできない。

「は、ひっ、ひ……らめ、らめ、動かないでったら……! ぼく、耐えられない、かも……耐えますけどっ……!
 倒れたり、強く腰曲げたりしたら、ルキオラさん潰れちゃうかもしれないし……うう……がんばらなきゃっ!」

ふざけているルキオラとは対照的に、アルブムの口調は至ってまじめ。
懸命にこそばゆさを堪えていることが、皮膚の下の筋肉がひくひくと戦慄いて、密着するルキオラにも伝わるだろう。
罰を与える立場として気張っていても、アルブムはかなりしんどそうだ。
……そして、舌とペニスを肌に這わせながら、異物感が下腹部にまで至ると、束の間アルブムの尻が浮きかける。

「ふあっ!? や、な、なんでそんなとこ行ってるんですかっ! 汚いとこですよっ!
 滑り落ちたんだったら、はやく反省の言葉を言ってください。でないと、その……もっとひどい目に遭いますよっ!」

純粋なのか阿呆なのか、男性器に迫りくるルキオラが間違って滑り落ちたのだと思いこんでいるようだ。
勃起しきったアルブムのペニスはタイツを持ち上げてそそり立ち、小人が圧迫から逃れられる空間を作っている。
しかしそこに溜まった空気はこれまでで一番濃い香気を孕み、汗とそれ以外の体液で湿りきって、粘りすら感じるほど。
サンダルウッドの香気も強いが、先走り汁の青臭い性臭も混じっている。

「ほ、ほんとっ……ひどいめに……うう……い、いけませんよぉ……」

それでもアルブムは身じろぎ1つせず、小人が泣き言を言うのをひたすら待ち続ける。

ルキオラ > 「わわっと!」
下腹部に至ったのはルキオラの意思ではあったけど、
さらにそこからお腹から股下まで転がったのは尻を揺らした衝撃によるものだったので
半分は事実になった。

「そういうあんたはどうしておちんちん大きくしてるのかな?
 悪い小人を服に閉じ込めるのがそんなに気持ちいいんです?」

いやらしい口調の声がタイツの中から響く。

「ふふ……ここ、すごい臭いですよ。汗のニオイも、おちんちんのニオイも。
 だらしないお汁でベトベトだし。
 やっぱりこここそがあたしに罰をあたえるのにふさわしい場所ですよぉ~」

興奮に息を荒くしながらも喋り声はどこか余裕である。
パンツを脱ぎ捨ててアルブムのそそりたつ陰部に抱きつく。
下半身を柔らかい睾丸に、上半身を竿に預け、亀頭に顔を寄せ、貪欲に先走りを舐め取り始める。
肌や髪が粘液に浸されることもおかまいなしに。

「んちゅ……んっ、く、んくっ……」

露をすすり嚥下しながら、さながら犯すように腰を振り、自身の屹立したものをぐにぐにと双玉の間の皮に押し付ける。

アルブム > 「う、うう……き、気持ちよくなんかないですっ! その……くすぐったすぎるとそうなるんです!」

勃起している事実を揶揄されると、アルブムは泣きそうに顔を歪めながら、叫ぶように反論する。
身体がどう感じたかはさておき、アルブムとしてはこうしてタイツの中に入られることは『気持ち悪いこと』のはずだ。
ルキオラも同じく不快に感じてるはずだし、だからこそ『罰』として成立している。
《かみさま》の指示で神罰を代行してるなら、慈悲と自戒の心をもって厳格にあたるべきハズで。
この状況に気持ちよさや恍惚を感じたり、無様に勃起してみせるなど、《かみさま》の下僕としては不適格。
……そんな建前と生理反応のギャップが、アルブムを混乱させ、戸惑わせる。

「う、ううう……タイツの中のこと、そんなにはっきり言わないでくださいっ……。
 これ、ホントに罰になってるんですか……? 《かみさま》ぁ……。
 ……んっ♥ う、うぁっ………や、やだ、抱きつかないでっ……! あっ、あー……♥」

およそ嫌悪感を見せてこないルキオラの態度と声色に、さすがのニブチンもそろそろ現状に疑問を抱き始めている。
しかし、思考をまとめようとしても、タイツの中で小人が敏感な部位に抱きつき扱いてくれば、意思は脆くも崩れる。
皮被りの男性器にルキオラの体温、四肢の蠢きが鮮烈に伝わる。
亀頭を這い回る舌の感覚は針先でなぞられているようで、座り込んだアルブムの身体が操り人形のようにがくがくと揺れる。
厚ぼったい睾丸の皮を押し上げて小人のペニスが押し当てられ、海綿体の根っこがコリコリと引っかかれる。
未だ感じたことのなかった異様な性感に、アルブムはまるで幼女のようなか弱い嬌声をあげる。

「はっ、あ、あああああ……《かみさま》っ、《かみさま》ぁ……ぼく、ダメですっ……ど、どうすれば……。
 ………えっ? そ、そんな……そんなことして、いいのですか……?」

たまらず、己の守護者に喘ぎ混じりの助言を請う少年。
すぐに何らかの電波を受信したようだが、その顔にはやはり戸惑いの色が濃い。
しかしやがて、(ルキオラからは伺えないだろうが)アルブムの顔に僅かながら決意の力強さが戻る。

「……そ、そうですよね。こんなことされてるのに嬉しそうな声を出す人が、真っ当なヒトであるわけがありません。
 道を正すには、ぼくももっと厳しい人にならなくちゃ……。ルキオラさん、少し乱暴しますよ……っ!」

股間のテントの中で、小さな突起にしがみついて蠢く小人。
アルブムは意を決するようにひとつ頷くと、そのシルエットをタイツ越しに、両手でそっと包んだ。
小人を潰さないように、己の急所に無用な刺激が走らないように、しかしこの小人が逃げられないように、そっと。
ぞくっ、と新たな震えが骨盤から背骨へと走る。

「く、苦しいでしょう、へんな臭いでしょう、ルキオラさんっ……! あなたの好きにはさせませんからっ!
 ……でも、《かみさま》……これじゃ自慰みたいですよぉ……1ヶ月くらいしてないのに……。
 強い心を保ったままシコれだなんて、うう……もうかなり限界なのにぃ……」

《かみさま》からはかなり苛烈で変態的な指示があった様子。
一応はその指示を聞き分けたアルブムだったが、未だ戸惑い強く、小人を握り込んだ体勢のままでまた固まってしまう。

ルキオラ > 「くすぐったすぎるとそんな声が出てしまうんですかぁ~なるほどねぇ~。
 じゃあ、アルブムくんはくすぐったくされるのが好きなのかなぁ~」

テントの中から上がる声はあまりに空々しい。真面目に謀ろうという気が感じられない。
だからといって相手だって今更半端にやめられないはずだ、とルキオラは考えていた。

「今あんたの恥ずかしいおつゆであたしはもう全身ぐしょぐしょだし、
 もう全身の成分がアルブムくんのもので置き換えられそうですよ……。
 アルブムくんえっち温泉ですよぉうへへ……」

そういや幼い少年や少女の血や性液が若返りの薬にならないかなあ、と研究していたのをふと思い出していると、
頭上でアルブムとかみさまが何か不穏な会話をはじめていた。

「んぶ!」

全身が押さえつけられる。圧迫自体に苦痛はないし、そこはアルブムの加減どおりなのだが
手にまるごと覆われて……顔面が少年の肉柱にぶにっと密着してしまう。
ありていにいえば呼吸ができない。

(ちょっ……手を剥がすか、一思いにどうにかするかどっちかにして!
 このままだとしゃれにならない!)

口がふさがっているので伝えられない。本当に罰で苦しみ始めることになるという皮肉である。
そんな危機的状況と無理矢理かがされる雄のフェロモンに、ルキオラのペニスはよりはちきれんばかりに膨張しきっていた。
圧迫されることで、よりそのこりこりとした感触がアルブムに伝わるだろう。

アルブム > 「……へ、変なこと言わないでくださいっ! なんですかえっち温泉って!
 くすぐったくされるのが好きな人もいませんっ! お、おちんちんがそうなっちゃうのは……よくない事ですし。
 やっぱりルキオラさんは変な人です……ぼ、ぼくが、道を正してあげないとっ……ですよね、《かみさま》!」

変態めいた言葉を放つルキオラに、戸惑いを通り越して苛立ちさえ覚え始めてきたアルブム。
もともと常識には疎い田舎者のアルブムだが……いやだからこそ、バカにされてるような気にもなってきて。
(実際バカにされてるんだろうけど、ニブチンでは気づけないのだ。)
そんな彼の口を塞ぎたい衝動にもかられて、《かみさま》に唆されるままに股間を握り込んでしまう。

「……ふーっ、ふーっ、平常心、平常心っ……。これはルキオラさんに罰を与えるだけ……。
 これも《かみさま》の試練……ぼくが気持ちよくなるためでもないし、イラッともしてない……してないっ……!」

タイツの中で小人の口が塞がれて呼吸困難になってることもつゆ知らず、アルブムは束の間、お経めいて何かブツブツと言う。
そして、意を決したように、手に力がこもる。

「……んっ、あ♥ あっ、あああああ……っ!!」

ぞわぞわ、とタイツの中で白い肌が粟立つ。普段そうしていたように、アルブムは自慰を始めたのだ。
手の中に小人を握って自らの男性器に押し付けながら。路地裏とはいえ、街中の路上で。
あられもない嬌声を喉から絞り出しつつ、懸命に、それでいて絶妙な力加減で、布地の中のルキオラを戒める。
身体が上下に揺さぶられれば、ルキオラも呼吸をするチャンスを得られるだろうが、それも僅かな間のみだ。

「ふっ、く、う、あああっ♥ はっ、はっ……ど、どうですかっ、ルキオラさんっ……っ、ああああ♥
 嫌な気分でしょうっ! 反省したくなるでしょうっ! っ、ん、ぅあ……小さいのに、悪いこと考えるからですっ!
 ほらっ、ほらっ……なんとか、なんとか言ったらどうですかっ!!」

少年の顔に、わずかながら、狂気と邪気を孕んだ笑みが滲み出始める。
あれほど行為前に自戒しておきながら、いざ自慰を始めてしまうと、さまざまな感情が幼い心を攻め始めているのだ。
猿のごとく快感を貪りたい本能。か弱い小人を虐め抜きたい衝動。《かみさま》の助けを得て他者を戒める優越感。
いずれも普段は邪な感情として跳ね除けていたあれこれが、この一瞬、彼をどす黒く染め上げていた。
その昂ぶりに煽られるように、ルキオラが抱きついたペニスも徐々に弾力を増し、先走りの量も多くなる。
射精も近そうだ。全身から興奮の汗が滲み、若いフェロモンと白檀の香気が混じって路地に満ちていく。

ルキオラ > アルブムの息が苛立ちに応じて荒くなり、
声が険を帯びてきて、ちょっとからかいすぎたかな……などと思ったが後の祭りである。
もがいてみるが、自分を覆う手は固定されていて動こうとはしない。
ケガをさせず、なおかつ抵抗を封じる絶妙な力加減だった。
自慢のおばけワゴンやポーションと言った発明品も自分の近くになければどうしようもない。
そして無慈悲に自慰が始まる。

「んい゛っ……あっ、ぶ、あっ」

太もも、背中、陰茎、お腹、胸、腋。幼い指とペニスに挟まれ、ごりごりと削られるような感覚。
上下した勢いでなんとか顔が離れたと思ったら、口や鼻が溢れ出たカウパーが注がれ、表面張力が呼吸を阻害する。

(あっ……きもちいっ……だめ……死ぬ……死んじゃう……っ♥)

人工生命の肉体はタフめに造られておりそう簡単に死んだりはしないが、それはそれとして
ルキオラの心は、虫けらのような死の可能性を前に恐怖で覆われつつあった。
邪な感情がにじみ出て、真に迫ったアルブムの責め立てる言葉も、それを煽る。

(お……オスガキのオナニーに……ころされちゃう……♥ やだぁ……っ♥)

我知らずぽろぽろと涙がこぼれ落ちる。
そこに同時に少年の媚香で満たされた空間で全身をしごかれる快楽が叩き込まれる。
タナトスとリビドーがぶつかり合い、意識が弾け飛びそうになる。

「っ……」

喉の奥で膜を張っていた性汁を飲み込み、なんとか息ができるようになる。

「……っああ、ごめんなさい、ゆるしてっ、アルブムさまっ♥
 しんじゃう、しんじゃうからっ、あっ、ああ――っ♥♥♥」

その瞬間吐き出されたのは、滂沱しながらの哀願の言葉で……
叫ぶと同時に、ルキオラはタイツの中でびくびくと痙攣し、漏出した白濁がアルブムの竿と玉を濡らした。

アルブム > 手とタイツ、そして幼いペニスとで厳重に挟み込まれた小人の肉感、体温、切ないわななき。
たしかに生きていて、悪い奴のようだけど自分と同じようにものを考える力のあるそれは確かに人間であった。
それを無慈悲に手篭めにして弄ぶことに、快感を見出さない者がいようか?
普段は高潔たれと心がけて生きているアルブムとて、結局は弱くて幼い心の持ち主。快楽で心のタガが外れれば、理性も用をなさない。

「うっ、あ、あああああ♥ らめっ、いく、いきますっ……! おしおきなのにっ、いやっ、おしおきだからっ、だからっ!!
 ルキオラにっ……ぼくの、とびっきりきたないの……っ……!! っあああ!!! あーーーー!!」

竿の根元に小さくも熱い迸りを感じると、まるでそれが最後のスイッチになったように。
路地にキンと響くような、ひときわ甲高い嬌声が放たれる。
どういうわけかその瞬間だけ、表通りにも人通りは少なかったようだ。それでも屋外には変わらないが。
街の喧騒を遠くに聞きながら、アルブムは星空を見上げ、数週間ぶりの精を放つ。
鈴口を脈打たせ、純白の粘体が噴き出す。握り込んだルキオラの額をそこに押し付けて、己の意思で汚していく。
十回の脈動を終えてもまだ勢いは衰えず、熱い粘液はタイツの中に溜まり、伸び、目もくらむような精液臭を満たす。
しかし、やはり、その体液もまた強いサンダルウッドの香気を帯びている。そのまま香料にできそうなほどに。

「………っ!!?」

未だ射精の迸り止まらぬうちに、しかしアルブムは確かに、小人の悲鳴を聴いた。哀願を聴いた。
その声によってまるで天頂から引きずり降ろされるように、急速に理性を取り戻していく。
……否、その心境変化が急転直下すぎて、別の意味で錯乱気味だ。
言葉にならない悲鳴めいた声を絞り出しつつ、アルブムは渾身の力で己のタイツに爪を立てた。
びり、びりびり。伝線を伴いながら、薄くも丈夫な布地が少しずつ破れ、白濁液がどろっと零れ出る。
それを掻き分け、中にいた小人を必死の指使いで取り出そうとする。

「ご、ごめんなさいっ、ごめんなさいっ!! ルキオラさんっ……ぼく、ぼくっ……!!
 ……おしおきとかなんとか言って、ぼく、小さなルキオラさんにこんなひどいことを……っ!」

顔をくしゃくしゃに歪め、涙を浮かべながら、小人の安否を確かめるように裸体を撫でる。
その間も脚の間では、精液が勢いを弱めながらもぴゅっぴゅっと噴かれ続けていた。泣きながら射精している。

ルキオラ > 「~~~~~……っ」

顔面を幼い性器にめり込まされながら、無様に射精する。
同時射精といえどその量の差は歴然であった。一方的で暴力的な交雑。
溢れ出る白蜜がタイツの中をたっぷりと満たし、さながら精液風呂に浸かることとなる。

「……あ……」

しばしの間意識が飛んでいたが、涙ながらのアルブムの介抱のうちに目を覚ます。けほけほと小さく咳き込んだ。
疲労が滲み、強く握り込まれたことで若干手足がしびれているが、さほど重篤ではなさそうだ。

「あー、えと、その。明らかにあたしが悪いわけですし……そんな顔なさんな。
 せめてもうちょっと楽しげにしててくださいよ。
 ほんと……すいませんでした」

楽しかったでしょ? と言外に滲ませつつ、バツの悪そうな表情を向ける。
悪乗りしすぎたことの反省はあるらしい。

「にしてもなんというかすごくいいにおいでしたね……。
 かみさまに愛されてるからかな……」

自分の上げた喜悦混じりの悲鳴の記憶の恥ずかしさをごまかすように、今更な感想。

アルブム > 「よ、よかった、生きてた……!
 ……うー……は、はい。たしかにルキオラさんは悪い人かもしれませんけど……」

咳をし、己の手の中で身をよじるのを感じれば、安堵の表情を浮かべるアルブム。先程までの邪気は消え、無垢な笑みだ。
……なおも悪い人を自称する小人には、否定の言葉はかけないけれど。

「でもっ。そんな人を咎めるときは、強い意思と赦す心で臨まなきゃダメなんです! ……って《かみさま》が言ってます。
 なのにぼく、気持ちいいのに負けて。ちょっとイラッともしちゃって、全然ダメダメな『罰』をしちゃいました。
 そんな独り善がり……『罰』じゃなくて『暴力』なのに。楽しんでやっちゃ、いけないのに……ううう……」

むしろ、先程までの自分の痴態を自省して、うじうじとしょぼくれてしまう始末。まぁ『暴力』を奮っていたことは事実であるし。
ここに来てようやく射精の脈動も止まるが、まるで気の抜けた風船のよう、急速に昂ぶりもしぼんでいく。

「《かみさま》も呆れてます……ぼくなんて、《かみさま》に愛される…《かみさま》の下僕たる資格はないのです。
 ……えっ、《かみさま》? はい、はい……わ、わかりました。《かみさま》がそれでいいのなら……」

どんどんと一人でネガティブに陥っていくアルブムだったが、何らかの電波を受信すると、束の間口を結び、黙考の仕草を見せる。
そして、意を決したように息を吸うと。ほんの少し、頬に紅潮を揺り戻しながら。

「……ルキオラさん。さっきの『おしおき』、とっても……き、気持ちよかったです。
 ちいさな小人をタイツの中に入れて、辱めて、おっ……おちんちんに触らせて。
 一緒に握り込んで、ルキオラさんを使っていつものおなにーみたいにするのも。出たものを、ルキオラさんに掛けるのも。
 すっごく気持ちよくて、ぼく……とってもいい気分だった、です……」

ところどころ言葉を詰まらせつつ、真顔で照れながら、そう言い放った。

「……ルキオラさん。ぼくの今の言葉、覚えててください。それがぼくの、弱さの証です。ダメさの証です。
 あなたがこの言葉を聞いたってことが、ぼくの心の傷になります。その方が良いって、《かみさま》が……。
 ……へ、変なこと聞かせてしまって、ごめんなさい」

もぞもぞとローブを手繰って下腹部の穴を隠しながら、アルブムは小人に向かって釈明する。

ルキオラ > 「つくづく真面目なんですねぇ~。あたしには真似できそうもない……
 我慢しすぎてるからこんなふうに爆発すると大変なことになるんじゃないですかね」

すっかり恥じ入っている様子の彼にはさっぱり共感できない様子で感想を述べる。
なにかもっともらしいことを言っているが、自分の欲望に忠実なルキオラはさっぱり心を打たれない。
急に《かみさま》と一人芝居を始めたのを見て、そいついい趣味してんなと思ったが、口には出さなかった。
そんなふうにどこか呆れ気味な態度だったが、自分を虐げていたことに興奮したことを
真顔で告白されて、思わず視線を切なげに伏せてしまう。

「……あー、えっと。あたしも気持ちよかったです……。」

照れくさそうに頬を掻く。
先程までのことを想起させられ、全裸の股間にぶら下がっていたものが甘く反応した。

「ま、まあともかく今日のことは痛み分けってことで」

ごまかすように言う。アルブムが特に引き止めたりしないなら、手から抜け出して
己のおばけワゴンのほうに大儀そうに体を引きずって向かうだろう。

アルブム > 「我慢してたから爆発する……? そ、そういうものなのでしょうか」

呆れたような小人の物言いに、なにか引っかかるものを感じたのか、また何か考え込む仕草をするアルブム。
たしかに、先程ルキオラの身体を使って扱いていたときに感じた昂ぶりは、『爆発』と呼ぶのがとても合っている。
真面目に、真面目に……と心がけていたからああなってしまったのか?
しかしこれは《かみさま》に諭された心がけゆえのものであって……。

「……そ、そうかもしれません。ですが。ぼくはやっぱり、《かみさま》に認められたいです。
 だから。我慢して我慢して、どんな誘惑や苛立ちがあっても爆発しない、そんな人間になりたいですっ!
 今日ルキオラさんにしちゃったようなことも、もう二度としませんから! ぜったい!」

「……たぶん」と、小声で付け足すのが聞こえただろうか。
まぁ、見た目通りに幼いアルブムである、今の宣言に真実味がないことは誰が聞いても明らかだろう。
胡乱でめんどくさい《かみさま》に見初められたゆえの悲劇である。

タイツの穴に指を入れて中を探り、ルキオラの着衣を見つけて、ぎゅっと絞ったり払ったりして汚れを極力取り去る。
自分のワゴンの方に歩いていく小人の背中から、彼の着衣をそっと着せようとするが。
その時、よくない物が目に入る。事の発端、拾得物の金貨袋の口紐が、いつの間にか解けていたのだ。
中から覗くのは、粗雑でデコボコな円形に切り出された鉄の円盤。中に入っていたのは金貨ではなかったのだ。

「………うう、なんですかこれは。ぼくがここで待ちぼうけてたのは一体なんのために……。
 今日はさんざんな日でした。日頃の行いが悪くて《かみさま》が怒ったのでしょうか。もう帰ってお風呂入って寝よ……」

地面に溢れる鉄片を忌々しげに見つめながら、アルブムはよろりと立ち上がる。
内腿にはまだ白濁が伝うが、気にする気力もない。
……だが、おばけワゴンの傍らを通って路地に出ようというところで、少年は振り返り、小人に笑みを向ける。

「んーん、ルキオラさんと会えたんですから、決して悪い日なんかじゃありませんでした。また会いましょう。
 それと……痛み分けなんて言わないでください。ルキオラさんは気にしないで。さっきのは全てぼくの不徳ゆえのことです。
 ……あ、でも。できれば、悪いことはやめてくださいね! 見つけたら今度こそ、ちゃんとした『罰』をしちゃいますから!」

会った当初と同じ、溌剌とした声で歌うように言葉を紡ぐと、そのまま明るい通りの向こうへと消えていった。

ご案内:「王都マグメール 平民地区2」からアルブムさんが去りました。
ルキオラ > 「あーうん、そうなるといいですね~応援してますよ~」

ぜんぜんしんじていない。アルブムですらわかろうというぐらいの気のない返事である。
よくないものに憑かれていることに憐憫の情もなくはないが所詮他人事である。
律儀に返してもらった自分の服は裸のほうがなんぼかましじゃないかなぁといった塩梅の状態だったが
一応受け取るだけは受け取った。

ようやく明らかになった偽金貨袋については、「いや~性格の悪い輩もいたもんですねぇあっはっは」と流す。

「罰、罰ねえ。ははは。
 ……にしてもまあ、かみさまとやらにも好かれるわけだ」

確かにあれは天使だと思う。だからといって改心したりなどはしないが。
自分もまた荷車ゴーレムに騎乗して、徐行運転でどこぞへと消えた。

ご案内:「王都マグメール 平民地区2」からルキオラさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2/繁華街」にカインさんが現れました。
カイン > 騒々しい平民地区の繁華街の真っただ中、
露店で買ったらしい飲み物を片手に道行く人を眺めている男が一人。
誰も彼もが随分と忙しそうに立ち回っていく様子を何処か他人事のように眺めていた。

「いつ来ても騒々しいよなあ、この辺り。
 仕事で来る分にはこの騒々しさが面倒ごとだがオフなら気楽なもんだな」

どこか上機嫌に漏らしながらもどこかで騒動が起きたのだろう、
聞こえてくる怒声の方に視線を向けてヤジを飛ばす始末。
仕事らしい仕事もなくたまには休みと位置付けての散歩の最中だけに、
普段用心棒をしてる時の飯のタネも気楽に楽しめる余裕がある。

カイン > 「俺が仕事してる時はおとなしい癖に、こういう時ばっかりは騒動が起きるんだな。
 同業者の連中には同情するというか…お、やってるやってる」

近くで始まった女の子にちょっかいをかけようとした男に対し、
用心棒らしき人影が仲裁に入った様子に笑いながら見物の構え。
最も男自身、自分で軽口叩くほど平和な事は稀なのだが。
直にちょっかいかけてた男がノされて影に引きずり込まれていく様子に、
残念と言わんばかりに肩を竦めながら見ると無しに道行く人や客引きを眺め始め。

「ま、口説ける相手には事欠かんと言えば事欠かんのだろうが…」

この辺で不用意に声をかけると後が怖いなと肩を竦める。

カイン > 「ま、こんなところで仕事思い出すのもなんだしな。
 折角だし酒でも飲みに行くとするか」

何を飲むかなと居並ぶ酒場を一瞥してから雑踏に紛れていく。
軽い足取りを隠すことなく酒の勘定をしながら去っていくのだった。

ご案内:「王都マグメール 平民地区2/繁華街」からカインさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」にシャルティアさんが現れました。
シャルティア > 平民地区のはずれにある小さな公園
石畳と、芝生と植え込み、後はベンチがある程度の、やや広めだが簡素な公園。そのベンチに、小さな少年と野良猫が座ってる
まだ幼い容姿の少年は、小さな袋から、魚のアラを取り出しては、野良猫の前に置く。ゆっくりとアラを食べる三毛柄の野良猫
その姿を、ニコニコとしながら少年は見てる

シャルティア > 袋の中身がなくなった
野良猫を、ぽむぽむして、「ばいばい」と一言
宙に浮き、街へと向かう

ご案内:「王都マグメール 平民地区2」からシャルティアさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」にイグナスさんが現れました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」にタピオカさんが現れました。
タピオカ > 【偶然同時入室となってしまったようでごめんなさい。失礼しました】
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」からタピオカさんが去りました。
イグナス > 「おお、寒ィ……っ。」

ぶるっと身体が冷えた。仕事終わってようやく帰ってきたかと思えば、この強い強い風だ。
低い気温も相まって、実に、さむい。ぶるぶるって軽く震えた。
冷たい鼻を軽く啜りながら空を見上げれば、天気はいいようだった。
月明かりが、きれいだ。おぅ、とかるく感嘆の息を吐いてから――

「……マジかよ。」

うええ、とうめいた。
行こうとしてた店、閉まってるじゃあないか
折角ここであったまろうと思ったのに。
風が吹いて身体を擦る、——ぶえっくし!なんて、大きな大きなくしゃみもひとつ。
なんだかこう、踏んだり蹴ったりな感じだった

ご案内:「王都マグメール 平民地区2」にシシィさんが現れました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」からシシィさんが去りました。
イグナス > 暫く、ぶるりと震えていたが、そのままいても、しかたない。
男はしょうがなしと歩き始めて――

ご案内:「王都マグメール 平民地区2」からイグナスさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」にキニスさんが現れました。
キニス > 王都マグメールの平民地区
大通り沿いにある冒険者ギルドにて張り出されている依頼を眺める

「チッ」

張り出されている依頼はどれも高ランクの依頼ばかり。
魔王の撃破やら、洞窟内に居るドラゴンの鱗の採取など、命がいくつあっても足りないような依頼だ。
小さな依頼はランクの低い冒険者のグループに取られてしまったのか
気軽な気持ちで挑める依頼がほとんどなく、頭を抱えて、小さく舌打ちする

「…俺もチームでも組むか?…いや、ガラでもねぇし、先ず相手が居るのかってんだよ」

溜息交じりにそう呟けば、依頼が張り出されている掲示板から離れる
ギルド内の酒場エリアへと行き、椅子に座れば机に突っ伏してため息を吐く

キニス > 知り合いがいない訳ではない
寧ろ冒険者の知り合いこそ多い
しかし、多いがゆえに今までチームを組んできた冒険者の苦い経験談が頭を過ぎる

一番の問題は報酬であった
均等割りするにも働かない奴が居た場合に揉め事になるし
歩合制であった場合、それはそれで『活躍した基準』で揉める
各地の冒険者ギルドを転々としてきたが、大体の場合はこれで揉めて、解散という流れが多かった

「…」

どうしようか、と思いつつ、何処からか灰を手元へ移動させる
掌の上に小さな灰の竜巻を興せば、三角形、四角形へと変動させる
…はぁ…いったん家にでも帰ろうか。そう考えている頃合いである