2020/12/03 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にミシェルさんが現れました。
ミシェル > 平民地区の外れ、薄暗い路地裏。
そこに、場違いなことに男装の女貴族が一人歩いていた。

「うん、迷ったな」

ミシェルは困った顔で辺りを見渡すも、にっちもさっちもいかず。
面白い魔導機械を売っている店があると聞いて平民地区を訪ねたはいいものの、
土地勘の全くない身、あっさりと迷ってしまったのである。

「来た道を戻るか…あれ、どっちから来たんだっけかな…」

どこか大通りにでも出ればわかるのだろうが、道は迷路のように入り組んでいる。
女男爵はあてもなく彷徨い歩く…。

ご案内:「王都マグメール 平民地区」に結城九重さんが現れました。
結城九重 > ふらふらと歩く九重。

特に理由はない。お上りな彼女は王都のすべてが珍しかった。
そうして迷いkんで、裏道に入り込んでしまう。

特に迷っている意識はない。
野宿でも何でも構わないからだ。
そうして九重は、彼女に出会った。
であってしまうのだった。

ミシェル > 「…お、いいところに」

第一街人発見というところか、丁度いい。
とりあえず道を教えてもらうとしよう。

「やぁお嬢さん、お散歩かな?」

ミシェルは軽くお辞儀をしながら目の前のミレー族の少女に話しかける。

「ちょっと道に迷ってしまってね、
よければ大通りへはどの道を行けばいいか教えてくれるかい?」

結城九重 > 「? こんにちはお姉さん。ボクもわからないよ」

完全な迷子である。
道なんてまるで分らなかった。

「お姉さんも道わからないの?」

こちらこそ聞こうと思っていたのに……
しょんぼりして耳がペタン、となり尻尾もしょぼくれる

ミシェル > 「そうかー君もわからないかぁー……あはは…」

なんてことだ、迷子が二人に増えてしまったぞ。
ミシェルは頭を抱えた。

「君、ご主人様への連絡手段とかは…持ってないよねぇ…はぁ」

見るからにミレー族なので、多分奴隷か何かなのだろうと思っているミシェル。
所有者とはぐれたなら近くにいるのかもしれないと、希望を抱く。

結城九重 > 「ご主人様? なんですかそれ?」

九重は奴隷身分ではあるが、誰かの所有の市場奴隷ではない。
あえて言うなら国の物、公のものである。
それゆえ、かなりの程度、その体を使うことが許される。
そういった奴隷身分でもそう珍しくない存在であった。
そもそも最近捕まった程度の彼女は奴隷に対する知識も薄い。
そんな彼女にご主人さまと聞いても意味が分からないだろう。

「さて、どうやって帰りましょうかね」

きょろきょろとあたりを見回す九重である。きっと役に立たない。

ミシェル > 「な、なるほど…なるほどね……」

主人いないタイプの奴隷なんだろうか…ミシェルはがくりと項垂れた。
日が暮れるまでにはたして帰れるのか、これは。
ミシェルもあたりを見渡すも、代わり映えのない建物がひたすら続いている。
他に人影を探すも、誰も歩いていない。

「とりあえず…歩くか…」

ここに突っ立っていたって何も起こらないだろう。
ミシェルは勘で行先を決めて歩き出す。

結城九重 > 「にゃー、あるくにゃー」

そうしててこてこと、楽しそうにミシェルの後をついていく。
すべてが珍しいのだろう。
周りをぴょんぴょん飛び跳ねていた。

「ねーねーお姉さん、お腹空いたよ」

そんなことを言いながら、道を進んでいく。
さすがに歩いていれば無事大通りにたどり着ける、だろうか。

ミシェル > 「お腹空いたかぁ…生憎何も食べる物は持ってないなぁ…」

本来なら魔導機械の店で買い物の予定だったのである。
食事の用意なんてしているはずもなく。
料理店なども見つからないし。あれば道を聞いているが。

「……ん、声がしてきたな?こっちで合ってそうだ」

遠くから、賑やかな声が微かに聞こえてくる。
少なくとも人が集まっている場所が近くにあるようだ。
ミシェルはそちらに向け歩いた。

結城九重 > 「にゃー、いいにおいにゃー」

空腹で野生返りを始めてしまっている九重。
そのままミシェルについていくと無事大通りに出ることができるだろう。

「ニャー、お姉さんもおつかれにゃー」

そういいながら、目についた屋台で焼き鳥を買い、ミシェルに1本渡す。
お金はそこそこ持っているようである。

ミシェル > 「で、出られたか…」

がっくりと疲労が体に来る。
今日はこのまま真っ直ぐ帰ろう。
そう思っていると、鼻をくすぐる焼けた肉の匂い。
あの少女が焼き鳥を買って、こちらに差し出している。

「や、ありがたく頂こう」

貴族が施しを受けるのは何か違う気もするが、ミシェルはそういうプライドには無頓着なタイプだ。
焼き鳥を頬張ると、程よい熱さと甘辛いソースが彼女の口を満足させる。

「ありがとうね、いつかお礼は返そう。それじゃあ僕はこの辺で」

ミシェルは焼き鳥を食べながら軽く手を振り、富裕地区のほうへ歩き去っていった。

結城九重 > 「にゃー、またにゃー」

そう言って彼女を見送る。
そういえば名前も聞いていないし、どこの人高も聞いていなかった。
まあ、縁があればまた会えるだろう。
そう思いながら、彼女は焼き鳥をもう一本注文するのであった。

王都の冒険は、まだまだ続いていく……

ご案内:「王都マグメール 平民地区」からミシェルさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」から結城九重さんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区 噴水広場」にリヤンさんが現れました。
リヤン > 今の状況を、なんと云えばいいのだろう。メイドは静かに立ち尽くしながら考える。
 その場所は、平民地区の大通りにある噴水広場で、人々の憩いと交通の要所と言える場所――――の屋台の一店舗。
 買い物に来たのではなく、売り手の方に立ち尽くすメイド、人の視線が突き刺さるのを感じている。

 今の状況を説明するに、少しだけ遡る。
 主の命を受けて買い物に来て、主なじみの店からいくつかの品物を買い、戻る途中だった。
 交通の要所故に通ったのだが、其処で人が倒れ、人道的な観点から、介抱をしたのだが、その相手は屋台の主らしい。
 身重だったようで、陣痛が始まったらしく、代わりの人が来るまで少しの間店を頼む、と。そのまま、運ばれて行ってしまったのだ。
 声を出せないのもあったが、介抱から、状況が流れるように運ばれていく様は、主の護衛で見たことある戯曲の場面転換のようだとおもった。
 他の人は、と鋼の視線を動かすも、皆そっぽを向く。目が怖かったのだろう、敵意に塗れた視線を思い出し、そっと伏せる。
 驚いたので目を開いてしまっていた時見たが、一番近くにいたのはメイドで、女主人は間違いなく主はメイドの目を見ていたのだ。
 はぁ、と溜息を桜色の唇から吐き出し、エプロンのポケットから、メモを取り出す。

 書置きを作り、買い物籠に書置きをいれて、念ずる。
 声が出せない中で覚えた魔法、念動魔法、ポピュラーではあるが、影の薄い魔法だ。
 それで荷物だけ転送した。状況は書いたから、主には伝わるだろう。

 そして、串焼き屋台に立つメイドが発生したのだ。
 静かに目を伏せて、手際よく串焼き肉を焙るメイド。

 声が出せないから、呼び込みも出来ず、唯々、静かに立つ。
 串焼き肉自体は、下味や、下焼きも必要なのと、保温のために、軽く焙って、冷めないようにしていく。

リヤン > 肉を焙って温めている間、メイドは町の中を見回す。見回すと言っても、瞼は閉じられているので、その場で静かにたって居るようにしか見えない。
 それでも、女は理解が出来る、目を隠された状態での戦闘を強要されたこともある、だから、魔法は、そう言った感覚の強化をする魔法などを中心に覚えている。
 だから、女は目を閉じていても、周囲を理解するための術がある。いま大事なのは、この店の肉の料金。
 流れるように運び出されたので、幾らだ、とかそういう事を何も言って居なかったのだ。

 料理などは出来るのだけど、料金が判らないと売れないし、任せてもらったのに、ちゃんとできないのは任されたものとして屈辱しかない。
 メイドは、静かにぎり、と歯を食いしばる。
 先ずは周囲を確認する、料金表が何処にあるだろうか、と、見回していれば、メモの様な物があった。
 売れた数が書き込んであり、それを眺めてから、料金を理解した。

(これなら、大丈夫ね。)

 心の中に余裕が生まれるのを感じながら、女は肉を焼くことに意識を向け、周囲を確認する。
 様々な人が行きかうのが見える。
 楽しそうにしている町の人々、彼らは何を思って生きているのだろうか、読むことはたやすいが、惨めになるのが判るからしない。
 肉を焼き、良い匂いがしたらひっくり返し、タレを付ける。
 料理に関しては、剣闘士の時、奴隷の時、叩きこまれているから、この程度は問題ない。
 半分はたれではなく塩コショウで。そういう味を好む人もいるし、売り物はその弐種類の様だから。

 串焼きの屋台から、良い匂いがすごくする。

リヤン > 暫しの間、串焼き肉を焼いていれば、お客さんは来るものだ、珍しい物―――メイドの格好をした女性が楚々とした動きで串焼き肉を焼いて売るのだ。
 目立つ事は間違いはなく、そして、目立つから興味本位で買いに来る人が増える訳だ。
 当然。言葉は出来ないので、カウンターに注文本数を書いた紙を用意し、それを指さしてもらう、脇には値段を書いておく。
 それを指さしてもらい、塩かタレかを選んでもらい、焼いて袋に入れて手渡す。

 それを暫く何回か繰り返していたところ。
 男性が走ってくる、先程の店主がよこした人員なのだろうか。
 戻ってくれば、息を切らせながらも、交代してくれるそうで。
 じゃあ、よろしく頼みます、と女はお辞儀を一つ、そして、店番している間に使ったメモを回収する。
 何本売れたのか、と言うメモを彼に渡してから、再度お辞儀。

 そして、唐突な店番は終わり、メイドは主の元へ戻るのだった。

ご案内:「王都マグメール 平民地区 噴水広場」からリヤンさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にエルファラさんが現れました。
エルファラ > 遅くまで酔客で賑わい酒場や食堂がいくつも軒を連ねる、この時間となってもまだまだ賑やかな区画での出来事。

――とある食堂の厨房にて。

     どかーん

謎の爆発が起こった。
爆発音が響いて厨房の物が一切合切ひっくり返って数分後。
「出てけー!!二度と顔出すんじゃねえ!!」
そんな怒鳴り声とともに裏口から店外へ叩き出される一人の女――。

「ちょっとばかり厨房をふっ飛ばしたくらいでなんて短気な……もうちょっと長い目を持って人をおおらかに育てて行こうとは思わ――……話はまだ終わってない!」

言葉の途中で、
バタン!
派手に閉まる扉。初出勤後一時間で食堂の店主に解雇された粉砕系料理人、厨房の破壊魔と言っても過言ではない、赤髪の女。
つけていた前掛けを路上に投げ捨てて舌打ちかまし。

「あーぁ……これで10件目か……また新しい仕事先、探さなきゃ……」

路上に不貞腐れた様に蹲り。天を仰いで嘆いたが、この破壊魔に新たに目を付けられる食堂の不運が思いやられる。

ご案内:「王都マグメール 平民地区」にロイスさんが現れました。
ロイス > 休みの夜、偶にはギルドの酒場以外の食事を取ろうと思って、少し遠出をしてみれば。
突如、爆発音が、近くの食堂から響いた。
反射的に、その食堂の方を振り向いて。

「な、何があったんだ……!?」

何かしらの事故や事件を想定し、腰に凪ぐ剣の鍔を親指で押し上げつつ、店の周りを偵察していく。
焦げた臭いや妙な匂いなどはない所を見ると、どうやら火薬や薬品などの事故ではないと取り敢えず安堵。
念の為、裏口も回って、異常が無ければそのまま去ろうと思ったが――

『ちょっとばかり厨房をふっ飛ばしたくらいでなんて短気な……もうちょっと長い目を持って人をおおらかに育てて行こうとは思わ――……話はまだ終わってない!』

突如、少女が一人路上に叩き出された。
どう聞いても自白にしか捉えられない事を口走りながら、舌打ちまでした少女は、これまたふてぶてしく路上に座り込んでいた。
厨房を吹き飛ばした、とは。一体何をすればその様な事になるのだ。

「あの、ちょっと良いかな。えーと……」

と、言って、そこで言葉に詰まる。
何の繋がりもない少女に、突如『さっきの爆発は何?』と聞くのも憚られる――確実に彼女が起こしたという確証もないのだし。
となると、ちょっと遠回りしたアプローチをかけたい。
幸い、彼女のぼやきは聞こえていたので、改めて。

「えーと、君、此処で働いていたのかい?
随分な縁の切られようだったけど……何かあったのかな?」

これはこれで不審な気がするが、少なくとも爆発魔扱いよりはマシだろうと。
そう考え、彼女に話しかけてみる。

エルファラ > まこと、ままならぬものだ。と気功を応用させてしまい、厨房を勢い余って吹き飛ばしてしまった暴発料理人。
鮮やかな色合いの髪をがしがしと掻き毟っては溜息を吐き出していた。
路上の石畳はキンと冷えて臀部を冷やすが、なかなか立ち上がる気にはならずにそのまま、今後の身の振りに悩んでいたのであるけれど。

「ッハ? 何? 何か御用?」

詰まり気味に声を掛けて来た男性に反応して、蹲ったまま顔を上げてそちらを向く。
キツ目の双眸なので、一瞥しただけで通常睨んでいると誤解される眼力の持ち主である。
ちなみに雑魚モンスターなら逃げ出す。
歯切れの悪い様子に、何が言いたいのか、と覗う様に見やるが。
ややあって、遠回しな様な率直の様な問いが投げかけられて。

「それを訊くの?
たった今解雇になった傷口抉るのが趣味なのかしら。
不手際で切られたのですが、それが何か?」

真っ直ぐな女の視線は挑む様な印象だったが……平常運転ではある。
そんな調子なので人好きされないのだが。
そこで漸く立ち上がり、腕組みして、こちらが尋問でもしている様な空気を醸し出していた。

ロイス > 「え、いや。御用というか……」

あはは、と苦笑の愛想笑い。
取り敢えず、困ったら笑うのは癖のようなもの。
とはいえ、圧されているというよりは、単に言葉が出ないからという方が正しそうではある。
それが証拠に、挑むような表情に対して、こちらは困ったように、しかしはっきりと。

「傷口を抉る趣味はないかなあ。痛いのは人の痛みでも嫌だし。
ただ、凄い爆発音が聞こえて、近づいたら君が大声で厨房を吹き飛ばした、とか言ってたから関係あるかなあって」

そう言って、あ、と気づいた様に声をあげる。

「ごめん、急にこんなオジサンに話しかけられても戸惑うよね。
俺はロイス。冒険者。君は……厨房を吹き飛ばしたって言ってたから、料理人さん、かな?」

エルファラ > 「あたしは別に犯罪者じゃないわよ」

しっかりと目を見て話すスタンスの女はきっぱりとした口調で宣言するが。
確実に暴発娘ではあり、事に依ってはタダでは済まない。
例えば店主に訴えられた時とか。

笑みを浮かべる如何にも穏健派な印象の男性に首を捻る様にして右に倒し。

「態々厄介ごとに首を突っ込みたがるなんて変わったお方で。
――はあ、冒険者……成る程? 確かにそれなら面倒ごとに関わってくるのも頷けるわ。
あたしはエルファラ。宮廷料理人になる女よ」

料理人、という単語に反応して無駄に自信過剰な発言。
とても堂々とした態度で口にして。

ロイス > 「そうか、犯罪者じゃないのか。良かった。
君みたいな若い子を捕まえるのは、出来ればやりたくないからね」

そう言って、胸をなでおろす。
自分と同年代か、それ以上の人間を捕まえるのには抵抗はないが、彼女のような若者を相手にすると、どうしても同情が先立ってしまう。
勿論、彼女が嘘をついている可能性もあるが、それならこうも堂々としてはいられないだろう。あの店主も別に官憲に突き出す素振りはなかったし。

「住んでる街の事だからねえ……。危ない事件とか起きてたら、何とかしたいよ、そりゃ。
おお、夢が大きいのは良いことだ。エルファラ、ね。うん、覚えた」

と、言う。彼女の言葉に破顔するが、それは嘲笑ではなく、寧ろ応援するようなもの。
それどころか、彼女に興味を持った様で、「それにしても」と、

「その爆発する料理って、美味しいの?
ああいや、君の腕を疑ってるわけじゃなくて……爆発の危険を犯してまで作りたい料理ってどんなのかなって、気になってさ」

と首を傾げる男。
実際、男は食にそこまで執着はない。
三食ギルドの安い酒場の飯でも全く気にならないぐらいには。
だから、わざわざ爆発してまで――自分の命と職を天秤にかけてまで作る料理とはどんなのだろうかと、気になって。

エルファラ > 「いきなり人を犯罪者扱いとは、随分じゃないの。
お偉いのね、冒険者とやらは」

皮肉めいた口調で目を眇める。この現場に駆けつけて来て厄介ごとに首を突っ込んできたのは犯罪者であればとっ捕まえて報奨金でもせしめようという魂胆か、と見切って鼻白んだ。

「それじゃ冒険者じゃなくて、自警団か衛兵にでも転職した方がいいんじゃなくて?
………変な人。」

善人風を感じると少しばかり妙な物を見る目でそちらをちらりと横目で眺めた。
ただのゴロツキよりもひょっとすれば厄介かも知れない相手だと認識。
だって殴って黙らせるには非がないのが面倒だ。

しかし、続いたその質問に。に や り 。と口角を上げて。
獲物を観る様な獰猛な目をしたが、それは悟られない様に顔を反らして隠した。
それから、そちらに向ける目はにーこりと朗らかな笑みを湛えて細められ。

「美味しいかどうか、食べてみる?
――きっと、この世に二つとない味よ」

それは間違いない。問題はどの方面にか、と言う事になるが。
お望みとあらばいつでも作って差し上げると。