2019/08/03 のログ
モールド > やがて予約の客が訪れる時間となった。
今日もまた一人、雌に堕とされるのだろう―――。

ご案内:「王都マグメール 平民地区 エステ店「オブシーン」」からモールドさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にエレイさんが現れました。
エレイ > 「──♪フンフンフーン フフーン……っと」

調子の外れまくったヘタクソな鼻歌を奏でながら、大股で悠然と冒険者ギルドに足を踏み入れる金髪の男が一人。
賑やかな様子のロビーを軽く見渡せば、あちこちでパーティらしき数人の集団が話し合っている姿が見える。
そんな活気のある光景に目を細めて小さく笑みを浮かべながら、そのままのんびりと掲示板の方へと
向かってゆく。その掲示板には依頼書や、パーティ募集の要項などが雑多に貼り出されていて。

「──ウム、今日も今日とていっぱい来ているようだったな。すぁて、なんか面白そうなのはありますかいのぅ……」

親指と人差指で摘むように自らの顎をさすりながら、掲示板の前に一人突っ立って、
何かしら興味を惹くものでもないかと眺め回し。

エレイ > 「……むむぅ、特にティンと来るものはない感……」

掲示板を眺める呑気そうな顔が、次第に渋面に変化してゆく。
男のお眼鏡にかなう依頼や募集は見当たらないようで、ぬぅ、と唸り声を漏らす。

それからふと、受付カウンターの方に視線をやってみれば依頼の受付を行っているカウンターに、
新たな依頼を持ってきた依頼人(クライアント)らしき人物が数人並んでいる光景が見えて。

「……。また新しい依頼が貼り出されるかもしれんしな、酒場で冷たいモンでも飲んで待つとしまひょ」

フンス、と鼻を鳴らすと、掲示板の前から離れ、併設の酒場の方へと向かう。

──酒場ではギルドの冒険者達のほかに、一般の客も入り、店内を賑わせていた。
近頃の暑さの所為だろうか、時間帯の割に一般客の数が心なし多い気がする。
そんな光景を横目に見つつ、男は慣れた様子でカウンター席につくと、人差し指を立てつつマスターに注文をよこす。

「オレンジジュースおくれ」

エレイ > そうしてしばらく酒場で時間を潰して──
ご案内:「王都マグメール 平民地区」からエレイさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にファナさんが現れました。
ファナ > 「ど、どうしよ、う……」

一人で出来るもん! とは流石に言わなかったけれど、心配を振り切ってお使いに出たのが何時間も前のこと。
お店に行くまではよかった。買い物もちゃんとできた。買い物の仕方もしらない元奴隷だけれど、わたしだってやれば出来るんだ。

……問題は、お店を出た後家の方角が分からなくなってしまったこと。
一度心細くなってしまうと、回りの人達が皆恐ろしく見えてしまう。
そんな状態では人に道を聞くことも出来なくて、お店の軒先で小さくなって視線を彷徨わせるばかり。

「マスター……ごめ、んなさい……たすけて……」

知らない人の中に一人。怖くて怖くて膝が震えてしまう。

ファナ > うろうろ、うろうろとお店の軒先を右往左往。
知らない人でも声をかけて助けを求めるべきなのかな。
でも、攫われて奴隷に売られるのはもう嫌だ。
どうしよう、どうしよう。こんなことならお家でお手伝いしてればよかった。

「うっ、うぐっ……うぇぇ…………」

元奴隷の少女は泣きそうな目元をローブの袖で拭って立ち尽くす。
持ち上げた袖の先から、金属の義肢がちらりと覗いた。

ファナ > 「…………あ、の」

意を決して通行人に声をかけようと口を開くが、小さな声では気づいてもらえない。

「う、うぅ……」

「ぁの……あの、えっと……」

運良く立ち止まってくれる人が居ても、もじもじと本題を切り出せないうちに怪訝な顔をして立ち去ってゆく。

ご案内:「王都マグメール 平民地区」にアネラさんが現れました。
アネラ > 少し呑んで、少し機嫌がいい。夜の夏風もまた気持ちがいいと、変異術士の少年はゆったりと歩いていた。
この地方にきて初めての季節。だから、色々楽しもうと、ゆったりと。

だから、とても臆病な、人見知りな、ともすれば挙動不審に見えるかもしれない少女の動きに気がついた。

「……ええっと。 こんばんは。どうかしたかな……?」

この国が今荒れている事はわかっている。だが、自衛できるだけの力はあると判断しての、他者への手だった。
なんだか子供のようにあぶなっかしげな子だ。