2016/11/19 のログ
ノーガルト > (ダイン、魔剣ダーインスレイブはソルの持っているような、暖かい魔剣ではない。負の感情、特に殺意や敵意を強制的に流し込み、殺人者となる危険性を孕む。逸れに耐え抜いて、所有者と認められて初めて扱うことの出来る、意思を持つ魔剣である。目の前のノーガルトを、殺したくてたまらないほどに。)

「………落ち着け、そうだ。大きく息を吸い込め…。心を平常に保つんだ。」

(その殺意を押さえ込めたのならば、魔剣ダーインスレイブは持ち主を選定する。もっとも、今の持ち主はノーガルトとなっており、その所有権が移ることはない。ソルの魔剣と、ダインの殺意がぶつかり合い、暴風を巻き起こす。)

「…!もういい、手を離せ!『殺せ、こいつを殺せ、生き血を吸わせろ!!!』これ以上はダインに飲み込まれるぞ!」

(とにかく、手を離させなければ。これ以上ダインの殺意に触れさせるわけには行かないと判断し、ノーガルトはソルの手から引き剥がすように、ダインを引き寄せた。)

ソル・グラディウス > 自分の中で渦巻くダインの負の感情と自分の剣の正の感情。
それがぐちゃぐちゃにぶつかり合い、混ざり合って自分の中で混沌を生み出していた。
狂気が自分を飲み込もうと迫ってくる。それに耐えるべく平常心を保とうとするも…

(っ…ダメだ。もう…!)

強張った表情をし、目を薄く開く。
混沌とした感情に支配されそうになり、自分を見失うという所までくれば、相手が剣を引き寄せた。
それの影響で相手の剣から手が離れ、自分の魔剣のエネルギーが中身を満たす。

「………酔いが醒めた」

少しばかり、唖然としつつも、強がりのつもりかそう呟いた。
顔からは酔いの赤みが吹き飛び、正常の顔へと戻っていた。
彼の手にしている魔剣の選定方法を目の当たりにし、そういうのもあるのかと顎に手を添える。

ノーガルト > (危ないところだった。魔剣は主と決めたものには力を貸すが、そうでないものには基本的に攻撃する。それが物理的なのか、そうでないのかの違いだが、ダインの場合は完全に精神を乗っ取りに来る。逸れに乗っ取られてしまえば、狂人と化してこの街で快楽殺人を繰り返すだろう。)

「…危ないところだったな……、大丈夫か?」

(酔いがさめるどころの騒ぎではなかったのは、間違いないだろう。狂気に堕ちそうになったソルへ、苦笑を投げかけながらダインを鞘にもどす。)

『ノル……こいつの魔剣は、かなり強力な部類だ。オレの声にここまで耐えるとはな…。』
「…ダインが、どうやらかなり本気だったらしい…。すまないな、こいつは少し融通が利かないんだ。」

(だが、理解してもらえただろう。ソルの剣に宿っているかは解らないが、少なくともダインには自我があり、その声はノーガルトにしか、聞こえないという事を。)

ソル・グラディウス > 「あぁ、問題ない。」

深呼吸をし、激しくなった鼓動を収めつつ彼へとそう告げる。
やはり所有者が確定している魔剣には気安く触れない方が良い。
過去に触れたことがあるのだが、あちらは物理的にダメージを与える方でまだ耐えれたのだが…

「構わん。先に触れたいと言ったのは俺の方だ。これで殺されても文句は言えない。
 ……と、やはりというか…その剣には自我があるんだな?」

呼吸を整えれば、剣を指差してそう告げる。
会話をしているような彼の言葉遣い、そして今の負の感情。
契約者と会話をするタイプの魔剣はこういう防衛方法をするのかと感心する。

ノーガルト > (問題ないのならばよかった。ここで、もしもう一本の剣を抜く事態になったら、果たして勝てるかどうか。ダインの能力、体力を激しく消耗する代わりに、段階的に素早さを上げる能力は、敵に廻したくない能力だ。)

「出来るならば、そういう事態を避けたいところだな…。…ああ、ダインには自我がある。契約できれば、こいつと話をすることが出来るんだ。」

(自我がある剣なので、会話をすることも可能なタイプの魔剣だった。ただ、その分契約の条件は非常に難しい。)

「ダインや、もう一本のディンもそうだが…こいつらは意思を持つ種族としての魔剣で、魔力を帯びた剣とは少し違うらしい。」

(難しいことは、実はよくは解らない。が、ダインもディンも契約者以外には、牙を向くという事は間違いなかった。)

ソル・グラディウス > 「ふぅん…。種族としての魔剣?そんなものがあるのか…」

顎に手を添えて相手の発言を聞く。
興味深い単語に顎に手を添えて、色々と考察してみる。
自我を持っている魔剣。それらすべては魔剣という種族なのだろうか?

「まぁ…ともかく、触らせてくれてありがとうな。珍しい体験が出来た。…俺の用件は終わりだ。」

頭を掻き、酔いが醒めてしまった引き換えに出来た体験と思えば良いだろうと自己完結する。
自分と相手の用件は済み、そろそろ家にでも帰ろうと思って肩を回す。

「あぁ、そうだ。…お前の探している魔剣。特徴とか名前とか教えてくれねぇか?気が向いたら探してやる」

上から目線な言葉遣いでそう告げる。
本人は全く意識しておらず、恐らく素で出してしまった言葉遣いなのだろう。
彼にそれを問い、答えを聞いた後は別れを告げて歩き出して公園を後にするだろう――――

ノーガルト > (もともと、魔剣のなかには自我を持つものがいるが、その声を届けることはほとんど出来なかった。だが、種族としての魔剣であるダインたちには、それが出来るらしい。実際、ノーガルトは幼少のころから、ダインの声を聴き続けている。)

「いや、こっちもお前の魔剣を見せてくれて、感謝する。…よければ、今度は酒でも飲みながら話をしよう。」

(酔いを醒ましてしまったのは、正直悪い事をしたなと思う。ノーガルトも酒を呑むほうなので、あのほろ酔いの気分は好きだ。それを冷ましてしまったならば、と謝罪を入れて。)

「…いいのか?…剣の名前は、『覇剣ハバキリ』という。形状は、ちょうどお前の持っている剣と似たようなものだ。」

(ダインたちの兄弟の中で、最も大きな剣、名をハバキリ。伝承にしか残っていないものだが、調べるならば手が多いほうがいい。勿論、気が向けばの話だが―――。)

『………ノル。お前…あの男の名前を聞いたか?』
「……あ!」

(分かれた後、そのことに気づくのは既に、相手の背中が見えなくなった後だった。)

ご案内:「王都マグメール 平民地区」からソル・グラディウスさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」からノーガルトさんが去りました。
ご案内:「酒場【黒い鋼亭】」にパトリックさんが現れました。
パトリック > (巨大なスコッチエッグを食べている最中、それは起こった。
 一瞬強いめまいのような感覚の後、身体が熱くなる。
 お腹の奥が…下半身が疼くような強烈な衝動。自然と呼吸が荒く鳴る。
 もちろん唐辛子を食べたわけではないし、酔っ払ったわけではない。)

やばい…薬、飲み忘れたか…。 ええと、ええと……!
(ポーチを探る。 一部のミレーがもつ”発情”だ。
 性衝動をコントロールするのは、難しいことではない。
 とはいえ、たまに衝動が強くて抑えきれない場合は薬を用いるの。
 ごそごそとしばらくやったけれど、見つからなかった。
 この前使った後、補充していなかったのだろう。)

なんとか収まってくれるといいんだけれど…。
(スコッチエッグを口に運ぶ手が鈍る。衝動が収まるのを期待して
 思いっきりワインを呷ってみたけれど、収まる気配は無かった。
 頬を染め、瞳を潤ませながらじっと動きを止め、ひたすらその瞬間が過ぎ去るのを待つ。)

ご案内:「酒場【黒い鋼亭】」にマノとロノさんが現れました。
マノとロノ > 【黒い鋼亭】に、新たに2つの人影がてくてくと歩き入ってくる。
手に手を繋いだ、全く同じ容姿の少年2人。ほっそりとした体つき、粗末で寒々しい着衣は、この地区では珍しいだろう。
かといって、髪も服も目立った汚れは見えず、体臭もない。浮浪者というわけではないし、腰に下げた巾着には金貨の存在も伺える。
ひとりは赤目、ひとりは青目。2人はまっすぐカウンターへ向かうと、

「……スコッチエッグ、1つ。お水、2つ」

赤目の少年が金貨を取り出しながら、決して大声ではないがよく通る甲高い声で店主へと注文を述べる。第二次性徴前の男の子の声だ。
そうして、店主に席を指し示されると、2人の少年はこくりと軽くうなずき、そちらへと向かう。
……パトリックの真正面の席である。大人用の椅子によじ登るように腰掛けると、2人の少年は料理が来るのを待つ。

「…………………」

赤と青、4つの瞳をまんまるに見開き、正面にいる挙動不審なミレー族の顔をまっすぐに見つめながら。

パトリック > ああ、くそ…… もう、困るな…。
(衝動はどんどんと強くなる。感覚が鋭敏になり、匂いや音すら自分を刺激するかのよう。
 小さく唸り、ぶるりと身体を震わせた。 そっとナイフとフォークを置き、大きく深呼吸。
 大丈夫だ、このまま我慢して酒場を立ち、自分の部屋で解消するなりなんなりすればいいのだ。)

……あー、ええと、ええと……。 これは、酔ってるだけだから気にしないでほしい。
別に、変な状態に陥ってるわけじゃなくてね、うん、大丈夫だから……。
(悩んでいる間に、対面に二人の少年が座る。簡素な衣装の少年だ。
 ここのスコッチエッグはボリュームもあるし、二人で食べに来たのだろうか。
 じっとこちらを見る二人の視線に、ごまかすように手を振って答える。
 早いところ人と離れないと、このままでは…誰かれ構わず交尾をねだったり、
 それこそお金を払ってえっちなおねだりをしかねない。 ぐっと拳を握りしめ、
 軽く目を瞑るようにして、小さく息を漏らす。 大丈夫だ。触れられたりしなければ。
 衝動が収まったら、スコッチエッグを全部食べて立つ。それだけだ。)

マノとロノ > 「………よっぱらい?」

ぱちくりと4つの瞳が瞬く。手にしているワイングラスと、ミレー族の顔とを交互に見比べながら。
ここは酒場、酒を飲んで酔っ払うこと自体はさして不思議ではない。さすがにマノもロノも幼すぎて酒は頼めないが。
…それよりも気になったことは。正面の人物から発せられた声が、男性のそれに聞こえたこと。
体つきは丸く、髪も結っていて、初見の印象はまさしく女性。それゆえに、純粋なマノとロノはその声に驚きを隠せない。

「……う、うん。気にしない。でも辛くなったら言ってね」

とはいえ、相手は気にするなと言っているのだ。公共の場で、初対面の相手に、過剰なお節介を掛けるものではない。
ジロジロと臆面もなく視線を送ってはいるが、それ以上は赤目も青目も口を開かなかった。

やがて、双子の前にもスコッチエッグが運ばれてくる。
赤目の少年はナイフとフォークを器用に扱い、狐色に揚がった肉衣と白身とを切り出し、みずからの口に運ぶ。
そして、十回ほどもぐもぐと咀嚼すると……。

「……んっ……ちゅ」

唐突に、2人の少年が互いに向き合い、唇を重ねたではないか。
唇をしっかりと密着させたまま、2人の頬がしきりに蠢く。スコッチエッグを互いの口腔に行き来させ、さらに咀嚼しているようだ。
濃厚なキスは20秒近くにわたって続き、ソース色のついた唾液の糸を引いて離れる。
2人の顔は再びパトリックのほうに向き直り、ごくん、と同時に喉を膨らませて飲み込んだ。

ツッコミが入るまで、あるいは巨大なスコッチエッグがすべて2人の腹に収まるまで、口移しは続くだろう。

パトリック > …うん、うん、酔っぱらい酔っぱらい! そうなんだよね!
いやー、酔っ払っちゃってなー! 飲みすぎちゃったなー!うん…。
(4つの瞳が自分とワインを交互に見る。 なんとか誤魔化そうと言葉を続け、
 相手がなんとなく納得してくれたのを見て小さくため息。)

辛くなったらって言うのは、その……ええと…ありがとうね。
多分何事、も、なけれっ…なければ、大丈夫だから……。
(明らかにおかしい状態でも、優しく声をかけてくれる少年二人の優しさに、
 穏やかな笑みが溢れる。自分もフォークを取ってスコッチエッグを食べようとするも、
 手がぴたりと止まった。)

あ……
(目の前で口移し、というかディープキスが繰り広げられている。
 男の子同士で?というか、公衆の面前で? 飲み過ぎか?
 それとも発情をこじらせておかしくなったのか?
 あまりに蠱惑的な光景に我を忘れ、ぽかんとした表情で
 二人の”食事”を眺めているけれど、はっと我に返って口を開く。)

あ、あの、君たち……?ここはご飯をたべるところであって、その…
えっちなことをする場所じゃないと思うんだけど、その…あの、あれかな?
見せつけてるのかな? あるいはそういうプレイ、なのかな…?
(あの柔らかそうな唇に目が行く。 同じことをしてほしいと思ってしまうけれど、
 よもや口に出すわけにもいかない。 取り敢えずは大人として、
 一般的な対応について少年二人に優しく問いかける。
 とはいえ扇情的なキスシーンには、すっかり自分の中の劣情は
 燃え上がってしまっているのだけれど。)

マノとロノ > 「……え?」

繰り返し作業のように、黙々と料理を切っては口に運び、相方の口へと半量を移していた赤目の少年。
その様子に相席の客から声がかかると、2人の少年は舌に肉片を数個残したまま、口をぽかんと開ける。

「プレイ……? よくわからない。僕たちはただ、スコッチエッグを食べてるだけだけど。
 ロノ…えーと、こっちがロノで、僕はマノなんだけど。ロノ、あまり食器の扱いうまくないから。
 ヘンだったかな、こういう食べ方……」

ゆっくりと、淡々と。男とも女ともつかぬ声で、マノと名乗った赤目の少年の口から言葉が紡がれる。

「おねーさん……おにーさん? どっちだろう、わかんないけど。顔がとても真っ赤だよ。
 あなたの言うとおり、ここはご飯を食べるところだけど……スコッチエッグ、全然食べれてないし。
 ……ほんとうに、だいじょうぶ?」

赤面するパトリックと、その目の前で冷めてゆくスコッチエッグとを交互に見比べながら、赤目はさらに問う。
その間も彼のナイフとフォークは次のひとくちを切り分けているが、会話中なので口には運ばず。
青目の少年が、その一片を物欲しげに眺めている。

「食べないのは、もったいない。体調が辛いのなら、上の部屋で休みながら食べたほうが、いいんじゃないかな。
 僕たち、気分がよくなる……えーと、そういう魔法を知ってるし、役に立てるかも」

上目遣いに赤い瞳で見上げながら、相手を気遣う言葉を淡々と紡ぐマノ。

パトリック > あ、ああ…… ごめんね、ぼくがその、ちょっとえっちなこと考えすぎてたよね…。
うん、マノくんとロノくんか… そ、そうだね、一般的にはその食べ方は、なんていうか…。
その、恋人同士がね? その、こう…睦み合う一環で行う行為というかね…。
変じゃないんだけど、そのなんていうか、見た人はびっくりするかもしれないね…。
(あまり動かず喋らないのがロノくんで、喋るのがマノくんのようだ。
 彼の回答に自分の羞恥があぶられ、ただでさえ赤い頬にさらに朱がさす。
 発情のせいもあるけれど、えっちなことしか考えられないみたいで恥ずかしい。)

ああ、ええとおにーさんでいい、と、思います…。 そ、そうだね、その通り。
ちょっとその、調子がおかしくてね、食べきるのは難しそうだ。
(目の前の二人に夢中になっていたとは言えない。 すでに発情は
 のっぴきならない状態になっている。このままでは、
 スコッチエッグの代わりに二人を頂いてしまいかねない。
 席を立とうとしたその瞬間、かけられた言葉にごくりと息を飲んだ。)

あ、ああ…そうだね、上の部屋で休みながらにしよう。
料理は後で上に持ってきて貰うとして……。 その、君たちが助けてくれるなら、
ぼくとしても願ったりかなったり、だよ、うん……♡

(あまりに純粋な、自分を気遣ってくれる彼の言葉。
 優しさに心が痛むけれど、その痛みすら取り込んでしまうほどに、
 劣情は強かった。 ちろりと自分の舌を舐める。
 スコッチエッグの油のせいで、唇がつややかに濡れた。)

お礼に君たちの料理代は払わせてほしい。
それじゃあ、悪いんだけど…一緒に上にご足労お願いしても、いいかな…?
(店主を呼び、上の部屋で自分が休むことを告げる。それから、料理代についても。
 ちらりと視線を二人にやって、上に行こうと示した。)

マノとロノ > 「おにーさん、なんだね。最初見たとき女の人かと思っちゃった。男で髪をそういう風に結ぶ人、めずらしい」

まっすぐに赤い瞳を向け、率直にそう言い放つマノ。
その表情からは、蔑みも劣情も感じられないだろう。純粋に興味と心配の視線を向けている。

「恋人同士の行為……ああ、キスにみえちゃったんだね、ごめんね。
 でも、僕はロノのこと好きだし、ロノも僕のことを好きだから、別にいいじゃないかなって思う。
 ……だけど、いろんな人に変だって言われたら、人のいっぱいいるところではやめるようにするよ」

不思議な食事方法に言及されても変わらず、淡々と述べるようにマノは語る。
そして、隣で黙り込んでいるロノはというと、とうとう我慢できなかったのか、肉の刺さったフォークをマノから奪い取り。
慣れない握り方でそれを口に運び、咀嚼を始めた。くちゃくちゃと唇を開けながら噛み砕く、あまりよろしくない食べ方だ。

「うん、一緒に上の部屋に行こう。ここで倒れちゃったりしたら、お店にも迷惑かかっちゃう」

相手が自分たちのアドバイスに従って上の個室に向かう素振りを見せたなら、ロノも素直に食器を置く。
シンクロした動きで、こくり、と軽く頷くと、2人の少年はさっと立ち上がる。
青目のロノは自分たちの料理を持ち、赤目のマノはパトリックの皿を取って、2階へ続く階段へと向かおうとした。
相手の見せる、唇を舐める妖艶な仕草も、立ち上がる様子も、しっかりとその目に捉えながら。
それでも、パトリックが劣情を懐きつつあることに気付くようなそぶりはまったくない。
気分が優れない相席客を先導するように、2階の個室へと向かっていく。

パトリック > そうかな。 たしかにそうかもしれないね。 伸ばしててそのままだと、ちょっと動きにくくてね。
こうやって結んじゃってるんだ。 それにほら、すぐに覚えて貰えるしさ。
(ね、と彼の言葉に答えるけれど、身体の奥の疼きは止まらない。
 とろんと瞳を濡らしたまま、相手を見やった。)

あ、キスだってことはわかってるんだね…。 うん、うん…そういう関係なの、君たち…。
まあ、ぼくだけが言うことじゃないだろうからね、気にしなくていいよ。
…あ、動いてる。食べてる…。
(とうとうロノくんがフォークを取って食べ始めるのを見て、小さく呟く。
 お口を開けて食べるのはたしかにお行儀はよくないけれど、
 ちらちらと赤い口内がみえるたびにドキドキしてしまうのは、間違いなく発情のせいだ。)

ああ、よろしくね…お皿、ありがとうね。 ん、しょ、っと…っふ、ぅ…・。
(小さく息を吐く。微かに身体が震えるぐらいに、自分の中の劣情が高まっている。
 そのままゆっくりと、少年二人についていく形で二階の個室へと移動した。)

マノとロノ > かくして、宿として供されている2階の個室へと通された3人。
双子の少年はベッドのそばにテーブルを運んで、パトリックの皿を置く。自分たちの分は部屋の隅の棚へ。
なんとも手際がよい。そうして行きずりのミレー族を介抱する準備を整えると、2人は肩を並べて、ベッドの縁へと座り込んだ。

「おにーさん、ここに座って。先に食べたければ、僕たちが食べるのを手伝ってあげる。
 気分が悪いなら、よくなるように僕たちがおまじないをしてあげる。
 ……どっちにしても、下の硬い椅子よりも、ふかふかのベッドに腰を下ろしたほうが、楽になると思う」

赤目のマノが、隣のシーツをぽんぽんと叩いて促す。ちょうど、スコッチエッグの皿が置かれたテーブルの前だ。
青目のロノもまた、パトリックの方を心配そうに眺め、目で追っている。

「おにーさんの髪型、たしかに覚えやすい。服装によっては女の人の中に紛れちゃいそうだけど。
 ロノのほうが記憶力がいいから、覚えていられるように、名前も教えてほしいな」

貫頭衣の短い袖をぐっと手繰って、ソースに汚れた互いの口を拭きながらパトリックが隣に来るのを待つ2人。
衣服の丈は短く、ところどころほつれている。
その裾の下では白く細いロインクロス(ふんどしに近い下着)がふっくらと膨らみ、年相応の内容物を包んでいるのが見える。
袖を引っ張ったことではだけられた首筋も、伸びる四肢も、やけに白い。

パトリック > うん、ありがとう……座らせて貰うね。 実は大分こう、腰に来てて…。
ああ、スコッチエッグの方は大丈夫だから、先におまじないをしてもらえると嬉しいな。
(獣耳をぴくぴくと揺らしながらマノくんの言葉に答える。
 今はその言葉すら、淫らな誘いに思えてしまうくらいに頭の中が
 淫欲に染まりきっていた。 二人で肩を並べる少年たちに頷くと、
 マノくんの隣にそっと腰を降ろして、ゆっくりと深呼吸。)

ふふっ、そうでしょう。 女の人に紛れられるように伸ばしてるんだ。
…ああ、そうだね。助けてくれた君たちに名乗らないなんて、
ぼくも大分失礼な人間だな。 パトリックっていうんだ。よろしくね、マノくん、ロノくん。
(問いかけにはっと我に返って、慌てて名乗る。 
 ロノくんの方が記憶力がいい、という言葉に小さく頷いてみせて。
 お互いの口を拭う彼らの下着…その膨らみに目がいってしまうのは、
 今の状態では仕方のないことだ。)

さ、さあ!それじゃあ、おまじないをしてもらおうかな。
あんまりゆっくりもしていられないだろうし。
(といっても、ゆっくりできないのは自分なのだが。
 微かに膨らんだ自分の胸にそっと手を当てながら、うっとりと微笑みかけた。)

マノとロノ > 「パトリック。うん、僕はマノでこっちはロノ。よろしくね。
 ……女の人に紛れられるように、かぁ。面白いことをするんだね、パトリックは。そういう遊びだったりするのかな」

男性が女性を装い、女の人の中に紛れるということ。
それにどういう目的があるのか、何が楽しいのか……ということについては、残念ながら少年2人には分からない。
ただ、そんな不思議な装いゆえに奇異の目を向ける、などということもこの少年たちには見られない。

「パトリック、腰も痛めてるの? じゃあ両方、気持ちよくしてあげる。
 ロノ、後ろに回って」

言うと、赤目のマノは立ち上がり、ロノと手を繋いだまま、隣にいるパトリックの正面にさっと身を回す。
そしてパトリックの脚の間に細い体を差し込むと、互いの体温が感じられる位置にまで身を寄せ、おもむろに相手の右胸へと手を添えた。
ロノは同時にベッドへと上がり、パトリックの背後へ回る。そして服の上から、臀部上部へと同様に手を添えた。
ベッドの縁に座るパトリックを挟み込む体勢だ。擦り切れた貫頭衣から、砂埃と汗の混じったほのかな香りが漂う。
そして、2人が同時にスゥと息を吸い、目を薄く閉じて集中する様子を見せると、相手に当てた掌が柔らかな白い光を帯びる。
体組織を活性化させる超能力、『バイオメタボリズム』である。

「パトリック、酔っ払ってるようだから、この辺の内臓を元気にしてあげるといいはず……。
 ……あれ。パトリック、お胸、結構柔らかいね。ほんとうに男の人なの?」

内臓に力が伝わるように指を押し込もうとすると、思いのほか感触が柔らかい。
集中を途切れさせぬよう、目を閉じたまま、マノは率直に問いかける。