2015/11/30 のログ
パトリック > 軍人なんですよー。 あんまり皆から信じてもらえなくて悲しいんですけどねー。
身体売ったほうがいいんじゃないかって同僚に言われるんですよー。
僕、ちゃんと仕事してるのにな…悲しいなぁー!
(ふにゃふにゃと気の抜けた笑顔で答えながら、相手のお誘いに何度も頷いた。)

任せて下さい!ぜんぜんいけます!飲めます!
部隊の中じゃ、スゲー飲むって言われてるんですよねー。
(エールをぐーっとやって簡単に頷くけれど、
 なんか彼女がものすごい注文の仕方をした気がする。
 いい気持ちに温まってた体温がさーっと下がった。)
あのっ、あの…なんか今ワ~って頼みませんでした?
ここからここまで、みたいな…… あ、はい!飲みましょう!
どっかんどっかんやりましょう!
(多分彼女が飲んでくれる。きっとそう信じたい。
 両手を上げてワーイワーイって大はしゃぎしながら、
 彼女の勢いに乗っかることにした。)

ロト > 「軍人…軍人さんにはいい思い出がないんですよね…
見た目が角生えているから 魔族だーって襲い掛かられてしまって。
身体は売ったら駄目です そんな素敵なケモミミとケモシッポが勿体無い!」
(観点がずれてる、ケモミミが好きなのはこれで分かって頂けただろうか、でも まだ触ろうとはしていない辺り 理性はある)

「そう、じゃあ 朝まで飲み明かそう大会 ケモミミパトリック君を励ます会??を始めましょ」

(勝手にそんな飲み明かし会を始めた、要は浴びる様に飲みたいらしい。凄まじい注文をしたが それ位はぺろりと飲み干すから問題はないと!
その中には度数が高い酒が一つ含まれているー度数60の酒が)

「今夜は寝させないわよ うっふふふふフ」

(こうして 呑み交し大会ならぬ会が酒場で始まろうとしていた―)

ロト > 【後日 続きを致します】
ご案内:「酒場 ”巨人の槍”亭」からロトさんが去りました。
ご案内:「酒場 ”巨人の槍”亭」からパトリックさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール付近 入り江」にエールーカさんが現れました。
ご案内:「王都マグメール付近 入り江」にヴァイルさんが現れました。
エールーカ > 夜半の海。今夜は夜戦の音もなく、辺りは静まり返っている。
王都の灯が、遠く空を茫洋と照らしていた。

波の音ばかりが絶えず響く波打ち際。
聳える岩壁の傍らで、白い影がすいと頭を出した。

陸に向けて振り返った顔は、ヒトの少年に似ていた。
だがその顔に鼻はなく、代わりに丸みを帯びた口吻が伸びて、彼が常なる人間ではないことを示していた。
大きな深紅の澄んだ瞳が、周囲に外敵のないことをぎょろぎょろと見渡す。

手近な岩のひとつに手を突いて、よじ登る。

上肢の倍はあるかと思われる、長い魚の形の下肢が水面から姿を現した。

「……きょうは静かだな」

ヴァイル > 海の畔に響く、不規則な足音。
夜半に人が見れば、亡霊かと勘違いしそうな白い顔の少年。
畔に血の跡を残しながら不格好に歩く。
赤々とした流血は腹部からだった。

(塞がらんな……)

不死者たる《夜歩く者》にも、つけられ方によっては治し難い傷というものがある。
今夜は運悪くそれを受けてしまった。
そのために、今は静かに月光にあたれる場所を探していた。

それが波打ち際で立ち止まる。

(海魔か?)

気配のするほうへと油断のない視線を向けた。

エールーカ > 岩場に腰掛けた白い影。
ヴァイルには気付かぬまま、水平線さえ曖昧な夜の海を眺めている。
しとどに濡れて首筋から背中に張りついた――長い髪と思われた虹色の輝きは、薄く透き通った鰭だった。

首筋に刻まれた、猫のひっかき傷のような鰓が閉じる。
代わりに、その小さな口を薄く開いた。

「…………、――――」

それは歌だった。

地上のいかなる音楽とも似ず、男とも女ともつかない高く澄んだ歌声。
獣が音階を持ちえたかのような、不可思議な響き。

――歌声が、ぴたりと止まる。

白くのっぺりとした少年の顔が、ぐるりとヴァイルを向く。

「……そこに 誰かいるの?」

顔の他には、身じろぎひとつ見せない水妖――真珠の色をした人魚が、ヴァイルの立つ方角をまっすぐに見た。

ヴァイル > 「ああ、いるともさ……
 このおれをつかまえて、『誰かいるの?』とは随分なご挨拶だ」

水妖が振り向いた先で、尖ったヒールが波打ち際の不揃いな岩をかつんと叩き、尊大に笑う。
夜闇の中視認できれば、常人なら今にも意識を失いそうなほどの
夥しい出血を腹部からしているのがわかるだろうが、
この少年はそれを気にする素振りも見せない。

「アンダイン(水霊)……いや、サイレン(人魚)か」

つるりとした、鰓を持つ肌を見やる。
そういえば、人魚の肉にはあらゆる傷を癒やすという伝説がある。
……自分のような尋常の生命を持たないものにも有効かまでは、わからない。

「おまえはひとりか?」

波に流血を滲ませながら、一歩一歩歩み寄る。

エールーカ > 水面が照り返した少ない光に、赤い瞳が小さく光る。
ガラス玉のように、眼窩の奥まで透けそうな眼球。
歩み寄ってくるヴァイルの腹が、血を噴き零しているのが判る。

「……血」

呟いて、腰を下ろした岩の上からヴァイルを見つめる。
視線の高さは相手と同じほど。
声変わりをしていない少年のような声で、ぱくぱくと口を開いた。

「こんばんは、夜の君。
 ぼくはひとりだよ。いつでもね」

白磁のような肌が、てらてらと光る。
下肢のいかにも強靭な尾鰭を、ぱたりとひとつ打ち鳴らす。

「おなか、どうしたの」

ヴァイル > 「刺された。長く生きていれば、そういうこともある」

さほど自分の傷に興味もなさそうに言う。
聖性を持った素材、魔性への敵意を持った武器。
ホーリーシンボルは効かずとも、それに殴られれば痛い。

「しかし如何せん治りが遅くて困る。
 もしよければ、この傷を癒やす手伝いをしてはくれまいか」

哀れを装い、眉を下げる。
具体的に、どうしろ、とは言わず。
手招きして、近くに寄るように促す。
紅い瞳に危険な意図を潜めて。

エールーカ > 薄らと笑う口。肉食獣の小さな牙が並んでいる。

「あなた、ひとから刺されそうな顔をしてるよ。
 うらみを買いそうだもの」

ヴァイルの瞳が孕んだ瞳を知ってか知らずか、岩の上からずるりと滑り降りる。
相手の背丈よりも長い鰭が、水面を打って飛沫を上げる。

「いいよ。
 もしあなたの口に合えば――だけれど、ぼくの血を肉を、すすってみせるがいい」

地面に両手を突き、波が寄せる砂の上を這う。
ヴァイルの足元まで近付いて、その顔を見上げる。

「人魚の伝説をきいたことは?」

ヴァイル > 「とんでもない。
 おれは世界の安寧を影から護る、これ以上ない正義の善人さ……」

人魚の言葉に、興の醒めたような表情を一瞬浮かべ、
その後とりつくろうように薄笑いを見せた。

「食いでのありそうな身体のわりに、聡いな。
 知っているともさ。黄金を護り、歌で船を沈め、その心臓は不死をもたらす……
 どこまで真実かは知らんがね」

人魚のもとに屈みこむ。

「おれはグリム・グロットの子、ヴァイル・グロット。
 ……おまえは吸血鬼(*)は知っているか?」


* この語を発するとき、わずかに顔をしかめた

エールーカ > 「そう。正義のみかたには、敵も多いのね」

品をつくった女のような腰つきで、砂の上に座す。
小さく首を振ると、髪を模した鰭がぴたぴたと肌に張り付いた。

「あなたはもう百年はやく、ぼくのところへ来るべきだったよ。
 そうすれば騙されてあげたのに」

笑う。屈み込んだヴァイルと近い位置で向き合う。
魚の生臭い匂いの中に、蜜に似た香が人魚の身体の孔から漏れ出す。

「はじめまして、グリムの子ヴァイル。
 ぼくはエールーカ。ひとがそう呼んだから、エールーカ。

 吸血鬼。かつて海のほとりで詩人がうたっていたのを聴いたよ。あなたがそうなの?
 だったらみな身をひそめる夜の静けさは、たしかにあなたのような鬼に守られてるってわけ」