2015/10/18 のログ
スー >  
「ふむふむ、おとこにもしっかり効くみたいだ
 堕とすならそこを重点的に攻めることをおすすめしようか」

なるほど――っと、頷きながら見つめて。
じぃっと、眼をしっかりを合わせたあと脱いだ肢体に。
……ずいぶんと綺麗だと思った。
まだなりたてかそれとも、なにかしらの事情があるのか。
身体に傷は見られず。たしかに少しは鍛えているのかもしれないが
どちらかというと柔らかそうな身体。それにまだ幼さが残る、雄に
なにかしらの魔術刻印。それは魔族のそれと、老婆はわかったかどうか。
なんとなしに、その刻印を覚えたのは文字の魔術を使うせいか――

「ほら、手が止まってるよ。もっとちゃんと使って。じゃないと、試運転にならないだろ?」

射精したのはわかっているが、そのまま使えとあえて命令する。
敏感になっているだろうが――それならなおさら動かしてもらわないと。

「それに実況も途絶えてるよ。ほら――」

急かすように口にすれば。
オナホの襞が、精液に喜んだのか、反応し。
すするように蠢き。動かしていないのに雄をぐにぐにとなぞっていく――

テルヴェ > 「じ、じ、実況ってぇ……はひっ、む、無理だよぉ……!」

陸に上がった魚のように、目を見開いて口をぱくぱくと開閉しながら、強烈な快感に耐えるテルヴェ。
射精は長く、白濁液はすぐにオナホから溢れてテルヴェの下腹部を汚し、床にまでボタボタとこぼれ始めた。
扱けと言われたがそれどころではない。何もせずとも、オナホは生きているかのように蠢いて搾りたてて来る。
それにイソギンチャクを模した内部構造の突起は、テルヴェの弾力に富んだ肉棒に吸い付き、抜かせまいと抵抗を見せてくる。
ここから1mmでも動かすことさえ、いや、その筒に触れることさえ、もう無理な気がしていた。

「はーっ……はーっ………はひっ……」

しかし、これは報酬のかかった『仕事』だ。泣き言は言っていられない。
テルヴェは冒険者である。依頼に対し、100%の熱意をもって挑まねば、足元をすくわれ命を落とす稼業だ。どんな依頼であっても。
精液を垂れ流しながらもテルヴェは深呼吸を繰り返し、自らを落ち着けるべく努力する。そして、意を決し、精液で膨らんだオナホを再び握る。

「………っあ!! ああああああ!! はあああああっ!!」

まるで腕が自分の意思から離れたように、あるいは意図的にそう自己暗示をかけたか、激しく抽送を始める手とオナホ。
ほとんど悲鳴にも近い喘ぎ声をキンキンと響かせながら、テルヴェは猿のごとき自慰にふけり始めた。

「あっ! らめ! これしゅごいっ! ちんちんがっ、ちんちんプチュプチュって! いっぱい摘まれてるのっ!
 ただ握ってるだけなのにっ……あ゛っ!! 中身がっ、ぎゅーって搾ってきて……ふあああああ!!
 暴れてりゅ! しゅごいっ! あー……搾られ……あはっ! 搾られてりゅ!」

徐々に、テルヴェの顔が快楽にゆがんでいく。
射精はほとんど垂れ流し状態で、柔らかいオナホの中身は白濁液に満ち、渦を巻いて流れ落ちる様しか外からは見えないであろう。

「あひっ! ひっ! 搾ってっ! もっと搾ってくださいっ!! お願いします!! ああっ!!」

自分で扱き上げているにも関わらず、テルヴェは目を見開きながら、誰にともなく懇願した。
老婆の方を向いていたが、老婆に対して懇願したつもりはなかった……本人としては。

スー >  
「ふむふむ、なるほど、なるほど」

責任感が強いのか、それとも快楽が好きなのか。
どちらもかも知れないが、とても良いものだというのはわかった。
これなら、どんな人にもすすめても良いような気がする。
値段は、少し高めでもいいかもしれない。

「おや、搾って欲しいのかい?」

ぎぃっと、椅子がきしみ。
歩み寄ってくる老婆。
その姿が見れたかどうかは分からないが――

「いいのかい? そんなふうにおねだりしちまって。ばあさんに欲情しているように
 勘違いされてしまうよ? いや。今は二人だけだから勘違いされないだろうが――」

あぁ、でも……

「あんたが変態だと勘違いはするかもねぇ?」

くつくつと笑いながら、そのシゴク手をしゃがれたかさかさの手が触れて
じゅぶんぐじゅんっと、上下に動かす。

「ほらもっと動かして、いっちに、いっちに……」

自分では無意識の自制がかかるかもしれないが――
それを無視して、乱雑に白濁を泡立てるくらいにしごき上げていく。

襞は精液の量に満足したのか。
今度は柔らかくではなく、突起を少しかたくして。
ごりゅごりゅとえぐるような動きで肉棒を攻め立てきはじめて。
部屋には、濃すぎる雄の匂いが充満していた

テルヴェ > 自らの意思を無視して、ただひたすらに搾られる。
オナホと、自らの制御を離れた腕によって無慈悲に搾精される状況に、魔族の家畜だったときの記憶がフラッシュバックし始める。
……そして、自分の無意識からの懇願が通じたのか。通じてしまったのか。
老婆の手が自分の手に添えられれば、それだけで「はひっ!」と甲高く色っぽい悲鳴を上げてしまう。

「ひああああ……! ありがとうございますっ! ありがとうございますっ!
 だらしない変態のっ、僕のちんぽ、いじめてくれてありがとうございますっ! ごしゅじんさまっ!」

傍に顔を寄せた老婆に、涎で汚れ白目を剥きかけた童顔を向けるテルヴェ。赤い瞳は曇り、焦点の定まらない目で老婆を見つめている。
度を越えた快楽に見当識障害を起こしているようにも見えるかもしれないが、これはむしろ、トランス状態に近いと言ってよい。

「んひっ……! いっち、にっ♪ いっち、にっ♪ あはああああ……!
 固くなってっ、中身固くなってっ、僕のおちんちんっ、噛み砕かれてましゅ、食べられてましゅうぅ………!
 おばあちゃんっ、おばあちゃんっ、もっと、もっとぐちゃぐちゃして、もっとぉ……!」

溢れ出す精液はとどまるところを知らない。
老婆のしわくちゃの顔にも、骨ばった手にも、何らかの色眼鏡が掛かってテルヴェに認識されているのか。その光景にたじろぐ様子はない。

スー >  
――ごしゅじんさま。

ふむ、ということはそういう経験があるのかもしれないと推測できる。

「おやおや――おっと、これは……?」

それに、今現在、”老婆であるのに色ごとを受け入れた”。
あくまで少しだが。なら――

声と、手ぐらいは、みずみずしくなる。

「それは良かった。でも、この道具はそろそろいいかな?」

声が、耳朶を犯す。蠱惑的な女の声。
先ほど、聞こえた声にも似ているがトランス状態の少年に
その判別ができるかは定かではない。
 
じゅぼんっと、引き抜けば。あふれだす精液が飛び出て。
”老婆”の手を汚すだろうが、それを講義するわけでなく
”すべすべしてひんやりした”指が敏感なまま
まだ跳ねてびゅっびゅっと、白濁をこぼれ落とす雄が
扱いてくる――

「次は、ナカ……くちゅくちゅしましょうね?」

細い針金のようなものが二本、尿道に入れられる。
精液がこみ上げているからか、抵抗感はあるものの
奥に奥に――

針金には、魔力の膜があるからか傷つけることはなく。
進めば、一番奥……精子を作る部分まで進めば――
そこをかき回し始めた……

「はぁい。精子全部かきだしながら、作りましょうねぇ?」

マジックアイテム”寄生虫(パラサイト)”

まるで寄生虫のように、精巣。卵巣に入り込み、そこを開発するマジックアイテム――

テルヴェ > 「ああっ……う……」

オナホが抜かれ、戒めを失った大量の精液がこぼれ落ちる。そして、ひくひくと蠢く陰茎からはなおも精液が溢れ出し、床の白濁溜まりを広げていく。
つややかな女性の手が陰茎を撫でて精液を拭うが、さすがにあの強烈なオナホ責めのあとだ、物足りなさを感じざるを得ない。
テルヴェは責めが終わったことに寂しげな声を上げるも、口答えはしない。

「おばあちゃんっ……おばあちゃん……」

うわ言のように、隣に佇むうら若き女性に更なる責めを懇願する。
ここは密室、他の人間が出入りすることはできない。隣りにいる女性は、いまだ名も知らぬ……おばあちゃんと呼ぶしかない、この店の店主。
そのことを、テルヴェは混乱する脳のどこかで理解していた。この人の本性が如何様でも、テルヴェには関係ない。快楽を与え、精子を穿り出してくれるのなら。

「はひっ、中、中ぁ、くちゅくちゅ……中……」

おうむ返しに、次の責めをほのめかす口調を反芻する。しかし、テルヴェではその真意を理解できなかった。中とは。
……訝しむ間も十分に与えられず、尿道をつうぅっと降りてくる冷たい感触には、テルヴェの両の目が真ん丸に見開かれる。

「……っあ! あああ! はっ、入って、入ってりゅ!! なにこれ、なにこれっ!! おばあちゃん!! そこ、違……。
 あああああああああああああ!!」

柔軟な針金の先端がどこにあるか、テルヴェは理解してしまう。前立腺を通過した瞬間、椅子の上で小さな白い身体が魚のように跳ねた。
針金の間を縫って白濁液が溢れてくるものの、尿道が狭められているせいで、勢いは弱い。
そして、さらに奥……二股に別れて精嚢を通り、輸精管を広げ、ぐるりと腹腔を遠回りして、そして睾丸へと到達する先端……。

「ほおおおおっ!!」

精液の海の中に半分埋没した、もっちりと丸く膨らんだテルヴェの睾丸。その中に何か異物が頭を差し込み、組織をかき混ぜる感触を覚えた。
男子の急所とされる睾丸、しかし痛覚を感じるのは精子工場である睾丸を保護する白膜の部分である。輸精管を通っての侵入には、痛みは少ない。

「はっ……! はひっ……! たまっ……たま、ほじほじされてりゅ……! もぞもぞする、もぞもぞきもちいいれすっ!
 つくるっ! 僕精子いっぱいつくるから、いっぱいまぜて、ぐちゅぐちゅしてっ!!」

感じたことのない箇所での爆発的な快感に、半狂乱になるテルヴェ。

スー >  
「ふむ……無事に混ぜられると。なかなか面白いな――これ……」

片手で二本の針金を混ぜながら、もう一つのビーズを手に。

「大分針金は細いから――これで栓をシてもよさ気だな?」

ほんの少しの魔力を針金に移せばあとは勝手に動いてくれる。
ので、手を離して、そして――

「結構早漏だしな。コレ以上汚されてはかなわんし……」

ずぶんっ

ビーズが、尿道をごりゅごりゅとエグリ、針金を押しのけながら、入ってきて。
そして根本まで入れば――ぴっちりと。
尿道を塞いで、射精ができなくなる――

「で、あとはちょっと魔力を入れれば振動して。針金とセットで、精子熟成セット、となるわけだ」

なるほど、なるほどと頷きながら。

「あはは、そう。気持ちいい? それはよかった。ならあともう少しの間、その気持ちよさを射精しないで感じてくれ
 熟成まで、少しかかるようだしな。あ、実況も頼むぞ?」

なんて言いながら、掃除用具をとりにカウンターに

テルヴェ > 実のところ、テルヴェの身体は魔族により調教・調整され、幾分か丈夫に作られている。
同じ責めを常人に施せば、究極の快楽の引き換えに睾丸の機能が破壊される可能性もあるかもしれない。
……もっとも、自分の体の特徴をテルヴェ本人も把握していないため、今は互いに知るよしもなかろうが。

テルヴェは幸か不幸か、睾丸責めという異常行為を享受できてしまっている。
脊椎を突き上げてくる規格外の快楽に、首がかくかくと揺れ動いてしまう。半開きになった唇から、とめどなく唾液が溢れて飛び散る。

「栓……ああああ……ごめんなさい、ごめんなさい、僕のちんちんがだらしなさすぎて、こんなに汚して……。
 お願いします、おばあちゃん、お願いしますうぅ、塞いでっ、がばがばの僕のちんちん塞いで………っあ゛ああああ!!」

ビーズの凹凸が、すでに針金を受け入れた尿道をさらに変形させてくる。竿の腹にもビーズの形が濃く浮かび上がっている。
さすがにこうなると漏れ出てくる精液はない。許容量を越えた海綿体膨張に尿道拡張が加わり、はじめ幼い輪郭を保っていた陰茎にも今は血管が浮かんでいる。

そして、超早漏のテルヴェにはあまりにも残酷なお仕置き、精子熟成が始まった。

「……はあっ……はあっ、はい、はいいいっ、気持ちいい、気持ちいいですっ……!
 今までと全然違う場所がっ……にょーどーの中と、その奥と、たまの中と……っ……!」

テルヴェの瞳は恍惚に染まる。椅子をガタガタと小刻みに揺らしながら、涎を垂れ流しつつ快感を実況する。
オナホの激しさとは打って変わって、ゆったりと腹の中に溜まっていくような、ともすれば心地よさに眠くなりそうな快楽。
しかし、激しさ、そして射精という結果を向かえられないがために、その快楽はただひたすらに蓄積を続ける。

「たまの中、細い指で、とろとろにかき混ぜられてますっ……。あっ、膨らんでりゅ……たま、ふくらんでますぅ……。
 せーしもいっぱい作られてぇ……あっ! はっ! ああああ……! らめ、精子も暴れてるっ! たまビクビクしてりゅっ!
 やばいれすっ、出さないと、あ、破裂っ、ぼくのたまっ、ぱんぱんになって……あああ……!」

うわ言のように現状を吟じるテルヴェ。彼の表現は比喩ではなく、確かに彼の睾丸は徐々に膨らみはじめ、表面がひくひくと震えている。
元々淫紋の影響で精子の活動が活発なうえに、今は行き場を塞がれている。許容量ギリギリの精子が、睾丸内で暴れまわっているのだ。
精子の追加補充を受けられないままで、精嚢や前立腺でも体液はこんこんと生成され、腹膜が張り始めている。まぁ、どちらも破裂にはまだ遠そうだが。

スー > さて――試運転を引き受けてくれた少年は
どうやら悦楽に強いらしい。

正直、これを使うのは趣味の悪い奴隷商人か。
もしくは人以外の者といったところか。
あまりこの針金は、おすすめという訳にはいかないようだ。
扱い要注意としておこう。

また、ビーズの栓の方は普通に使えそうな気はする。
ぴっちりと閉じて、効能も十二分。だが――

(このふたつをセットで運用は良くないと。不思議な身体をしている少年だ)

うなずいて、精子を布巾で拭い取り。
ベトベトする部分に水を吸い込む砂をかけて
綺麗に掃除して――終わった頃に。

「そろそろいいかな?」

一つの寸胴を持ってくる。
壊すことが目的ではなく。
また悦楽に染めるだけが目的ではない。
あくまで用途、効能を知るためであるために――

「さて、十分だ。自分で引き抜ける? ならおねだり上手にできたら。抜いて射精していいよ。ちゃんと寸胴の中にね?」

足りるかどうかは分からないが――なんて苦笑して。
ちょっと興が乗ってしまったために要らないリクエストまでシてしまったが。
まぁ、コレはコレでいいだろう。

「あぁ、でも出してる時も実況忘れず」

ではどーぞっと、合図を送った。

テルヴェ > そもそも、常人は寸胴鍋どころかコップの一杯ですら満たせない射精量のはずである。
掃除にも難儀するような量をひとりで延々と出し続けるテルヴェは異常、あるいは人外の域に入っているかもしれない。
射精を妨害されたテルヴェのおへその下では、今や淫紋がまばゆいほどの赤い光を帯びていた。

寸胴を持ってこられれば、テルヴェの顔に笑顔が満ちる。
出させてもらえるから、それもある。しかし寸胴鍋を見れば、連想するものも色々とある。たとえばシチューなど。

「は、はひっ、たぶん、自分でぬけましゅっ……たぶん……。やってみます……」

美しい女性店主から条件付きの許可が下りれば、テルヴェはなおも涎を撒き散らしながら首を縦に振り、そして、おねだりの語彙を懸命に引っ張り出す。

「だっ、だし、出したい……出させて、くださいっ。ぶよぶよのたまのなかで、たっぷり育てた、とろとろせーえきっ……!
 もうめいっぱい煮込んでシチューになってますからっ! おばーちゃんの好みの味になってると、おもいますからっ!
 おねがいしますっ、いっぱい出しますから、いっぱいたべて、食べてくださいっ……!」

半ば吠えるように、欲望を言葉にする。テルヴェの、精液家畜としての欲望を。
そして椅子から立ち上がり、床に置かれた寸胴の上に跨る。尿道から伸びた3本の異物のうち、まずは2本の針金に、震える指をかける。
そのまま引き抜いていくと、先端の触手が名残を惜しむように、垂れ下がる睾丸全体を内部から一舐めした。それだけで、意識が飛びそうになる。

「きゅひっ……! たま、もうどろどろれすっ! あっ、あああ……たまがっ、たまがっ、しぼんで……あああ……!
 びちびち暴れてるっ……! 針金のっ、さきっぽ、せーしが追いかけてますっ……! 元気なせーしがっ……登って……あああ!!!」

ゆっくりと、ゆっくりと針金を引き抜いていく。そして、ビーズの脇を通り、2本の針金の先端が尿道から飛び出した。
その先端をよく見れば、白く細い、短い髪の毛のようなものが幾筋も絡みついて、蠢いているのがわかるであろう。
睾丸内でじっくりと淫紋の生命力、および魔道具の魔力に晒されて異常成長を遂げた、精子である。

未だビーズは尿道内に残っている。

スー >  
「流石に、それを飲む気にはならないなぁ」

苦笑を零す。ほんの少しの解呪のおかげで
美しい容姿と冷ややかな金の瞳を向けながら
感づいている、被虐の喜びを与えつつ――

「でもそうだねぇ。熟成ざーめん、どんな味になってるか気になるから自分で飲んでみる?」

くつくつと笑いながら。
きっと、吐き出された欲望はどこかでそうされたからかも知れないが。
老婆にそんなことわかるわけもなく。

「いいよ、いっぱいだすがいーさ。キミの好物なのかな? シチューは。ほら、イケ……」

命令するように言ってあげる。
それで彼が気持ちよく、果てることができるなら。
これもまたサービスになるだろう。

テルヴェ > 食ザーを拒否されると、テルヴェの顔が寂しさと悔しさで曇る。

「あううぅ……だめですかぁ。まだ、まだ熟成が足らなかったんれすかっ。
 つぎは、じゃあ次は1日煮込みますからっ、それでもだめなら1ヶ月っ、だから、おねがい、嫌いにならないで……」

半狂乱な口ぶりで懇願するテルヴェ。思考が完全に、魔族の家畜だったころの時点に戻ってしまっている。そのことを自覚すらしていない。

「はふっ、だ、だめ、せーし暴れてるっ、おなかの、おへその下でっ……! 敏感なドアをたたいてるっ……!
 ごめんなさい、ごめんなさい、おばーちゃん……自分で処理しますから、出させて、だ……だし、だしましゅっ……!」

一時はビーズを抜くことも失念していた様子の、錯乱状態のテルヴェ。促されればようやく、尿道を塞ぐ最後の1つの戒めに指を掛け……。

「っあ!! あっ!! これだめっ! 中身、内臓、引きずり出されりゅ……! あはっ! やばっ……とまらない、止まらないれすっ!!
 いま、おちんちんの根っこのとこ、丸いの通ってるっ! でっかい塊くっつけて、あっ、あ、ずるずるって、音がっ……。
 ぶちって音もしたっ! こわれるっ! 僕こわれてるっ! 溜めすぎて壊れて……あっ、あああああああ……」

針金よりさらに時間をかけて引き抜いているのは、精液を解放していく快楽……精液製造器官を壊していく快楽を堪能するためか。
ようやくビーズの先端が尿道口から現れるが、それはビーズの直径を遥かに凌駕する白いゲル塊で覆われていた。
そのまま、一繋がりになったゲル塊が尿道を広げ、引きずり出される。その様子はどこか、ナマコが自らの内臓を体外に吐出する光景にも似ていた。
……否、まさにそれと言えるかもしれない。尿道から徐々に姿を現す塊の輪郭は、前立腺を支点に両側に広がる天使の翼のような……すなわち、精嚢の形そのままを保っていたのだ。
血などは付着していないため、内臓の損壊はないであろう。

「ーーーーーーーーーーーーーーーーッ!!!!」

内臓を模った精液塊が鍋に落ちると、次いでやや粘度の低い(それでも常人のと比べれば格段にベタベタな)精液が、放尿もかくやという勢いと太さで吹かれ、寸胴に注ぐ。
テルヴェは背をぴんと伸ばし、声にならない悲鳴を上げながら、天を仰いでいた。
鍋に質量が注がれる音の合間に、ぐぽ、ぐぽという低い水音が交じる。テルヴェの腹が収縮する音だ。今や彼の精嚢は心臓並みのポンプとして機能し、精液を次から次へと送り出しているのだ。
一般的なサイズの寸胴鍋が、みるみる内に白濁液で満たされ、むわ、と濃い蒸気を立てる。

テルヴェの人外めいた大量射精は、数分にわたって続き、寸胴を溢れさせる寸前でようやく止まった。

スー >  
「くすくす、嫌いになんてならないよ。キミが嫌わないかぎりは、ね」

老婆はもともと、そういうものだ。
そうなってしまったものだ。だから基本的に此方側から
拒否することはまず、少ない。

だが懇願する様子を見れば、少年の過去が見えた気がして。
だから優しく、声をかける……

「もう、全部出した? 大丈夫?」

ゆっくりと近づいて、ケアするように。
竿を指で扱いてあげる。
壊れていないか確認するように――

「よしよし、よくいっぱい出せました。えらいね?」

なんて褒めながら、むわっと広がる臭気に身体をほんの少し
火照らせながらも、きゅっとそれを閉じて。

「……気持ちよかった?」

テルヴェ > 「……っは! はひっ、ひっ……はひぃ……ひいいっ……はふっ……」

一度精液の流れが止まれば、それ以上垂れ流されることももうない。文字通り、すべてを出し切った。
快感の奔流が引くと、ようやくテルヴェの詰まったのどから喘ぎ声が溢れ始める。舌が天井に向けて伸び、酸素を求める。
テルヴェの巨根は余韻に脈打ち、尿道は指が2本は入りそうなほどの穴をぽっかりと開けている。

「はぁ……はああ……はひっ。ぜんぶ。ぜんぶだしましたぁ……。もう、一滴もないれす……たしかめてぇ……」

白く幼い身体が全身桃色に染まり、思い出したように脂汗が滲んで全身を艶めかせている。
垂れ下がり、硬さを失い始める陰茎に触れれば、「はひゅっ」と詰まった鳴き声を上げるも、再び硬さを取り戻す様子はない。

「……うう、ありがとうございます、ありがとうございます、おばあちゃん……。
 とっても、とーっても、きもちよかったです。お腹のなかも、たまも、とろとろになって……すごかったれす……。
 ありがとう、おばあちゃん……だいすき……」

その瞳に映る店主の姿は、老婆か、若い女性か。快楽で曇りきったテルヴェの瞳では、もはや両者の区別さえつくまい。
正気を取り戻すには時間がかかりそうだ。

スー >  
「そう、なら良かった」

時間は掛かりそうだが、後遺症が残る様子もないし。
このまま放っておけばクスリも抜けきり、きっと元に戻るだろう。
優しく頭を撫でながら、柔らかくなった雄から手を離し。
背中側から抱きしめつつもゆっくりと頭を撫でて。

「ええ、ええ。ありがとう。久々に、聞いたわ。その言葉
 おかげで効果もわかった。こちらこそありがとうね」

言い聞かせるように、なだめるように。
ずっとそうして――

正気を取り戻した頃にはいつもの老婆の姿に戻っていて……

テルヴェ > 薬の効果も短く、テルヴェも腹の中身をすべて出し切ってしまったために、正気を取り戻すのは早かった。

「………あうう……僕、なんかすごいことになってましたね……」

朧げながら、最中の記憶は残っている。そして目の前には、精子がぴちぴちと表面で踊る精液シチューの鍋。
さすがに正気を取り戻しつつある中、宣言通りにこれを飲むような真似はできなかった。

淫紋の生命力賦活さえも間に合わないような大量射精であった。テルヴェの下腹部を久々に、心地良くもずしりと重たい疲労感が覆っている。
どれだけ最中の行為を思い出しても、しばらくは彼のおちんちんはぴくりともしなさそうだ。

「これで、よかったんでしょうか。おばあちゃん……。あ、できれば、名前、知りたいかも……」

自分で本当に実験台になれたかどうか、未だに疑わしい様子。
そして、ときおりこの老婆が違う姿になって見えたような記憶もある。あれは快楽で混線した自分の脳が見せた、幻だったのだろうか……。
どちらにせよ、事後になっても、この老婆のことを頼もしく、そして優しい方として尊敬する心に変わりはなかった。

スー >  
「うん、十分だったよ。ん? 私の名前かい?」

壊れた鈴のような声。干からびた身体。
だが体温だけは暖かく――

またこの老躯では寸胴を始末するのも一苦労かもしれない。

「ん、私かい? 私は、スーって言うんだよ。よろしくね?」

もう大丈夫だとわかれば身体を離して、一息。
さて――

「それじゃ、これで契約は成立だ。持っておいき」

2000ゴルドの入った袋と、綺麗な飲水の入った水袋。
それと、パンが2切れはいった物を渡して。

「また、よければ手伝っておくれね?」

テルヴェ > 「スー。可愛い名前ですね。えへへ……。これからもよろしくお願いします、スーおばあちゃん」

身体を離されれば振り向き、にっこりと微笑む。先程まで涎を撒き散らしながら浮かべていた狂った笑みとは対照的に、柔和で幼い笑みだ。

対価を渡されれば、ゴルドの重みにやや驚きつつも、それをバッグに慎重にしまう。
テルヴェは冒険者。依頼として契約すれば、どんな内容の仕事だってこなすのである。どんな内容だって。
テーブル越しに再び、老婆のかさかさの手を握り、握手をするテルヴェ。

「……え、ええ。気が向いたらきっと手伝います。その、僕じゃないとできないことも、あるかもしれないしね……。フフッ。
 用事なくても、暇になったら遊びに来るかもしれません。迷惑じゃなかったら、相手してください」

寸胴鍋の中身はさすがに気になるが、持ち帰るには重すぎるし匂う。申し訳ないが、テルヴェにはどうしようもなかった。

「それじゃ、スーおばあちゃん、またね!」

大量射精の疲労を感じさせない足取りで、テルヴェは店を後にする。

ご案内:「骨董屋”影の国”」からテルヴェさんが去りました。
スー > 「気をつけてお帰り。こんな老婆でよければ暇つぶしくらい付き合うさ
 なにか身体に異常を感じたら、すぐにくるんだよ」

元気に出て行った少年を見送った後。

「ふぅ、やれやれ。どうしたものかね」

目の前の寸胴をどうしようか考えて――
文字を刻み。

「重さ軽減、匂い洗浄。この量の精子は――溝にでも捨てようか……」

今度するときは、清掃のことももっと考えないといけないなと思いつつ。
魔術を使いつつ、店内を綺麗にしていく

また開店に至ったのは、もう少し時間がたってからであった

ご案内:「骨董屋”影の国”」からスーさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にレイアさんが現れました。
レイア > 「相変わらずこの国は活気があるねぇ」

楽しげに大通りを行き来する人々を木箱の上に座って見つめる少女。
その瞳は猫のようにらんらんと輝き、興味深そうに辺りを見回している。

「しゃて、ちょっと路銀でも稼がないと、観光の一つもできないからね」

そう言って、放置されている木箱をいくつか使い、簡易的なステージを作れば、その上に立ち上がり、手に持ったタンバリンを降り、鈴の音を響かせる。


「さてみなさま、お急ぎでなければ足を止めて歌と踊りはいかがでしょうか? 私の名前はレイア、かの愛と豊穣の女神、美しい女神様にあやかれと、名付けられた名前のものでございます。
かの女神様がそうであったように、私めも多少の芸事の嗜みはございます、慰みになりましたら一つ、褒美をいただければ幸いでございます。」

小柄、まだ子供かというのにちゃんと口上を述べた少女は、続けてくるりと舞い、タンバリンを叩きつつ歌を歌い始める。

甘い声で語るのは、さきほど口上でもあげていた愛と豊穣の女神の物語。

レイア > まず歌うは、愛に悩む英雄が女神に悩みを打ち明けて勇気をもらったという物語

愛と豊穣の神レイアの有名な神話の一節

レイア > 恋愛の成就を達成した英雄は、その愛で偉業をなし、レイアへ多くの供物を与えた。

歌の結末はそこで終わる。

「さてみなさま、女神レイアへ供物を与え、愛と名声を手に入れた英雄のように、皆様どうぞ私にご褒美を」

そう言って布を広げ、足を止めた観客におひねりを強請る。

「銅でも銀でも構いません、レイア神にあやかるなら、金とかだったりすると大歓迎でございます」

レイア > 袋には数は少ないが、多少なりおひねりを投げ込まれる、その様子を見ればフードの下の幼い顔は嬉しそうに微笑み、タンバリンをまた鳴らし始める。

「ではもう一曲いくよ~ 今度は黄金の首飾りのお話を」

くるっとまわれば少女のワンピースが少しめくれあがる、もう少しすればこぶりなお尻も見えてしまいそうで。

レイア > 「みんなありがとー」

数曲披露し、おひねりもそれなりに集まった。

「よいしょっと」

袋を畳み、少女はソレを持ってそのまま街の中へと消えていった、さて何か美味しいものでも食べに行こう。

そう計画を立てているだろう。

ご案内:「王都マグメール 平民地区」からレイアさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にルーキさんが現れました。
ルーキ > 「――…新しい服でも買おうかと思ったが。……ま、早々手に入らんか」

立ち並ぶのは少し寂れた衣装店、骨董品店、酒場等――
昼間でもやや薄暗い、そんな通りを歩む女が一人。
行き付けの店が休みとなれば適当にぶらついているだけの話ではあるが。

「……まぁ、防具はまた今度でもいいか。問題は……」

すっかり普段着と化してしまった、タンクトップやショートパンツを見下ろして小さく溜息。
お洒落とは言わないまでも、ある程度マシなものに衣替えと行きたいところではあるが…。

ルーキ > 「無心するわけにもいかないし……さて。どうしたものか」

見渡す。目につく店はどれも商売をしている様子は無い。
はて今日は何かイベントがあったかと思い返しても見るのだが。

一先ず歩く。腰に剣は今日は差していないが、まぁ大丈夫だろうと高を括って。

「―――目ぼしい店は、さして無し。……大通りの方を見た方が良いかもしれないな」

小さく呟けば、どこか抜ける道は無いかと視線を走らせる。

ルーキ > 「―――……あぁ。あそこか」

暫し歩き回って、漸く抜ける箇所を見つけた。
ざわめきが段々と大きくなっていくのを感じながら、大通りへと出ていく――

ご案内:「王都マグメール 平民地区」からルーキさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール平民地区 場末の酒場」にカルディナル=ロートさんが現れました。
カルディナル=ロート > 「――店主、肉とこの店で一番強い酒を」

 それは、酒場には似つかわしくない、幼さの残る声だった。声の主は年齢にして12ほどの容姿の少女だ。纏う服は黒のワンピース・ドレス。精緻なフリルが随所をあしらった一級品の"安物"だ。その上に来ている外套は、本来の用途で使われているのかも怪しいほどに新品めいている。そして、燃える様な赤い髪と、同じく紅玉の如き瞳が黒一色の少女を彩っている。雰囲気は見た目の割に重く、世を捨てた隠者を髣髴とさせる。老人めいた少女は、鈴鳴るような声で続けた。

「あぁ、それとな、可愛らしい娘が欲しい。今宵の添い寝を頼みたいのでな?」

 カウンターの前、木製の椅子に腰掛け、笑みを浮かべて店主を見る。差し出される火酒。其れには満足そうに頷くと、まずは一口啜る。

(――ふむ、悪くない。これで他も良ければ満足なのだが)

 舌の上で踊る熱さを楽しみながら、人の喧騒に思いを馳せ、娯楽に耽る。賑やかなのは、好きなのだ。

カルディナル=ロート >  すん、と鼻を効かせれば、どうやら燻した肉を焼く臭がする。あの匂いは桜だろうか、それとも――。これからやってくるであろう馳走を思い浮かべ、其れを肴に酒を飲む。この程度の酒精で酔えるほどの下戸ではないが、酒が舌を、喉を焼く様な感覚が好きなのだ。同時に、僅かに感じる高揚感も心地よい。

「……これで華やかなお酌でも居れば、随分と幸せなのだがなぁ。店主、どうやら娘までは手が回らぬようだな?」

 意地悪く笑いながらも、代わりに差し出された厚切りベーコンのソテーを受け取る時は、そこいらの子どもと変わらないほどに喜んでいた。右手にナイフ、左手にフォーク。分厚い肉の塊を、まずは串刺しにして豪快に切る。そして、衆目の目など気にせずにかぶりつく。広がる芳醇な肉汁。脂の甘味に塩気が混ざって、心地よく口の中を満たす。溢れ散った筈の油は、外套やドレスに付着する前に中空で自ら焦げ、消えていく。――赤龍の加護。その無駄遣いである。

「む……うむ、こういうのを、そのままにかじりつくのは良いな。そう、野性味があるというのか、これは――」

 がっつかない程度に、しかし肉を食らう速度は止まることを知らない。肉を齧り、酒を飲み、幸福を嚥下する。最も簡単で重要な幸せのかたちである。そしていつしか、少女の姿は、酒場の群衆に溶け込みつつあった。

ご案内:「王都マグメール平民地区 場末の酒場」にロッペン卿さんが現れました。
ロッペン卿 > (通常このような場所へとやってくるには立場上不釣り合いにも見える飾りたてた拵え物の男。縦にも横にも大きなその体は、酒場の中のにぎわう人を避けようとしても、自然押しのけるような形になってしまう。

その度に申し訳なさそうにしながらも、たるんだ顔は笑みを浮かべているようにも見えて、変な愛嬌を残していた。)

「すみませぬな、この大きな体分はきちんと飲み食いするので、許してくだされ」
(空いている場所はないものか、と周囲を見渡していれば身体に似合わぬ豪快な食事を続ける少女の姿。おほう、と声をあげてから、その近くへと腰を下ろす。隣には座れぬほどの肉ゆえに、自然と一つ席を空けることにはなったが)

「美味しそうに食べておればついぞ頼みたくなりますな…店主殿、こちらのお嬢さんと同じ物をいただけますかな?」

カルディナル=ロート >  正しく堪能、という表現が相応しい程に、少女の肉を食らう速度は凄まじかった。なにせ中身は龍なのだ。肉は大の好物である。――財宝も可愛らしい娘も皆好物であるというのは秘密だが。ともあれ、この香辛料の効いたうまみたっぷりの厚切り肉は、数分で少女の腹の中に消えてしまうのだった。さてそれでは次を、と頼もうとした時、近くの声に横を見る。そこにいたのは恰幅のいい男だった。雰囲気は好々爺と言った感じだが、何か油断ならない気配をも感じる。とは言え、警戒するわけでもなく、むしろ機嫌よさ気に。

「む、其れならば、彼の肉を出した後でもう一枚同じのを頼む。食事の享楽は互いに分け合い、待たずに楽しむ方が良い」

 などと笑うと、席の上で体をわずかに回し、男の方へと体を向ける。そして上半身を軽く一礼させて

「こちらの肉は、中々に美味であるよ。大旦那殿も酒と友に楽しむが良かろう」

 容姿と声に似合わぬ口調のまま、告げると共に火酒を一気に飲み干した。

ロッペン卿 > 「なるほど、いかにも。喜びは分け合うものですな。それが食であればなおのこと。これでも食べっぷりには自信のある体ですでなぁ。明日の仕入れは大変になるやも知れませんぞ?」

(隣に座ったことで特別避けるわけでもないが、見る目に油断ならぬものを感じた。とはいえここでひと悶着を起こすわけでもないし、何よりそんなことをすれば目の前の肉が味わえない。味わう肉は「多い」方が良いにしても、あくせく平らげようとするのも少し、品がない。肉よりも先では酒を、と求め、程なくして出てきた葡萄酒を飲み始めると)

「良い食べっぷりに呑みっぷりですなぁ、それではここで酒を飲み、笑いあう友たちに乾杯、としておきましょうかな」

(老成しているのか、時間の流れが自分達と違う種族か、そんなことを思いながら酒を飲み、酒場を見渡してまた彼女に戻る。正しくは椅子の上に乗っかっている二つの丸みを、だが)

「美味なるものに囲まれておればまた食の楽しみも増えようというもの、しかし、肉も良いですが揚げた芋も、洒落てこそおりませぬがイケるもの。無理に他の目とは申しませぬゆえ、一つ二つ私のものを摘まんでみませんか?」

カルディナル=ロート > 「はは、あまり脅すと店主が夜逃げしてしまうからな――それとも繁盛で懐が温まってほくほくかもしれぬが」

 グラスの中身も無くなり、どうしたものかと視線を走らせる。ふと見れば、男が飲んでいるのは程よく酸味の有りそうな葡萄酒ではなかろうか。なれば、と店主に早速葡萄酒を頼む。それも革袋に一つをまるまる。やがてやってくるのは、大の男でも飲み干せるかという大きな革の水筒。大体2リットルほどの容量だろうか。其れを受け取ると、早速グラスに注いで飲み始める。

「む、乾杯には応じるのが流儀よな。――どうした、私の素性が気になるか?隠すことでもないから構わんよ、私は赤龍――名をカルディナル=ロートと言う。長ったらしいから好きに呼んでくれて構わん」

 考えを読んだとまではいかないが、自分を見て相手がどう思うかなど分かっている。300年ほど前からだいたい最初は一緒なのだ。成れば相手の面食らう顔を見るのも一興、と最近では自ら素性を明かすことにしていた。竜故の傲慢で、何も隠し事はしない。正直さこそが誇りなのである。そして、ちらりと見上げると視線の先が顔とは違う場所に向いているのが分かる。其れに見当をつけると、ふむ、と呟いてから。

「む、すまないな。お言葉に甘えよう。だが――そうだな」

(僅かに声を潜めて、悪戯を企む娘のようなしたり顔になりながら、囁くように告げる)

「私の一夜はとても高いぞ?大旦那殿は、竜への供物を賄えるかな?」

ロッペン卿 > 「いずれにせよ、お互いにとって得るもののある宴としたいところですが、いかがですかな?店主殿。食い尽くすとは行かずとも、上客であることは保証しますとも」

(隣で見ていて思うのは頼み、飲み食いをする量が悉く違う。自分よりも多いことに驚くのではなく、その体に入ることが。並々ならぬ人間もいるが、それとはまた毛色の違うものよと思っていたところに、あっさりと彼女は、自分の方から素性を明かした。面食らったのも事実だが、龍も幼き物はこうもそそるものかと思い、空けたグラスに葡萄酒を注ぎ、代わりを頼む)

「紹介されればこちらとて答えるのが礼儀ですなぁ……ロッペンナルア、ロッペン卿、あるいは桃侯爵などと呼ぶ人もいますぞ。その食べ物の行き所も納得がいきましたが」

(己を示すところに何ら恥じ入るところもないのは、人ならざる者の矜持もあってのことだろう、知られて困る物でもなければ、知ってどうなることでもあるまい。龍だなんだと騒いでも、誰が得をするというのだ。ならば種族よりも人の姿をしているならばその尻を―と視線が向いたところで声がかかり、視線が戻る)

「肉の方が好みやも知れませぬがなぁ、たまには異なる物を口に含んでも罰は当たりますまい。酒にも良く合うのです。それに……」

(なまじ幼いゆえに悪戯めいたその表情や仕草は彼からすればとても魅力的なものに見える。それゆえに笑みを一層深め)

「ムハハ、しかしその一夜も値打ち物でしょう……供物の用意もさることながら、龍も立てぬくらいの心地よさを約束しますぞ?…おっと、まずは色気より、食い気ですな」
(やってきた肉と、そしてまた腰より下へと視線をねっとりと向け、交互に肉と見返しながらにんまりと笑み)

カルディナル=ロート > 「む、それもそうだな。私達はどちらも上客だ。金貨なら湧いて出るぞ?」

 店主はどうやら覚悟を決めたらしく、店の在庫を吐き出す心積もりの様子。であればその覚悟には感服を。そして対価を。机の上に金貨の詰まった袋を一つ置き、笑顔の色を深める。ワインと肉を指さし、店主に視線を向けると頷きながら三本の指を立てた。意味は単純、あと三人前よこせということ。

「おや、ロッペン卿という名は聞き覚えがあるな。善政を敷き、民草の懐を暖かく満たした侯爵殿と聞いているが――うむ、そのような名君と杯を交わすのは喜ばしいな。それに、私の正体を聞いて微塵も驚いた様子がない。むしろ合点がいったという感じかな?」

 赤龍の娘である少女にとっては50年が人間の1年と等価になる。その上で外見が10歳ほどであることから500年程を生きている計算になる。それに貞操についても人間よりは随分ゆるい。なにせ生半可な人間の精では孕みもしないし、純潔を失う痛みなど蚊が刺した程度にしか思えないからだ。人間がなるという病なども当然効くはずもない。性嗜好としては、幼さの残る少年や可愛らしい少女、美しい女性や男性であれば自ら攻めるように抱き、或いは逞しい男性や妖艶な女性といった者達であれば、自らが下に立つのも悪く無いと考えている。酸いも甘いも、その全てが好ましいのだ。――そして目の前の男は、少なくとも食の趣味が合い、風情が分かるなら、気に入らないという枠には入らない。

「はは、そうか。人間は美味しいものを作るのが得意だからな、そういう所は見習いたいものだ。――っと、そうだな、値打ちものだ。心地よさにも興味はあるが、正々堂々言い寄ってくれるのよな?――搦め手などは効かぬし、この身を縛るようなものは戦いに勝ったものにしか与えぬつもりでな。故に、大旦那殿の口説き文句と供物の中身が気に入れば、一夜付き合うのも吝かではない。添い寝の娘を探していたが、大旦那殿の柔らかそうな腹も、失礼な物言いではあるが突いてみたいしな」

 などと笑顔で、芋を差し出してくれるのであれば、手付からそのまま食らうのだ。あーん、というのはサービスのようなものである。

ロッペン卿 > 「金は祓う、ゆえに無茶を通せとは言いますまい。ただ、少しばかり良く食べてよく飲み、よく話すかも知れませんがなぁ」

(大量に飲むというわけではなく、一つ一つは瓶を求めているが、切れ目がない。飲んでいればすぐに空いて次、また空いて次と求めるので、量の桁が違う。何度目かの瓶を持ち帰ってもらう際に、心付けと握らせたのは何枚かの金貨であった)

「ほ、そのように伝わっておるとは、中々噂も面白い物ですなぁ。私が富んでおっても恨まれぬようにするには、皆が富めば良い、そのための手段はおしみませぬし、その分、搾る物は搾ってきましたらのう。聖人君子には並ぶべくもありませぬ……そして、龍とは看破出来ずとも、おおよそこれはと合点がいきましたでなぁ。動じぬことも貴族の嗜みと言う奴で」

(龍の少女も世間を知らぬというわけではないようで、自分のことを噂で聞く程度にはわかっているのだから、変に取り繕うこともあるまい。姿もそうだが明け透けな部分がはっきりしているからこそ、そこで騙し騙されと持ちかけるのも何か違う。思うことは言えば良いし、欲望の視線もちらちらと見ることもなかろう。その目はだんだんと露骨な視線を帯びてきており)

「食べることに生存以外の意味をもってこれほど豊かに発展させたのは、人が誇るべきところでしょうな、まだ見ぬ遠くの地では、四足のものは机と椅子以外は皆食べる、とまでいいますでなぁ。仮にその逆鱗に触れてでも、最後に一つ食事を供するところだけは残しておい下さいませ。最後の晩餐は誰もが欲するところでしょうからな」

(貴族らしいもったいぶった言い回しと諧謔でもって彼女の感嘆と人間への賞賛を聞くと、やってきた揚げた芋を彼女の口元へと持っていく。自分よりもずっと長い年を生きているであろう彼女にしても、その振る舞いをみれば応えて当然。芋を食べさせながら肉よりは好まないかも知れないが率直な感想を聞いてみたく、少女に如何なものかと問い)

「如何なるものをお望みか、というのも無粋。言い寄るのに悩むのもまた楽し……華ではなくとも、一晩おれば、受けて正解と唸らせることは約束いたしましょう。酒場で争うなどは、飲み比べと食べ比べにしかなりませぬしのう……しかし、壁は高くとも、越えた暁には是非とも、カルディナル殿の桃をしゃぶりつくしてしまいたいものですわい」

カルディナル=ロート > 「だなぁ。私もだいたいそんなものだ。――む、土産用というのも出来るのか。なればこの、油の乗った塩漬け肉と葡萄酒を1壺ずつだな。言い値で払うぞ?」

 肉もうまいし酒もそれなり。であれば気に入ったものは確保するのが竜の鉄則。――とは言え、壺の肉など2日もあれば食べきれてしまうのだが。心付けも含めて支払うと、用意してもらうのは後で良いと告げつつ。

「む、そうか――いや、聖人君子であるよりも好ましいではないか。自分のために他者をも富ませる。欲望に忠実な分、余程信頼できるというもの。――動じないのが嗜みとはまた大変であるな。驚きたい時に驚けないのは首輪をかけられたような窮屈さがある」

 何もかも自由に、正しく天衣無縫に振舞ってきた少女は、笑いたい時に笑うし泣きたい時になく。食いたい時に食うし寝たい時に寝る。全てが素直で忠実なのだ。年を経て老獪にはなったものの、性根までは変わらない。腹の探り合いも嫌いではないが、分かりやすい方が気を張らなくて良いのである。殊に、このような酒宴であればなおさらだった。

「うむ、食と性に本来の意味以外を見出した人間とは皆が強欲なのよなぁと思うよ。其れ以外をも満たしたいから、と考えるのだからな。――案ずるな、ロッペン卿。私は人の肉はあまり美味くないから好まない。食うくらいなら燃やすが、そうだな、その希望は覚えておこう」

 はぐ、と揚げた芋をかじる。口の中に熱さとともにほろほろと崩れる芋が乗り、やがて溶けゆく。その食感は非常に好ましく、熱さもまた少女の好み。目を丸くすると嬉しそうに

「む、これは良いな……!うむ、今まで食わなかったのが損であった。――ふ、ふふ。これはいい物を教わったものだ。礼に供物を少々加減してやっても良い。――無論、他にも美味い物を教えてくれるならばその分だけ、供物としてみてやろう。どうだね、ロッペン卿。お主は食に長けていそうだ。うまいものをたらふく食わせてくれるのであれば、たまに客分として訪れても良いぞ?」

 少々尊大に、食客になってもいいぞなどと宣う少女。とは言え、自身は龍であるという自負からへりくだるつもりは全く無かった。

ロッペン卿 > 「持って帰るのがよいとは、それも悪くはないところですなぁ。持って帰れるならば、この大きく切ってもらっておる燻製を、この半分にしてもらってですな……」

(いちいち注文が細かいものではあるが、これは客がはけてしまってからで良いとも譲渡を踏まえたうえで話している。その話をしている横で見ておれば、いかんせん規模が違う、ということを話していて痛感する始末である。どれくらいで壺を消費しきるものか、楽しみではある)

「ぬははは、龍からもお墨付きをいただけるのであれば、尚のこと誇ってもよさそうですなぁ。自分の強欲ではあるものの…喜びは皆で分け合うべき、そこは間違っておらぬというところですなぁ。……そうして木石のように動かぬからこそ、いざというときに見せる顔で人がより驚き、納得もするものなのです。化かし合いもにらめっこも楽ではありませんなぁ」

ロッペン卿 > (彼女からすれば貴族に限らず人間の権謀術数など不思議なものでしかあるまい。自分のやりたい時にやりたいものをやり、感情のままに動くと言うのが当然であるものであればこそ、考えるのも不思議だと結論づけるしかないような貴族の矜持。素直なものに横やりを入れてからかうような品の悪さもあるのだから、その素直さは人であろうがなかろうが、賞賛したいものであった。それゆえに、龍や人ならざる者は時にだまくらかされてしまうものかとも思いもする。人でなくとも生きるのは大変だと)

「食べることに眠ること、そして産めよ増やせよと励むことと人間も中々忠実ですなぁ。これでは立派に動物であると言えるところですな……そうしていただけると助かりますぞ。では、その爪牙にかかる前には……最後の晩餐もたっぷりと楽しめそうですな」

(にたぁ、と笑った男に陰湿なものはない、ただ冗談としては少々品のよい物でないものも確か。人は美味でないのも、余計なものをたくさん食べるからか、もとより美味くないものか、多少、気になったので聞いてはみたい。だが、今言ってもヤボなもの、揚げじゃがを食べさせてい感想を聞く方がよほどマシな話だ)

「これも中々悪い物ではないでしょう、これで酒をキュっとやるのがまた格別でしてなぁ……では、その供物の代わりに食道楽の手助けといたしましょう。無論カルディナル殿の口に合わぬものもあるでしょう、それは含んでいただかずとも構いませぬし、我が領土ではあなたを食客として出迎える準備もしようではありませぬか。こちらから条件をつけることもありませぬ、きていだ蹴ればそれだけで私にもまた箔がつきますからねぇ。」

(龍の栄光を傘に着るのではなく、客分として招くことが出来る領土であればと言う一つの宣伝、悪いようにはしないし、それも個人的な客としてであれば食べることにだけ専念も出来る。余分な条件をつけないことや一夜の値下げをしないことも価値を高く見ていることと彼女に示して見せ)

カルディナル=ロート > 「ロッペン卿も持って帰るのか?――ここの肉の在庫が全てあれば、一週間は食えそうであるが……うむ、皆に分け与えねばなるまいしな、買い占めるのはやめておこう」

 店じまいの前であればいつでも良い、或いは明日宿に届けてくれても良い、などと取り決めをすると、残りの肉を片付ける。冷めても柔らかく、噛めば肉汁が溢れ出る。――そのなんと甘美なことか。弾力はあるものの歯切れよく、噛みしめるほどに味が出る。肉の美味い良い店だ、贔屓にしようと心に決める。

「そうか――道理で。私ももう少し幼いころ――200年ほど前か、あの頃は考え方が幼くてな、よく人間に騙されて財宝を渡してしまっていたよ。お陰で市井に下りたかあの龍はカモだとか言っていてな。それ以来ケチで財布の紐はきつくなった」

(人間の狡知というものは凄いものだと実感している。竜と違い、圧倒的な力を持たないからこそ様々なものを考えて、有利に働くように状況を作るのだろう。龍がその思考を真似できるように成れば敵などいないのではないかとも思うが、そのように苛立ちの募ることはやらないのが長生きの秘訣である。我慢が必要なことはしないのだ。騙されることは最近だと少なくなったが、時折うっかりすることはある。大抵が美味い酒のせいなのは言うまでもない)

「うむ、龍はそもそも相手が龍でなければ中々孕まないからなぁ――私が雄ならどんな雌でも孕ませられるのだが、こればかりは如何ともし難いしな。お陰様で励むのは快楽を優先することのほうが多くなってしまった。あの刹那的な高揚は、中々に趣深いよ」

(性についても穿った考えを持つ少女は、時折揚げジャガを食べさせてもらいながらワインを飲む。男の手から食べるのは、彼が幼女趣味なのだろうと言うのを見抜いてのこと。でなければこのように好色な視線を幼い肢体に向けることもあるまい。そう結論付けるが、別に嫌悪を抱くものでもない。性癖は多様であると、人間を見て知っている)

「うむ、エールが合いそうだ。――そうか、其れならば、うまいものを十ほど食べたら一夜の閨をともにしようか。あとは自由さえ保証してくれれば良い。一度経験はあるが、妙な術などに縛られたくはないのでな。出かけもするが、なに、居心地良ければ勝手に住み着くさ。人間の性技にも興味はある。故にこれは値下げなどではなく、互いの利益の交換だと思ってくれ。――故に、趣向は凝らしてもらうが、期待しているぞ?」

(葡萄酒を飲み干すと、うむと頷いてから宙に手を掲げる。現れるのは透き通った赤色の薄い宝石。落とせば割れてしまいそうな、しかし竜殺しの権能でもなければ傷一つ付けられない赤龍の鱗である。其れを差し出すと)

「私とのつながりだ。記念にとっておくと良い。飾ってくれても構わないし、隠してくれても良いぞ?祈りながら薬研で擦れば、万能薬にもなりうるしな。ロッペン卿の好きに使うが良い」

(友誼の証だ、等と言いながら微笑む少女なのだった)

ロッペン卿 > 「買い占めて舌つづみを打つのは悪くない選択肢ですがな、ここの客は私達だけではありませぬ。ただ店を出るのに口が寂しくなりそうでしてな。少しだけというわけです」

(酒のあてにとおもっていた揚げじゃがも、一緒に食べていれば見る間に減っていく。取り決めの間に別の給仕にもう一つと頼んでいればそのうちに彼女の交渉も終わっているだろう。それにしても、話に聞いてみれば200年前とは、規模が違うと素直に驚いていた)

「皆がただただ正直で、誠実であることを望むわけではありませぬからな。狡猾なものも無論おります。どうも民間伝承には人ならざる者を出し抜こうとした話もよくはありますが……自分達よりも上のものも失敗はあるし、気前良く付き合うことが出来る人間の良き友であったと、そのように考えたいがためのものかも知れませぬなぁ。もし気前よくやったのが事実であれば、こちらとて気前よく返すのが道理というもの。例えば酒の席や酒でのやりこめた話は、我らの教訓にもなっておるのかも知れませぬ。」

(とはいえ龍をやりこめたりするのもお酒で騙したり、都合の良い脚色ではあるだろう。龍としても失敗はあるものだというのは若さゆえ。むしろ策を弄さずにいる一種傲慢ともとれる余裕が龍の龍たる所以かも知れない。我慢しないだけ、とも取れるが)

「ほう、流石に龍を超える生命力の持ち主とはおらぬでしょうからなぁ、中々。淫事とはいえど、快楽を欲するのも、それを貪るのもまた一つの楽しみ。私の桃侯爵もその刹那的な楽しみの好みゆえの話ですしな」

(自分の趣味や嗜好も何となくか、それとも看破されているからか、手を通して食べさせているのも許可されているような感がある。欲情するのも事実だし、隙あらばとその尻へとお得意の一手を刺し伸ばそうとするが、それも野暮なこと。まずは酒と語らいを楽しむのが良い。欲望のままに手を伸ばすのもその後で良いのだ。それでもその視線に劣情が混ざるのは避けられないものであったが)

「これは中々、私にとっても悪くない話ですなぁ。食道楽を堪能しつつ、それがお気に召せばさらなる楽しみがついてくる。一所にとどめたり縛るつもりはありませぬぞ。何にも縛られぬ者に人は羨み、憧れますからなぁ…龍にも褒められれば私もこの欲望が底なしであることを誇れる話ですな。無論そちらにも手は抜かぬと約束しましょうぞ」
(恭しく差し出された宝石を、その鱗を受け取ってから大事そうにしまいこむ。宝石にしか見えないがそれを聞けば欲しがるものも多々いるであろうもの。その友誼の証拠としていったものを受けとり、うむ、と頷いてから改めて杯を交わそうとし)

「では、改めて友との楽しい時間に乾杯。次はまた別の美味なるものと、龍のお体もまた楽しんでみたくはあるものですなぁ」

カルディナル=ロート > 「うむ、そのほうが風情があるな。――揚げたじゃがいももうまかった。実に有意義であったよ。他にもきっと美味いものはたくさんあるのだろうな。あぁ、苦いのと酸いのは全く無いと寂しいが、少なめくらいが良いな。甘いのと辛いのと塩っぱいのは多くて良い」

(くつくつと笑いながらの注文。其れが少女の嗜好であることは明白だった。甘いモノが好きだと公言する当たり、味覚はまだ子供舌な様子である)

「――そうだなぁ、私も騙されたが、後になってから財宝を使って病を治して、礼参りにやってきたものとかもしたりしてな。そういうのが捨てがたいから、本当に必至なものには手を差し伸べずにおれないよ。気前というわけでもないが、我が財宝は今後もいくらでも貯められるしな。其れを私が2つほど年をとる間に逝ってしまうものに与えるくらいは寛容でなければなるまい。そういう意味では、この酒宴も有意義であるな」

(策があるならばその上から圧倒的なまでの力で叩き伏せるのが龍の役目。其れは最早傲慢を通り越した世界の望む約束である。竜が策などを弄し始めたら其れこそ人は敵うまい。龍とは即ち、圧倒的であり、なおかつ蜘蛛の糸のような勝機がなければならないのだ。でなくばむしろ、其れはただの災害。回避しえぬ不幸になってしまうのだから)

「うむ。魔族ならば別かもしれぬが、未だ気に入るものもおらぬしな、或いは竜殺しほどの腕を持つ英雄であれば、私を力で好きにして、子種を注いで孕ませもできよう。とは言え一介の人にはなかなか、な。恐らくはロッペン卿の精でも孕むことはないだろうが、むしろそのほうが遊べるやも知れぬな?」

(所謂避妊とやらも要らないし、と悪戯な笑みを浮かべる。敢えて隙を見せないのは、次の逢瀬で許すつもりだから。今宵は遅くなってきたから酒だけに時を費やすのだ)

「では、そのように頼もう。いい出会いが出来たことに感謝を。そしてロッペン卿の前途に祝福あらんことを、だ」

(再度の乾杯。杯を重ねて小さく鳴らし、一気に飲み干すと立ち上がる。そして一つ回って振り返ると)

「さて、それでは今宵はここいらで失礼しよう。ロッペン卿、また出会えた時は、その領地に案内してくれると嬉しい。宿の所在くらいは教えとくでな、なんなら文の一つくらいは書いてくれても構わんぞ?――では、な!さらばよ、店主、ロッペン卿。良い宴であった……!」

(最後まで屈託なく笑うと、そのまま優雅な足取りで店を出て行く。外に出た時にはもう姿はなく、月夜の彼方に空を舞う人影が一つ見えたのだとか――)

ご案内:「王都マグメール平民地区 場末の酒場」からカルディナル=ロートさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール平民地区 場末の酒場」からロッペン卿さんが去りました。