2023/09/16 のログ
ご案内:「王都マグメール平民地区・葦原会」にツネオキさんが現れました。
ツネオキ >  
葦原会本拠内。石階段を上り、鳥居と山門とを潜った向こう側は“天上の御方”の御姿を彫った御本尊が居られる本堂への道が石畳ですらりと伸びている。本堂を中心に伽藍と呼ばれる建物群がぐるりと配置されて多くは一般の方の立ち入りは制限される。関係者以外立入禁止というやつだ。関係者面して寛ぎまくっている犬やら猫やら鳩やら何やら色々居るがとにかく宗教上・防犯上の目的で立入禁止だ。只、見学は自由だし、境内には一般の方向けにお守りなどを販売する小屋もあれば茶屋なんかもある。

『葦原茶屋』と捻りも何にもない名前の看板の茶屋。
茅葺きの屋根の鄙びた雰囲気の小ぢんまりした茶屋。
本日、改修完了。
本日、運営開始。

客入りの少なさを見越して献立も凄く少なくお団子とお抹茶や緑茶ぐらいのものだが人入りが増えていけばここからもうちょっとぐらい増えていくかもしれない。尚、今のところ、客は一人と犬猫数匹である。長椅子に朱色の布地を広げた椅子が数脚外へと出されているがその一つに腰掛けて隣に団子と冷たいお茶と猫とを置いて、日差しは強めではあるが風が爽やかに吹き抜けていくのに汗を冷やしてもらいながら、一息。

「ぁーしんど。あん人居ってくれたらな……」

身内には嘗て建築の達人が居たものだが今は何処へなり出奔中……
今だけ戻ってきて貰って色んなものに目瞑って手伝って貰えば良かった。
そんな事をぼやきながら改修工事を終えた疲れを癒やしている。

「……ところでお前当たり前みたいに居るけど……何?
 今日から此処を塒にする? さよか……」

住み込みの看板猫になるらしい縞模様の猫ちゃん。
何だか最近彼らの言いたいことが何となし分かってきた。
傍目動物と会話してる変な人になりながらまたお茶を一口啜る。

ツネオキ >  
『うむぁー』
「うむぁーて。にゃかみゃーいえや、そこは」
『ぃあー』
「お前さっきから普通に会話すんの止めーや」

休憩しつつ。猫と会話したり。お茶とお茶菓子を片付けたあとには改修道具の片付け忘れを倉庫に戻しに行って猫と別れたりしたあとには休憩終わり、午後からの業務……境内の掃除だとか僧坊でのお勝手仕事だとか、布教最近やってない気ぃすんねんけどなぁ、等と色々な作業に追われる現状に首を傾げながらに勤しむ事になるのだった。

ご案内:「王都マグメール平民地区・葦原会」からツネオキさんが去りました。
ご案内:「キリサキ医院」にジャックさんが現れました。
ご案内:「キリサキ医院」にコルボさんが現れました。
ジャック >  
貧民地区の端、目立たない場所にある小さな建物。
やっているのかやっていないのかわからないぐらい薄汚れてボロボロの建物に「キリサキ医院」とだけ書かれた小さな表札が掲げられている。
中に入れば長椅子と衝立があり、衝立の奥にはすぐ診察室と言う狭い診療所。
その長椅子に身長170㎝ほどの女性が寝転がっている。
膝を立てて脚を組み、自分の腕を枕に仰向けで。
特盛りに盛られた胸は、その大きさにも関わらず重力に負けずにやや高さを減らしている程度で保たれていた。

コルボ > 「おーい、センセー、いるかー。……お、いたわ」

 片隅ともなれば誰の目にもつかない場所。そうでなくとも診療所、
 貧民向けのものは慈善的な貴族の支援でいくつか点在する。

 ましてや途絶えぬ噂の”切り裂き魔”を冠するとなればなおのことだろうか。

「ちょっと治療頼みたいんだけどいいかー?」

 そう言いながら特盛に目が行っている。
 ……おーいともう一度声をかけながら、手を伸ばしてみるが。

ジャック >  
声を掛けても起きる気配はない。
二つの特盛がゆっくり上下に動いているだけだ。
手を伸ばしてもそれは変わらず、やがて彼の手はそれに触れるだろう。
見た目通り、いやもしかしたら想像以上の柔らかさ。
明らかにノーブラの感触。
そして次の瞬間、彼の首に腕を回され、とんでもない力で引き寄せられるだろう。

「治療、頭の治療かい? それとも悪戯をする腕でも切り落とそうか?」

首をがっちり右手で固定し、彼の頭を谷間に押し付ける。
さっさと逃げ出さねば窒息してしまうかもしれない。

コルボ > 「相変わらず色々無防備だな……。」

 張りに反して触れて指が沈み込めば相変わらずの柔らかさ。
 ……いや、前より柔らかくなってるような。
 そうしてその感触を堪能していれば、次の瞬間眼前に高い山が押し寄せてくる。

「頭はいつも通り! いつも通りだから! くそつかいいにおいすんなマジで!」

 顔を特盛の真ん中にうずもれさせる寝技に持ち込まれて逃げようともがく、が、
 逃げる気がない。特盛に顔を埋めて両手で揉んでる。だめかもしれない。

ジャック >  
「あぁそうだったね。じゃあ腕を落とそうか」

彼の頭を胸に押し付けたまま立ち上がり、歩き出す。
自分よりも少し高い男を引きずっているとは思えない軽い足取りである。
右手は首に巻き付けたまま、左手で自身の胸を掴む彼の両手を引きはがし、後ろ手に拘束。
そのまま衝立の向こうへカツコツとヒールを鳴らして歩いていく。

「暴れると腕以外も無くすことになるから、大人しくしていたまえ」

物騒なことを言いつつ、引き出しを開けてナイフのようなメスを取り出す。
それの先端を躊躇なく彼の左肩に当て、ちょっとだけ刺した。
とは言っても血が出ない程度、しかし確実に刃物を宛がわれている痛みは与える程度に。

コルボ > 相変わらず得体が知れない。己も山伏ではあるが惰弱とは言い難い。
だというのに顔を特盛に埋めたままの大の男を引きずったまま軽い足取りで連れ去り、
あっという間に両手を拘束する。

この女医が貧民地区の片隅、ともすれば地区でも指折りの劣悪な治安で
その悩ましい体を持ちながらその領分を侵されない理由の一つだろうか。

「いやいやまてまて。まてまてセンセー。今日は別の治療、面白そうな治療持ってきたから!
 腕落すと後々のやり取りで後回しになるから落ち着け!」

 威嚇、というには精密な”挿入”に喚く、だが動かない。
 これだけ叫んでも体幹が落ち着いていて。

ジャック >  
「ふむ? 面白い治療だって?」

その言葉を聞いてメスの動きを止める。
しかしまだ解放はしない。

「面白い、と言うのはどういうことかな? 何か未知の病原菌と言うことか? 君がそれに罹っているのか? だとすればそれを知っていて私に物理的接触を試みると言うのは些か軽率が過ぎるな。やはり頭の治療が必要かな?」

つんつん、と肩をメスでつつきながら。
そのまま椅子に座り、脚の間に彼の身体をねじ込んで片足を背中に回すように絡ませる。
ギチギチとやや命の危険を感じる程度に力を込めながら、メスでつつく場所を肩から頭へと変更。
ちくちく。

コルボ > 「毒だ。病原菌の類じゃない。
 喜びヶ原で偵察依頼受けてた時に変な魔物に襲われてな。
 梟熊に根みたいな植物が寄生してて動かしてたっぽいんだけどよ。

 打ち込まれたカ所から血を絞り出して、頭を突くんじゃないよ!?」

 すらりとした足に絡め取られて固定される。というか力が強い。
 そもそも何故この体勢でこれだけ力が籠められるのか。

 言動も行動も治療法も怪しいが、行動理念だけはシンプルすぎて逆に信頼できる手合の先生に抗議しながら頭をチクチクされている。

ジャック >  
「毒、ねぇ。その割には元気そうだけど?」

ここに至ってようやくメスで突くのをやめた。
メスを握ったままタオルにアルコールを付けて、それでメスを拭って引き出しに戻し、彼を開放する。
まぁ座りたまえよ、ともう一つの椅子を示し、別の引き出しからカルテを取り出して。

「それで? 毒を貰った前後で何か変化は?」

ペンを取り出し、問診を始める。

コルボ > 「血を絞り出して、簡易的な検査はしたからな。あと寄生してる奴も引きずり出して簡単に調べた。
 ドレイカズラっぽいけどなんか違うが、とりあえず樹液で支配するタイプっぽい。
 寄生されなかったから効果は出なかったけど、なんていうんだ。

 四つぐらい毒打ち込まれてるっぽいんだけど、それぞれの解毒やっても対症療法で抑えらえてるだけっつうか。

 ……なんか、混ざり合うはずがない毒が四つぐらい、きちんと溶け合って別の新しい毒になってるっつうか」

 植物の一部はあっちの袋にはいってあると、さっきひと悶着した時に落した荷袋を顎で指して。

「症状は寄生の導入で声が聞こえるようになった。ナグアルへ行けって。
 後は激しく動こうとしたら動悸が爆上がりする。普通に歩く分には大丈夫だ。
 後は、解毒薬と拮抗してるのか分かんねえが、左目が見えたり見えなくなったりしてる。

 それと」

 襲ってたりしがみついてる辺りで気づいてたかもしれないが

「滅茶苦茶勃起してる」

 真顔である 

ジャック >  
「ふむ。幻聴と動悸、視覚障害か。幻聴はまだ?」

彼の話を聞く限り、毒はまだ彼の身体に残っているらしい。
カルテに症状を書き込んでいく。

「寄生植物ね、君も随分と無鉄砲なことをやっているようで」

椅子から立ち上がり、落ちている袋を拾い上げる。
中には確かに植物の一部が入っていた。
これはあとから調べてみるとしよう。

「行ってみたらどうだい、ナグアルまで。あちらにはサキュバスの娼館なんてのもあるらしいよ。そこで搾り取られてくれば勃起も収まるんじゃないかな? とりあえず左目を見ようか」

目を細めて笑って見せる。
激しい運動で動悸が起こるのであれば、そう言うことをするのもリスクがありそうな気がするが。
彼の顔に手を伸ばし、左の瞼を開かせて固定。
右手の人差し指の先に明かりを灯し、瞳孔の反応を確認。

コルボ > 「幻聴対策はマドイキビへの解毒試したら消えてる。
 でも処方が切れると聞こえる時がある。

 つか、今回は言う程危ない橋は渡ってるつもりはなかったんだけどな……。
 アスピダ方面の偵察やってたのに、魔族絡みで割食うってのがな。」

 袋を拾い上げるのを見て、植物を持っていけばそれを認めて。
 後々調べれば、複数の寄生植物が”寄生し合って”出来上がっていると分かるだろう。

「ナグアル、なあ……。あんま行ったことねえけど。
 来いって言う以上はそこで操ってる奴がいるんだろうな。
 
 しかし勃起してるのに動悸が駄目ってのがな……。ああ、頼むわ」

 そもそも勃起していれば動悸どころではないのではと思う事もあるが、
 自慰だとそうでもないかと内心思いつつ。

 瞳孔を見れば開いてはいない。だが、その代わり、瞳の中を何かが泳いでいる。
 時折それは動きを止めれば、眼球は光を追うようになる。
 ……おそらくは根の破片。それが男の処方の作用で無力化してる間は目が見えているようで

ジャック >  
「症状自体はまだ起きている、と」

カルテに書き込む。
中々面倒そうな毒だ。

「とは言え寄生させて呼びこむような奴だ、行ったところでろくなことにはならなさそうだね」

あからさまに胡散臭い。
素直に行ったところで、ようこそいらっしゃいと歓迎されてそのまま素直に帰れる保証もないのだ。
ましてや魔族の国、尚更だ。

「――ふむ。動かないように」

目を細めて。
光を消し、麻酔効果のある液体を彼の左目にぶちまける。
そうして左手で彼の顔半分を掴み、親指で瞼を固定。
動くなと言われても動けないほどの怪力。
右手の中指と人差し指を彼の目の方に向け、狙いを定める様にゆらゆらと動かしている。
真剣な表情で彼の左目を睨み付け、

構えた指が鋭く、恐ろしい速度で伸びた。

細く鋭く尖った指先は彼の眼球に突き刺さり、眼の中の根を掴み、引き抜かれる。
当然彼の眼は損傷するが、問題はない。
治せばいいのだ。

「――ふう」

根を掴んだ指先は、それを掴んだまま切り落とし、ガラスの皿で受ける。
手早く同じくガラスの蓋を閉め、開かないように固定。
切り落としたはずの指先は、もう生えている。
棚から瓶を取り出し、中の粘つく液体を彼の眼球にべたりと塗って、ガーゼをその上から張り付けた。

「とりあえず眼はこれで処置出来たかな。ガーゼは一日剥がさないように、明日また見せにおいで」

この間左手はずっと彼の頭を鷲掴みにしていて、どれだけ彼が泣き叫んで暴れようとも頭は微動だにしないだろう。
麻酔のおかげで痛みは薄いだろうが。

コルボ > 「ああ。持続性がある。なんか毒自体が生きてるみたいで気味が悪ぃな」

 センセーと呼ぶ相手が珍しく思案顔をしている。普段であれば二の句で解決策を口にしてくるような手合が。
 寄生については頷いて。そもナグアルの名は耳にしていて、
 下手をすれば王都より統治されインフラが整っていると聞くが、
 知らぬものからすれば体のいい噂話に過ぎず。

「おう。うおっ」

 動くなと言われて声を返した直後に浴びせかけられる薬液。
 目が見えるようになる。安定している気がする。
 本人はそれで根が”眠った”ことにも気づかず。

 そして、顔を掴まれる。一切動かない。触れる手指は細く滑らかで
 過酷な作業などしたことはないような印象を覚えると言うのに。

 そんな指がもう二本、人差し指と中指を向けられる。
 集中している表情。これは、嫌な予感がする。

「っ!!」

 以前からこの医者の治療は何度となく受けている。
 時には普通の怪我ぐらいでは相手もしてくれない。
 未熟な頃から世話にはなっている。だからこそ、動くなと言われれば、動いてはいけないのだ。

 だから、熟練した男は指先が突き立てられても微動だにしない。
 言われたままに。

「おい、大丈夫、なのかよマジでこれ。つか、根が入り込んでたのかよ……。」

 己の眼球に指がめり込んだことではない。しかしなんとも不思議な体験。
 指が己の目にめり込む瞬間を見せられ、それが何かを掴んで引きずり出す。
 指先から突き刺さり、根が切断面から出てくる。
 ……まるで指先から体の中央、脳へ向かうかのような挙動を見せていて。

 その根が、指に突き刺さる傍から切断され、実験道具らしい器具に封じ込める。

「え。処置これだけ? センセー。え、これ目見えるようになるよな。」

 腕は信じているし割とたんぱく。これは大丈夫な反応だと分かるが。

「目はこれで……、声は、また聞こえるかどうかか。後は動悸と勃起のほうか。」

 チラッチラッ

ジャック >  
「毒が生きてる、ね。もしかしたらそうなのかもしれないよ」

ガラス製の容器の中で斬り落とした指と絡み合っている寄生植物の根。
ヘビ同士の格闘にも見えるそれは、どうやら自身の指の方が優勢らしく見えた。

「あぁ、問題なく治るよ。スライムの一部の種は粘液が一定量残っていれば、ほぼ核だけになっても再生するのは知っているかな。核に書き込まれた情報から分裂再生するらしいんだが、そのスライムを改良して作ったのがさっき君の眼に塗りたくったものだ。一日もすれば元通りりどころか、視力が落ちていたとしても元に戻ってくれるよ」

出自はともかく効果は抜群の万能薬だ。
眼が丸ごとなくなっていたとしても一か月もあれば再生する。
自分で実験したので間違いない。

「幻聴の方はどうだろうね。もしかしたら体内にまだこれが残っているのかもしれない」

ガラスの皿の蓋を開く。
格闘はとっくに終わっていて、寄生植物は影も形もなくなっていた。
指だったもの――肉のスライムのような見た目だ――が取り込みつくしてしまったらしい。

「ちょっと失礼するよ」

それを指に取り、先ほどの様にその指先を尖らせ、彼の腕に突き刺す。
麻酔も何もないので、今度は見た目通りちゃんと痛い。

「うん? 何をチラチラ見ているのかな?」

コルボ > 「生きてる毒……? そんなスライムであるまいに……。」

 医者が見ている容器の中を見れば、指が根と戦っている。
 根の動きが徐々に弱まっていくのが伺えて、おぉ……、と恐れるどころか試合を観戦してるかのような声を漏らして。

「うん。うん。うん。うん。それ先に説明して?」

 なんかすっとすげえ技術ねじ込んできた。
 情報量はそうでもないのにすぐに頭に入ってこない。

「いやまあそこまでしないといけないって判断したならしゃあねえか。
 つか視力は良いよ。変わらず山向こうの実だって見えるさ。」

 本当かどうかそんなことを言いつつ、幻聴は、と聞かれればまたガラスのフタを見る。
 刺されただけで引き抜いた、と思ったが、多分根野菜の側面にある細い根のようなものが分離して体に潜り込むのだろうか。

「センセー体もスライム使ってるってことなのか? え、種族なんだっけ」

 指が溶けてしまった後を見つめつつ、スライムなのかと特盛を見て納得しかけてる矢先、指がぶすりと。

「いった!? ちゃんと理解するから説明しろって先に!?
 てかセンセー前々から思ってたけど当たり前みたいに指尖らせたりしてるけど
 みんな話題にしてないだけだからな!?」

 なんか前に戦った魔族がこんな風に指伸ばして襲ってきたことあった気がする。
 センセーの何分の一かぐらいの相手だったから頸動脈たたっ斬って殺したのを思い出しつつ。

「センセーの勃起の治療まだかなーって」

 やっぱり頭の治療は必要なのかもしれない。

ジャック >  
「正確には毒ではなく寄生されている、と言うことだよ。さっきこいつは私の脳へ向かおうとしていただろう。君のそこに残党が住み着いている可能性がある」

彼の頭を指差しながら。
あの木の根のようなものには明らかに意志が感じられた。
幻聴も、もしかしたら彼の脳に住み着いたアレが直接呼びかけているのかもしれない。

「アレの情報を取り込んだ私の肉を君の身体に流し込んだ。君の体の中を血管を通って隅々まで調べ尽くし、残ったアレがあれば取り込んで溶かす。まぁそうだな、三日もあれば終わるだろう」

引き抜いた指には彼の血こそ付いているが、さっき指先に付いていた指だったものは消えている。
彼の身体の中に入り込んで、アレを駆除すべくせっせと働いているのだ。

「私? ハーフサキュバスだよ。色々取り込んで再構成したが、何を取り込んだのかは覚えているが、全部言っていたら明日の朝ぐらいまでかかるだろうね」

ガラスの皿に残った肉ゼリーを「指先で吸いながら」、カルテに色々書き込んでいく。

「勃起の治療? 出せば治るだろう。そんなものは治療じゃあない」

ざっくり切り捨てつつ、

「ただまぁ、治療ではなく個人的に抱いて欲しい、と言うのなら、まぁやぶさかではないがね。君はいつも面白い症状を持ってくるから」

コルボ > 「脳に来てるんだとしたら、行先ぐらい言う……、いや、俺がナグアルの場所を知ってるからそこは命令を省略してる可能性だってあるのか。」

 寄生生物はそう言う仕組みで寄生する場所や生物を決めてると言う。
 だが今取り除かれた根は、害を及ぼす気配のようなものを感じられた。

「だったらその間、想定にない症状が出てナグアルに行ったりする可能性考えて、処置終わるまで入院してもいいか?
 なんていうか、こう、相手の正体は掴めないにしても、出来るだけ対策はした方がいい気がする。」

 悪意読み合い害意への対処。そういうものへの動き出しのコツは、油断しないこと。
 少なくとも自分が操られたりする程度なら、目の前のセンセーが負ける要素はないだろうと。

 尚説明されればぶっ刺されたことにはいつまでも愚痴ったりはしない雰囲気。
 貧民地区で転がり込んでくる他の患者大勢と違い、本当に自分で手に負えないことでしか来ないし、
 手に負えることは自分で処置する。
 その為に、同じ症例は自分で対処できるものならやれるようにレクチャーも受けたりしていて。

「もうそこまで行くと種族がジャック霧崎じゃんよ……。」

 揶揄ではなく、そこまで迷いなく己の体に取り込み変化していくその生き様、アイデンティティが種族性とも言えるのではなかろうかと

「……もしかしてセンセー、俺が毒の作用じゃなくて常に勃起してるという認識?」

 ヌイたらいいじゃないって。

「まー、センセーのところに来るときゃどうしてもやばい時、治療法の確立が必要な時だけにしてるしな……。
 センセーだって他の技術で何とかなりそうな案件とか論文出来てる代物とかあんま興味湧かないだろ。

 抱いてって、俺ねじ込まれる側……?」

 尻は貸さないよという顔。だがおっぱいは揉む。

ジャック >  
「うちに入院の設備はないがね。まぁそう言うことなら私の部屋に寝泊まりすると良い」

ここに生活スペースはそこしかない。

「種族ジャック霧崎、か。なるほど面白いことを言う」

くっく、と笑う。
ここまで混ざってしまえば、種族はこうだと断言できるわけではないし、となれば自身と言う種族になるのだろう。
なるほど、なるほどと繰り返しながら喉で笑い続けている。

「対処は今しただろう。対処さえすれば症状が治まると言うものではない。そもそも症状と言うのは体内の異常に反応し、身体が起こせることが起きているんだ。鍋で湯を沸かしている時に火を消したからと言ってすぐに水に戻るわけではないんだよ」

机の上を片付け、診察用のベッドに腰かけ、シャツの胸元のボタンを腹のあたりまで外しながら。

「技術や論文に興味がない? 馬鹿を言っちゃいけない。枯れた技術でも今までにない使い方をすれば全く新しいものが出来ることだってある。学問と言うのはそうやって発展してきたんだよ」

白衣を脱ぎ、無造作にベッドへ放る。

「それで? するのかい、しないのかい?」

コルボ > 「ないのにいいのかよ。
 つか観察用に一部屋ぐらいあるもんだと思ってたわ……。」

 なるほど、治療をすぐしてしまえるセンセーならそもそも必要がある方が少ないのかと改めて感心する。

「センセーは唯一無二だしな。案外グランツの旦那と話合うかもしれねえな。」

 同じように理論立てて突き詰めて話をする平民上がりの学者貴族の名前を口にして。

「なるほど。そういう理屈か……。」

 言いつつ、自分もレザーアーマーの留め具を外して、診察が終わったというのに上着を脱ぎ始めるなんとも奇妙な感じに。

「じゃあセンセーもたまに論文引っ張り出してきて読み耽ったりしてる感じなのか?」

 それこそ寝床に行けばそういうものが積んでいるのだろうかと興味は湧いてくる。
 そう言う話を聞けば、埒外に思えるセンセーも隠れた努力家のように
 凡人は勘違いをしそうにもなる。

「センセーがボタン外してる時点でやる気だよもう。
 センセーってキスからとか行く方だっけか?」

 先ほどまでナグアルの娼館という話をしていたのに、目の前の特盛を相手に出来るのも
 なんだか不思議な感覚に陥るというもので。
 ベッドに腰かけて相手に手を伸ばす 

ジャック >  
「君としてはその方が嬉しいだろう?」

にんまりとからかう様な笑みを浮かべる。
ちなみに全裸で寝るタイプだ。

「まぁたまには読むこともあるがね。知っているかい、情報を直接取り込んで自身の知識とする生物がいるんだ」

全部読んでいたら時間がいくらあっても足りない。
いや自身は時間がいくらでもあるのだけれど。

「ふふ、そういう君はムードを大事にする方かな? 君の好きなようにすればいいよ」

彼がここに着た時とは違い、されるがままに受け入れるだろう。