2024/02/23 のログ
■ケイオスギャラリー > 客が素材が来なければ店主はつまらなそうにため息を吐く。
吐けば吸っている煙草のような何かの甘い香りが広がる。
――…こうして店の明かりは消えて
扉にかかったOPENの看板は裏返るのだ。
ご案内:「骨董品店『』」からケイオスギャラリーさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区 路地」にメイラ・ダンタリオさんが現れました。
■メイラ・ダンタリオ >
戦場から再び離れている時間 巷では怪力令嬢という陳腐な通り名で浸透しているメイラ。
深夜 不安定な気温の中 今はまるで凍えるようなそれとなっている。
肩から黒い毛皮のコートを羽織るだけ 前を閉じ、体の温もりを逃がさないようにするわけではない。
飽くまでも羽織るだけに止め、長い黒髪はコートの背中で溶けあうように揺らめき、彩る。
腰に差している二刀は大と小。 やや大振り 反りがややキツイ大刀と極端に薄い大脇差の握り柄が上向きに覗いている。
白い頬は熱を帯びているのか少し火照りを示す。
強い酒を飲んだ帰りのように見え、貴族だというのに両足だけで歩み、深夜の時間帯。
富裕地区ならばともかく、平民地区を歩く姿は唯のカモに見えるようで
しかし、赤い瞳 黒く長い髪 白く尖れたギザ歯。
いくつかの人体的な特徴がメイラを示すようにしているせいか、一般的な悪質の絡みは皆無。
これでなにかあるようならば、それは何も知らない者以外にない。
暗くてよく見えないままに襲い掛かったなどとは、嘘臭く見えてしまう。
「ふぅぅぅぅぅ…、…空気が本当に冷たい。
心地よいけれど、酔いもすぐに冷めてしまいますわね。」
ほろ酔い程度なのか、両足はしっかりとしたもの。
深酔いしているわけはなく、帯びる熱と漂う冷気の具合を楽しんでいるように呟いた。
王以外は皆平等 その精神性故か、平民地区にも出没しやすいメイラの在り方
此処で歩いていること自体、珍しくもない。
ブーツの踵が富裕地区に比べ粗末な路を擦る砂利ついた音を立てている。
ご案内:「王都マグメール 平民地区 路地」にメイラ・ダンタリオさんが現れました。
ご案内:「骨董品店『』」にケイオスギャラリーさんが現れました。
■ケイオスギャラリー > 広いと言われれば広いかも。
狭いと言われたら詫びの言葉もない。
平民地区にひっそりと存在する骨董品店。
客は入店した何もかも。
冒険者であれ、貴族であれ、貧民地区の住人であったもだ。
人間でもミレー族でも不死者でも、人型で対話可能であれば誰であれだ。
店内にはそんな客相手に薦める品の数々が展示されている。
通常の半分くらいの大きさの女神像に手のひらサイズのガーゴイル、真っ黒に塗りつぶされた絵画に大鏡、珍しいところではビキニ鎧に両手剣などの武具まである。
その奥には店主が頬杖をついて暇そうにしている。
全身を怪しげな外套で身を包み、露出しているのは煙草を咥えている口元だけ、店内にはそんな店主の咥えている煙草のようなものの香りが広がっていて――ひどく甘ったるい香りがするだろう。
さて、今宵はどんな素材が届くのだろうか。
今宵はどんな美術品が選ばれるのだろうか。
酒の肴か、甘味の代わりか、どんな顔でどんな声で、楽しませてくれるだろうか。
唯一外部に露出している口元を柔らかな笑みの形に歪め、その時が訪れるのをのんびりと待っている。
平民地区にある骨董品店『』。
窓からはあたたかな光がこぼれている。
まるで通りかかる者を誘い招く誘蛾灯が如く。