2023/12/03 のログ
ご案内:「図書館」にレヴィアさんが現れました。
■レヴィア > ――夜の図書館、吸血鬼の少女?が本を数冊抱えてやってくる。
王都マグメールの平民地区にある図書館。
魔導人形たちが24時間眠らずに書庫の整理や貸し出し返却の対応を行っている。
吸血鬼の少女はそこに寄贈する為の本を持ってきたのだ。
持ってきたのは古い絵本に童話に寓話、あとは市場で売れた自作の小説の残り等、価値があるかわからない、古本屋に売るのも面倒なのを寄贈しに来たわけであるが、重厚なる扉に入館を阻まれている状態なのだ。
細腕で本を抱えるように持っていると当然手は使えない。
じゃあ足でけり破れば?と思うがそれは『可愛くない』ので却下だし、霧になって扉を抜けるにしても本が霧になるわけではないので引っ掛かる――つまりチェックメイトだ!という感じで、図書館の入り口の前をウロウロするしかないのが現状である。
足先でノックをすれば、中で働いている魔道人形達が気が付いてドアを開けてくれるだろうか、それとも声をあげれば……と思うのだが、加減を間違えると声も破壊兵器になりかねないので、大声は出したくない。
どうしたものだろうか?
どうすれば可愛く、エレガントに、この強固な扉を開くことが出来るのだろうか、無力なる吸血鬼の少女?はウロウロしては立ち止まり、小首をかしげて悩んだり、と、傍から見れば終始怪しい行動をとっているのだった。
ご案内:「図書館」にノーマさんが現れました。
■ノーマ >
相変わらず、街のことはまだよくわからない。
わからないから、夜だろうととりあえず歩き回っている。
それで、今日はトショカン、なるものを見に来てみたのである。
……といっても、本なんて読めるのだろうか?
そんな疑問もかすめたが、まあ何事も経験というかそんなものだろうと気軽にいく。
「……お?」
ついてみれば、なにやら入口あたりをウロウロする人影が一つ。
あれ、ずっとやっているって話だったけれど閉まってたりするんだろうか?
それともナニかの探しものだろうか?
そんな事を考えながら、人影に近づく。
「もしもーし、どったのー?」
はたから見れば不審な人影に、特に危機意識もなくのんびりと声をかける
■レヴィア > こんな時間にこんな場所、それに加えて扉をどう『可愛く』あけようか、悩んでいたところに急に声をかけられると、不意を突かれた形になるわけで、思わず出た声は……。
「ヒェ!?」
と、吸血鬼の少女?らしからぬ後で反省の必要性のある声であり、全身が思わずビクンッと跳ねて硬直をしてしまう。
ここ数年来味わったことのない驚きと衝撃で、思わず霧になりそうになるのを必死で堪えながら、声のするほう方、近づいてくる人影の方を振り返る。
「あら、こんな夜更けにこんばんは。
えぇ、ちょっと図書館に入りたいのですけど、扉をあけるのに両手が塞がっておりまして、困っておりますの。」
取り繕えただろうか。
いつも以上に人懐っこさを表面に浮かべた柔らかな微笑みを浮かべる表情で、声をかけてくれた親切な人に答えると、両手がふさがっている理由を説明するのに、両手で抱きかかえている数冊の本に視線を落とし、また視線をあげて、浮かべたばかりの微笑みを困った表情へと変えるのだった。
■ノーマ >
「ありゃー、ごめーん。驚かせたー?」
思わず声をかけてしまったが、だいぶ面白い声が飛び出てきた。
どうやら驚かせてしまったようだ。
申し訳ないことをしたかな、とちょっと思ったりする。
まあでも過ぎたことだし、仕方ない。
「おっと、そうだったねー。こんばんは。
ああ、そっかー。確かにそれじゃ扉開けづらいかー。
いやいや、トショカンが閉まっているのかと思ったけど違ってよかったー」
とりあえず、最悪のケースは避けられたらしい。
……とはいえ。はて、自分はトショカンに入ったとしてナニを見るべきなのか。
魔獣の本、とかだろうか?
うん、無計画なこと甚だしい
「じゃあ、うちが開けよっか。
にしても、たくさんの本だねー。それ全部借りたのー?
本、好きなんだねー。おすすめの本とか聞いていい?」
寄贈、なんていう選択肢は思い浮かばない。
そもそも、そんな行為を知らないわけだが。
というわけで、そういう結論になるのもやむなし。
■レヴィア > 驚くも何も始祖吸血鬼として生きてきて此処数年来なかったレベルの吃驚で、あっ『ぴぇ!?』の方が可愛いのでは?と考えてから驚きの声をあげる事すら出来なかったのだ、寿命も数年分は縮んだかもしれないが、それはそれで思考の隅に片づけて置く事にする。
「驚きましたよ?図書館の中から声がかかるならともかく、こんな夜更けに聞き覚えのない声で、急に話しかけられたら、驚かない理由がなくて?」
抗議をするつもりはサラサラないが、驚かせた?と問われたら、驚きましたと素直に答えてから、彼女の挨拶の言葉に「素敵な夜にこんばんは。」と両手がこの通り両手が塞がっているので簡易的な挨拶と軽い会釈を返す。
「えぇ開けてくださると本当に助かりますの。」と、再び唇に微笑みを宿せば、彼女のもっともな質問に答えるべく、んーっと少し悩んだような声をあげてから、軽く小首をかしげて。
「えっと、まず抱えている本は図書館に寄贈する為にもってきた絵本とか童話の本で、おすすめの本はどうでしょう?
貴女がどんなお話が好きか、普段どんな本を読むのか、によっておすすめ出来る本が違うのですが。」
で、最初の質問は答えるのは容易いが、次なる質問が一番困った。
自分の書いた小説を押しつけておすすめ!と出来れば良いのだけど、今宵持ってきて寄贈する自作の小説は甘ったるい恋愛小説で好き嫌いがはっきり分かれる本である。
それ以外をお勧めするとなると、読む側の趣味が色々出てくる物だし、恋愛嫌いに恋愛本をホラー嫌いにホラーを怪談をお勧めするわけにもいかず、首を傾げながらどんな本が好きかを聞いてから悪い意味ではなく良い意味での適当なすすめることにした。
■ノーマ >
「あー、ははは。それはまあごめんよー。
いや、トショカンの前で何かウロウロしてる人影が見えてさ。
見れば、暗い中に黒い感じのカッコでよく合ってはいるけど、それはそれとして不思議な感じだったし。
で一応、うちもトショカンを見に来たから用事はあったし声かけちゃったわけ。
ああ、時間はー……うん、なんか気づいたら遅くなってたねえ。」
真面目に誤っているのかイマイチ分かりづらい、のんびりとした空気感で謝罪する女。
ちなみに、夜でもいいという思いと道がろくにわからず迷ったのの両方のせいでこんな夜になったのだった。
それは、まあ……いわなくてもいいかな、などと思ってしまう。
「さて、じゃあよいしょ、と」
詫び代わりと、言わんばかりに図書館の扉に手をかけて開ける。
開けながら、質問に対する回答を聞いて――
「キゾウ? きぞう、きぞう……ああ、なんかあげること、だっけか。
なるほどねー。やっぱり本好きなのかな?」
誰かに本をあげる、という発想がそもそもなかったので女はだいぶ感心する。
少なくとも、今の自分はろくに本を読んでいないから大したものだ、とも思っている。
そして
「あ、そっか。そりゃそうだ。答えにくい質問だったね。ごめんねー。
いやね。実はさー。本とかろくに読んだことなくって。
そもそもナニが好きっていうのも、いまいち……ね」
更に答えにくい条件を重ねてしまう。
そこに気づいたのか
「んー……シリアイは、恋愛ものとか好きだったんだけどさ。
だから試しにその辺でもいいかなって……
うーん、これだと勧めにくいか。いや、ごめんねえ。」
そんなふうに付け足して謝罪する。
■レヴィア > 第一印象はのんびりとした空気の割に良く喋る女性。
相手の顔を見て、身体を見て、種族や諸々の情報を執筆中の小説のネタにと気にすることであるが、今は両手で抱えている本を何とかする事が先決であり、女性が扉を開けてくれると「ありがとうございます。」と一言を付け加えて図書館の中へと踏み込む。
図書館の中は平民地区にある平凡な図書館と同じ。
天井からはあたたかな明かりの魔力を動力としたランプが図書館の中を幾つもある書架を照らしている。
ちょうど入り口近くには案内板とまっすぐに進めば魔導人形が受付応対をしているカウンターが有り、声をかけてくれた人物には失礼かもしれないが、まずはカウンターまでスッスッっと抱えている本の重さを感じさせない足取りで向かい、ドンッドサドサと本をカウンターにのせてから、女性への質問を答える為に黒縁眼鏡越しに透き通るような紅色の瞳を細めて、また笑む。
少し首をかしげたくなるのが、女性の言葉の端々に失礼な物いいをすれば無知というべきか、知っていても可笑しくないことを知らない、そんなモノを感じて、少し興味がそそられた。
例えば寄贈を知らない、図書館の発音も少し気になる。
気になる、気になる、気になって仕方ない、がグッと堪えて。
「本は大好きですよ。
そこには短命な種族である人間達の歴史と想像と思いが綴られておりますから。」
両手から本が無くなれば両手を組み合わせてから、腕をぐーっとまっすぐに伸ばして肩から腕を解しながら、ひとつひとつに答えていく、おしゃべりは嫌いじゃないのだ。
「レヴィア・スルーク・ビネヴィア、気軽にレヴィちゃんとでもお呼びくださいませ。
それならお試しにぴったりな恋愛小説を。
加えて読みやすい本を選んでご紹介いたしましょうか。」
まずは親切な女性に名前を名乗り、スカート……ははいてないので、自分の胸元に利き手をそえて、会釈ではなくしっかりと深々と頭を下げてから、顔を上げて早速聞き得た情報からおすすめの本とタイトルをいくつか選別して、紹介しようと、紅色の瞳をチラと近くの本棚へとむける。
魔導人形を紹介して終わりもいいのだが、せっかくなので未来の読者となってもらえそうな人に、そして恩には恩を返すべく、言葉を返し、女性の返答を待つ。
■ノーマ >
「ふぅん……?」
開けた扉の奥へと迷わず進んでいく相手。
確かにこなれた動作で迷いがない。よく此処は使っているのだろうか、と思わせる。
本に縁が多くの人はそうなるのだが。
そして、中には……察するところ命を持たないような……いわば人形がそこらに存在する。
「なるほど、人形かな。便利なもんだなー」
思わず口から漏らしてしまう。
こういう光景はあまり見慣れていない。多くは生命が溢れた場所しか見てきていないから尚更だ。
「なるほど、歴史と想像と思い、かー。シリアイは想像とか思いの方が好きそうだったなー。
にしても、短命……短命、ね。
それは長い命の持ち主の考えって感じ?」
そういえば、自分の寿命ってどのくらいなんだろう、とふと思いながら思わず聞いてみる。
そういう生き方の違いでも、見え方が変わるものなのだろうか。
「レヴィ……レヴィちゃん、かー……んー、いいとこの子なのかな?」
本を抱えたままの不審な姿では見て取れなかったが、礼をするときの立ち居振る舞いの綺麗さ、優雅さ。
それらは覚えがあるものだった。
それなら、こちらも一応ちゃんとしたほうがいいのだろうか?
「じゃあ、まあ……ええ、と……うん。
うちはノーマ。家名、なんて立派なものは持ち合わせてないから、ただのノーマで構わないよ。
呼び方はお好きにどうぞ」
そして、そこまで上等ではない言葉の女は形だけは綺麗な礼をする。示された礼に対して答えるかのように。
といっても
「おやおや、そこまでしてもらえるなんてなんだか悪いなあ。
ごめんね、なんだか時間取らせちゃってさ。」
真面目なのはほんの僅かの間。一転、また平民にふさわしい普通の挙動に戻る。
まるで何事もなかったかのように。
……やっぱり無礼だろうか、などと少し女は考えながら。
■レヴィア > 「んー………ならノーマさんで、年上でしょうし。」
あくまでも見た目が、だが彼女は年上に見える。
短命、長命、その辺りの話題に関しては自分から発しておきながら、その単語に触れないように彼女の呼び名の方だけに反応をし、図書館なのでそっと自分の両手を胸元で合わせて彼女の呼び名を決めて、それに決めたと小さく頷いて。
「私?私はこれでも一応貴族です。
でも立場に貴賤はないですし、畏まる場でもありませんので、気軽に、気安く、親しみを込めて、お話していただければ、うれしいですわ。」
黒を基調とした魔導ローブの裾をひらりと翻し、革靴でコツコツと図書館の中を歩く、歩くと言っても数十秒、直ぐ傍の書架まで。
「悪いと思って気にしてくださるなら、今度一緒にお茶でも?もしくは、朝焼けに一緒に珈琲…は早いかしら。」
前者は戯れに後者は冗談九割で彼女に答えながら、視線は書架に並べられた無数の小説のタイトルを黒縁眼鏡のレンズ越しに紅色の瞳を這わせ、見知ったタイトルを探し、その中でも読みやすいタイトルを探し、彼女の向けに何かいい本がないかと。
あ、そういえば性的な描写は大丈夫だろうか。
少し若い人向けの小説であれば、その辺りは無いだろう。
ない筈なのだが、その手の小説を進められたと思われても……と悩む、悩みながら、視線をチラと彼女の方へと向けて、一先ずニコっと微笑みを向けた。
わざと含めた小説を貸して、読ませたり反応を見てみたい、ちょっと意地悪心も沸くのだった。