2024/12/06 のログ
■布都 >
次なる金属を打つ。それは、盾だった物。幾度も防ぎ疲弊し、壊れかけている盾。
それを炉に入れて、赫く、赫く、熱を与えて、打てるようにする。
準備が出来た盾を打つ。
赫く燃える鉄が、鎚に打たれる金属音が響き渡る。
心地の良い音だ、これは、良い鋼を使っていると判るし、この盾に有る作りての想い、使い手の想いが理解できる。
だから。
――――だからこそ。
寸分たがわずに、修復が出来る。
新品同様に、本来の盾の姿を取り戻す。
そこに、新たな要素はない、修繕と言う物はそう言うモノだ。
持ち主を守り疲弊した盾を。
最初の鍛冶師が作り上げたときの、新品の状態へともどしていく。
それは、恐らく熟練と言う物では無いのだろう。
この鍛冶師が持つ、特殊な技術―――否、鍛冶の神の加護と言う物だ。
其処に胡坐をかく積りも無いし、技術を唯、唯、求めて鎚を振るう。
金属音が、工房に響き渡る――――。
ご案内:「タナール砦 工房」から布都さんが去りました。
ご案内:「タナール砦」にネヴェドさんが現れました。
■ネヴェド >
魔族の国、城塞を築く鎧都市より押し寄せた軍勢が砦に戦火に包む
物量は然程でもない──しかし武装された巨躯の魔物達の戦力は人間の兵など物ともせず破竹の勢いで進軍する──
軍勢を指揮する黒髪の魔族の女は虚空に足を組み上げ腰掛けながら、轟音の支配する戦場を眺めていた
「我が主の眼に留まる程の強者はいない、か…」
長い黒髪を白指に絡め、手遊びながら、
総大将の首に刃が及ぶべくもなく、退屈な戦場となった砦で女は小さな呼気とともにそう零す
「…では長引かせる必要もない…蹂躙せよ」
その一言が波のように魔物の軍勢に伝わり、怒声と咆哮をあげながらの侵略がはじまる──
■ネヴェド >
砦を攻める理由は二つある
一つは、己の主がため、その眼鏡に適う程の強者・闘士の存在確認
そしてもう一つは、人間による魔族の国への侵入…侵略の阻害
砦近くに城塞を構える鎧都市は防衛の役割の一翼を担うだろう
しかし広大な魔族の国への人間の侵入をそれだけで妨害できはしない
現在唯一とも言える入口となっているこの砦でこそ、集結する人間の兵を叩き潰す意義がある
「──大勢は決したか?」
軍勢を押し返す様子も見られない
兵の数にも、勢いにも余裕がある──早い決着だったな、と翼をはためかせ砦の地へと降り立
「潰すならば念入りに、だ。
どうせ、しばらくすればまた蛆のように湧いて来るだろうが」
征け、と指示をすれば、女の周りに控えていた剛腕の魔物達もまた、砦の内部へと向かってゆく