2023/09/13 のログ
タマモ > さて、そんな感じに、のんびりと待っている訳だが…

結局のところ、この砦での戦の結果は。
そして、少女の元に誰かが来たのか。
その辺りの事は、このタナール砦に居た者にしか、分からない。

ご案内:「タナール砦」からタマモさんが去りました。
ご案内:「タナール砦」にネヴェドさんが現れました。
ネヴェド >  
「今宵は雑兵ばかりか…他愛もないな」

率いた軍勢が砦を攻める
戦火は空を焼き、闇を照らし続けている
此処はタナール、人間の領土と魔族の領土、互いを別かつ場所

魔物達を指揮する長身の女は、やや物憂げに長い髪をくるりと指で玩ぶ
後方まで攻め込める程の戦力が、今の人間側の軍にはないらしかった

「奇襲と呼べる程でもなかったが…まぁ、単なる物量でこんなものか」

特筆する戦力がなければ、やはり人間は人間…
ゆったりと胸の下で腕を組み、戦況を遠目に見るも、これといって心躍る光景はない

「(我が主もこのような相手では悦ばぬだろうな…)」

ふ…と小さな溜息を吐きながら、煌々と燃える炎に照らされる

ご案内:「タナール砦」に九音物さんが現れました。
九音物 > 何で自分がここにいるのか、といわれたら【上が日和ったから】としか言い様がない。
元々霊桜教の布教をしている面々の警護で自分が近くにいた。
上層部から『タナールが攻められているらしいから五戒破らない範囲で行ってこい』という命令が下りて来たから。

闇が空を覆うまで持ちこたえたのは人間側の努力か、覚悟が違うのか。
この数を一人で防ぐのは無理だし、この数の人間側を離脱させるのは無理がある。
対人特化であるのだから、狙うのは定石通りに頭。
闇に目が慣れる時、人間側の少数。と言うか単独で右翼から回り込み、切り込んで来た頭のネジが外れた黒尽くめの男の奇襲だった。
相手が無能な指揮官なら気が緩み、数が減っていてくれれば楽だが。

「――流石に、無理だと思うけどね。」

とんっ、という瘴気混じりの土を蹴る音がする頃には2歩先を進む。
動ける時間はそう長くも無いのだから、伏兵というより奇襲の一撃で指揮系統を崩す。
その間に人間側の撤退を促すまでが良い所だろう。

ネヴェド >  
「──!」

手持ち無沙汰に髪を手遊びしていると、ぴくりとその長い耳が跳ねる

「別動隊…否、単騎か」

視線の先には、起用に迂回してきたのだろう、黒い人影
ネヴェドの周囲にいた魔物が壁となるべく動きはじめる、が──その手がそれを制する

「下がれ。数を割く必要はない。──隠密、あるいは気狂いか」

どういった類の者かは知らないが、単一で乗り込んできたとなれば相応の(つわもの)
しかし自身を守る必要はない、と兵を下げ…軍勢全体の動きに変化を与えぬまま、"頭"本人が伏兵を迎え撃つ構え

既にその切っ先が迫っているのであれば、女の周囲から無造作に放たれる魔力の障壁がその一撃を阻むか──

九音物 > 「――あぁ、君が頭か。」

取り敢えず中団か後方か。そのどちらかに指揮官がいる。
当たりを付けた理由は【場内で人間の兵士が押されつつもギリギリで耐えられている。大物が前線にいるような士気高揚が魔物側にない】
血生臭い生き方なだけに嗅覚だけは聞く。
そして声には実に反応が鋭い。接近をしつつも出し惜しみはしない。
腕に加護の力を宿し、狙いは精密に。殺さぬ、ではなく殺せぬ事を直感で感じ取るのだから狙うは急所。
棒手裏剣を右手に2つ。苦無を左手に2本。
1本は肌を露出させている腹部。
1本は目立つ角と角の中央。つまり眉間。
1本は豊満な胸の隆起の間。心臓。
最後の1本は目を狙う。

黒鉄でつくられているので人間相手であれば視認性も下がり。
そして僅かだが風がゆらぎその投擲が目標に正確に到達しやすくなる。
ただ、そのいずれも間に合わない。何故なら魔力の障壁が易々と阻むのだから。
隠密は正解。気狂いは――まぁまぁ、正解。

「――これだから一般品は。」

しかしその障壁が邪魔。出し惜しみしている時間もなければ出し惜しみをして命を拾える相手でもなさそう。
黒い頭巾を外し、腕に巻き付けつつ。手に取りだしたのは『妖刀』。
脇差程度の長さの其れを振るい魔力の障壁を切り裂き。その切っ先を前に突き出す事で普通の障壁程度は切り裂き、貫く。
その切っ先が届く前に。
調子を崩す様に、隠密だと口にした相手の意識をどこまで搔き乱せるか不明だが口を開いた。

「……はぁい、お姉さん。ちょっと僕と、お茶しない?お名前は?好きな花は?」

それは戦場で。少なくとも命の掛かる場面で出す様な声ではなく。
街中で親しい友人に出会った時の様な声。
気狂いの男也に。隠密を気取る也に。暗殺者なりに。もてる知識と技術を総動員して最初の一撃に賭ける腹積もり。
駄目なら離脱、成功しても離脱。
捕縛?無理無理このお姉さん無茶苦茶強い。

ネヴェド >  
並の相手にならば通じるだろう小細工は、無情にも障壁に阻まれる
──その所作を観察すれば、腕が立つことは用意に理解る。互いの戦力に大きな差があるとすれば、それは種に寄るところか

「(奇襲を防がれたというのに、狼狽は見せない…か)」

ある程度折込済みだったか、それとも───

が、その思考は寸断される

闖入者が手にした一振り…それが視界に入ると女はその眉を潜める
一目で、それが普通の得物ではないことに感づいたのだろう
だがそれがどれ程のものかまではすぐに推し量れるものでもない

「巫山戯た口を利く。…名を問うならばまずは自分が名乗るものだろう?」

黒装束の青年に言葉を返す
同時に掌を差し向け、切っ先の向かう、その一点のみ多少その厚みを高める
ただの力場に過ぎない障壁ではある、弾けるか否か──多少強固にしたところで、そういった類の刀剣(結界斬り)ならば切り裂かれるだろうが
どの道、これである程度の推量が可能ではあるか、と

九音物 > 狼狽をしている時間が惜しい。まだ切札はあるのだから、狼狽ではなく速やかに次案に行動を移す。
暗殺者が動く時には案を幾つも持っておくのが常。
奇襲が成功するとは思っていない。
成功しても確実に魔物軍が足踏みをする時間を稼げるとも限らない。
じゃぁ、自分の手持ちの札で戦況を動かせる。もしくは遅延戦闘させるには?
これを突き詰めた結果に繋がる目的が単騎奇襲。

手にしているのは戦闘面での切札。無銘の妖刀。血を吸い戦場に血染めの桜を広げる刀身は鏡面の様に周囲を映し戦況情報を逐一目で確認していた。
その切っ先と刃はかつて神刀と呼ばれていた頃なら多少強固にしたところで薄紙を割く様に引き裂けたかもしれない。

――ガィン、ギィン、ピィィィンと言う音が立て続けに。
最初の音は切っ先が圧縮された力場に切っ先が弾かれた音。
次の音は切っ先を最初に当てた個所にもう一突きを入れる音。
最後の音はその切っ先を捩じる様にして物理的な貫通力を上げて貫通し、結界を破る音。
もっとも、3手を要した以上相手には十分時間的な猶予がある筈。

総じて、刀は化物に近しい。
刀に魔力を乗せたりは出来ない。
腕力よりは思考速度、手数、戦闘経験等で戦うタイプまでは情報として残る。

「真面目か、うーん礼儀を出されると困る。
シェンヤン東部、名も無い国の霊桜教の人間。マグメール王国に移ってきた落葉桜教派。
九ホ……いや、九音物。……もう一度。お名前は?人に名乗らせて自分は名乗らないなんて、まさかね。」

手首にしびれがある。切っ先を突き立てた時の反動があり、痛みとは言わないが疲労と痺れがある。
隠す様にして――目的を遂げるために相手に乗った。
名乗れば相手が名乗るとも限らないが名前を聞き出す必要はある。
足を止めた関係で一度仕切り直しの様に重ねて挨拶を向ける。

ネヴェド >  
一撃、と迄言わずとも、破ってみせた
文字通り刃が立たなければ、そのまま障壁で押しつぶして終わり、と考えていたが

「クオンブツ…異国の名か。──ふむ」

見事に障壁を切り裂いて見せた厭客
刀剣が普通でなかったといえど、並の人間であれば為し得ない芸当だったことは明白
で、あるならば強者には礼を払うが習い

「ネヴェド。……今はそう名乗っている」

魔王の戴冠(グルゴレト)と名乗っていたのも過去のこと
一人の魔族の女としての名を名乗るようになったのは、今の主に仕えてからとなる

「さて、互いに名乗ったはいいが、首はやれない。
 ──そして、強者たる者には、我も全力を以て相手をするが礼儀だな」

艷やかな長い黒髪を大きく掻きあげ、翠玉の瞳が青年を見据える
お遊びはここ迄である、と
それをわざわざ言葉にするでもないが、青年の目の前で長身の女…ネヴェドの内包する魔力はより増大してゆく──