2023/08/26 のログ
ご案内:「無名遺跡」に肉檻さんが現れました。
肉檻 > 名も無き遺跡の奥深く。
蟻の巣の如く入り組んだ迷宮を跋扈する魔物と、至る所に仕掛けられたトラップを掻い潜った先にその空間は在った。
精巧なレリーフによって彩られた石壁に四方を囲まれ、揺らめく篝火によって明るく照らされた室内。

その中心部には矢張り精巧なレリーフによって彩られた台座と、その上には拳大程の透き通った水晶玉が鎮座していた。

永い時の流れを思わせる遺跡の最中に有りながら、色褪せる事はおろか埃ひとつ被った様子も無い真球の水晶玉。
それは揺らめく篝火の明かりを受けながら、見る者を惹き付けるような妖しげな煌めきを放ち続けていた。

肉檻 > されど、数多もの危険を潜り抜けてこの遺跡の奥深く、迷宮の支道の一本に過ぎぬその場所まで辿り着く者は決して多くはない。
結局、その日もその空間へと足を踏み入れた探索者の姿は無く、台座の上の水晶玉はただ物言わずに煌めき続けるのだった。

ご案内:「無名遺跡」から肉檻さんが去りました。
ご案内:「無名遺跡」にドラゴン・ジーンさんが現れました。
ドラゴン・ジーン > 無名遺跡。昼夜を問わず、変わらずにほぼ一切の陽射しの差さない閉塞的な空間が維持されている。数多くの遺跡特有の怪物だけならず、生きたトラップ類が作動する事も在り、安全性だけを考えるならば活動に適している場所とは到底には言えない。
しかしながら、怪物の棲息数が多いということは、即ちにおいてはその遺伝子も多種多様に渡っているという事に他ならない。よって、その採取を目的として、此処に足を運んで来る者が居る事も在った。

「………」

薄暗く、照明は壁際に立て掛けられている松明の類だけ。周囲を焼き締めた煉瓦の壁で構築されている人工回廊内を徘徊する巨大な蜥蜴のような生き物が一体散見される。表皮粘膜の腹部に位置する場所が破れ、そこから黒々とした体粘液を垂れ流しにしながら。
街でぬくぬくとしている一般人や、油断した対象ならばまだしも。生存競争の著しい環境下での強敵を相手に遺伝子を採取する事はこういったリスクも在るという事だ。手痛い反撃を受けて命からがらに情けなくも逃げ出した怪物は、回廊内を廻っていた。

そのように今も肌に感じ続けている猛獣や、それに類する危険な生命体の気配から身を隠しつつ、辿り着いたのは回廊の端に設置されている宝箱となる。

ドラゴン・ジーン > ぬるん、と、間も無くしてそこに手足をかけてとりつき、閉じられている箱の中にへと入り込んだ。施錠をされており閉じた箱も鍵穴やその他僅かな隙間さえあれば侵入するのは非常に容易だ。本来は不定形である我が身を生かして一抱え以上もありそうな豪奢な装飾の施された宝箱の中にへと逃げこんでしまう。

あたかも、この手のダンジョンにはありがちなミミックのような有様だ。そのまま内包されている財宝類に紛れ込んでその底に身を隠し、周囲の危険をやり過ごす為の休眠に入り始める。
潜り込んだ粘液の分だけ嵩増しのされた箱の容量は満杯になり、見目においては内圧によってみちみちと箱を構成している木目の板や金属部品が窮屈気にしているようにも見えるかも知れない。だが、そのような些細な変化は周辺に居る怪物達も気にしないだろう。
遺跡内に座している財宝など、食えも飲めもしないのだから。