2023/12/03 のログ
ご案内:「◆城塞都市「アスピダ」近郊の野営地」にヨハンナさんが現れました。
■ヨハンナ > 【待ち合わせ中】
ご案内:「◆城塞都市「アスピダ」近郊の野営地」にレイ・L・アイリスさんが現れました。
■ヨハンナ > 城塞都市アスピダ。血の旅団による占拠と王国軍による包囲の続く激戦地。
王国軍は決戦兵器投入までの時間稼ぎに徹し、血の旅団側も何やらきな臭い思惑を持って消耗戦に持ち込んでいた。
その最前線から少し離れた場所に、王国側の兵士達が設置した野営地の一つがあった。
騎士の一人に案内され、レイはその中を進んでいくだろう。
仕事をしたり、鍛錬をしたり、思い思いにくつろいだりする騎士達と、各所で燃やされる焚火。
そして、通常の騎士団の使う馬ではなく、翼と鷲の頭を持ったヒッポグリフの姿。
生肉を食べていたその獣は、見慣れぬ女騎士の姿に顔を上げると、鳥そのものの鳴き声を発する。
それを通り過ぎれば、ようやく目的地の、一際立派なテントに到着する。
そのテントの屋根には、主教に伝わる六枚の翼の天使の姿が描かれていた。
「…ようこそ、アイゼンブルク伯爵ヨハンナです」
内部に入れば出迎えたのは、大きなテーブルの上に広げられた、
アスピダ周辺の地形図と両軍を模した兵棋。
そして、その奥に座る赤毛の女騎士。
今回、レイと配下の騎士団に助力を求めた者である。
■レイ・L・アイリス >
肌がひりつくような緊張感。鼻を衝くような死の香り。
戦地が近いと感じるこの戦場独特の機敏は今でも敏感に感じられる。
黎明騎士団は、民草を守るともあれば戦地を選ばない。
それが如何なる死地であろうと、夜明けを届ける為に奮闘する。
その覚悟の強さだけは誰にでも負けないつもりだ。
数名の白服集団は王国騎士に案内されて辿り着いた野営地。
周りでは血の旅団との決戦に備え、各々の時間を過ごす兵士達の姿が見える。
「士気は十分みたいだな。……まだあの王国にも、立派な騎士が残っていると安心する。」
全てが腐敗したわけではない。
動機はともかく、皆目的のために団結している。
黎明騎士団団長であるレイは一度仲間に待機命令を出し、案内役の騎士についていくことにした。
辿り着いたのは恐らく重役か指揮官のテントだろう。
失礼する、と入ったテントには、六枚羽の天使と女騎士が出迎えてくれる。
彼女の姿を確認すれば、先ずは軍帽を取り、一礼。
「招集に応じ、参上致した。黎明騎士団団長のレイだ。
仲間たちには、今外で待機を命じている。必要なら呼ぼう。」
軍帽を被り直し、凛とした黄の視線がヨハンナを見据える。
やや童顔にも見えるが、見た目など関係はない。
その立ち振舞いは間違いなく騎士のものだ。
「早速だが、戦況はどのような状況だ?」
■ヨハンナ > テーブルを挟んで前に立った女騎士団長を、ヨハンナもまた感情の読めない目で見据える。
己より背が高く体格も良い、まさに威風堂々といった佇まい。
その白の軍装は、恐らく彼女のルーツであろう異国の様式を感じさせる。
「いえ、今は貴女だけで結構ですアイリス卿。楽にしてください」
ヨハンナは地図上に視線を落とす。
アスピダに籠る血の旅団と、それを包囲する王国軍。
しかし、経験豊かな騎士団長であれば分かるだろうか、王国側の戦力は明らかに足りていない状況だ。
「今現在敵である血の旅団を名乗る賊…もはや叛乱軍ですが。
連中は王国各地への襲撃を停止し、戦力をアスピダに集めています。
それに伴い王国軍も決戦に備え、アスピダへの包囲を強めている。
しかし…」
ヨハンナはレイに資料を差し出す。
それは、最近敵の戦列に現れた恐ろしい新兵器の情報。
「エイコーン。我々はそう呼んでいます。とにかくこれがこちらの戦力を消耗させている。
倒せない事は無いですが、かなりの強敵です」
並の騎士が1対1で倒せるようなものではなく、戦力を集中しようやく討ち取れる始末。
しかも、その間に休息を取った血の旅団構成員が逆撃を加えてくる有様だ。
「そこで、王国は今ありったけの戦力をかき集めて戦線維持に当てています。
王国正規軍の他に、我々のような領邦軍、貴女方のような放浪騎士団、それに傭兵隊に冒険者」
淡々と、ヨハンナの説明は続く。