2025/02/26 のログ
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ノア = セシル > 「 様子見、って…… ほんとに不便なのにっ… 」

術者当人の見解や、解呪の際のやる気度合いなど知る由もなく。次々と脳内に浮かぶ光景ごと流す勢いで、肩へ手で掬った湯をぱしゃぱしゃと掛けていれば…

「 …………………… っ、ん… ? 」

ぽふ と頭に乗った小さな手に女は振り返り、今一度解呪でも試みてくれているのかと きょとん顔で瞬き一つ。その手が頭を撫でれば 不思議そうに見上げ、その手が頬を滑るのを横目に見詰め、細い指先が顎の先へ辿り着けば ようやくそれが解呪なんかではないことに気付くも

「 ─── ─ ッ、ちょっと…… にゃにし… ── て、 」

発音が、おかしい。恐る恐る、自身の頭へと手を伸ばせば ── そこには、ふわふわの耳。更には 湯の中で重く尾が揺れる感覚に、ぶゎっ… と身体を震わせたかと思えば

「 いゃ、っ……… !!! 」

目の前の妖仙に抱き付こうと飛び付いた。避けられなければ ぎゅぅとしがみつき、避けられれば ぱしゃぱしゃと飛沫を上げて騒ぐことになるだろう。先程まであんなに心地好かった湯の中が、何故だか酷く不快で落ち着かなかった。なんならもう、若干涙目。

ホウセン > ある意味、お人好しなのが透けて見えるというか。
もうちょっと猫化の恩恵を受けて、用心深くなってもいいんじゃないかとか。
特に、彼是と酷い目に遭わされている小さな人外相手になら。
小さな手を、ぺしっと払い除けもせずに好きにさせていた結末としては順当の部類か。

「何もかにも、再現性の検証ぞ。
というか、湯の中で暴れるでない等と、童に説教をされたいのじゃろうか。」

猫っぽく扱ったら猫娘になった。
正気を疑われるような現象も、呪術を介すればできてしまうもの。
女が飛び付いてきた動機は何か。
抗議の為か、これ以上何もしないよう拘束する為か――構ってくれる相手に本能的にぴょんとしてしまったのか。
ともあれ、避けようともしなかったから、ざばーんっと湯の波を被って捕獲される。
遠慮の文字が見受けられなかったせいで、真っ白い膨らみに顔面の殆どが埋もれて。
発した言葉も、どこかもごもごと、くぐもった響きになっているかもしれぬ。

「再発するというのはよぅ分かったから、これはこれで収穫として。

――折檻じゃな。」

今更理由の説明は要るかと、濡れ鼠になってる妖仙が、じとぉ…と上目遣いに。
捕獲された側が、逆に猫娘を細い腕でホールドし捕獲し返して――

ノア = セシル > なかなかの勢いで飛び付いた為に、波を立て相手をずぶ濡れにしながら必死でしがみついた。胸元で何か言っているけれど聞き取りづらいのと、正直それどころではないほどに 湯に浸かっているのが不安で堪らなくて。“折檻” などと聞けば、いつもなら言い訳でも謝罪でも何でもして拒みたいところだけれど

「 ちが、っ…… なんか、わかん ニャぃ けどっ…
すっっっっっごくいやっ ! 」

その語彙力、幼子レベル。いちいち発音が上手くいかないことにも、今は気にする余裕もなく。ずぶ濡れジト目の妖仙に捕獲し返されようとも、寧ろその腕にすら安心するほど。頭上の耳も、ぺたりと伏せて感情を丸出しに。

ホウセン > 直立すれば、体のサイズを鑑みるに溺れる心配も無かろう。
それでも、風呂好きという稀有な個体を除いて、往々にして猫は風呂を嫌うもの。
そも、そこまで個別の要素を呪術に詰め込んだ訳でもないから、
半分は女の抱く猫のイメージに引き摺られての反応なのかもしれぬ。
ともあれ、この半恐慌状態では、ナニをするにも差し障りがあろうもので。

「ふむ、全く全くノアは仕方がないのぅ。」

小さく嘆息すると、左腕で腰を抱いたまま、右手を女の額に。
傍目には、ピンっと指で軽く弾いたように見えるだろうか。
それが、意識を酩酊させる効力を持っているのは、妖仙のみの知ること。

そうして夜の露天風呂から俄かに響いていた物音は失せ――

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ホウセン > 【移動します。】
ご案内:「九頭龍山脈 温泉宿」からホウセンさんが去りました。