2025/02/25 のログ
ご案内:「九頭龍山脈 温泉宿」にノア = セシルさんが現れました。
■ノア = セシル > 財宝目当てに九頭龍山脈の洞窟に出向くも 残念ながら収穫はなく不発に終わり、今夜は近くの小さな温泉宿に泊まることに決めた。辿り着いたのは もう日付も変わろうという時間帯だったが、幸い空き部屋を一つ確保できた。
道中付いた砂埃を一刻も早く洗い流したかった女は、真っ先に風呂へ直行。脱衣所で衣服や手荷物を纏めると一枚の引き戸を開けて、不安になるほど大自然に囲まれた露天風呂に ふるっ… と身体を震わせて。
「 …………… 寒っ !!! 」
身体を湯で流した後、走りたい飛び込みたい気持ちを ぐっと堪えて湯に浸かった。外気との温度差に ふゎ… と心地好さそうな吐息を漏らしながら、深夜の露天風呂を貸し切り状態で堪能していた。
ご案内:「九頭龍山脈 温泉宿」にホウセンさんが現れました。
■ホウセン > 基本、人を弄るのが好きだから、どうしても人の多い所に出入りする頻度が高い。
そんなロクデナシ妖仙も、たまには羽根を伸ばすことがある。
そういった時は、できるだけ雑音の少ない、心休まる立地が良いと相場が決まっており。
そうして、九頭龍山脈くんだりまで足を伸ばしたというのに。
誰か、後から入湯客がやって来たのは、優れた聴覚で拾い上げ。
さりとて、広過ぎる岩風呂故に、パーソナルスペースは確保はおろか、余りに余って仕方ない。
風流さの為か、湯の中央にででんっと岩がそそり立っているのもあり、特段絡まず、のんびりとやり過ごそうか…と、思っていた所で、お耳がぴこん。
何処かで聞いた声だと判ずると、岩の陰から立ち上る湯気を透かし見ようと目を細め。
「年頃の女子が、”くぅ~…あぁ…!”だの、”ふぅー…んんっ!”だの、聊かオヤジ臭くはありゃせんか?」
相手が誰かを察すれば、にゅうっと湯気の幕からお子様なお顔が登場。
黒髪の上に丁寧に折り畳んだ白い手拭いを乗っけて、こちらもこちらで温泉を堪能する気満々という風体で。
からかいの為に発した第一声の内、どこまでが真実で、どこまでがでっち上げなのかは分かったものではないけれど。
■ノア = セシル > 「 ─── ッ、きゃ っ… !? 」
誰も居ないと決め込んでいたところに人の声がすれば、びくんっ とわかりやすく肩を竦めて悲鳴を上げ… しかし、夜風に流され湯気が晴れると
「 ………… ホウセン、っ… ! 」
見覚えがあるどころじゃない、忘れもしない姿に、思いっきり指を差しながらその名を呼んで。
「 ちょっと、あのヘンテコな呪いちゃんと解いてよ !! 」
“偶然ね” だとか “よく来るの?” だとか… そういった一般的なお喋りより何よりも先に、最重要用件を告げる。魔術も妖術も区別なんて付かない女は、自身を猫のような姿に変える忌まわしき現象を呪いと呼び、お湯の中を すいすい… と少しずつ進んで距離を詰める。本当は、すぐにでも詰め寄ってしまいたいところだけれど… 寒くてお湯から出たくなかった。
■ホウセン > 人様の顔を見るなり、びしっと指し示してくるお行儀の悪さに、細い眉を潜め。
さも、難物は女の方であると言いたげな表情をするも、原因を作っているのはどちらか。
小さな人外の主観的には、礼儀知らずにお灸を据えたとなるから、この図々しさなのだが。
”あの”が何であるかを問い直すには、施してからの日が浅い。
抗議の主訴は直ぐに思いつくのだが。
「ふむ、妙な話じゃな。
アレは酷く一過性の物で、ちぃとばかり時が過ぎれば勝手に解けるものじゃぞ。」
女からの剣幕を受けても、暖簾に腕押し。
平素のペースは、全く小動もしない。
「強いて可能性を考えるのなら…
お主が猫になっておる時の彼是を快いものと認識しておるが故、お主自身が戻りとうないと思っておるかじゃのぅ。」
そう、趣味の悪い悪戯を施された折、いったい何があったのか。
形の良い唇は、そこで言の葉を紡ぐのを止めたが。
しかし、まぁ、不用心である。
物を言うだけなら距離を開けておいた方が安全だろうに。
ちゃぽ…と、透明な温泉の中から、細い腕を持ち上げる。
動く速度はゆっくり。
そーっと、そーっと、女の頭の上に翳してやろうとし。
■ノア = セシル > 「 嘘よ、この間なんて くしゃみしただけでっ… 」
湯から白い胸の膨らみを二つ浮かばせて、見た目だけは憎らしいほど美少年な妖仙の元へ詰め寄る。一糸纏わぬ姿だけれど… この妖仙を相手にそれを気にするのも、もはや今更だ。それはそれは不服そうな顔で、酷い目に遭ったことを訴えるも
「 ていうか “オヤジ臭い” だなんて、アンタにだけは言われたく な…………… 快い、モノ… ? 」
術の解けていない原因として考えられる理由を聞けば、まるで一気に逆上せたかのように顔を真っ赤にして
「 そ、っ…… そんなわけないじゃないっ /// 」
目の前の整った顔を見ていると脳裏に浮かぶ真っ赤な褥 ── そこでの出来事を思い出しては ふいっ と視線を逸らし、現実逃避でもするかのように冷えた肩に湯を掛け始め。
■ホウセン > 元から猫っ気の強い女である。
急ごしらえをした呪術との相性が、妖仙の予想以上に良かったのもあり得ない話ではない。
けれども、積極的に完全な解呪をしなかったのも、また事実だ。
故に、女の申告が嘘であるとは断言しない――面白いし。
「そうでないと言われても、儂とて他に心当たりがある訳ではないしのぅ。
で、あるなら、もう少し様子見をしてみよとしか。」
湯の温度は、適温よりややぬるめ。
こうにも急速に茹る筈も無し、頭の中で何を考えているかは丸分かりというものだ。
その照れこそが、付け入る隙になっているのに気付いているのやら。
ちゃぱちゃぱと水音を伴いながらの仕草のせいで、小さな手が何をしているのかも意識から抜けているのか。
そーっと伸ばしていた手で、よしよしと頭を撫でてやる。
背丈の差は、共に湯に浸かっている分だけ縮小しているものの、大人と子供の立場の逆転感は否めない。
細い指に小さな掌という子供子供した手で、それこそ猫を構いつけるように。
「そう考えれば、これも仮説の実証実験足り得るじゃろうか。」
頭の天辺から顔の輪郭に沿って指先を滑らせ、顎の先を終着点に。
こしょこしょと撫で擽るのまで…愛玩動物扱い。
但し、この幼げな人外に”愛玩”されるのがどういうことか、身に染みているのなら――