2024/03/10 のログ
ご案内:「港湾都市ダイラス “ハイブラゼール”」にノイさんが現れました。
■ノイ > ――其処はとあるホテルの一室。
「 ふぁ ――…ぁ」
どうせ昼夜の区別など無い街だ。目を醒ました時とっくに夜半であったとしても。誰に文句を言われる筋合いもない。
するりと寝台から身を滑らせて立ち上がり。寝惚け眼を擦り擦り、裸足の歩みが室内を横切って。
窓辺に身を寄せてみれば…その認識は正しい、と。改めて確認出来る。
煌々と夜を照らす灯火。焚かれる火であったり、魔導の光であったり、様々に。
ひしめき合う人々の熱気が見下ろすこの高さまで伝わってくる…というのも。
人型をした魔である少女にとっては。無数の光源がひしめき合って居る風にも感じるか。
雑多な狂騒が。淫猥な喧噪が。さも心地良い代物であるかの如く。寝起きの意識に、一糸纏わぬ全身に浴び――
「……ぁぁ、そうだ。そういえば――ねぇ。貴方…なんてお名前だっけ?」
ふと振り返ってみせた。
今し方まで居た寝台の上へ――引っ張り込んだかその逆か。
一眠りする直前まで肌を重ねていた、出遭って即、の誰かさんへ。
ご案内:「港湾都市ダイラス “ハイブラゼール”」にリクトさんが現れました。
■リクト > 臨時収入を得てしまえばあぶく銭とばかりに散財するのはいつものことである。
適当に酒を飲み歩き、適当に誰かを引っかけて連れ込んだりすることもままある。
今宵もそんな一時――ではあるのだろうけど。
少女が寝台から抜け出した辺りで己も目が覚めていたのだが、「おはよう」などというタイミングを失しまえば特に口を開くことはなく、なんとなく少女の様子を目だけで伺い――窓辺に身を寄せ、歓楽街の灯りを浴びる後ろ姿に少しばかり見蕩れてしまっていた。
自然、頬杖を突くようにして眺めていた矢先――投げられた声には、目をぱちくりとさせてしまった。
「…………おや、意外。
そういうことを気にするような子には見えなかったんだけど。」
互いにさほど会話を交わさぬままに誘い/誘われ、この部屋へと連れ込み/連れ込まれたのだから、行きずりの間柄で通すのだろうなんて思ってただけに、言葉の通りに意外に思ってしまったのはまた事実。
ゆるりと身体を起こし、サイドテーブルに置かれた果実盛りに手を伸し、一欠片を口に運び、少しだけ悪戯げに唇の端に笑みの気配を浮かべ。
「閨で名を呼んでくれるっていうのなら大歓迎なんだけどね?」
■ノイ > 「逆に貴方が。そういうの、気にしない方が好きだとか。…名バレ身バレは困るとか。そういうのなら、訊かないのだけど――」
ふわり。煌々と時に眩しくすらある夜景から身を翻す。暫し其方ばかりに向いていた視覚にとって、些か暗く感じてしまう寝台側へ…彼の側へと歩だしつつ。
「……ね。次は、そういうやり方をしてみるのも。良いかと思った――から。
同じ事だけ繰り返したって、面白くない…ニンゲンって そういうもの でしょう?」
最初声を掛けたのがどちらからで。その場所はどこだったか。…ハッキリ覚えていないが、まぁ些細な事だ。
ともあれ彼と少女はこうして、一つ部屋に転がり込む事となり。その目的であった一戦を…既に終えた後である。
寝台の傍まで戻って来れば。未だ微かに…牝の、牡の、交わりの残り香が残っている。そんな気もしてしまう。
快さ気に鼻を鳴らすと。スプリング一つ軋ませる事なく、片膝を乗り上げて。今正に果実を食む彼の口元から頬へ。手を伸ばしつつ。
「…うん、うん、そう――次はじっくり。そういう風に愉しんでも良いと思う――の。だから教え―― 、ぁ。」
要するに。二戦目のお誘いである。
頬を撫でてみせる手が…ふと、止まる。その間にもう片膝も寝台上へ。四つん這いめいた姿勢で彼の下へ這い戻った少女は小首を傾げ…
「此方も。でないと不公平だね――? ……ノイ。 うん、わたしは、ノイ――――」
思い出した。というより、思い付いた、そんな風情。此方の名を囁いてみせつつ、更に…這い寄り。這い上がり。
少女然とした裸身はその侭彼の膝上まで。
■リクト > 「行きずりの関係とかも楽しめるってだけで、別に後ろめたさとかあるわけじゃないさ。」
そういう気遣われ方は今まで経験したことがなかったからか、少しばかり吹きだしてしまいながら、違う違うとばかりに手を振る。
「…――あー、なるほど。
まあ、俺としてはありがたいところだけど―― おっと。」
少女の言うところは分かる。
ただ獣のように貪りあうのも、互いの存在を確かめ合いながら睦み合うのもどちらにも良い面はある。
つい先ほどまで理性的に交わることが出来てたか――というと、割と自信がないところではあるが。
伸される手指の柔らかさに目を細め、そのまま少女を抱きしめようとした手指が止まるのは、少女の声が止まる時と同じ。
どうかしたのだろうか?と目を向けてみれば――唐突な名乗り。
行きずりの間柄で肌を重ねる相手に向けるには意外に律儀な様子には、悪戯げな笑みの気配が薄まり、瞳を緩めて。
「俺はリクト。改めてよろしく、ってところかね。」
喉を震わせ笑いながら、今度こそ己の方へと這い上がるように迫る少女の身体を抱き支える。
己の膝上に乗せるようにすれば、少女の股座から下腹へと触れる男根――性行の残り香にせいでもなんでもなく、一度の性行では治まらぬ欲情の顕れたるそれは待ちきれぬとばかりに張り詰め、少女の下腹を押し上げるように熱と固さを知らしめていた。
柔く尻肉を撫で回しながら、唇を寄せて。
■ノイ > 「そうなら良いけど――此処はね。結構、そういうヒトも多いから――?」
場末の安宿、等ではない。そこそこ――以上に立派な宿泊施設である。
関係を大っぴらにしたくない男女、探られては困る腹の持ち主、そういった者達も。少なからず利用するのだろう。
そも――名乗ってみせた少女もまた。名前以外、例えば名字だの素性だのは一切口にしていない訳で。
互いに知った上で名を呼び合うような、交わり方、というのも…あくまで。愉しみ方、「プレイ」としての認識かもしれず。
とはいえ。寧ろ自身が愉しみ、相手を愉しませる、その為であればこそ。拘りが出て来るのだろう。
此方から名乗り。序で彼も教えてくれた。それで満足だと言わんばかりに、傾けた顔の角度を戻しつつ…ふわふわと声に出さず微笑んで。
「じゃぁ――リクト。 …リクト。 もう一回…気持ち良い事。しようね……?」
抱き寄せられる侭に詰まる距離。仄かに熱の名残を残した侭の肌身を、彼の胸元に招き入れられ押し付けて――同時に。
上から擦り付けるように自然と触れ合う互いの下肢、下腹は。じっとりと湿度を伴っていた。
まだ残っている…この部屋に入った直後、貪り合った行為の名残。彼に注ぎ込まれた生命その物と。注がれた熱に昂ぶり潤んだ牝の匂いが。
ぐちゅり、と露骨な水音をさせ、互いの好い所が擦れ合わされる感触に。期待に軽く強張る尻を撫でられ、引き寄せられる身動きに。
うっとりと目を細めては…此方からも距離を詰め。
口付け。と呼んでも足りない程に、最初から深く。
端から舌を差し伸べ、挿し入れ、絡め合わせる。口中粘膜、唾液、それ等が融け合う濡れた音。
唇同士、舌同士であれ、交わりその物とすら行為。
…名前という、ヒトとケモノを隔てる代物を得ようとも。
ケダモノをやめるつもりは毛頭無いらしい。
「っは、っ、ん――んふ ……っふっぅ、く――――」