2024/05/01 のログ
ご案内:「奴隷市場都市バフート(イベント開催中)」にティカさんが現れました。
ティカ > 奴隷市場都市バフートの夜。
照明代が余計にかかり、闇に紛れて悪さをしようとする輩も多いため、普段は表通りで奴隷の陳列などされる事はないのだけれども、大々的で開放的な奴隷祭市の開催される今は別らしい。
店先や並木の樹木は事情を知らずにみれば目を奪われそうなくらい綺羅びやかに魔導灯で飾り立てられ、夜中だろうと奴隷の見目の判別に困ることのないだけの光量が保たれていた。
情緒なく全てを詳らかにする真昼の陽光に比べ、あちこちに蟠る闇が淫靡な風情を醸す夜の奴隷市場にて、不意に甲高いスピッツの吠え声――――否、姦しく抗議する少女の声音が響いた。

「おいィィイッ! これじゃあ奴隷っつーよりただの痴女じゃねぇかふざけんなブッ殺すぞオラァッ! ――――……あァ? 周りを見てみろだぁ?? ……………………あ、うん。そうな……分かった。うん、ごめん。あたしのがよっぽどマシな格好してたわ……」

声音の主はちんちくりん。
150にも満たぬ小躯の、年の頃は14,5といった朱髪の少女である。
その身を包むは紅を妖艶に透けさせる短丈のベビードール。
首輪代わりに首筋を飾る黒レースも淫靡なその着衣には、ボトムスという物が存在していなかった。
正確を期すのであれば、花嫁のヴェールめいてすっけすけにお尻を隠す―――というかいやらしさを増す後布こそヒラついているのだけれど、肝心の秘所を覆う物が何もない。パンツどころか前貼りすら無しだ。
淡い恥毛も全てを剃られたパイパン恥丘を覆うのは、少女自身の両手のみ。
片腿に食い込むキャットガーターは挑発的なまでにコケティッシュで、下腹に浮き上がる淫紋を目にした者は猥褻な妄想を好き勝手に膨らませるだろうというとんでもない出で立ちだった。
いくら今が夜であり、今のティカが奴隷であっても、流石にこれはないだろうという抗議は一聞するには納得のいくものだろう。
―――が、周囲に目を向ければそんな痴女装束さえ淑やかと思える程に乱れた格好の見本市。詳細は各自の想像にお任せしよう。

そんなわけで不承不承、本職は冒険者であるチビは今宵の格好を受け入れる事となったのだった。

ご案内:「奴隷市場都市バフート(イベント開催中)」にキュリアスさんが現れました。
キュリアス > 奴隷と言っても様々、扇情的な色を目的とした奴隷。
労働を目的とした奴隷や、愛玩を目的とした奴隷などもそこには陳列されている。
しかし奴隷としての目印は、やはり格好と場所が一番わかりやすいだろう。
そんなバフートの市場の中に歩く者は、当然買いに来たものだけじゃない見物人もおり。
それらの身分の中にも奴隷は存在する。本人に奴隷の自覚があるかはわかりにくいが。
そんな見本市の中にはミレーの者も混ざっており、その青年は一人、不満を思い切り口にする少女を見やる。

「こんな場所に売られる奴隷としては粋がいいのにゃあ。
 元気だけど、どうして奴隷になんぞなってるのにゃ?」

ふわっ、ふわりと市場の中を身軽に、建物や人の上を軽く歩く猫の耳を持った青年が少女へと近づいて来る。
そもそも、以前にこの少女は見かけたことがある、確か冒険者をやっていたはずで。
そんな少女がいつの間にか奴隷の中の一人になっているという。
なんとも冗談みたいな状況だが、この辺りじゃよくある事なのは事実で。
捕まった割にはすごく元気だ。だからこそ気になって近づいた。

「前に宿で見たことあるけど、すごい恰好されてるにゃあ。
 何がどうしてそうなったのにゃ。ネコちゃんすごく気になるにゃ」

白い髪の毛と、猫の耳を動かしながらそう青年は近づいた彼女へと質問をする。
長身の体は小柄なちんちくりんである少女には顔を見るために見上げざるを得ない。
その見上げても、光がここまで強くなかったら見ることも難しかったかもしれない。
陳列された奴隷たちの中、明らかに不満を抱いている彼女へとこの猫が興味を抱くのは当然であった。

ティカ > 「――――あァ? ………ンだよ、ご同輩か。あんたもおつかれ」

場違い。
そうとしか言いようのないのんびりした声掛けにギロリと柳眉を逆立て不機嫌を隠そうともしない紅目が向けられる。
しかし、長駆の頭部へと持ち上げられた小顔が銀髪のてっぺんからにょっきり生えた獣耳を捉え、次いで下ろした紅瞳が尻後ろで揺れる尾を見て険を緩めた。
失礼ながらミレーであるという一点だけで、彼もまた自分と同じ奴隷身分に身を窶した者なのだろうと当たりを付けての切り返しである。

「依頼だよ、依頼。王都の貧民地区ギルドに妙な依頼があってさぁ、報酬がすげぇもんだから受けたんだけど、結果がコレ。あ、勘違いすんなよ。騙されて奴隷落ちさせられたとかトンマな話じゃねぇからな。あたしはアレだ。あくまでも期間限定の奴隷。ま、変わり種の賑やかし要員ってやつだな。知らんけど―――――って、あんたもあの宿利用してんのかよ。案外金持ってんだな、お前」

僅かばかりの逡巡の後、チビは開き直る事にしたらしい。
前かがみとなり両手で股間を隠す姿勢のままでは色々と格好がつかないという事で、『見たけりゃ見やがれこのヤロウ』とばかりにフルオープン。
つるりと毛の剃られた盛りまんの縦スジを堂々見せつけ、片手を腰にした不遜な態度での対応に出た。
とは言え恥ずかしくはあるのだろう。程よく日焼けした童顔の頬が赤い。

キュリアス > 「まぁそうだにゃ。でもそっちほどじゃないと思うけどにゃ?」

紅目を、水目が見下ろす……形になるのは少々彼女にとっては不親切か。
だから片膝をついてついでに休みながら彼女の顔が見やすい位置へと。
ゆらゆらと猫尾が左右に揺れつつ、目線はこの少女のままで青年は声を出す。

「金なんてネコにはただのおもちゃにゃ。なくてもあってもネコは困らない暮らしだからにゃ~。
 それより、期間限定とはまた本当に変わり種だにゃ?
 えーと……”チビオナホ奴隷”?すっごい頭の悪い悪口みたいなカテゴリーにされてるにゃ」

ぷくく、とその少女に題された奴隷としての二つ名が面白くてつい笑ってしまった。
同時に、フルオープンにされたその秘処へと視線を移す。
毛が剃られ、赤い淫紋がデカデカと目立つその体は雄を誘惑するには十分だろう。
チビの割には体はしっかりと育っており、アンバランスともいえるような魅惑。
不遜な態度こそしているが、そのスジマンを見せつけながら頬を赤くしていればむしろさらにそそられるというもの。

「ふーん、賑やかし要員の割にはちゃんと値段も書かれてるにゃ。
 お高めだけど普通に買おうと思えば買われてもおかしくない値段なんだけどいいのかにゃ?」

などと、彼女には見えないようにされてる値段表と看板を反対にして彼女に見せる。

ティカ > 「だよなぁ。あんた、奴隷の癖に良いもん着せてもらいやがってずるいぞ。はぁ、あんたの主人のウチの依頼主、交換しねぇ? ――――て、おいこら。ガキ扱いすんな!」

とうの依頼主の苦笑いを傍らに置いての軽口。
その最中、青年が膝を落として高さ違いの視線を合わせようとするのなら、その鳩尾に無造作に放つ膝蹴りをお見舞いしようとする武闘派。
無論、殺気を孕む本気のそれでは無いにせよ、無駄に正確な狙い故に手もなく食らえば噎せ返るくらいのダメージは受けようか。

「はぁ……猫、いいなぁ。すっげぇ気ままじゃねぇか。あたしは人間だからせこせこ小銭稼がねぇと生きていけねぇんだよなぁ―――――ん? 今なんて?? ぅおおおィこらぁああッ!? てめぇ、奴隷だからって好き勝手してんじゃねぇぞぼけぇええ!! こちとら《首輪付き》じゃねぇんだからなっ! あんまふざけたことしてっとグーパン見舞うぞクソ商人!!」

青年の指摘にぎゅんっと商人に顔向けるチビ。
危険を察知し剣闘士上がりのデカブツ(商品)の背に身を隠す雇い主。
ちっちゃな両拳を振り上げてぎゃーぎゃーわめくチビと、それから逃げる商人という奴隷市場ではあまり見られない一幕は、赤布に包まれた形良い双丘の揺れ弾む様、透け布ひらつくお尻の丸み、そして何より頭上に淫紋を抱く剥き出しのパイパンによって大いに客を引いた。
ともあれ、最終的には依頼人の口車にまんまと乗せられ《チビオナホ奴隷》という役職を受け入れたちんちくりんは、再び気の良い猫の所に戻ってきた。
迫害種のミレーで奴隷の癖に悲壮感の無い青年に、今は同じ身分という事もあって若干の親しみを抱いていた。

「――――ま、これも仕事だ。買われた場合は依頼料とは別にその金の半分をあたしに返してくれるっつー事だし、そーゆー事も覚悟して受けた依頼だしな」

キュリアス > 「ん-。ご主人様今どこにいるかわかんないから無理かにゃあ。―――うごぉっ!?」

その武闘派膝蹴りが綺麗なまでに鳩尾にはいり、素敵な悲鳴が流れる。
「痛いにゃ!痛いにゃ!」などと胸を抑えて転げまわる青年の姿のなんと無様な事か。
奴隷としての扱いとしてはむしろこの少女の方がこの国に置いては正しいのかもしれない。
が、すぐにその状態から元に戻り。

「にゃははははは!!商人が奴隷に反抗されてるにゃ!」

今度は指さしながら彼女が怒り、商人が隠れるサマを笑い転げながら見る。
痛みで転げまわった後は、笑いで転げまわり、情緒不安定なのかと思われてもおかしくはないのだが。
ただ、少女と違い青年は既に買われた奴隷の身であるからここまでの立ち振る舞いが許されているのかもしれない。
それに、なんだかんだ青年がこの状況をたきつけて客を引いたのだ。
であれば商人もさほど気にはしていないだろう。されてもすぐに猫は逃げるが。

「ふーん、じゃあ買うにゃ」

その少女の言葉を聞いて、間髪入れずに青年は商人に声を掛ける。
そのまま、いつのまにやら金の入った袋を懐から取り出して、商人へと投げ渡して。
ちゃらり、と奴隷を買われた奴隷の証として、このチビオナホ奴隷用の鎖のついた名札を受け取り。
それを彼女へと投げ渡す。

「チョーカーにそれつければここら辺歩いていいって話にゃ。
 えーと……チビオナホ奴隷のティカちゃんにゃ?
 僕ちゃんはキュリアスって言うにゃ。この場合、依頼が終わるまでティカちゃんのこと買ってていいってことになるのかにゃ?」

そう言いながら立ち上がり、長身の差を見せつけながら彼女へと飾られていた看板を片付ける。
トントン拍子で話が進んでいくが、果たしてこの奴隷、しかもミレーの奴隷の、さらに奴隷にされるという。
なかなか珍妙な事態になっていた。