2023/11/03 のログ
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 森林」にアドラーさんが現れました。
■アドラー > やや日の傾き始めた森林地帯。
街道に近い草原で男が一本の木と対峙している。
「この年齢になって勉強とは…人生とはつくづくわからない」
手に持っているのは魔導書、ではなく魔術に関する教本だ。
魔力や魔術の基礎についてあらゆる情報が記載されている。
ページをペラペラとめくりながら、小さく相槌を何度か打てば次は木の方へ視線を向ける。
「では、『ファイアーボール』!」
木に右手を向けて、気合を入れるかのように詠唱をする。
初級ながらも汎用性は高い、火の玉を投擲する魔術。
それを木に向かって放つが…
■アドラー > 「…!はははは!そう来るか」
目の前の木が派手に燃え上がる。と思っていたのだが
実際手のひらから出てきたのはマッチの火ほどの火球。
ゆっくりと木の方へ向かうが途中で風に煽られ消えてしまう。
「いいさ。最初からうまく行くとは思っていない。
それに強すぎて火災にならなくてよかった。マッチがない時の火種にはできる」
最初から森を燃やせるほどの派手な火を出せるほど魔術は甘くない。
むしろ初めてで火を出せただけでも上出来といえる。
そんな具合に自己評価を甘くしつつ、言い訳のような言葉を述べる
「次は…」
ペラペラと教本をめくりながら、次にどのような魔術を試そうか。
少しだけ心が躍る。
■アドラー > 「これか。『ライトボール』!」
人差し指と中指をくっつけ、上に向ける。
短い詠唱の後に指の上に出現したのは小さな白色の光源。
魔力を供給している間、それは周囲を照らすが…
「光の強さがわからないな。目を痛めるほどの照度ではないのは確かだが
次は夜になったら試そうか」
日が傾きかけているとはいえ、周囲はまだ明るい。
どれほどの照度でどこまで照らせるのかがわからない。
時間帯や場所を変えて再度試してみるか、と頷く。
「光源を作り出す魔術は便利だ。
強くすれば目くらましにもなるんじゃないか?手を添えずとも使えるようになれば松明が不要になるか」
ふっと魔力の供給を止め、光を消す。
様々なシチュエーションを想定しながら、ぶつぶつと独り言をつぶやく。
そして教本のページを再度めくり始める
■アドラー > 羽織っている外套を脱ぎ、ナイフを二振り取り出す。
外套をたたんで地面に置けば、教本に書いてあることを暗記して
土埃で汚れぬよう外套の上に置く。
この魔術、いや具体的には魔術ではないのだが。
詠唱は不要。精神を統一してナイフに意識を向ける。
「はは、かっこいいじゃないか」
青い魔力を纏ったナイフ。
刃の輪郭は青く、魔力の漣を起こす。
二振りのナイフを逆手に持ち、木に対し、目にもとまらぬ連撃を繰り出す。
「なかなか使える。威力も上がっている。刃こぼれもない。
死霊への有効打にもなり得るな」
連撃を終えた後に木から離れ外套の方へと戻る。
数秒後、ひしゃげる音とともに斬撃を浴びせた部分が複数に分離し、木が倒れる。
木が倒れる轟音に反応し、鳥がバサバサと飛び立ち、小動物が逃げたのか草木もざわめく。
「…欠点は疲労と目立つ、か」
展開している間は魔力の放出が続く。
魔力の量はトレーニングで総量を増やせるみたいだが、自分は先天的に多い方ではない。
ややあがった息を整えながら、ナイフを仕舞って外套を着用する
■アドラー > 「本当に目立つ。注目されるのは得意じゃないのだが」
音を聞きつけ、やってきたのは複数の魔獣たち。
赤黒い眼光が複数、殺気を伴って草木の中に。
それを察知して、呼吸を整える。
懐のナイフを取り出して臨戦態勢を取る
「早速実戦だ。始めようか」
狼型の魔獣が飛び出し、それに向かってナイフを振るう―――
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 森林」からアドラーさんが去りました。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 洞窟」にエルバさんが現れました。
■エルバ > ダンジョンと化した洞窟の中を一人歩む少女――服は所々破れ、露出した手足は擦り傷が目立つ。
幸いにも、致命傷に至る怪我はないが、先程から体の調子がおかしい。
「――――……絶対、まずったよねぇ……。」
ぽつり、小さな声で呟いて、先程倒した魔物を思い出す。
普段であれば、そう脅威にもならない昆虫型の魔物。
然し、その内の一匹が変異種だったのか、傷を受けてから倦怠感やら火照りやらが段々と酷くなっていた。
自然と、腰に提げるマジックバッグに視線が落ちる。
解毒薬は万全を期して持って来ている。
だが、ポーションを使うにしても、今の自分がかかっている異常や、それに合わせた種類を使わなければならない。
――今この場で、それが出来ればどれだけ良いか。
ふう、と小さな溜息を吐きながら、枝分かれする洞窟の細道を、休める場所を探して進み。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 洞窟」にサイエーガ・テンタクルさんが現れました。
■サイエーガ・テンタクル > 少女が進む細道の先――少しばかり広まった場所へと辿り着くだろう。
数人程度なら寝転がっても十分な広さがあり、入り口となるのは今通ってきた道であるが故に大型の魔物はそうは訪れないであろうことと、隅の方には地下からの湧き水らしき水場もあれば、小休止を取ろうという選択肢が生まれるかもしれない。
――その場を塒にしているのは魔物の一部が変異した"元凶"が、天井に張り付き、体色が洞窟に溶け込む形で張り込んでいることさえなければだが。
その広間に漂う、仄かな甘い香りは嗅げば嗅ぐほどに、少しずつではあるがその身を蝕む倦怠感や火照りが増すことにのもなるだろう。
■エルバ > 暫くも歩けば、細い通路が開ける。
目の前に広がるのは、休憩を取るには十分なスペースに水場。
唯一の出入り口となるのだろう、今自分がいる通路付近にも罠はなさそうだ――と、疲労と変調もあってか、天井に貼り付く存在にも、仄かに香る甘い匂いにも、気付けなかった。
それから、中へと足を踏み入れ、出入り口へと魔物除けの香をマジックバッグから取り出して設置する。
むろん、これが効くのは、先程戦った昆虫型の魔物や、低級な魔物だけだから、最低限の安全確保であるのだが。
「これで良し、と。」
呟きながら、湧き水の方へと歩み寄って腰を降ろし、バッグの中から解毒薬を探し始める。
今の己の状態に、ああでもない、こうでもない、としている間も、少しずつ増す体の重さや孕む熱量。
次第に零す呼気は乱れ、手指の動きが鈍っていく。
■サイエーガ・テンタクル > 焚かれるお香が、広間に漂っていた仄かな甘い香りを覆い隠すまでにはそう時間が掛かず、けれども催淫の効能まで打ち消すには至らない。
解毒薬を探す最中でも、じわり、じわりと少女を蝕む淫毒の熱がその身に広がっていく。
その身を蝕む毒の由来を同じである淫香と相まって、その毒性を強めていく。
手指に僅かな痺れを覚える頃には、その身を灼くような熱が、淫熱が――胎から疼きを伴い、身体中へと広がらんとするときに、"ソレ"は動いた。
天井から迫る蔦のようなそれ。
少女を拘束するように襲いかかったそれは植生のように見え、けれども四肢のどこかにでも絡みつかれれば、それは血の通った――触手であることは容易に察し得るだろう。
てらり、と光り滑る粘液に塗れたそれは、露わになった肌へ舐めるように這い絡みついて、少女を捕まえようと天井から雨のように蝕腕を降らせていく。
■エルバ > バッグの中を漁り、取り出す動きが更にと遅くなり、体を苛む熱は肌を薄っすらと湿らせ、神経をひりつかせる。
座り込んでいるのにも関わらず、体を起こしているのが億劫で、内側を灼く熱が胎奥へと溜め込まれていくような。
まずい――と、思い至った頃には、時既に遅し。
疼きを訴える熱が広がりを見せるのと、鋭敏になった皮膚に触れた”何か”に気付いたのは、どちらが先だったろうか。
「ッ――――――!?」
気怠さに前傾になっていた体では、天井から降り伸びてくる触腕に気付けず、バッグを漁る手を絡め取られた事で、漸くこの空間の中に己以外の何かがいる事に気付いた。
肌の上を這う、滑り気を帯びた肉の腕。
血の気を引かせながら、振り解こうと腕を勢い良く薙いで藻掻き。
■サイエーガ・テンタクル > 少女の腕に絡みつく蝕腕は、太さで言えば少女の腕より一回り大きい程度。
勢いよく振り払うこともできそうではあるが、見た目よりも力強いそれは離れることはなく、寧ろ足掻けば足掻くほどに、より拘束を強めるように絡みつく這い寄っていく。
他の触腕もまたその機を逃さぬように群がるように少女へと迫り、腕や腰、脚や足へと及べば滑る体液を擦りつけながら絡み掴み―― ぐぃ、とその身を持ち上げるように"掴み"上げていく。
人を襲う魔物には幾つも種類はいる。
今少女に襲いかかっているこの魔物も例外ではない。
無論、捕食のためではない―――その答えは少女の身体に絡みつく際に衣服を濡らした粘液が指し示す。
濡れた衣服が、すり切れ、解れ、まるで風化するかの如く、少女の身体から崩れ落ちて肌を露わにさせれば、察し得ることができるかもしれない。
この魔物は人を――牝を襲うタチの悪いものだと。
■エルバ > 腕を振り薙ぐも、一向に離れる気配のない触手。
それ所か、より強く頑強に絡み付いてさえくる。
反射的に逃れようと及び腰になる体は、然し、新たに伸ばされる触手に手腕を取られ、その場に踏み止まる事すら怪しい。
「ッこ、の……!」
触腕が胴へと回り込んだのとほぼ同時、体の浮く感覚。
最後の足掻きとばかり、崩した表情の儘暴れるも、爪先が硬い地面を蹴り掠めるだけに終わってしまうのだろう。
やたらと大きく耳に響く自分の心臓の音。
死への恐怖を前に強張っていた顔が、己の衣服がぼろになって落ちていくのを視界に留め、異なる意味で引き攣った。
「や、だ―――離して、離してよ……っ!」
■サイエーガ・テンタクル > 藻掻き、足掻く程にその身を包んでいたはずの衣は、少女の焦燥などに構うことなくポロポロと崩れ落ち続け、拘束を強めるように絡みつく触手群もそれに続く。
抗い、魔物を拒絶する言葉を吐き出す頃にはその身に残る布地はどの程度か。
露わになった肌を舐めるように触れる触手とは別のソレが、唇を開いた少女の口元へと迫り塞ぐ。
口内へと潜り込んだ瞬間に滲む粘液が少女の舌先を、喉奥へと流し込み――淫毒で灼く。
抗う余地も、逃げる余地も、何もかも磨りつぶすがために。
いつしか、少女が通ってきた道は触手によって閉ざされ、秘されていた魔物はその体色を露わにする。
血色が混じった肉色のそれは大きく、部屋を覆う様はまるで魔物の腹の中のよう。
腹の中で起こる災難の行く先は誰も知らぬことで。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 洞窟」からエルバさんが去りました。
■サイエーガ・テンタクル > 【移動します】
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 洞窟」からサイエーガ・テンタクルさんが去りました。