2025/05/24 のログ
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 旧道」にファルスィークさんが現れました。
ファルスィーク > 冒険者ギルドで受けた依頼は、旧道に出没する魔獣、魔物などの討伐頼で、定期的に出されるもの。
暇潰しと生態系の確認、加えて人通りは少ないが領地へも通じている道である為に、安全は確保しておいた方が良いだろう。
取りあえずの理由は、そんな所ではあった。

人気のない鬱蒼とした森に響く雨音。
生憎の空模様である為、音や匂いが搔き消されるので、奇襲を受ける確率は高くはなる。
故に周囲に多少の警戒をしつつ一人、旧道を歩いていたがその歩みは遅め。
魔獣や魔物の類であれば探知に引っかかるが、鬱蒼とした森に潜む獣の類にはあまり役に立たない能力。
もっとも、獣の類でも相当に飢えていなければ、人は襲ってはこないだろうが。

「……静かな森の濃厚な空気は好ましい所ではあるな」

ファルスィーク > 木々の香り、水や土の香りも混ざって特有の香りは、街で嗅ぐくとは難しい。
そんな森の雰囲気を楽しんではいたが、ふと止まる歩みは魔力の気配を察知したからではある。
その強さから魔獣の類かと見当をつけ………まだ道から距離は遠く、こちらへ真っ直ぐ向かってきていないのは、己には気付いてはいない様だ。

であれば…と―――道から外れ、森の中へと入っていき、その姿はやがて見えなくなった。

ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 旧道」からファルスィークさんが去りました。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 街道「まれびとの道」」にライラさんが現れました。
ライラ > 街道、まれびとの道の一角。
崩れた道の一部を補修する工事の護衛として新人冒険者が雇われた中に混じっての参加。
基本的には危険のない護衛依頼ではあるが、時折に襲撃があるので新人だけではなく中堅なども雇われている。
そんな中堅に交じりほかの冒険者と共に工事の護衛中ではあるが特に危険もなく。

「偶にはこういう依頼もいいよね」

主にギルドや学院で剣術指南以外は簡単な討伐しか受けないことがほとんど。
なので偶にはこんな護衛依頼も悪くはないと頬を緩め。
ただ天気がいいので眠くもなってしまい、昼寝ができるなら最高の時間ではあるが依頼中なのでそれもできず。

なので眠気に耐えながら時折に視線を巡らせ危険がないかと確認し。
それが終わればボーっと空を見上げたりとする。

ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 街道「まれびとの道」」にエズラさんが現れました。
エズラ > 「よう、ヒマそうだな――」

空を見上げているその背後から、同じ護衛依頼を受けた男が声をかける。
その手には、工事に使うのであろう、角材が二本、提げられている。

「実はオレもヒマでヒマでしょうがねぇ――ちょっと体動かすのに付き合ってくれよ」

一本は己の肩に担いだまま――もう一本を差し出す。
他にも腕に覚えのありそうな厳めしい連中がそこらに散らばっていたが――
何故、この男はこの眠そうな少女に声をかけたのか――

「――聞いてるぜ、良い腕してるのに、それほどうま味のねぇ仕事ばかり受ける女がいる――ってな」

その噂を――確かめに来たのであった。

ライラ > 「んー?暇だよ」

空を見上げていると背後から聞こえる声。
振り返ると同じ依頼を受けて顔合わせを済ませていた男の姿。
工事を手伝っていたのか、角材を手にしている姿を見ては緩い笑みを浮かべ。

「暇な依頼だからそうなるけど……依頼人に文句を言われたら任せるよ?」

体を動かすのに、そう言われ角材の片方を差し出されると、その意味を察し。
差し出されたそれを受け取れば軽く数度降って重さや感触を確認し、怒られたら頼むよと告げ。

「あー、そう言う噂が起きてるんだ。うま味はなくても生活はできるしね?」

運動ならほかに腕利きも居そう、新人でも筋がいいのもいる。
なのに自分になぜとは思ったが、その噂、おそらくは興味もあって声をかけてきたのだろうと見当をつけて。

エズラ > こちらの意図を容易に察し、さらに間髪入れず受け入れるあたり――

「――こりゃ、俄然楽しみになってきたぜ」

体を動かす――以上の展開を想定しなければならないかも知れない。
肩に抱えていた角材を緩やかな動きで頭上に構え――
切っ先に相当する箇所は相手に向ける。
もう一方の手は角材の中程に添えて半身に。

「安心しろ――現場監督連中にゃ“稽古”だっつってあっから――」

緩やかに両膝を沈ませ――

「じゃ、行くぜ」

短く告げるや、宙で切っ先を切り返し、両手上段へ。
そのまま、まずは真っ向から勢い良く相手の脳天を目がけ、遠慮無く角材を振り下ろした――

ライラ > 「偶には体も動かさないとね?」

普段使う剣より軽くはあるが問題はなさそう。
ちょっとの運動になるか、いい運動になるかは判らないが偶には良いかなと。
男が角材を頭上で、切っ先はこちらに、片手を角材の中ほどに構えるのを見返すと下段に角材を構え。

「それで納得する現場監督もあれだよね……」

呆れたような声をこぼし、次の瞬間には眠そうな目が鋭くなり。

掛け声とともに宙で切っ先が切り返され上段に代わり。
脳天目掛け振り下ろされる角材を下段に構えた角材を振り上げ弾き、
返す角材を冗談斜めに肩目掛け振り下ろす。

エズラ > 強かに己の振り下ろした角材が弾かれる。
力ではなく“技”で――
その一合目で男は既に警戒態勢を引き上げる。
袈裟懸けに迫る相手の攻撃に対し、瞬時にしゃがみ込むと、角材を己の体斜めに掲げ、しっかりと手を添え防御。
ほんの一時、均衡が続く――

「――やるなっ!」

次の瞬間には体をずらし、相手の角材を己の角材で滑らせるように体重を移動しながら低い姿勢を保ち相手の側面へ移動。
そのまま地を這う横薙ぎが、相手の足首を狙う――

ライラ > 鋭い一撃を弾き流してはカウンターの一撃。
力自慢の相手ならばそのまま打ち込んでの終了だった、
しかし男は身を伏せるだけでなく、角材を掲げて防御をして見せた。
その反応の速さに笑みを浮かべ。

「そっちこそやるね。僕は今ので終わると思ってたよ?」

その言葉に返した瞬間に男が動き、防がれた角材を滑られるように低い姿勢で移動し側面に。
力自慢かと思えば器用な動きに目を丸くし、地を這うようななぎ払いが足首に進めば迷わずに角材を地面に突き立てるようにし防ぎ。

それだけではなく、狙われた足で男の顎を狙うように思い切り蹴り上げて。

エズラ > 「ムッ……!」

横薙ぎが地に立てられた角材を打つ――
それと同時に、相手の足先が一直線に迫ってくる。
とっさに顎を上げ、そのまま器用に反転宙返りを披露しながら着地――

「――おいおい、面白くしてくれるじゃねぇか――!」

むくりと顔を上げた男の顎には、明らかな打撃痕。
相手の足先にも、その衝撃が残っていることであろう。
まともに受けることだけは避けたので、まだ問題なく動けそうだが――
あれは、避けるのが遅れれば昏倒とはいかぬまでも、数秒は目の前がチカチカと輝くことは疑いなかった筈。
男の顔に、知らぬうちに笑みが浮かぶ――
それは相手を侮るようなそれではなく、肉食の獣が獲物を前にして牙を剥く姿を想像させるもの。

「舐めちゃいなかったが――ならこいつはどうだ?」

ゆるりと立ち上がって中段に構え、切っ先を相手に向けつつ左右に振り――
数度の牽制の後、相手ののど元に狙いを定め、鋭い突きを放つ――

ライラ > 「今のを避けるんだ」

剣の勝負なのだが反射的に出てしまった足。
それを反転宙返りで着地をして避けた男の姿に感心し。

面白いことと言われ、男の顎の打撃痕とつま先に感じた衝撃に一応は当たっていたのだと。
本当に反射神経がいいと男の強さを最初に感じていたよりも一段階上げ。
面倒ごとは好きではないが、男の肉食獣のような笑みを見ては手を抜けば危ないと本能が囁き。

「舐めてもらってもいいんだけどね…っわわ!」

立ち上がって中段に構える男を前に角材を中段に構え。
左右に揺らされる切っ先を目にしては間合いを開けるように一歩下がり。
右からくるか、左からくるか、それとも……その動きを見き分けるように見つめれが放たれる鋭い突き。
後ろに下がれば追撃、伏せても振り下ろされると感じた一撃を避けるにはどうするか。
それを頭に浮かべると同時に突きの一撃から逃れるように身を捩り。
避けきれない一撃を喉の表面を擦っていく感触に眉を動かしながら体をそのまま回転させ、
横薙ぎに角材を振りぬいていく。

エズラ > イメージは無論、相手ののど笛を強かに打突する――というもの。
しかし手応えはなく、すんでのところで身を捩って回転する相手の動き。
体軸に“ぶれ”はなく、あまつさえ避ける動きは横薙ぎの反撃に繋がっている――

「ぬガッ……――」

とっさに首を捻って、あえて地面に身を投げ出す。
半回転して膝立ちになりながら切っ先を相手に向けて牽制しつつ立ち上がろうとするが――

「ン――」

ふと空いた片手で、己の片耳に触れる。
じんわりと滲む血――もう少し己のとっさの回避が甘ければ、耳が削がれていたか――

「ふっふっふっ――」

――今度の笑みはしかし、先ほどに比べて柔らかなもの。
角材を肩に担ぎ直し、緩やかな動きで立ち上がる。
その体からは、闘争心が消えている――

「ここで止めとくのが無難だな――」

これ以上は――己を抑制できる自信が無かった。

「聞いてた以上だ、本当に驚いたぜ――改めて名乗らしてもらおうか、エズラだ」

拳を突き出し、相手の技量に敬意を払った自己紹介。

ライラ > 完全に避けたと思ったが喉に感じる痛みに、考えたよりも鋭い一撃だと考え。
回避からの反撃の一撃、それは男が地面に身を投げ出す事で避けられる。

「今のも避けるんだね」

地面に身を投げ出し、半回転して膝立ちになった男に体を向け。
国を出るときに戦った相手よりも強いかもと男を睨むように見返し。

その男が耳に触れる様子にどうかしたのかと思えば急に笑い始める。
しかしの笑いは先ほどとは違って柔らかく。
それを聞いて終わりと感じれば瞳は眠そうなものに戻り、角材を避け。

「それがいいよ。もう運動じゃなくなっちゃうしね」

これ以上は笑えなくなってしまう。
なので終わりというように角材をポイ捨てしてしまい。

「どんな風に聞いてたのか気になるけど聞かないよ。エズラさんなんだ。僕はライラ」

そう言って名乗り返しては緩い笑みを浮かべて。

エズラ > 相手が角材を放棄したのが、本当のおしまいの合図。
男も同様に、得物を放って、一息つくとばかり、その場に腰を下ろす。

「ライラ――良い腕だ。やっぱり偶にはこうして、集中力を高めねぇとな――」

おおいてぇ、と血の滲む耳に改めて触れ、傷の深さを確かめる。
幸いにもホンの少しばかり皮膚が削ぎ飛ばされただけで済んだよう。

「舐めときゃ治るか――ってここじゃ届かねぇがよ」

指先についた僅かばかりの血を、無造作に己の上着で拭き取って。

「それにしても、どこで鍛えた――確かな太刀筋を感じたが、随分と我流も混じってるな――」

男自身が、ほとんど我流剣法を使うが故の、問い。

ライラ > 「そうでもないよ。僕ぐらいなら沢山いるよ。でも……こう言うのは当分いいかな」

変に疲れるしと大きな息を吐き。
痛みを感じる喉に手を添えると簡易な回復魔法で治癒し。
そうしていると男が耳の傷を気にしているのが見え。

「そんな事したら悪化するよ。動かないでね」

無造作に上着で耳の怪我をふき取るのを見れば近づき、手を添えては回復魔法で傷を癒していき。

「ん?僕の剣?それは秘密だよ。教えないからね」

そして男の問いかけには秘密といっては緩い笑み。
どこと言っても判らないだろうが、それでも念のためと。

エズラ > 「んおっ……コリャ助かる」

じんわりと耳元に感じる回復魔法の反応。
血が止まり、傷が癒えていくのを感じながら礼を言う。

「フムン、そうかよ――ま、腕がホンモノなら、別に良い――」

すっかり耳の傷が癒えたのを感じれば、立ち上がり。

「いや、しかし本当に良い運動になったぜ――今度、討伐の依頼があったときゃ、頼らせて貰いてぇな」

それじゃそろそろ、仕事に戻るかよ――
そう言って去り際に、ふと相手の耳元に囁く。

「耳の傷――ライラが舐めてくれりゃ、もっと早く治ったかもな――」

ムフフ、と助平心を隠そうともしないで。
じゃあな、と手を振り、持ち場に戻る――

ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 街道「まれびとの道」」からエズラさんが去りました。
ライラ > 「僕がつけた傷だしね」

重傷は無理だが、これぐらいなら治せると少し偉そうにし。
見た感じ治っているので大丈夫とみて。

「女の子には秘密があるんだよ」

一応は国から離れてるので進んで話そうとはせず。

「僕は疲れたよ……そういう依頼の時はこっちも頼らせて貰うよ」

男が一緒なら頼りになるかなと考え。
そろそろ真面目にしないと怒られると思っていれば耳元で囁かれ。

その言葉に顔を真っ赤にして男を見送って。

ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 街道「まれびとの道」」からライラさんが去りました。