2025/02/05 のログ
ご案内:「王都マグメール 王城【イベント開催中】」にアンジェレッテさんが現れました。
■アンジェレッテ > 王城――カルネテル・ヴィスコワニティ邸。
恭しく侍女が呼びに来た時、その娘は自室のソファの上に居た。
娘の小柄に合わせて誂えた、猫脚のソファ。
精緻な流線の蔦彫刻の木組に、織布を鋲留で張った上品な椅子に俯せに寝転び、
ひこりひこりと膝から上を揺らし乍ら書物なぞを眺めていたところ――…
扉の外より掛かった声に、ぴくりと頭を持ち上げて。
『御客人がおいでです。如何されましょうか』
そんな声を投げてきたものだから、少女は軽やかに上躯を起こす。
己に声が掛かるのは、母も兄達も留守であるから。
「いいわ。お待ちいただいて頂戴。私がでる。」
言うが早いか、跳躍めいたステップで、絨毯敷きの床に身を起こし。
鏡の前、天鵞絨のリボンで結んだふわふわ髪を数度梳く。
顎をもちあげ、左右の斜角を鏡に映して、身嗜みをチェックしたなら。
その小さな淑女は――…つんと背筋を伸ばした澄まし顔で侍女に控える廊下に出、
上品な靴捌きで闊歩するのだ。
娘の名前は、アンジェレッテ・カルネテル・ヴィスコワニティ。
――向かうは客人の待つ応接間である。
■アンジェレッテ > 真白い膚に甘紅の頬。薔薇色の唇のその娘は、
まるで仔猫を模した砂糖細工を、格調高いお包みで飾ったかのような
なんとも趣のある甘い威厳を醸す。
背は子供と称されて仕方ない小柄であろうに、
それを憚られるのは、小貌と華奢な等身の、のびやかなバランスだろうか。
高い位置に存在する腰にはきちんと括れが存在していたし、
真珠色のドレスに飾られた胸元も、慎ましくも愛らしい女性らしさを有していた。
勿論、そう在るように、少女は努力も研鑽も怠らない。
だって、娘の目指すところは、美しくも気高い――…
誰もが心奪われ、褥に誘うべくして腰を抱きたくなる淑女であるのだから。
重厚なる扉をひらき、客人の待つその豪奢な応接間にて、
少女は、にっこりと慎ましやかに微笑むだろう。
小頚を傾げ、その蜜色の髪をふありと揺らす、可憐さを覗かせて。
「御機嫌よう。本日はどのような御用向きでしょう?」
侍女が扉を閉ざしゆく。客人の接待は暫し、歓談を以て――… 。
ご案内:「王都マグメール 王城【イベント開催中】」からアンジェレッテさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 王城【イベント開催中】」にバティスタさんが現れました。
■バティスタ >
───マグメール王城・貴賓室にて。
「ご苦労さま。外してもらって結構ですよ。
城下町の宿屋に部屋をとってありますので、そちらで休んで下さい」
そう、お付きの聖騎士達に告げるのは、黒衣に身を包んだ少女。
とある聖堂騎士団…騎士修道会を牛耳る教祖とは、一目にはわからないだろう幼さである。
「夜街に遊びに出ても構いませんが…余り羽目を外しすぎないように」
柔和な笑みを浮かべ、騎士たちを送り出せば、
ドアの閉まる音を聞いてふぅ…と小さく嘆息する。
■バティスタ >
ゴシックなチェアにかけ、用意された温かな紅茶を口へ。
「…あら。さすがは王様のお城ね…。結構良い茶葉を使っているじゃない」
数瞬前の清らかかつ淑やかな印象はさらりと消え失せ、
伏し目がちに細められた異色の瞳が、ゆらゆらと揺れる紅い湖面に映し出される。
──貧民地区での奉仕と配給を終え、お得意様の王族・貴族らへの訪問。
ついでに夜会への招待を受け、王城の貴賓室を用意される。明日の夜会までを過ごすだけの部屋としては、余りにも上等。
「(ま…それだけの待遇を払ってくれているのだから、悪い気はしないけれどね)」
くすりと笑みを浮かべ、再び芳しく香るカップを口元へと運ぶ───。
ご案内:「王都マグメール 王城【イベント開催中】」にアンジェレッテさんが現れました。
■アンジェレッテ > 日中、客人が来た。騎士修道会からの特使の挨拶だという。
初老の男はよく喋った。傍らに座る聖女の、その稚き美しさと穢れ無き慈悲深さを。
聖女は――――ただ、柔く稚く、微笑んでいた。
ので、興味が湧いたのだ。
微笑むばかりの聖女の声を、話す言葉を聞きたかった。
明日の夜会に己は出向かない。日中は己は学業があるし。聖女とて暇では無いだろう。
だから、限られた侍従だけを伴って邸城を抜け出した。
質の良い滑らかなマントを羽織り。ただ、――――…単純に好奇心なのである。
斯くして。程なく聖女の過ごす貴賓室に、傍付きの信徒より耳打ちに来客が告げられるだろう。
アポイントの無い来訪は無礼だろうか?――さて。
■バティスタ >
「──ヴィティスコワニティのご令嬢が。そうですか、構いませんよ、まだ休むには早い時間ですからね」
失礼しますと前置きし、来客を告げる信徒。
どうぞ、入っていただいてもらって構いませんと伝え、信徒には退室させる。
「(…思わぬ客人…だけど。別に断る理由もないし、
呪われし血族、とはいえ王国ではそれなりに名の通る彼らのこと──)」
さて、そのご令嬢が何用か…。
小さく笑みを浮かべた口元は、少なくともよからぬことを企んでいる。
程なくして貴賓室を訪れた少女に「失礼なきよう」と言葉が添えられた上で、信徒が部屋の扉を開くだろうか。
■アンジェレッテ > 黙って言伝だけを頼んで抜け出したから、母と兄らにはきっと帰ったら怒られるだろう。
時折、この娘は好奇心という理由で突拍子も無い行動をするから、身内にも油断ならないと思われている節がある。
来訪を言伝て、許諾を待つ。従者の持つカンテラの焰が、ひらひらと揺れた。
艶めく猫の毛皮みたいな天鵞絨のケープのフードを取り払うのは、面会を許されるだろう根拠の無い自信があったから。
それは恐らく、世間知らずの稚気か、もしくは王族の傲慢というものなのだろう。
だから、恭しく開かれる扉を前に、その娘は貴賓室へと躊躇いの欠片も無く足を踏み入れる。
「御機嫌よう。聖バティスタ。
日中はわざわざ御挨拶にいらっしゃってくださって――…
お母様もお逢いできなかったことを残念がっていらっしゃったわ。」
バタースコッチブロンドの、艶やかなふわふわとした猫っ毛を揺らしつに、
娘は小頚を傾ぐ。日中の歓待時と同じように。
「御邪魔して、失礼じゃなかったかしら?私、貴女ともっとお喋りがしたかったの。」
にっこりと、悪びれない微笑みを浮かべながらだ。
■バティスタ >
年端もゆかぬ少女。
ヴィティスコワニティ家の第四子…だったか。
「御機嫌よう御座います、アンジェレッテ様。
ふふ…そうですね。またの機会に奥方様にもご挨拶をさせていただきたく思います」
カップを置き、立ち上がってその胸元に手を置いて小さく頭を垂れる聖女。
──年の頃は、アンジェレッテよりも少し幼く映るだろう。しかしどこか堂々としている様が、この少女がただの幼子ではないことを語るかのよう。
「──失礼、とは全く。
驚きはしましたけれど…、ヴィティスコワニティ家のご令嬢が訪ねて来るというのにお一人とは。
…私ともっとお喋りが?」
それだけで一人で?
と内心思うも顔や口には出さず。
つまるところ堅苦しい場所での話とは違う…察するに少女なりの好奇心か。
「そういうことでしたら、どうぞおかけになってくださいな。
お茶もカップをもう一つ、彼女に…」
どうぞ、と促しつつ。扉の前に控えていた信徒にそう命じれば、すぐにでも紅茶の準備がされて…。
やがて一礼して信徒が部屋から去れば、豪華な貴賓室に少女が二人、向かい合って座るように。
少女の前に佇むは、穏やかで清らか、貞淑な雰囲気を崩さない聖女様。
「──さて、なにか私に聞きたいことなどがありますのでしょうか?」
鈴の音のような声でそう問いかける。がっつり聖女様モード。