2025/02/18 のログ
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ご案内:「王都マグメール 富裕地区」にノア = セシルさんが現れました。
ノア = セシル > とある屋敷で開かれた宴 ── 戦場において大手柄を立て華々しい戦果を挙げた者が、爵位を与えられた 其の祝いだという。主役が所謂 “成り上がり” なだけはあり 身分に関係なく其の門は広く開かれ、様々な者達が紛れ込んでいた。

平民の出が貴族など認めるつもりもないという有力者も居れば、希望の星だと祭り上げる者達、新たな稼ぎ口にと目を付ける者なんかも、それはそれは幅広く招かれていて。

( ふー ん…… 想像以上の賑わい… )

そんなパーティーの、唯一設けられたドレスコードは “顔を隠せるマスク” ── 身分にとらわれず楽しんでほしいという、主役の願いが込められている。パーティーに紛れ込んでいた女もまた、其のドレスコードを守り 目元をヴェネツィアンマスクで覆い。マスク越しに琥珀色が、賑わう会場の観察を始める。

ご案内:「王都マグメール 富裕地区」にレグルス・ダンタリオさんが現れました。
レグルス・ダンタリオ > ”主役”を見つめる中には、黒いアイマスクの上からでもわかる若い少年がいた。
片手にはノンアルコールのシャンパンを持ち、どこか羨むような視線を”主役”に向けていて。
かぶりを振って、シャンパンを飲んで”主役”から目を離すと。
全体を観察する視線を向ける一人の女と一瞬だけ目が合う。

容姿か、その視線が気になったのか。少年はグラスを置いて女へと歩みを進めていく。
胸元を大きく開いた薄灰色のドレスに身を包み、そのマスクの下がどうであれ決して無視できぬプロポーション。
一瞬だけ目線が肢体に移った自分を恥じながらも、かすかに勇気を出して声をかける。

「こんにちは。盛況ですね」

そう少年期特有の高めの声を出して少年は彼女へと声をかけて。
少年もまた招かれた側であり、戦場で戦果を挙げたこの賑わいの中で自分も、という気持ちがある。
彼女の琥珀色の瞳に、グリーンとレッドのオッドアイが重なって。

「麗しき人。あなたもこの主役を見にこの場へ?」

ノア = セシル > ちやほやと十数人に囲まれた今宵の主役は、イメージ通りの誠実そうな男。戦場では何度も窮地を脱し、部隊の劣勢を覆したと聞く。戦場と上流社会、果たして彼にとって生きにくいのはどちらだろうか…

そんな事を思いながら、広くぼんやりと人々を眺めていれば ── 一人、黒いアイマスクの人物と視線がぶつかった。歩み寄る相手から視線を離さず 立ち姿すら変えぬまま、一体どんな人物がどんな言葉をかけてくるのかと 待ってみると

「 …………… そうね、 」

思っていたよりずっと 其の声も風貌も若く、この国の宴に似つかわしくない純粋さすら感じて。其れなりに身構えていただけに拍子抜け、といった様子で ぱちりと瞬きを一つ。

「 ん…… 主役、ね。 あたしはただ、“パーティー” ってものを味わいに来ただけよ。 」

貴方の問いには冗談めかして答え、其の返答をもって平民だと明かし。本当は 何か面白い話はないか、何か良い出会いはないか、等と… そういった企みの元紛れ込んで居たけれど。目の前の少年に そんな話はできず、薄らと笑みを浮かべて誤魔化した。

「 あなたはそうなの ? 」

レグルス・ダンタリオ > 瞬きをしたその瞳の中で、彼女は少年に何を思ったのか。
少年には考えの及ぶはずもない、ましてや初対面の人の考えなどと。
しかし、こうして話しかけたのも一つの縁として、少年はさらに口を開く。

「パーティーを、ですか。……私は……」

視線を彼女から、人に囲まれている男のほうへと移す。
羨望の強い視線がその目から放たれているのがわかるだろうか。
しかし、嫉妬のような暗い感情はそこにはない、純粋な目。

「私は、このような宴を広げられるほどの戦果を挙げたあの人のことが気になったから来ました。
 ……まぁ、招待状をもらった側ではあるのですがね」

彼女への返答として、その答えが貴族であるという証を向ける。
少年にとってはその程度の理由。しかし、その程度とは言っても彼の中では大きいのは声質で伝わるか。
主役から視線を外して、微笑みを携えて彼は薄い笑みを浮かべる彼女へと。

「主役を差し置いて自分語りをするようですが、私は軍人系の家の出でして。
 ……自分もいづれ戦場に立つことを考えたら、あそこまで華々しい戦果を挙げられるのかと。
 まぁ、こんなことを考えているようでは一人前など夢のまた夢ですがね。
 麗しき人。あなたはこの”パーティー”をどう感じておりますか?」

ノア = セシル > 会場を彩る華やかなドレスの中、何とも地味な薄灰色を纏った女。下手に悪目立ちしないよう、今宵はこの色合いを選んだ。其れに比べて目の前の少年は、生地といい装飾といい、上質な物を纏っているように見える。何処か名のある家の子息だろうか、等と考えていると…

「 気になった ? 」

ちらり と見せられた招待状が、答え合わせとなる。貴族にしては擦れていない。其れが、少年に抱いた印象。欲望渦巻くざわめきの中、透き通るような心地好い声にだけ耳を傾け続ける。そして、主役の男へ羨望の眼差しを送る少年の横顔を、ぼんやりと見詰め

「 どう、って…… これが彼の望む成功のカタチなら、他人がとやかく言う事はないけど… この理想が、すぐに折られないといいわね。高く登れば登るだけ、落ちれば致命傷、なんて。 」

祭り上げられる男を遠目に見つつ、宴には皮肉混じりの評価を。視線を黒いアイマスクの奥、左右異なる瞳へ向けて。其の二色を覗き込むように、ゆるり と首を傾げ訊ねる。

「 あなたも戦果を上げたいの ? あんな風に、みんなに実力を認められるのが 夢 ? 」