2023/12/09 のログ
■リリット・アリール・ソエティア > 「王国は内陸じゃない分、塩は余裕あったと思うけど、砂糖は最初は輸入だったのかな。
海を渡るにも塩漬け肉とか、干し果物とかいるからね…昔は果物持ってなくて大変だったみたいだけど。
そういうのを誰かに話すと、復習になるから良いと思うよ」
講義の知識を披露することは好意的に受け止め、頷いて。
船乗りと、自分に関する少女の言葉に、いつもと違う無邪気な笑みを浮かべる。
早足になった少女の後をついて、此方も早足で移動し。
「本人には軽くてもされた方は違うかもだしね。
善悪の基準はひとそれぞれだから…絶対って言いきれる事はほぼ無いと思うし。
そういうのもいるよ、極悪海賊とか山賊とかね、ああいうのは関わりたくないとしか思えない。
そうだね、それが一番だと思うよ」
海賊山賊のアジトを潰すと本気で相手の考えが分からないと考えつつ。
流石にその内容を言わないが、関わりたくないと言った時は本気で嫌そうで。
少女の知らない。ここ本来の使い方なども、人によっては悪い事に分類されるだろう。
「あー、確かにね…食べたら基本戻らないね。
食べ物の廃棄は基本したくないなぁ、船の上では死活問題だし。
ボクも基本的に実感はないね、凄い絵画って言われても、ふーんって感じだし。
それが普通の感覚だと思うよ、シースさんはそのままでいいと思う」
小市民というか一般的な思考、食べもの粗雑にするのは普通嫌がるものだ。
音も香りもしない為、今ここは普通に二人きりの空間。
甘い香りを立てるクレープとココアを前に微笑んで、食べ始めつつすでに追加を考えていて。
「シェアはいいねー、少しずつ味も確認したいし。
うん、頼んだのは、ボクが頼むのはバナナとチョコのクレープで…そうだね半々でいこうか」
この時期にあるバナナはほぼ輸入品だろう。
最初は甘酸っぱいイチゴと其のジャムクレープ。
追加は基本にして人気の高いチョコバナナ…甘味に誘うだけはあり甘い物も好きな様子で。
個室のなか換気があれているとはいえ香る少女の汗の匂い。
さすがにいわないが、それに気づいてじっと少女の首元を見つめ、気づかれれれば。
結構動いたしねと、胸元を軽く開きパタパタしながら微笑んで見せるだろう。
■シース > 「砂糖の原料というのも…暑い所だったり、逆に寒い所だったり。この辺りとは離れていそうです、原産地。
塩は、えぇ、寧ろ基本?それこそ海なら無尽蔵というか。肉だけじゃなく野菜とか果物とか。何事もバランス、ですか。
…ぁ。あー…つい。自慢したいとかじゃないんです。リリ…先生でしたら。勿論御存知の筈ですし」
敢えて呼称を先生呼びに戻すのは。此方が教わった側、彼方が教えた側。それを再確認する為。
授業からの知識を、同じ学院の教師相手に、どや顔で語っていた。その事を自覚してしまい。それはもう頬が熱くなる。
ましてや内容は教員以上の本職、船の上に関する事。
一旦此方から話題を打ち切ってしまい、後は早々に個室へと。
直ぐ席に着けるのも、注文から提供までが早いのも…こういう所で。個室制の良さに助けられたかのような。
「正にそうです。された側は忘れない物なんですよ…ずっとね。
といってもそも、えぇまぁ…子供の間の話だなんて。言ってしまえばそれまでかも。ですけど。
流石にそういうのと比べて。本当に危険な、そういった方々には。金輪際縁を持ちたくないものです。
…旅をするとか、冒険に出るとか。そういうの、しませんけど」
街の外で活躍する人々は。そういった正真正銘の悪意と、どう折り合いを付けているのだろう。
極悪非道とまで称されているし、賊、という代物が。危険且つ悪辣である事は疑いようがない。
くわばわくわばら、と首を竦めては。街から出ずに生きていこうと、引き籠もりめいた宣言。
もちろん…街の中にも、それはそれとして。危険な事柄というのは存在しているし。
思っている以上に身近に…今其処にすら。存在しているかもしれないが。
「保存食様々です。…けど、そういう特別な環境ではなくて。
必要ないのに廃棄する、というのは。贅沢ですよね。だから避けるべきだと…転倒に出せないなら割引してくれたって、ですね。
…物によっては。心は豊かになるのかもしれませんが。お腹は膨れない、訳ですし。
まぁ其処までさもしく生きる訳にはいきません。…いつか。これ、といった物を感じられれば良いとは」
思っている、と語りつつも。芸術の秋より食欲の…いやもうすっかり冬だった。
あくせくと生きて、芸術鑑賞でゆるりと心を休める…そんな機会はあまりない。それこそ貴族達のティータイムのような。優雅な休息も。
有る意味少女の精神性からすると。今日は珍しい休息の時、と。言えるのかもしれない。
だからしっかりと堪能する一貫として。幾つかのベリーをクリームと共に包んだクレープを。
小さめに切って一口一口。味わっていく。
「………っと。半分くらいで……どうぞ。
割と酸味も有りますし、甘すぎてもたれるような事は無い…んじゃ、ないかなと………ぅ、ん?
ぁ、あー…と…あまり。…き、気にしないで下さると…」
食べ歩きではない為。テーブルに運ばれたクレープは、ちゃんとカトラリー込み。
皿の上で目減りしてきたそれを半分の辺りで。ナイフで切り分け皿毎、彼の前に押しやる。
彼の側も交換してくれるのを待つ間。ふと、こちらに向けられている視線と。それが何処を見ているのかに気が付くと。
顔の前で手を振り、視界を誤魔化し。ぱたぱたと小走りで。これまた直ぐに届く追加分を。今度は自分で取りに行った。
■リリット・アリール・ソエティア > 「サトウキビとかてん菜とかね、ここら辺では自生してない筈だからね。
内陸だと塩が凄く高い国もあるしね…うん、長い航海で果物食べないと病気になるし。
いやいや、ボクが教えたことをきちんと覚えてるのは嬉しいよ?」
確かにそこら辺を教えた事もある。
とはいえその知識が身についているならそれは嬉しいもので。
少女的にはそれでも恥ずかしかったのだろう、足の動きが早くなって。
個室に入ってすぐに来る甘味。
「そうだね…そればかりはした方も同じ状況にならないと分からないと思うよ。
子供の話だから問題だと思うな、小さい頃程性格形成に響くし。
シースさんは、本気で持たない方が良いよ、それは絶対って言えるうちの一個かな。
旅行位なら、どうかな…ほら海を渡るとダイラスじゃない、港湾都市だから王都とは違った雰囲気だよ?」
街の外に出るのは、対処できるかできる人間を雇った者。
基本胸が悪くなる相手は殲滅…生き残っても鉱山など重労働奴隷なので結果はほぼ同じ。
其処は言わず、少女をさらりと誘ってみる、船で行けば結構近いしと言って、少し長めの休みとかには良いかもと。
町中の危険も数えきれないのも事実。
少女にすれば、ある意味で目の前にいる相手も危険になる事もあるだろう。
「美味しい保存食出来たらめっちゃ売れると思うんだよね。
平民地区以下の人はそう考えると思うよ…そういうのは貴族に多いイメージだよね。
というかさ、絵画ってものによっては落書きに見えるのボクだけかな?
ふふ、良い物はがあると確かに心は豊かになるかもね、自分で好きな物とか」
外は寒かったとはいえ、結構厚着しているので建物に入れば少し暑い。
芸術に限らず、自分で気に入った品を手にできれば、と微笑み。
小さな部屋で二人で甘味を味わう時間が、楽しくて。
イチゴのクレープもジャムとの相性が抜群であり、ほわっとした笑みを浮かべて。
「そうだね、ボクの方も半分くらいだし。
イチゴもジャムと一緒だと良い感じだよ、甘酸っぱさが際立って。
あはは、了解了解…ん-、でもさ…シースさんがそういう風に隙見せてくれるのは嬉しいね」
此方もカトラリー込みのクレープを半分ほど食べ。
少女と同じように半分切り分けて差し出し。
視線に気づいた少女に頷きながら、顔の前で振った他の向こうで艶っぽい笑みを浮かべ。
そして、少女が追加を持ってくれば。
「ねぇ、シースさん…バナナチョコクレープの上にアイスとか、禁忌だと思わない?」
どうせ追加も半分にするなら、バナナチョコアイスクレープにしてはどうかと、少女へ提案する。
■シース > 「………こほん。兎も角、はい。ちゃんと教わった事は覚えておく…位しか。私、出来ませんから。
私、普通です。とりたてて優秀だとか。魔法みたいな力が有るとか。…人格形成歪められて、水に流せるくらい器が大きいとか。無いんです。
と、そんな話。今するべきじゃありませんでした…忘れて下さい。
どのみちこっちの学院に来た以上。大丈夫だと思ってます…し。
…ダイラス、ですか。興味は有るかも。他に大きな街というと、ヤルダバオートに……ぁー、えー、うん」
街中とはいえ潜在的な脅威は存在するのだろうし。逆に街の外とはいえ、然るべき対策が有れば、安全だと思える。
整備された街道や立派な船便。勿論先立つ物は必要だが、それ等を利用出来たなら。一般人にだって旅行は出来る筈。
海路で知られるダイラスは。王都と比べてもずっと異国情緒を感じる事が出来そうだ。
他に、良く知られているスポットと言うと。教会の総本山然り…もう一つは。口にしない方が良いかもしれない。
それこそ悪意を煮詰めたような場所であるらしい、という事くらいは。噂に聞くような街なので。
「…今の時代なら塩に限らす砂糖方面でも。出来る物は有りそうな…ううん。
基本心の余裕、というのは。懐の余裕と直結すると言いますし。そこら辺も有るのかと。
その上でまぁ…楽しめる余裕の有無もですが。ビジュアルに対する印象なんて、本当に人それぞれですから?
どの色が似合うだろう…なんて、先程の話だって。きっと人によって答えは別だったと思います」
だから。何を良いと思うかも、それぞれ違う物だし…その中には。二人には理解出来ない芸術作品に。価値を見出す者も居るのだろう。
なので決して他者の価値観を否定はしない。ただ、好みが違う、それだけだ。
幸い甘い物の好みに関しては。彼との間でしっかり共有出来ているらしい。
お互い半分ずつ皿毎交換。バナナの方のクレープが、こちらの前へ置かれる間に。アイスの方も受け取って。
「何て、言いますか…結構。気にしぃです私。
人の目線とか。どう、見られるかとか……変に思われていないかだとか。
……分かっているんですけどね。リリットさんでしたら。良からぬ意味ではないんだ、という事は」
それでも長年の警戒心が。頭を擡げてしまうらしく。
目の前の相手に対する危険という意識。それは無いのだが…どうしても。異性という認識は強いのだろう。
仄かに熱の残る頬を冷ます意味も兼ねて。丸く盛られたアイスを先ずはばっさり。スプーンで真っ二つにすれば口へと運び…かけて。
「……それは。……恐ろしい誘惑ですね。
けれど有難く誘いにのろうと思います。今日くらい脂質も糖質も甘んじて受け容れる腹積もり、なので」
なるほど。勿論腹に入れるのは代わらないのだが。二つ同時に味わうのは…どれだけ相乗作用で美味しさに繋がるか。
半分のクレープ、その上にこれまた半分にしたアイスを載せると。やはり残り半分は彼の方へと押し出した。
発案者である彼自身が、味わえないのでは。あまりに不公平だろうから。
■シース > 【中断致します】
ご案内:「王都マグメール 平民地区2 屋台街」からシースさんが去りました。
■リリット・アリール・ソエティア > 【中断します】
ご案内:「王都マグメール 平民地区2 屋台街」からリリット・アリール・ソエティアさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」にサウロさんが現れました。
■サウロ > (滞在している王都近郊にある村の一つから馬で駆けて王都までやってきた。
治癒術の指南をして貰っている師のお使いで、冒険者ギルドに商業ギルドへ立ち寄り、
目的のお使いを済ませた後にいくばくかの時間が出来た昼下がり。
村の子供たちに菓子でも買って帰ろうかと考えながら、店が立ち並ぶ平民地区の商業エリアを歩く。
ビスケットなどは村でも食べられるものではあるが。
飴か、日持ちのする焼き菓子や乾菓子にするか、悩みどころ。)
「数もそう多いわけではないが……家族のこともあるしな」
(あまり珍しすぎるものも家族が気にするだろうか、と色々考えながら店の前を歩いていく。
時折足を止めて看板や、パン屋なども覗き見て、軽く腹を摩って具合を確かめつつ。
何か軽食でもついでに買おうかと考えている所。)
■サウロ > (────結局パン屋に入って、いくつかのサンドイッチやバケットサンドを購入した。
そのついでにパン屋で作られているパン耳に下味をつけてからりと揚げたスティック菓子と、
ラスクも塩をベースにしたものを購入して包んで貰う。
量が量であるため包んで貰っている間に、店内にあるイートイン用の座席へつく。
サービスの珈琲も貰って、目の前には卵とハムとチーズのシンプルなサンドイッチと、
白身魚フライとレタスを挟んだバケットサンドがあった。)
「天にまします我らが父よ…──」
(いつものように食前の祈りを捧げる。
幼いころからの習慣というのは、やはりどうして、中々に抜けないものだ。
早速サンドイッチから口に運ぶ。
パン生地に練り込まれた細かく砕かれたクルミが歯ごたえもあっていいアクセントで、
甘さもあり、香りもいい。潰した茹で卵をフレンチ系のソースであえて、ほどよい酸味が卵の味わいを引き立てていた。
しゃくりとなるレタスも瑞々しい。素材にこだわっている店だなとよくわかる。
文句なしで美味しいと頬が緩んだ。)
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」にタマモさんが現れました。
■タマモ > そこに少女の姿があるのは、何も特別な事、と言う訳ではない。
今日も今日とて、気紛れの散歩。
なのだから、こんな場所に居るのも、何らおかしい事でもない訳だ。
もっとも…それが、その店から見える表通りにあったのならば、普通の事であろうものなのだが。
しかし、そんな少女の姿が見えるのは、表通りではなく、そこに並ぶ建物の屋根の上。
偶然、視線がそこへと向いてしまったか。
または、少女のそうした行動を、知っている者であるか。
そうでなければ、その姿を見付ける事は、そうはなく。
少女からのリアクションがなければ、気付けないものだろう。
さて、そんな少女であるのだが…
「………ふむ」
散歩道…道と言うか、屋根だが…の途中、ふと見える、見覚えのある姿に足を止めていた。
食前の祈りとか、あれだ、信仰者とか何とか、よくやってるよね、とか思いながらも。
せっかく目に付いた、見覚えのある相手。
何か、してやるべきではないのか…とか、そんな迷惑な考えを巡らせ、眺めている。
気付かなければ、何かこちらから仕掛けるだろうし。
気付いたならば…まぁ、その時はその時だ。
■サウロ > (平和な昼下がり。
窓際に座ったままソースの絡んだサンドイッチを頬張り一つ目をぺろりと平らげた。
窓から見える平民地区の通りもいつもとそう変わらないような賑わいを見せている。
この国に不穏なネタなんていつでも転がっているものだが、こうして何もなければ平和な日常の一幕。
そんな風に感じながら二つ目のサンドイッチに手を伸ばして、ふと視線を感じた。
なんとなく、誰かに見られているような気配になんとなしに窓の外へ視線をやり、顔を上げれば。
屋根の上に見知った相手がいた。
友人知人というような間柄ではなく、青年にとっては災禍の根源的な相手。
玉子色の髪も、年端も行かないような顔立ちも、異国情緒のある衣服も、その頭部と背中の向こうにある耳尾も。)
「────、な」
(なんでこんなところに、と思考が固まる。
何度も辛酸を嘗めさせられている彼女から視線が逸らせず、その視線はこちらを見ている彼女と交わるだろう。
額にじわりと汗を滲ませて、驚愕の表情と共に身体を強張らせている。)
■タマモ > 男にとっては、まさに日常の平和な一コマ、だった事だろう。
眺めていれば、そんな風に感じられたものだ。
まぁ、己に気付いたら、そこからは…
とか、そんな事を、ふっと考えた瞬間。
「………あ」
向けていた視線に、確かに、男の視線がかち合った。
気付いただろう…それは、不意に体を強張らせる、そんな反応で簡単に見て取れるものだ。
…とりあえず、手でも振ってやろうか。
視線を逸らさず、こちらに向けたままになっているなら、そんな少女の姿が見えるのだろうが。
その後の、何度目かの瞬き、その本当に僅かな間に、少女の姿は掻き消える。
消えた少女が、どこに行ったのか、幻だったのか。
きっと、そんな考えを浮かべるのだろうが。
男の考えに対する答えは、すぐに出される。
屋根の上で手を振っていた、そんな少女の姿。
それが、いつのまにか、隣の席に居るのだから。
ちなみに、周囲の反応はない。
何かしらの小細工をしたのか、周囲の意識が逸れた瞬間を狙い、その場に現れたのか。
そこは、色々と想像出来る事だろう。
■サウロ > (軽く手を振るという仕草をした少女の姿は、僅かな瞬きの間に消えていた。
屋根の上には誰もおらず何もなく、ただその向こうに青空が広がっている
確かに目はあった。目を合わせてはいけなかったような気もするが。
窓から視線を戻した直後、傍らにある気配にそちらへ向けば──。
屋根にいたはずの少女の姿が隣にあった。
まるで最初からそこにいたかのように座って、此方を見ているのであれば、
一種の恐怖体験のように感じられるだろうか。
サウロも例にもれずヒュッと息を呑んだが、店内で悲鳴を上げることは辛うじてなかった。
それでもガタッと椅子を鳴らし、腰を浮かせるぐらいの反応はしたが。)
「っ、……ッ、?! な……、」
(恐怖というよりは純粋な驚きのほうが近い。
油断していたところにいきなりばぁと驚かされたような。
悪戯好き、と解釈してはいるが、そんな少女の姿に驚かされた心臓は煩いほど音を立てて、
思わず胸を押さえてしまうほど。
息を数度吸ってから、吐いて。その少女を碧い目が静かに見据える。)
「……っ…、何故、ここに?」
(どう声をかけるべきか、逡巡して、そう訊ねた。)
■タマモ > まぁ、その気持ちは分かる。
目の前で起こったのは、ある意味、怪奇現象とも取れる出来事だ。
己が隣に居ると知り、僅かに腰を浮かせる、そんな男の姿を見れば。
「おや、まるでお化けか何か、見たような反応。
繊細な妾な心が、傷付いてしまいそうじゃ」
くすくすと笑いながら、そんな言葉を投げ掛ける。
手を伸ばしかけていた、二枚目のサンドイッチ。
それに指先を伸ばし、一口分だけ切り分ければ、ひょい、と口に運び。
もぐもぐ…うん、美味しい。
「うん?なぜ、と言われてもなぁ。
そこも妾の散歩道、歩いておるのは、当然じゃろう?
ふふ…ついでに、これを見たら小腹も空いてな?
軽く食べられるような、お勧めの一品とか、ここにはあるじゃろうか?」
男の反応を楽しむように、見据える男の瞳を、真っ直ぐに見詰め返し。
掛けられる声に、そう答えながら、ずぃっ、と身を寄せてみせる。
緊張か、警戒か…そんな感情を含む相手に対し、それを意に返さぬ。
そんな、普段通りの馴れ馴れしい態度で。
■サウロ > 「いきなり現れれば、驚くのは当然だろう」
(確かにあの屋根の上にいたはずの少女が、ほんの瞬きの合間に隣にいるのだ。
高度な転移魔術だって、魔力の痕跡を普通は残す。
魔力や魔術について多少なりとも学ぶようになってきて分かるが、目の前の少女は得体が知れない。
愛らしい外見の通りではないのは分かるが、どういった存在なのかもサウロにとっては未知数な相手だ。
ハムとチーズの挟まるサンドイッチに手を伸ばし一口分ちゃっかりとつまみ食いする少女に、
眉を寄せながらもサンドイッチの乗った皿をそのまま差し出しながら、腰を再び落ち着ける。)
「野良猫でもないのだから、普通は屋根の上など歩かないものだ。
……ここはパン屋だ。軽食に出来るサンドイッチやバケットサンドの他にも、焼き菓子などもある」
(軽く食べるにはうってつけの店ではある。
身を寄せられれば反射的にというように引いてしまうのは、これまでの関係性を思えば致し方ないと思って欲しい。
とは言っても、彼女を完全に拒絶しきれるはずもないのだが。
馴れ馴れしい様子には困惑の色も浮かぶものの、食べてみれば中々に腹に溜まるボリュームでもある。)
■タマモ > 「………おぉ、そう言えば」
その言葉に、ぽむ、と納得した様子で手を打つ。
言われずとも分かるだろうが、とりあえず、である。
それもまた、少女の悪戯、相手は分かっているのだろうと、そう思って見せる反応だ。
一口分、切り取られたサンドイッチ。
それを差し出されれば、遠慮なく、と頂く少女。
いや、少しは遠慮を覚えろと、誰か言ってやれ。
「おや、妾も猫ではないぞ?ほれ、狐じゃ狐。
そう思い、油断をして適当に頼むと、がっつりと来る場合がある。
パン屋だからと、油断は禁物なんじゃぞ?」
普通に考えれば、確かに軽食にはちょうどいい。
だが、己が言うように、注文をミスすると、重い一撃を受ける事もあるのも事実。
ぴっ、と指を立て、そんな言葉で返しながら。
残った分を食べてみると…微妙に、油断出来ぬ量。
もぐもぐと食べながら、ふと思い出したように。
男を見詰める瞳が、どこか楽しげに細められる。
「して、今日はゆっくりか?
そうであるならば………のぅ?」
あえて、なのか、男にだけ聞こえるような囁き声。
その内容を、はっきりとは言わないが、大体の内容は、多分、察せられるだろう。
周囲に気付かれぬよう、しゅるり、と尻尾の一本が、男の足元から巻き付き絡む。
そんな問いを向けながら、その答えの選択肢があるのかどうか、とも思えるものだろう。
■サウロ > (わかってて言ってるのだろうというのはわかる、が、それを指摘したとて揶揄われるという結果になるだろう。
差し出したサンドイッチを食べる様子をみながら、狐、と言われて彼女の耳や尾を見る。
この国で堂々と、ミレーのようにも見える獣の耳尾を晒している少女。
それに対してどうこうできる相手が果たしてどれほどいるというのか。
注文の際にも油断は禁物、とまるで雑談めいて語る少女の姿を見ながら、残る白身魚のバケットサンドの半分にして齧る。
てっきり見た目に反して大食らいかとも思ったが、意外と小食なのかと、少しばかり驚いた。
とはいえ、一応は女性に対して不躾になりそうな言葉はぐっと飲み込んだが。)
「もっと軽いものなら、クラッカーとか……、っ、!」
(生真面目に、少女になった際に食べる量を基準にしてチーズを挟んだクラッカーなどを例に挙げてみたところで、
視線が絡んだ少女の囁くような問いと、足元に絡みつく尾っぽに体を強張らせた。
具体的な内容は言わずとも察せられる。
それに対して、ゆっくりであろうとなかろうと、拒むという選択肢がないことも心身に刻まれていた。
白い肌に分かりやすく熱が募る。
眉根を寄せながらも、目を細めて小さく首肯する様子は、従順な様子で。
そも彼女が求めるなら、応じねばならないのだと、よくわかっている反応にも見えるか。
彼女の気が変わらないのであれば、受け取るものを受け取った後、店を出ることになるだろう。)
■タマモ > 少女に関しては、噂は色々と出回っている。
だが、すべてを掻き集めると、逆に混乱してしまうだろう。
良い意味でも、悪い意味でもと、大量に集るからだ。
その気紛れさを痛感している相手ならば、どの可能性も、そうかもしれないと思えるだろうが。
まぁ、小食かどうかに関しても、すぐに分かるだろうし。
その点は、少女に直接聞いても、あっさりと答えが返って来る事だろう。
隠す事、なんて程の事でもないのだから。
「くらっかー…ふむ、聞いた事はあったな、何じゃったっけか…
まぁ、それがお勧めならば、次に来たら、それにしてみようかのぅ」
お勧めを教えて貰いながら、貰ったサンドイッチで、小腹程度は満たされたようで。
うむ、と満足そうに頷けば、見詰める男の反応を確かめる。
そして…
「食べ終わったら、別の散歩に洒落込むとしよう。
悦んで、付き合うてくれるようじゃからのぅ?」
言葉としての、答えを聞く事もなく。
にっこりと笑顔を浮かべれば、これで決定とそう伝え。
食事を終えた後、男と共に、この店は後にする事となる。
その二人が、散歩として向かう先は…
■サウロ > 【移動します】
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」からタマモさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」からサウロさんが去りました。