2023/12/10 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」にアニタさんが現れました。
アニタ > 休日の昼下がり。公園へと続く通りをゆったりとした足取りで行く、男女のカップルがいた。
軽薄そうな男子と、長い銀髪と目元を覆う眼帯が目立つ少女。(フードはない)
腕を組むでもなくちょっと手を握っただけの姿が、なんとも初々しい。
二人は公園へと入り、露天などを流し見ながらベンチへと腰かけたが――
「ごめんちょっとトイレ」
と、男子が小走りでその場を離れていった。
少女の方は彼を見送ると、ベンチに腰かけたまま、ほぅと深く息を吐いた。
薄っすらと浮かんだ笑顔は、恥じらいこそあれど休日のデートを楽しんでいる様子で――

「……♪」

のんびりと千里眼で露店を流し見ながら、軽く鼻歌なんかしていたり。

ご案内:「王都マグメール 平民地区2」にアキアスさんが現れました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」にバランガさんが現れました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」からバランガさんが去りました。
アキアス > 露店の並ぶ公園には家族連れ、カップル、休日を満喫しているらしい若人などの姿も多く。
そこに冒険者らの姿もちらほら混じっている。
そうなると悪目立ちしているのは昼間から酒を煽っている柄の悪い連中。
わざわざ周りに絡みにもいかないし、他からは遠巻きにされていて。

ベンチで機嫌よくしている少女のところに戻ってくる少年の周りを、そんな連中が4人ほどで囲んでいる。
明らかに顔色悪く申し訳なさそうな少年と対照的に、にやにや機嫌よさげに彼の肩を掴んでいる、紅い髪の男が少女を値踏みする様に眺めて。

「おー。おー? なんだお前のカノジョ、目でも悪いのか?」

ツラがわかんねーな、と、堂々と失礼な物言い。
じろじろと身体やら、短いスカートから覗く腿やらを見遣って。
酒が入っているのか頬は少々赤い。

少年は彼女に、ゴメン、と手で謝る仕草をしていて。

アニタ > 「あっ、ライオ――くん……?」

 くるりと回した視界に映る彼氏の姿。ぱっと表情を明るくし千里眼を戻しつつ立ち上がる――が。
 4人の男と少年。戸惑いを隠せない表情で顔を上げた。

 男達の中でひと際大きな男に見下ろされ、肩を縮めて俯いてしまう。

「あ、あ、あ、の……ら、ライオくん、の……お、お友達、ですか?」

 俯いたまま絞り出すようにした声色は、震えていて。

アキアス > にやにや笑いを隠さず少女の姿をまじまじ眺める。
隠すことも無く、腿や腰元、胸元などへ視線を向け、少女の声を聴いては俯く少女の前で少年の肩を叩き。

「こいつライオってんのか。いやぁ、トイレからよっぽど急いでんのか前も見ず走ってきてなぁ。
 こっちにぶつかって勝手に転がって騒ぐから、ちょっとお話してたんだよ。
 したら彼女待たせてるっつーから、まぁじゃあ、一緒にお話ししよっかってなぁ」

そう言いながら、彼の肩も左手で掴んだまま。
少女の方に歩み寄り、空いている右手で少女の肩を掴んでしまおうと、腕が伸びる。

アニタ > 千里眼の白黒の視界の中で、彼らが少女を値踏みするようその視線を向けてきていることが分かる。
怖い。そう体を縮こませながらも、何とか勇気を出して彼らへと顔を上げ。

「えっ、そ、それは……あ、あの、ごめん……なさい。
私も謝りますから……」

彼氏の謝るような仕草と表情を思い出しながら、慌てたように少女は頭を下げる。
――と、その間に大柄な男に肩を掴まれ。びくん、と体を跳ねさせてから、その男の顔を眼帯越しに見上げた。

「っ……あ、謝ります、から……あの、私たち……そろそろ行かないと……」

自分より圧倒的に大きな体格の男に寄られ、震える声、震える身体。アルコールの匂いが鼻を擽る――

アキアス > ぶつかった直後は威勢が良く、そのあとは平謝りだった少年より、
どうやら彼氏を見捨てるでなく庇おうとしてしっかりこちらへ顔を向ける少女の方が度胸がある。
向けられる眼帯越しの視線、見えているのか? と、瞳を細めて。

「まぁ、そう慌てんなよ。そっちも迷惑だろぅがこっちも迷惑したっつってんだよ」

言いがかり、見当違いの因縁。声自体は大きいものではないが、しっかり聞かせるようにゆっくり低い言葉で告げられて。

「……まぁ、ちょっと付き合ってもらったら、金だの何だのとは言わねぇよ」

少女の肩に触れていた手がするりとコートの襟口を撫で、その下の胸元にと伸びていく。
セーターごしにそこにある膨らみに指を這わせてしまおうとしながら、付き合え、と。

青白い顔の少年と、少女と。身体震わせる二人を、自分たちの塒にと連れていってしまおうと、足を進め始めて。

アニタ > 許しを請い、恐怖に震えながらも少女は秘かに千里眼で周囲を見回し、救いの手を探していた――
が、華奢な肩を掴まれてしまえば、はっ我に返ったように術を戻し。
じぃっとこちらを見る彼の眼差しから、顔を逸らした。
――彼氏の方はと言うと。
ただもう男たちを怒らせぬよう、自分に矢が向かないよう、へらへらと媚びた愛想笑いを浮かべるばかり。

「……っ、う……
……ぁ……ッ」

胸の大きな膨らみをなぞられ、ぞくと背筋に嫌なものが走った。
それでも恫喝するような声色に少女は小さな体をさらに縮め、もう俯いて震えることしか出来ない。
周りの者たちは遠巻きに足を止めるものが時折いても、男達に睨まれては知らぬふりをするだけだ。

「……」

促されるままに立ち上がり、男達に囲まれるように彼らは公園を離れて行って――……

ご案内:「王都マグメール 平民地区2」からアキアスさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」からアニタさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区 古書店」にラリーさんが現れました。
ラリー > 「…よし」

ある日の平民地区の古書店。開店の準備を済ませた目立たない少年は、感情の起伏というものが
見られないながらどこか達成感を滲ませる声色でそう漏らすと、静かに店の扉を開けた。
店の方角の関係で陽光が店先に差すことはないが、代わりにその向かいの景色は明るく太陽に照らされている。
その光景にまぶしげに少し目を細めてから、扉の掛け看板を反転させ"CLOSE"から
"OPEN"に変え、開店の作業を完了する。
あとは店内に戻り、いつもどおり悠々と読書しながら来るかもわからない客を待つ…そう思って
いたところで、こちらに近づいてくる足音が聞こえる。
珍しく開店早々の客の訪れか、それともなにかまた別の用向きか…
ともかく少年は緩慢な動作で顔を振り向かせてそちらを見た。