2023/09/28 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」にサウロさんが現れました。
サウロ > (よく晴れた空に日差しが降り注ぎ、涼し気な風が吹く晴天。
 王都の平民地区もまた昼時の賑やかさを見せる中、少し通りから外れた本屋を巡っている少女が一人。
 金髪碧眼、150センチ少々の小柄な背丈、年端も行かないような小娘とも呼べる整った顔の外見。
 半袖の白いシャツに、お尻を隠す程度のショートパンツ。太腿を覆うニーハイソックス。ショートブーツの軽装。
 違和感なくそれらを着ているのは、女性物を身につけることに抵抗感が薄れつつある証。
 この姿で、少女が「自分は男だ」と言ってそれを信じる者が果たしてどれほどいるのか。)

「…………」

(日差しを避けるように入った店。そこは路地裏に面する狭い通路の先にぽつんとあった古本屋。
 王都で有名な大きな書店ではなく、個人が経営しているような古今東西の古い書物を収集したかのような店。
 本が傷まないよう窓はカーテンで閉じられ、最低限の灯りのみの様子。
 店内は薄暗くまるで魔女の家のようだと思いながらも、少女は目的の書物を薄暗がりの中で探し始める。)

サウロ > (歴史の書。悪魔の書。神々の書。異国の書。
 故人の日記のようなもの、長命種が書き記した手記の写し、史実をもとにした創作物まで。
 気になったものは次々と手にとって、中を軽く捲る。
 細かな文字を追いながら、時折目元を押さえて目の疲れを解しつつ、次の本を手に。)

「……魔術書?」

(背表紙やタイトルすらない本を手に取れば、そこにあるのは魔術書の類。
 魔力の少ないとある魔術師が生涯をかけて練り上げた術式の書きつけのような。
 何故こんなものがこんなところにあるのだろうと不思議そうな顔で首を傾げる。
 中を見れば、誰かに見て貰う為に清書したようには思えないページもあった。
 魔術師が基礎とするような術式程度しか知らないサウロにとっては、難しい本に分類される。

 ────ふつ、と軽い眠気に似た感覚が一瞬過った。)
 

サウロ > (────ぱちりと数度瞬きをした時には、一瞬の錯覚が過ぎ去った後。
 時間の経過も分からない薄暗い店内には不思議と他に人がいないようで。
 不思議な感覚に疲れてるのかなと軽く頭に手を添えながら、本を戻して大きく伸びをする。
 外に出れば日が傾きかける頃だった。)

「結構長居したな……そろそろ戻らないと」

(空を見上げながら呟き、明るい内に裏路を抜けて、大通りへと出ていった。)

ご案内:「王都マグメール 平民地区2」からサウロさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」にエリビオさんが現れました。
エリビオ > 平民地区のどこかにある酒場兼冒険者ギルド。
今宵は人が少なくテーブルで語りある声も聞こえてくる静寂に包まれている。
その卓の1つに腰を下ろした少年は晩飯とエール一本を頼んで肘をついていた。

「みんな忙しいのかな?血の旅団討伐に……俺も参加したほうがいいか。」

語りかけるのは空席に向けて。少しばかり疲れを帯びた体に珍しく静かなこの酒場は心地よい。
いつしか背を丸めて、肘ついた掌の上に顎をのせて夢現の気分に。
料理が運ばれてきても瞼を閉ざしたまま……うつらうつらと穏やかな寝顔で船を漕いでいた。

エリビオ > そのうち目覚めて運ばれてきた料理に手をつけてから帰るのだった。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」からエリビオさんが去りました。
ご案内:「平民地区 夜の酒場」にティカさんが現れました。
ティカ > 「――――ッかぁぁあああ、このエールうんめぇぇえ♪ おぉい姉ちゃん、同じのもう一杯持ってきてくれぇ」

口上に付着した白泡のヒゲも可愛らしく空杯を振ったチビが、珠汗の伝い落ちる谷間も露わにDカップの丸みをぷるるんと揺らして2杯目を注文した。
チビが飲んでいるのは冒険者御用達の薄くて温い安物ではなく、フルーティでコクのある味わいに定評のある《ヴァイツェン》をきっちり冷やした高級品。
テーブル上にずらりと並ぶのも普段のティカでは手の出ないお高い料理の数々で、それらを上機嫌につまむ様子は大仕事を終えて懐の暖かくなった駆け出し冒険者そのものだ。

普段は酒など飲まぬチビなのでその童顔は早くも赤く染め上がり、旨そうな料理をつまむ挙動もふにゃふにゃとして精彩に欠けている。
冒険者や人足を始めとしたむくつけき男達が主客の酒場で年頃の、しかも子供めいた背丈とは裏腹に胸にも尻にも食べごたえのありそうな肉付きをむっちりと乗せた少女が一人、もう四半刻もせぬ内に酔い潰れるだろう様を晒しているのだ。
周囲の男達は当然の如く良からぬ考えを内に秘めて様子を伺っているのだけれども、いい感じに酔っ払ってゴキゲンになっているチビはそんな危地にも気付いていない。

ご案内:「平民地区 夜の酒場」にコルボさんが現れました。
コルボ > 「いい具合に出来上がってんなー」

 けらけら笑いつつ、その男の中の一人が席を立って、絶妙な頃合い(食べ頃)を察したように声をかけながら隣の席にどっかりと座る。
 冒険者の先輩で女癖の悪さで定評がある男。貴女がまだ跳ねっ返りの気が強かった頃にも”相手”をしてもらったことがある。

「しぶといだけが取り柄のお前が、随分と稼ぐようになったじゃねえか。
 今日はどんな仕事してきたんだよ」

 判断力が落ちていることなど誰の目にも明白で、貴女の肩に腕を回しながら
 片手に持っているグラスをジョッキと強引に乾杯してタガの外れた流れに乗りながら。

ティカ > 「――――んぁあ? おー、アンタ、知ってんぞ。えぇと、アレだ……こる……こる……そう、コルボ! コルボっつったよな……って、おい。人の事を黒虫みてぇに言ってんじゃねぇ」

不衛生な料理店の厨房などでちょくちょく見かけられる害虫の如き評価にはムッと童顔も顰められるも、続く問いにはにんまりと口元を緩ませて

「へへっ、聞きてぇか? あたしがどんな冒険して来たか………って、こらてめぇ、馴れ馴れしすぎだっつーの」

彼の判断した通り、チビの思考はかなり怪しくなってはいたものの、それでもそこまで親しい訳でもない異性にいきなり肩を抱かれて気にしない程では無かったらしい。
ぐいっと傾かせた小躯が乾杯のグラス代わりに朱髪の側頭による頭突きで男の顎先を打ちのめそうとする。
たとえ命中したとしてもゴロツキの拳程度にも威力は無く、むしろ身を寄せた事によって彼の脇腹に押し付けられる事となった豊乳の弾力に富んだ柔らかさやら、酒精に火照る肢体が香らせる若い娘の甘酸っぱいフェロモン臭やらの方が余程に強い印象を残すだろうけれども。

コルボ > 「だいぶ酔いどれてんな……。悪かったって、黒虫なもんか。
 お前は上等な蝶とかそう言う類だよ。」

 跳ねっ返りな気質が最近伺えて、以前は絡まれればすぐに女になるような顔を見かけていたが、
 何か良い出会いでもあったのかと、一瞬目を細めはするが、
 それでも頭突きめいた動きを受けるも、それは受け止められるほどでさあり、却って距離が密着して。
 既にそれなりに汗も搔いているのだろう。既に体は雌の薫りを沸き立たせていて、無防備な実りの感触を味わえば、
まあまあと目の前で酒を一期のみして見せて、
 ウェイトレスにお代わりを注文しては”お前も”と煽ってくる。

「こまけえことよりお前の武勇伝が聞きてえってか、前は突っ込むタイプだったのに、言う程怪我してねえじゃん。
なんかやり方変えたのか?」

 スタイルを変えたことは知らずとも、街のイイ女として目をつけていた男は、
 すぐに治るとはいえ生傷が絶えなかった貴女のことを思い出す。が、
 それどころか羽振りよくすぐこうして飲み明かしていることにそう思い当って。

 ……もっともそれも矢継ぎ早に酩酊した頭に話題を流し込んで、
 距離を詰めている今のこの状況を気にさせない手口ではあるが。

「……仕事は楽しくなってきたかよ」

 と、ふとそんなことを言いながら、顔を覗き込み、グラスを持つ手がテーブルに肘を突く姿勢を取れば、
 自然と貴女も少し前かがみになるだろうか。

 ……ほのかに香る、精力が強い男のまた蔵から漂う雄の薫りが、
 テーブルと二人の間に生まれる空虚に滞留して、吸い込むことにもなるだろうか。