2023/11/23 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にセツさんが現れました。
■セツ > ざわざわとざわめく酒場の中央、カウンターのすぐそばの舞台に腰かける一人の女性。
黒髪のポニーテールに涼しげな目元。分厚いコートを羽織ってその目を細め。
艶やかな身体のラインと物悲し気なメロディーは周囲の視線を集め。
手元には蛇腹を搭載した楽器が一つ。
一曲終われば、ふう、と小さくため息をついて。
手元に置いてあるボトルに手を伸ばして、酒を一口含んでは、はぁ、と今度は酒臭い息を漏らす。
「マスター、今日はこのくらいでどうかな。
もっとテンションの高い曲の方がいい? そうだなぁ。」
顔見知りの髭マスターと一言二言言葉を交わす。
少し渋い顔をして、ぺろ、と舌を出し。
「今宵ウェイトレスの子と帰っていいならがんばっちゃうんだけど。」
軽口を叩けば、マスターが今度は渋い顔。こいつは、といった言葉を吐かれて、肩を一つすくめて。
■セツ > 「じゃあ、休憩。いいだろ、どうせみんな聞いていないさ。少し客が減ったらまた演奏するよ。マスター、お酒を注ぎ足してくれるかい。
このボトルだと、もって3曲なんだよね。」
酒の匂いを常に漂わせた吟遊詩人の女。
本名はセツィーナ・ヴィエント。元シーフ。
元来の手先の器用さで北方の国でシーフをしていたが、ギルドの上層部の"女"を口説いて追われる者となり、風の吹くまま気の向くまま、それじゃあやめるかあ、とばかりに吟遊詩人に転身した風来坊。
毎日違う人間と宿に泊まって、気が付いたらどこにもいない。
そんな女。
「マスターはあんな顔してるけど、アレはいつものことだし、今日の勤務終わるのって何時?」
なんて、ウェイトレスに声をかけてはウィンク一つ。今日はあえなく振られてしまって、肩をもう一つすくめて。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にアドラーさんが現れました。
■アドラー > 「私は聞いていたさ」
そう、先ほどまで演奏していた女性に声をかけたのはコートを身にまとった青い瞳の男性。
カウンターの席に座り、持っているグラスの氷がカランと揺れる。
横目で彼女の姿をとらえると小さく微笑みを向けて。
「私からも、もう一曲お願いしたい。
代わりに今日の君の酒代は私が払おうか」
少し離れていても漂うのは彼女が纏う酒の匂い。
そしてボトルから直接飲んでいる様子を先ほどから目の当たりにしており
相当“好き”なのだろうと予測を立て、彼女にとっては都合の良さそうな条件を提示する。
■セツ > 「おや、ありがとう。ファンになってくれるなら一曲くらいはサービスといこう。
お酒の代金はいいのさ、だってこの酒場で仕事をしているのだから、ある程度はマスターが持ってくれる。ねえ?」
なんてマスターに言えば渋い顔。
からりと笑ってウィンク一つ。やってきた青年を見やって。
「さて、ではどんな曲をお望みかな?
勇壮な軍歌から、悲しい恋の歌。大海原を渡る海賊の歌や、竜を退治する勇者の歌。なんでもいいだろうさ。」
彼女は、酒の匂いこそ濃いけれど、言葉も所作も、全く酔った様子すら見せないまま。きっと、酒の染みついた女。
■アドラー > 「ふふ、それならばありがたい。
奢るなどと強がったが、今の私の懐はそう暖かくない。有難くサービスとして受け取っておこう」
マスターは渋い顔をしているが、こちらはちょっと安堵したような表情
渋い顔をするマスターに謝るような会釈をしつつも
彼の先ほどの意向を思い出し、リクエストする曲を選ぶ。
「その中であれば…そうだな。
竜を退治する勇者の歌を頼む。ここで一つ、盛り上がる曲を聞いてみたい」
職業柄、染みついた酒の濃い匂いを気にすることなく彼女に右手の人差し指を立ててリクエストする。
■セツ > 「気にすることもないさ。ねえ、マスター。この酒場にそんなに懐が温かい人は来るわけが……冗談だよ、そんなに顔を真っ赤にして睨んだらお客さんが怖がるよ。」
ころころと笑いながらウィンク一つ。
ああ、サービスだよ。もちろん僕のことを覚えてもらうという対価つきだけれど、と言葉を漏らして。
「そうだな、僕の知っている勇者の歌といこう。
彼は強かったなあ。勇者というにはちょっとばかり名誉に目が眩む男だったが、だからこそ、目の前の恐怖より、その先にある栄光ばかりに目が行った。他の人が二の足を踏もうが、彼は戦った。欲望というものは時に人を英雄にするのさ。」
蛇腹のついたバンドネオンを揺らして演奏を始めれば、風の流れる草原のような曲が響き始める。
希望に満ちた、旅の歌。
「きっと祖国では、国のため、民衆のために戦う勇者として歌われているのだろうね。ひねくれものの私は勇者の本当の顔を歌おう。
愛すべきただの男の歌さ。」
■アドラー > 「雰囲気よし、歌い手よし。富裕層の目に留まるのも時間の問題だ。
もしかしたら、歌い手が酒気を帯びているのが嫌なセレブも居るかもしれないが…」
やや怒り気味のマスターをフォローするかのように笑顔で告げる。
彼女が漏らした言葉は聞き逃さず、それに反応するように小さく頷く。
ここまで酒の強さと歌唱力、演奏力を持ち、そして女を誑し込もうとする吟遊詩人は見たことないし、忘れるはずもない。
「…ふふ、なんだか、懐かしい気分になるな」
彼女の歌声と鳴り響く楽器の音に小さくつぶやく。
歌詞と自分の過去を重ねながら、酒を一口。口に含ませて喉に通す。
アルコールの熱さが喉を焼き、聞こえる歌声に酔いしれながら、その場の雰囲気を堪能する。
■セツ > 「そいつは言いすぎだ。っと、はいはい。仕事をしますよ。」
青年のフォローを台無しにする一言を言いながら、さて、と楽器を弾き鳴らす。
「そうかい? まあ、確かに懐かしい歌ではあるけれど。
貴方も旅の一つでもしていたのかな。
僕も旅をしていたよ。前半はほとんど雪の記憶しかないけれどもね。」
吠える竜と降り注ぐ炎。それに対して立ち向かう勇者たち。
「手を尽くすさ。真正面から戦うだけが能じゃない。
卑怯と言われても、倒してしまえば勝ちだもの。」
一風変わった英雄譚。
■アドラー > 「…ぷ、ははは!」
自分のフォローを台無しにされ、ついつい笑いがこみあげてしまう。
ここまであっさりと自身の言葉が否定されるのは久しぶりだ。
マスターの顔の呆れ顔がより一層、笑いを助長させている。
「私は…旅をしていた時間の方が長かったかもしれない。
雪?なるほど、君の冒険譚を歌ってもらうのも悪くはなさそうだ」
相手の言葉を聞いて、自分のことを振り返る。
そして聞こえた相手の旅のこと。用意しているかはわからないが、あるならば、次はそれをリクエストしようか。
「…」
そして風向きの変わっていく英雄譚。
それに酒を煽りながら耳を傾ける。こういう歌をしっかりと脳に刻み込むのは久しぶりで、次の展開が気になる。
■セツ > 「なるほどね。ならば懐かしいかもしれないね。
遠くまで旅をしたものならば分かるかもしれない。」
曲の端々に海も、砂漠も、山も感じられる。
東方の曲に、西方の曲。
それらを鳴らしながら、目を細めて。
「僕の話はちょっと大人数には聞かせられないな。
ちょっと過激な話ばかりでね。」
ころりと笑いながら、ウィンクでリクエストを流して。
「竜は退治された。他にも怪物はいたけれど、それからは身を隠して、必死に走って逃げたのさ。
でも問題は無かった。
彼が竜を退治してからというもの、そんな彼にあこがれて、数多の冒険者が剣を取るようになったからね。
その国は結果的に平和になったのさ。」
ゆるゆると語りながら、目を細めて。
「彼の故郷で歌ったら、きっと僕なんかぼろ雑巾になっちゃうね。」
■アドラー > 「あぁ…」
曲から想見されるあらゆる情景に浸る。
砂漠、山脈、海洋、洞窟。
人々の活気なんかも音色で表現され、その芸術性に虜になる。
「ふふ、ならば、いつか君と私が二人きりにでもなったときに聞こうか」
そんな日が来るかはわからないが、これも何かの縁だろう。
彼女と次に会う機会に恵まれ、二人になるタイミングがあれば色々と相手の物語を聞こうか。
「はは、素晴らしかったよ」
竜を退治した英雄の話が終わり、最後にオチまで語りきった女性。
それに笑顔を向けながら拍手を送る。左腕にギプスを巻き、強くはできないがしっかりと相手を賞賛して。
周りの客も何人か語りを聞いていたのか、盛大とは言わずとも拍手が送られていく。
■セツ > 「やあやあ、賞賛の声ありがとう。
僕の演奏はここで聞けるから、いつでも来るといい。
週に2~3回は来るからね。不定期で。」
ころころと笑いながら手を挙げて、恥ずかしがる素振りもなく拍手を受け取る。
ウィンクを観客に送りながら、注がれた酒を煽るように飲んで。
ふう、と吐息を漏らす。頬は赤いが、フラフラしている様子もない。
「いやなに、ありがとう。
僕の歌は怪我にも効くって有名でね。
2~3人から言われたんだ。ほら、酒は消毒にもなるというだろう。」
酒臭い歌を自分で笑いにしては、ボトルの酒を空にして。
■アドラー > 「はは、不定期か。
それなら、君の演奏を聴くためだったら、ほとんど毎日来なければな」
金に余裕があれば、それも悪くないと笑いながら告げる。
相手に合わせてこちらも酒を飲んでいく。
酒気を帯び、赤くなった相手とは対照的に、こちらの顔色はあまり変化はない。
「あぁ、怪我の痛みもすっかりと消えてしまったよ。
君のおかげだ。包帯を取るのも時間の問題かもな」
自身の左腕をちらと一瞥しながら、冗談を述べる。
にっこりと笑いながら目を細め、空になったボトルに目をやれば、もう一杯必要か?とジェスチャーをして。
「そういえば、自己紹介がまだだったな。
私はアドラー。アドラー・アリストテレス。冒険者をやっている者だ。
君の名前を聞いても?」
グラスから手を離して、右手を自身の胸に置いて自己紹介をする。
相手の演奏をこれから聞いていくのならば、名前くらいは知っておきたい。
相手の名前を聞いてみる。
■セツ > 「まあ、あんまり僕の歌を見に来ることはないよ。
ねえマスター、お酒が売りだものねぇ。」
ころころと笑いながら。きっと週2~3すら適当な言葉なのだろう。
歌を歌っているとき以外は飄々とした女の言葉は、本当なのかウソなのかもよくわからない。
「そいつはよかった、僕の歌に効果があるのはこれで4人目の証言だ。
これはついに魔力も帯びてしまったかな。」
もちろん、とボトルをマスターに滑らせては。ジト目で睨まれて口笛を吹く。
「僕はセツでいいよ。
セツィーナという面倒くさい名前もあるけれど、特に名前なんて気にしちゃいないのさ。
だって、僕の目に僕は映らないしね。
そうだろう、アドラー。いつだって世界は目に入る"他"で満ちている。
それを歌うのが僕の趣味だよ。
お酒は仕事さ。」
ウィンクを一つ。
■アドラー > 「くく、もちろん。酒も美味いぞ
先ほども言ったが、雰囲気は素晴らしいんだ。私は気に入ったぞ、マスター」
こちらも彼女に合わせて笑う。
吟遊詩人の女性が居ても居なくとも、ここの酒場の雰囲気は気に入った。
問題児の彼女を睨むマスターに笑顔を向けて、フォローの言葉を。
「かもしれないな。
吟遊詩人としての商売に行き詰まったら、回復術師として歌う道も考えておくといい」
冗談を言いながら気にせずマスターにはボトルを出すよう注文する。
少ししたら、同じ酒のボトルが彼女の前に出てくるだろう。
グラスは…彼女には必要はないか。
「セツ、セツか。記憶した。
詩的だな。そういう言葉は私ではなく、先ほどのウェイトレスに言うべきじゃないのか?」
ウインクをする彼女に、先ほどまで口説いていたウェイトレスの方を指差して。
こういう素敵な言葉がすらすらと出るなら、自分じゃなくて好みの相手に言うべきだ。
そうすれば、最初は断られた相手にも振り返ってもらえるだろう、とほほを掻きながら思案する。
■セツ > 「だそうだ、過分な言葉だねマスター。おっと、グラスを投げるのはやめておくれよ。
いくら僕でも、当たってしまうかもしれないし?」
即座にマスターを怒らせては、ころころと笑う女。
やってきたお酒を口に含んでは、目を細めて。
「ああ、彼女にはもう何度囁いたか分からないけれど。
どうやら彼女はこういう言葉は趣味ではないらしい。
今のところ一番効いたのは、"隣の地区の甘いパンでも食べに行こう"かな。」
遠くからウェイトレスにも睨まれて、手をひらひらと振る吟遊詩人。
気にした素振りもなく、投げキッスを一つ送って。
「何、僕は言いたいときに言いたい言葉を言っているだけさ。
それが貴方であっても、彼女であっても、マスターであっても。
そこにいるのが小鳥でも花でも、同じこと。
そういうちょっとおかしいやつが吟遊詩人になるんだよ。」
なんて、微笑みながら嘯いて。
■アドラー > 「嘘ではないぞ」
怒るマスターに笑顔ながら率直に褒める。
そして酒を豪快に飲む様子に、奢りがいがあるとこちらも酒を飲み干してもう一杯注文を。
「そうだったのか。彼女は甘いものが好きなんだな。
であれば、こういう甘味を渡してみるのはどうだろうか」
吟遊詩人を睨むウェイトレスを一瞥する。一般客の視線が注がれれば、取り繕うようににこにこと笑顔を向ける。
視線を吟遊詩人に戻し、コートの内ポケットに手を入れる。
懐から取り出したのは小瓶。中には砂糖菓子が入っており、それをからからと揺する。
とある武器防具店で店主から貰ったもの。味がかなり美味しくすでに半分程食べてしまった。
流石にこれを渡すわけにはいかないが、何か他のものがあればと提案してみる。
「…おかしいなんて思わないさ。
言いたいことを、言いたいときに言えるのがどれほど素晴らしいことか」
表情に一瞬陰が差すも、それを察されないように笑顔を見せる。
■セツ > 「そうだね、今度朝日を見ながら一緒に食べようと誘ってみようかな。
ダメっぽいけれど。」
取り繕う男の気遣いを全て自由に蹴散らしていく吟遊詩人。
気にした素振りもなく、ふるまいたいようにふるまう姿は自由なまま。
「綺麗なものだ。
口に入れてしまえば同じ、と満足せずに、見て聞いて楽しめるのは、相手のことを思っているからこそのものだね。」
相手の言葉にうなずきながら、首を横に振って。
「とはいえ、今宵はダメそうだ。
あの子は人気でね。他のお客さんからも睨まれている。
参った参った。前の街もこれで追い出されたんだっけかな。
大人だもの、言いたいときに言ってたら困るさ。
普通はね。」
先ほどから空になったままのグラスを指先でくるくると回しながら。
相手の表情を眺めつつも、それに突っ込む野暮はしない。
酒場なんて、そんな場所だ。
■アドラー > 「言いたいときに、言いたいことを、だろ?
ダメ元で誘ってみればいいじゃないか。一途さが伝わるかもしれない」
とはいったものの、この吟遊詩人のことだ
きっと色々な女性を調子よく口説いているのだろう。
一途さアピール作戦の成功率は低いだろうが…試さなかったらそれこそ0%だ。
「私のことを思って作ったかは知らないが。
何せ筋骨隆々の店主が渡してきたものだ。奥さんか恋人か、あるいは娘が作ったものが私に流れて来たんだろう」
自分に何か特別な感情、というよりついで感覚で渡してきたような雰囲気だったと当時を振り返る。
あの堅物な店主のことだ。きっと奥さんや娘が作ったものが余ったので、ついでて渡したものだろうと推測する。
「なるほど、確かに美麗だ。
あれは競争率が高そうだな。なかなか難しい。
…酒は足りているか?」
ウェイトレスの顔を改めてまじまじと見てから、空になったグラスの方へと目をやる。
相手の返答を聞く前に、ボトルを手に取り酒を注いでいく。
吟遊詩人の彼女なら、きっと自分の些細な表情の変化に気づいていただろう。
でもあえてそれに言及しなかったのは、自分にとっては嬉しいことで。
酒を多めに…というかグラスなみなみに注ぐ。
こう見えて、男の方も少し酔いが回っているようだ。
■セツ > 「流石の僕も、平手打ちが待っていると分かっていると二の足を踏むものさ。
まあ、そういうことに興奮するのも悪くはないか。
後で行くから、そういうプレイを一つよろしくね。」
なんて、ひらひらとウェイトレスに声をかける。
にっこり笑顔で中指を立てられて、愉快そうにころころと笑う。
果たして本気で口説く気があるのかないのか。どちらにしろ、楽しそうに。
「いいじゃないか、その店主ももしかしたら君を想っていたのかもしれない。
少なくとも、口に入る人が幸せになるようにという思いだけは本物だろうさ。
酒は常にあるものだからね。一生足りないんじゃないかな。」
注がれれば、まるで気にせずに傾ける。
ひけめを感じることも、恐縮することも無い自由な所作。
「君は冒険者ということは、今は休息中ということかな。
なかなかに激しい旅のようだね。」
■アドラー > 「ははは、人の趣味嗜好は自由だからな。
ああいう女性に引っぱたかれるのも好きな人はいるだろう」
にっこりと中指を立てる様子と、それに対して笑う吟遊詩人つられて笑顔を見せる。
自分はそうでないが、きっと彼女はそっちもいけるのだろうか。
ともあれ、冗談が絶えない吟遊詩人に、酔いが回ってきたこともあって笑いが絶えず。
「…ま、客としての範疇を超えない形でそうなのかもな。
よく言う。私は限界が近い。代わりにこれを飲んでおくれ」
あの店主が人を想うというのはなんとなく想像できるが、自分に対しては客として大事にする程度だろうか。
そして、相手が酒を欲する言葉を述べれば、ボトルを差し出す。
「さすがにこの腕の怪我じゃ、やる依頼も限られるのでね。
冒険者の性さ。あと、私はどうやら戦いに身を置いた方が輝くらしい」
最近では怪我のせいで休んでいる時間の方が多い。
歌を歌ったり、バーのマスターをしたり、給仕として働くよりは冒険者という仕事は危険が多いだろう。
しかし、そんな戦いの場ぐらいしか自分が輝ける舞台はなく、そういう命のやり取り、スリルを楽しんでいる自分も居たりする。
そういう星の元に生まれてきたのだろう。ある種の運命付けだ。
■セツ > 「これ以上言うと、出入り禁止になりそうだ。
僕はこういうカンはね、割と当たるんだよ。このくらいにしておくとしよう。」
ふっふ、と肩を揺らして笑う女。
「代わりも何も、あれば飲むよ。
もちろん頂くとしようかな。」
ふー……っと深く吐息を吐き出して。そうなんだね、とつぶやく。
冒険者の性かあ。なんて自分の顎を撫でて。
「きれいごとばかりじゃないけれど、そういった仕事をする人がいるから、そういった外にあこがれる人が増える。
だから、僕の歌で外を感じたい人も増える。
巡り巡って助けてもらっていることになるのかな。
しばらくの休息が安らかなものであるように。」
■アドラー > 「ふふ、そうだな。
今日会ったばかりだが、君の勘はなぜか信用できる気がする」
マスターもウェイトレスもこれ以上揶揄するとよくなさそうだ。
せっかく見つけた穴場。こんな形でお別れはしたくない。彼らをいじるのはやめて目の前の酒と女性に集中をする
「どうぞ。
私の場合はあまり調子に乗ると明日の依頼にも支障が出そうだしな」
酔いが回っていても、酒の管理や依頼のことについては辛うじて頭が回るようで
豪快な飲みっぷりの女性を楽しそうに眺めてみる。
「私の、ひいては冒険者のささやかな活動が、君の更なる活躍の助力となることを祈ってる。
安らか、か。でも、安らかすぎても退屈だ。
傲慢で悪いが…もうしばらく、退屈しのぎに付き合ってくれるか?セツ」
自身のグラスに半分くらい酒を注ぐ。
悪酔いしない程度に調整しながら、今夜は酒場で彼女と共に酒と会話を楽しむだろうか―――
■セツ > 「気を付けた方がいい。女は嘘をつくものさ。
特にいい女は息を吸うように、酒を飲むように嘘をつく。」
「つまり、僕は正直者ということさ。」
なんてウィンクをしては、明日の仕事と言われて少しばかり肩をすくめて。
「怪我に触らぬ程度に。
話は当然構わない。僕は一人だと追い出されてしまうからね。
願ったりかなったりさ。」
どこまでいっても変わらぬ女。
酒場が閉まるその時まで、冗談と嘘と酒の匂いは尽きぬまま。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」からセツさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」からアドラーさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」に夏虎さんが現れました。
■夏虎 > 暑くもなく、寒くもなく、日差しもぽかぽかと心地よく、時折吹く風は日光浴の火照りを冷ますに丁度良い冷たさ。絶好の日光浴日和といってもいい日中の、平民地区広場。中央に据えられた噴水に、周りに設えられた花壇やベンチや周りにぽつぽつと開かれている露天のそこかしこはやはりそんな日中かそれなりの賑わい。そんな中――
「……」
冬服やら普段使っている化粧品の補充に新作の衝動買い、等々お買い物済ませた帰り道。
ストロベリーメリー? ラテ? あいかわらず名前が長くって覚えられないのだが……
アールグレイティーに苺やらミルクやらホワイトチョコレート風味チーズやらふんだんに盛り込まれたドリンク片手に、
ベンチに腰掛けて一口二口と味を楽しみながらぼんやり景色を眺めて小休止、していると、うつらうつら、眠くなってくる。
「ん~……」
とろんと落ちそうな瞼をぴくつかせ、かくんと落ちそうになる頭を持ち上げて、いかんいかんと気は持ち直すが。
そのうち頭が落ちて戻ってこなくなり、まだ眠っちゃいないが、かなりぼんやり。
日光浴が気持ち良すぎてかなりおねむであった。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」から夏虎さんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にガルルさんが現れました。
■ガルル > 鼻歌を歌いながらの王都の門をくぐった少年。
気分は凱旋。
街から村へ荷を運び、今度は回った村で荷を集め。
何回も行商をして、中々に稼ぐことができた。
るんるんとした気分で軽い足取り。
しかしながらここ最近、人が少ない場所が多かったので急に人がいる環境に映れば少し目を回しそうになる。
「この時間でも人がいっぱいいる…」
はふ、と一息ついてから人通りから少し外れた場所へとはじき出されていく。
■ガルル > 「さて、とりあえず。ごはん? なんか食べる?」
むむむっと小首をかしげながら大きなリュックを抱え治す様に背中を軽く跳ね上げ、地面にひかれるように落ちれば肩紐が肩に僅かに食い込むも、食い込んだ場所が変われば、少し体が楽になる。
そうしてから通りの端っこトコトコと歩みを進め、出店が並ぶ路地へと足を踏み入れる。
少年の敏感な鼻を擽る香ばしい香り。
デザートの甘い香り。
様々な匂いが胃を刺激してくる。