2023/11/13 のログ
アウルム >  
「へぇ、冒険者……
 とと、ノーマさんですね、はい僕も覚えました。」

冒険者と言う言葉に、少しだけ目を丸めて驚いた。
日焼けもしていなさそうな綺麗な肌だったから、少しばかり予想外だったのだ。
とはいえ、それを表にはあまり出さず、ひっそりと咀嚼する。

今はそう、目的地に向かうのが一番の目標だ

「えーと……今の通りがここだから…たぶんこっち……」

と、つぶやきつつゆっくり道を進んでいく。
声色からして何とも自信は無さげであった。
事実、本人は気が付いていないがその方向は真逆だった……。

ノーマ >  
「んー……?」

地図を見る。
通りがそれだとすると、逆のような気がする。
まあいいか。間違ってても、どうせ暇だし時間がある。

「ヨシ。
 じゃあ行こっかね。そっちー?」

素直に従って歩いていく。

アウルム >  
――そうして当然、逆方向に歩いて行けば……迷うのは必然だった。

「た、たぶん……うーん……?」

首を傾げて地図を見て、周囲を見回してからもう一度地図を確認する。
周りを見渡しても、目的の服飾店は当然、あるわけがない。
ついでに言えば、現在地がどこかすらも怪しい。
辺りの街並みも少しばかり怪しげ…というか、なんだか薄暗い雰囲気である。

ノーマ >  
「んー……?」

きょろきょろとあたりを見回す。
流石に街並みが少し変わったことくらいはわかる。

そういえば、なんとはなしに気配も少し重い感じになっているだろうか。
そういう方の嗅覚はある。

「結構歩いたかな?」

あまり慌てた様子もなく、のんびりと口にする。
おそらくは道に迷ったであろうと認識もしている、が。

アウルム >  
「そうですね、そろそろの筈…なんですけど…
 ……道、間違えちゃったかなぁ……」

思わず零れる素の口調。
少しばかり不安と焦りの気持ちも湧いて出ているのだろう。

どう見ても周囲に服飾店がありそうには見えないのだから当然だ。
そこにあるのは少しばかり怪しげな店だとか、格安のワケアリな宿だとか。
そういう類のものしかない。

ノーマ >  
「間違ったかもしれないねー。
 まあ、そういうときもあるししょうがないねー」

のんびりとあたりを見回す。
細かい機微は分からないが……ただ、匂いが違うのはわかる。
少なくとも、敵意とは違う、悪意とも微妙に違うかもしれないが、そういうナニカの匂い。

「見た感じ、なにか違いそうかもねー?
 どうする? このまま奥、はちょっとアヤシイ匂いがするかもしれないけど?」

主導権は向こう。
一応、これくらいの気配ならまだ引き返せるだろうし対応もできるだろうし。
なので委ねてみる。

アウルム >  
「お、落ち着いてますねぇ……冒険者さんだから…?」

そののんびりな様子にちょっとだけ呆れたような声が出るアウルム。
ここまでのんびりした様子を見せられると逆に落ち着くというもので……。
それが今は少しありがたかった。

「…えと、怪しい…ですか?
 一応その…ちょっと確認だけしても…?」

そして問いにはそう答える。
もうちょっとだけ探してみて、違ったら道を戻って探し直そうと考えたらしい。
……まだ危険や危うさを知らない、無知ゆえの判断とも言えるが。

ノーマ >  
「んー……うちは元々、こんなだからねー。
 まー、困ったらもう少し慌てるけどさー?」

ということは、今のところ困ってはいない、ということでもある。
今のところは、ではあるが。

「うん。アヤシイ。勘というかまー、そんなのだけどねー。
 妙な匂いはするって感じ。でも、行きたいなら行こっか?
 任せるよー。」

街なかでどうこう、なんてそうはないかもしれない。
そうはいっても、あるかもしれない。
まあ、そのへんは警戒しておけばいいかな、とだいぶ雑に考える。

アウルムについては……シュウドウシがどの程度身を守れるのかはよく知らない。
万が一の場合は……さて、どうしようかな。

アウルム >  
「う、そう言われるとちょっと不安が増してきましたね…」

苦笑しつつ、そんなことを呟く。
一応は冒険者…それなりに危険な場所も知っている人の勘?は信じた方がいいかもしれないな、と感じつつ。
もう少しだけ奥へと進めば、そこは殆ど路地の裏。
人目のほとんどない裏道に近い場所であり、薄暗くじめついた空気の場所だった。

とはいえ、浮浪者らしき人影はちらほら見える。
怪訝な顔して彼らは少年たちを見つめていて…中には敵意や獲物をみるような目を向ける者もいた。
今はまだ実行に移されてはいないが、このまま長居すれば”万が一”もあり得るだろう。

ノーマ >  
「おやおや」

生来、敵意とかそういったモノには敏感だ。
なんとなく、そういうものの気配が増えてきた。
これはだいぶアヤシイというやつだ。

「さて、アウルム。こんな感じだけど、どうするー?
 ちなみに、状況はよくはなってないかな」

少しだけ警戒を強める。
眼の前の少年はそういう気配については鈍感らしい。
案内役がいなくなっても困るし、何かあれば守るくらいはしたほうがいいだろうか、などとのんびりと考える。

「ちなみに、服って言ってもなんかあんな感じっぽいけど」

ちらりと目をやった先に見えるのは、やたら布面積が小さかったりする服や、逆に妙にみすぼらしい服だったりとある意味バリエーションには富んでいた。

アウルム >  
「うわっ!? あ、あれは絶対に違いますね…はい…」

みすぼらしい服はともかく、あからさまに布面積の少ない服をチラリとみて、慌てて目を逸らす。
そういう反応はやはり年頃の少年といったところだろうか。

「も、戻りましょうか…あんまりよくないって話ですし……」

そしてそんな衣服が並んでいるのを確認すれば、流石に少年もここは違うと諦めを付けたらしい。
幸いにも万が一、が訪れるよりも前に、戻る事を決めたようだった。
今すぐにでも襲われないのは、恐らくは警戒されているという事に、此方を見る目も気が付いているからなのだろう。

ノーマ >  
「んー……ま、いっか」

怪しい気配のヌシ自体も警戒をしているようだ。
そんなことお構いなしに襲ってくるようなメンツもいるし、油断はできないが……
戦いにもってこられるなら、まあ別に悪くもない。
とはいえ、何にもないのが一番ではある。

「そっかそっか。じゃあ戻ろっかねー。
 うちはいいけど、気をつけないとアウルムの時間も危なくなるかもだしー。」

たしかシュウドウシ、とかいうのは時間にうるさいのじゃなかったっけか。
よく知らないけれど

アウルム >  
「あ、そうですね…門限もありますし…日が暮れる前には戻らないと」

と、アウルムもそれに同意するようにうなずく。
それから二人は踵を返し、来た道を戻り始めた。
怪しげな雰囲気も少しずつ薄れていき、表通りの賑やかな音も聞こえ始める。

そうして少し歩けば、元々いたであろう通りに戻ってきて、それからほっと、少年は息を吐いた。

ノーマ >  
「いやー、つきあわせて悪いねー」

のんびりとした口調で話す。
収穫がないわけでもなかったし、自分としては十分楽しめている。
……アウルムがどうかといわれると、そうでもなさそうな気はするが。

「とりあえず、もっかい地図見て探してみよっかねー。
 ちなみに、行かないといけないところっていくつ残ってるの?」

門限とやらに引っかからないだろうか、と他人事ではあるが一応気にする。
……そうするのがヒトの普通だと、知っている

「多そうだったら急がないとね」

アウルム >  
「こちらこそ、道を間違えてしまって…
 ええとあとは…こっちのお店と…ここの寝具店が…」

なんとも決まりの悪い表情を浮かべながら、地図を広げて指をさす。
他には2つ、用事があるのは他は寝具と食品らしい。

「あ、でも寝具の方は今日は注文をしに行くだけなので…今日じゃなくても…
 行かないといけないのは服と食べ物だけ、ですね。」

と、補足するように少年は続ける。
幸いにもまだ日は傾いてはいない。
気がけて周れば、問題なく買い物はできるだろう。

ノーマ >  
「そっかそっかー、それならちょっと急げば十分かな?
 今、多分このへんで、と。で、行き先はここと、こことー……」

平げられた地図を眺め、指をさす。
今回はちょっとだけ真面目である。

「んじゃー、あっちだ。」

最短の方向を指差す。
その方向に間違いはなかった。建物とかを度外視はしていたが。

「まっすぐは……んー……飛び越えないとかー」

少し首を傾げた。

「とりあえず、いく?」

アウルム >  
「…あはは、飛び越えるなんて無理ですよ」

苦笑しながら、しっかりと地図から場所を推察する様子を見て、少しだけ羨望の瞳で見つめる。
やはり冒険者ならば地図ぐらいは読めて当たり前なんだなぁ、なんて思いながら。

「そうですね、いきましょうか。」

今度こそ改めて服飾店へと向かうのであった。

ノーマ >  
地図の読みはあまり得意ではないが、皮膚感覚でなんとはなく読み取れた。
方向感覚自体は、まあ悪くないので勘の良さのようなものだけで判断している。
 
「あー……」

できなくはない、というのはここでいうと面倒なことになりそうだ、と思った。
まあ普通に行くなら普通に行けばいいだろう。

「おけー、いこういこうー。
 そういえば、服っていつもそんななの?」

修道服というものらしいが、普段か着るものなのだろうか、という純粋な疑問を聞く。
当たり前といえば当たり前の内容であるが。カノジョにはそれはわからない。

そんな問答をしながらも、今度は正確に服飾店に向かえた、はずである。

アウルム >  
「僕は修道士なので、これが普段着と言うか…これしかないというか」

そんな返答を返しつつ、今度こそはしっかりとした足取りで服飾店へと歩を向ける。
程なくしてそれらしき場所にたどり着くことができた。
少しばかり古びた感じの建物だが、看板には確かに服屋と書かれている。
中からは客の声も聞こえるし、いくらか小奇麗な服も並んでいる。

「あ、ここですね、よかった」

……と、安堵したような声を出す少年。
先ほどの事もあったので、その安心感はひとしおな様子だった。

ノーマ >  
「よしよし、やったねー。目的地とうちゃーく。」

こういうときどうするんだっけ?と考える。
相手は若者っぽいし、とすると……うん

手を伸ばして、アウルムの頭を撫でようとする

「さ、中入って用事済ませよっか」

避けられようが、されるままになろうが、どちらにしろお構いなくカノジョは話を進める

アウルム >  
「わわっ、ちょ、ちょっと……」

驚いたように身を縮めるが、それも構わずにアウルムの頭に手が伸びる。
そのままわしゃわしゃと髪をかき混ぜるようにして撫でまわされる。
嫌がっている素振りはないが、流石に少々恥ずかしいらしく、頬が赤く染まっている。

「と、とりあえず用事を済ませますね…!」

それからそれを誤魔化すように、慌てて店内へと小走りで入って行けば、
店主らしき人物へと声をかけて、注文していた衣類についてのやり取りを始めていた。

ノーマ >  
「お? 間違ったかな?」

慌てる様子に少し考えたが、まあ暴れるほどではなかったので大丈夫だろうと判断。
そんなことを考えている間の当の少年は店の中へと入っている。

「さて、ここまではいい感じだしー。このまま、のんびりとお買い物して街見ればいいかなー」

買い物自体は必要ないので、深い意味もなくアウルムの話が終わるまで適当に服を見て回る。
正直、なにがいいのかはあまりよくはわからない。

そうしてのんびりと女は過ごすだろう。

アウルム >  
店主とのやり取りにはそう時間もかからなかった様子で、
程なくして衣類の入った袋を手に少年は女の傍へと戻ってくる。

「お待たせしました 。
 えと…じゃあ、次のお店に行きますか?」

と、戻ってきた少年はそう問いかける。
仕事柄か、店内に置かれている他の服にはあまり興味はないのか、
店内を見て回るという感じはなさそうだった。

ノーマ >  
「終わったようだねー。うんうん、いこういこう。
 これもいい勉強だ」

流石に今回は頭を撫でることはしない。
ちょっと情報を修正するべきか?

「それにしても、いろんな店いくんだねー。
 シュウドウシっていつもこんななの?」

次の店を目指して歩きだしつつ問いかける。
情報は仕入れて悪いことはない

「どうも想像もつかないねー」

アウルム >  
「ううん、いつもは食べ物とか蠟燭とかの備品とか…それくらいですよ」

いつも同じ店に行くだけで、と付け加える。
服飾店に行くのにも地図を見て迷っていた辺り、初めて来た場所であるのは想像に難くない。
次に向かう場所…食品店へ向かう歩みに迷いが無いのも、日ごろから通っている場所だからだろう。

「意識しないと教会から出る事もあんまりないですし、今日は特別なんですよ」

そう語りながら歩を進めていれば、目的の場所が見えてくる。
食品店…というよりは、ある種の市場のような雰囲気の場所のようだった。

ノーマ >  
「なーるほどねー。
 うちには無理だなー。ずっと同じところにいるのとか、得意じゃないし」

性に合わない、というのが正確だろうか。
ともあれ、女はそういうのは好きではなかった。

「カミサマへオイノリを捧げる、とかいうやつでしょー?
 まあ、それはいいんだけれど、さー。
 儀式だかなんだかでずっとこもってるって大変そうだなー」

うーん、と考えてみるが想像もつかない。
ただ閉じ込められてる、ならまだわかるのだが。

「おっと、あそこかな。ふーん、結構賑わってる?」

市場のようなそこは、ややピークを過ぎたとはいえ少しヒトが多かった。

「それで、何買うの? そういえば、何食べるのキミたちって」

アウルム >  
「あはは…僕はずっと教会にいるので、それが当たり前で慣れちゃってて」

儀式や礼拝を行う事は日常の一部。
殆ど日々の習慣となっているので、大変だとかはよく分からないようだった。

それでもこれまでの経験から、誰しもが教会で過ごすのが当たり前でない事は知っている。
だからこうして苦笑を浮かべて、それとなく答えたのだけれども。

「パンとか果物とかですねぇ。
 僕のとこだと普段の食事もそんな感じで、他は野菜とか」

市場に並ぶ食べ物を眺めながら少年はそう答える。
清貧をよしとする教義の教会であれば、その辺は当然の物だろう。

ノーマ > 「あー、まーそうだよねー。
 特に困らなければ、それでいいしねー」

どういった経緯でそうなったか、にもよるが。
好きで居るなら特に問題はないだろう。もし、そうでなければ……
そこはいくらなんでも、聞いてはだめだろう、という脳が働く。

「なるほど、シンプルだ。
 でも悪くはないのかなー。」

食事にこだわりがないので、そこは特に感想も抱かず……

「さて、じゃあ買う物買っていこうかー」

そうやって、女はまた他愛のない質問を投げかけてはだらんと少年について店回りをするだろう。

アウルム >  
「まあ困ったことは…うん、ないですから」

ふっと思い起こすように一瞬思案する顔を見せて、そう返す。
嘘、と言うわけではない。
ほんの少しばかり、困ったわけではないが迷いも少しばかりあるだけだ。
もちろんそれを、表に出すことはしないのだが。

「食卓に代わり映えが無いのだけは、ちょっと寂しいですけどね。
 …と、そうですね、早くそろえてしまいましょか。」

そんな会話を交えつつ、彼は必要な食品を買い揃える。
そうして抱えるくらいに買い揃えた食べ物を手に、そのまま少年は教会へと戻るのだろう。
……その傍らには荷物運びを手伝う彼女の姿があったとか、無かったとか。

ご案内:「王都マグメール 平民地区」からアウルムさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」からノーマさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にクレアさんが現れました。
クレア > 平民地区の冒険者ギルド。
人でそれなりに込み合うギルド内、そこで適当な依頼がないかと探す。
儲かればめっけものではあるが実力以上を受けて失敗をしては意味がない。
そんな堅実な事を考えて依頼を探せば案外ないもので。

「これは絶対に割に合わない、こっちは達成できるけど時間がかかるし…。
採取はおいしいけど、この薬草は知らないし…」

そんな事を口にしては並ぶ依頼を吟味しては右に左にと動き。
ただでさえ人目を引くような姿なので、余計に目立って人目を引いてしまい。
それに気が付けば、視線の主に揶揄うよな目線を向けては舌を出し。

そうやって揶揄いつつ一人、もしくは少数で行えるそれなりな依頼を探して。

ご案内:「王都マグメール 平民地区」からクレアさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区/路地裏」にレンジュさんが現れました。
レンジュ > 風も冷たくなってきたという時期、それでもまだ日も高い時間。
路地裏で艶っぽい声を漏らす女が一人。

「…はぁっ…。」

ジンジンと痛む下半身を抑えるように座り込み、ズボンを膝のあたりまで下ろす。
そして、ポケットの中に入っていた軟膏薬を取り出し、それを指先ですくうと…。
くちゅり。
と、音を立ててピンク色の恥部へと塗りつけていく。
自慰行為に近い行動をこんな場所でしている、それもまだ日も高いうちに。
そんな背徳感が、下半身を熱くさせていた。

レンジュ > 「はっ、はっ……っぁ…?」

だが、その軟膏薬…。
どうやら清涼作用のある成分が入っていたようで、明らかにスース―する下半身に女は少し戸惑い始める。
試しにそっと、クリトリスに指先を触れさせてみれば…。

「ンっ…!!!」

ビクビクっ。
軽く触れただけなのに、じわじわと熱くなる感覚に、っは、と小さく声が漏れた。
まずい、これは…。

「……癖に、なりそ…。」

魔力に蕩けた時とは少し違う、とろんとした瞳で呟くと、ぬりぬり、と指先を動かしていく。
清涼感が恥部を熱くさせる、指先がこすれるたびに甘い声を抑えて。

レンジュ > 「はぁっ……と、止まらな…っ。」

くちゅくちゅ…。
濡れた音をさせながら、もはや自慰としか見れない行為を続けていく。
クリトリスを擦り、扱き、時々弾いて、敏感になったそこを刺激し続けて。

「はぁ……ン…、くぅん……っ。」

クリトリスが…切ない。
今すぐ誰かにイジメてほしい。
スース―とした刺激だけじゃ物足りず…。
イきそうでイけない状態がずっと続いていて。

レンジュ > 「だ、だれ…かっ……。」

誰か、イジメて。

ポロリと涙があふれ出す。


クリトリスをイジメる手が止まらないのに、

イけない…。

「だれかぁっ……。」

ご案内:「王都マグメール 平民地区/路地裏」からレンジュさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区/酒場」にメルリンディアさんが現れました。
メルリンディア > 平民地区にあるありふれた酒場の一つ。
安酒と雑な調理ながらワイルドな味わいが楽しめる肉料理、噛み切れる程度の硬さの黒パン。
酒に酔い潰れたなら、上にある客まで眠り、明日への英気を養うも良し。
隣接する娼館から流れ込む女に誑かされ、鍵を片手に女と手を繋いで一夜を過ごすも良し。
そんな場所が今日の仕事場ではあるのだが、着せられた格好に少々難色を示す不機嫌顔である。

「まぁ、露出は少ないけど……っ」

ぴったりとした白いレオタード状の衣装は、チュチュの様なスカート飾りがついたバレエ衣装に近い。
ただ密着する部分が今にも透けそうな心許なさに、そわそわと舞台裏で鏡を確かめる。
変なところが見えていないか、透けていないか、しっかりとチェックしているとギターを掻き鳴らす音が響き渡る。
この酒場のメインの催し物、それは日替わりに現れる踊り子による妖艶な舞い。
普段は担当する娘がいるらしいのだが、今日に限っては病欠の為、代理を求める依頼が出ていたのだ。
ステージで踊るだけ、それなら簡単と受けたがこの始末。
手拍子のリズムが、踊り子の登場を待ちわびると、ヴェールを被って覚悟を決める。

「……っ!」

新体操につかうリボンと似たものを手に、爪先立ちで静かにステージへ。
拍手に赤らめた表情のまま小さく手を振りつつ、ステージを一蹴していきながらも、リボンをくるくると動かして、絡まないように操る。
スタート地点を定めると、爪先をそれぞれ外に開きながら左足を後ろに引いて伸ばし、右足は少し開きながら爪先立ちで膝を立てる。
腰をそらし腕を体に絡めてスタートのポーズを取れば、ギターの演奏者がアイコンタクトからボディをトントンと叩いてリズムを取ると、弦をかき鳴らす。
それに合わせ、手拍子が再び始まれば、ダンスの開始。
左足を軸にくるりと、上へ跳ね上げるような回し蹴りのじみた動きと共に、片手はリボンを操り渦を生み出す。
そのまま横軸の回転で横薙ぎの回し蹴り、リボンがその軌道を追いかけて、ぽんとそれを放り投げる。
ハンドスプリング、腰を軸にきれいな回転を見せながらキャッチすると、その落下を追いかけるように手を下へ回し、その場で再度前方倒立回転。
足が開く度に男達の歓声が聞こえる気がするが、今は気にしないと己に言い聞かせて集中する。

ご案内:「王都マグメール 平民地区/酒場」にルース・コールフィールドさんが現れました。
ルース・コールフィールド > 仕事が終われば酒場へと繰り出す。
その日に目についた酒場に足を踏み入れるのだが、足を踏み入れてからこの酒場は日替わりで踊り子が踊る店だったと思い出し。

今日はどの踊り子が踊るのだろうかとステージに目を向けながらカウンターへ。

「なあ、今日はどの子が踊るんだ?
注文はとりあえずエールだけでいい」

カウンターのマスターに軽い様子で問いかけては知っている踊り子かと問い。
そのついでにエールだけを注文してステージに目をやり。
そうしていれば丁度いいタイミングでギターが掻き鳴らされる音。
始まるなと待てば白いレオタード状の衣装に身を包んだ踊り子の姿。
初めて見る顔にマスターに問いかければ、臨時との言葉に関心の息を吐き。

爪先立ちでステージに上がる姿を眺め、少女が手を振れば客は拍手や歓声を上げ。
そしてステージを一周しながら見事と言えるリボン捌き。
やがてスタート位置に着いたのかぽーすを取るのに合わせて演奏が始まり。
手拍子とともに始まる舞いは客の目を引き付けるものであり。
その動き一つ一つに歓声があがり、特に足が開けばその声は一層大きくなり。
身体全体を使って舞う動きは客の視線を集め、他の客と同じように舞いに視線を奪われては、いいぞ、などと歓声を飛ばしてしまう。

メルリンディア > 青年の問いかけに、店主はこう応えていく。
いつもの子が休んだもんだから、間に合えば良しで冒険者ギルドに踊り子の臨時急募を投げたのだという。
そうしたら、あの娘が来たのだが、もうちょっと肉付きが良いほうが良かったんだがななんていうのも、妖艶とはかけ離れた見た目故か。
白いレオタードも息遣いの度に小さな胸が上下するのがよく見えてしまい、どうにかテープで誤魔化そうとはしているがニプルの膨らみで淡い突起がみえるかみえないかといったところ。
股座のカットも深く、鼠径部が露出し、ビキニラインよりも深い際どさがわずかに臀部を隠す程度。
それをチュチュのレースパニエが隠すのみなので、流石に恥ずかしくてたまらない。

「うぅ~……っ!」

足を開く動きも何も、これは元々自身の戦いの為に作った型の練習。
ダンスっぽいと言われたことがあるから、これでイケるかと思ったが最悪な裏目なのだ。
いいぞなんて聞こえると、耳まで真っ赤にしながらも、リボンを操りながステージの上を跳ねていく。
くるりと一回転しながらリボンを後ろ手に持つと、そのまま片手で再び倒立前転するのだが、片足ずつ下ろす動きは自然と足を開いてしまう。
その度にクロッチ部分が食い込んで、ギリギリ露出を押さえている恥ずかしい姿を晒していく。
そのまま立ち上がり、今度は体を前へと倒して胸をそれば、小さな膨らみが強調されていき、I字バランスの様な開脚立ちへ。
観客に背中を向ける位置で決めているのだから、白地がスリットに食い込んでいく動きを見られると思うと、背けた顔は涙目になっていく。
本来なら膝を曲げながゆっくりと戻すのだが、恥ずかしさに負けて直ぐに足を下ろすと、とんとんと下がるように跳ねながらリボンで渦を舞わせる。
そこから起用に操りながら足元を通過させつつ飛び越え、頭上で渦を巻き、空中で反対の手に持ち替えて自身の周りをくるりと包みつつ回転。
渦巻くそれを放り投げ、前転、キャッチからの片膝だけの力でリフトの様に立ち上がり、つつっと片足を持ち上げていく二度目のI字バランス。
これは恥ずかしくて、そっぽを向きながらに決めつつリボンをくるくると回しながら縦に渦を巻く。
そんな動きを繰り返しながら、最後のリボンを放り投げ、渦の中で宙返りしながらしゃがみこむ着地。
お腹を限界まで反らして、胸を張り、臀部の膨らみが自然と強調されるようなポーズで音楽がしめられると、慌ただしく立ち上がる。

「ど、どうも……」

ありがとうございましたというように頭を下げると、そそくさと舞台の裾へ逃げようとするが、そこから出てきた別のショーの演者とかち合ってしまう。
行き場を失うと、そわそわとしながら舞台傍のテーブル席にちょこんと座り込み、体を丸めて落ち着かない様子を見えていた。

ルース・コールフィールド > 「そうか?俺はありだと思うぞ」

店主の言葉、肉付きがという言えばあれぐらいも良いものだと返し。
酔っ払いや店主がどこまで気が付いているかは判らないが、少女の胸が上下するのがよくわかり、よく見れな淡い突起も見えそうに思えるのが良く。
下半身も鼠径部が露出しレースパレオがなければもっと絶景が見えると考え。

そして始まった踊りを眺めていればふとした違和感。
それが何かと思って見方を変えればまるで戦いでの身体を動かすように見えてしまう。
そんな訳はないよなとステージの上を舞うのを眺め。
一回転して直立前転をすれば、ステージすぐそばの客からは大きな歓声が上がり。
立ち上がり身体を逸らせ、I字のような開脚立地になるとまた上がる。
あの動きなら近くなら見えるかと、おそらくは最高の絶景を思い浮かべると前列のテーブルを取れなかった事を悔やんでしまい。

そんな絶景を見れなかった後悔もあるが、それ以上に少女の動きには感心して見惚れ。
自分でもあそこまでは動けないだろうと、自分を包むようにリボンを回し、それを投げて前転、そしてキャッチからの片足でリフト立ちは妖艶よりも綺麗に見え。
二度目のI字バランスの時には酔っ払いの、もっとよく見せろ、という品のない声まで響き。
そんな動きを繰り返され、リボンを投げ、その中で宙返りをしての着地、胸や臀部を強調するポーズで終われば口笛が鳴り響き。

舞いが踊り少女は引っ込む、と思えば引っ込み損ねたのか舞台傍のテーブルに行くのを見れば席を立ち。

「お疲れさん、良い踊りだったぞ」

そんな声をかけてエールを片手に近寄り、少女に座っていいかの目配せをしてからテーブルの席に着こうとする。

メルリンディア > 兄ちゃんはあれぐらいもイケる口かなんて豪快に笑っていたかもしれない。
貼り付けたテープが汗でズレて剥がれないだろうかと心配になり、染み付く汗で腹部がうっすらとすけてないかと心配にもなる。
本来はこうやって足を振り上げて蹴り飛ばすための型なのだが、こうして男性の視線に晒せば厭らしい舞いの様になってしまう。
うぅとうめき声めいた息遣いと共に我慢して舞い続けるが、恥ずかしくて鼓動がどんどん加速する。
きっと最前列であれば、食い込む絶景が見れたかもしれないが、見られなかったこちらとしては幸いなのだ。
ようやくダンスが終わり、これで体を隠せると思いきや、逃げ場を失ってテーブル席。
恥ずかしいところをいっぱい見た男達の前で座るのは、余計に恥ずかしく、俯いてどうしようと思考がぐるぐる。
いや、控室に今から逃げればと思いきや、店主がお疲れとオレンジジュースのグラスを置いていってしまう。
これは飲み終わるまで逃げれないと、心の中で涙を流していると、かかる声に子猫のように背中が伸びた。

「ひゃっ!? えっ、あっ、あ、あははっ、あ、ありがとう……ござい、ます……」

あわあわとしながら、視線がさまよった後、一旦グラスをテーブルにおいてから頭を下げる。
それから目配せにはこくりと頷いてしまったのは、率直な褒め言葉に心が緩んだからかもしれない。
近くに座るであろう彼に落ち着き無く視線を幾度か向けながら、チュチュの裾を指先で弄る。
粗相した子供のような落ち着かなさの後、ぎこちない照れ笑いを浮かべて、ようやく赤い瞳と視線を重ね合わせた。

「ほ、褒められるのは嬉しいけど……ちょっと、恥ずかし……かった、です」

あんなに股座を覗き込まれるわ、胸元や臀部に視線が集中するとは思いもせず。
予想外の結果と苦笑しながらもどうにか会話を繋がんとした。

ルース・コールフィールド > 豪快に笑うマスターに、寧ろ良いだろ?と笑って返し。
本当に近くで見れない事が残念な舞いとその姿。
今からでも割り込むかと思うのは遅く舞いは終わってしまい。
マスターが少女のところへと向かうのを追いかけるようにして。

「驚いたか?悪い悪い、驚かせるつもりはなかったんだよ」

背中が伸びるほどに驚かれた様子に悪いと軽く謝り。
少女が頷くのを確認してから椅子に腰を下ろし、持ってきたエールを口に運び。
そして先ほどは遠目にしか見えなかった衣装や容姿を近くでさりげなく眺め、そして落ち着かないのかチュチュを弄っているのに気が付き。
そんな様子に、気を楽になと、ぎこちない照れ笑いを浮かべる少女と視線を合わせて告げて。

「他の客は衣装に釘付けだったみたいだな。けどなあの舞いは見惚れたよ。
今回は代理だってきいたからな。もう見れないのが残念だ」

その恰好なら仕方ないと、上から下とみては苦笑とともに告げ。
それはそれとし、舞いは見事だったと少女を褒めて。

メルリンディア > 謝罪の様子に目をまんまるに見開くと、両の掌を向けてパタパタしながら首をブンブンと左右に振って茶色のクセ毛が踊る。

「い、いえっ、ちょっと恥ずかしくて……ダンスするだけって聞いてたから、まさかこんな感じとは思わなくて……」

ただ緊張と羞恥で固まっていただけであると、謝罪されることではないと説明を重ねていく。
だから大丈夫とぎこちなく微笑むも、やはり恥ずかしさは拭えなくて軽く頬をかきながら視線がさまよった。
近くで姿を見れば、薄っすらと滲んだ汗でレオタードが吸い付いており、臍の窪みや体の筋のラインが薄っすらと浮かんでいく。
踊り子らしい体付きと言えばそうなのだが、桜筋が育った体はあまり凹凸が大きくない。
胸元の部分もうっすらと透けており、テープでニプルを押さ着けている輪郭は顕になってしまい、凝視すれば薄紅色の乳輪も拝めるだろうか。
気楽になと言われれば、はいと言わんばかりに頷くも、ほっぺたは赤いまま。
ぺちりと両手で頬を包んでは、はにかんだ微笑みを浮かべていく。

「ぁーうー……店主さんがこれでやれっていうもので……あ、ありがとうございます。元々、あれは踊りじゃなくて……武器の型というか、練習フォームが元なんです。え、えっと……冒険とか戦いだったら、本来の動きは見せれます……よ?」

こういう感じの鞭みたいな武器と、テーブルに置いたリボンを手にとって説明しつつ、少しだけ緊張がとけていく。
踊り、即ち動きを褒めてもらえたのはうれしくて、ぱぁっと、親を見つけた子羊みたいな溌剌となる笑みを浮かべていった。

ルース・コールフィールド > 「恥ずかしい……?そういう事か。内容はきっちりと確認しとかないとな」

少女の説明を聞けばなるほどなと納得を見せ。
ぎこちない微笑も恥ずかしいせいかと視線を彷徨わせて、頬を掻くのを見て。
そして近くで見れば遠目では判らなかったがレオタードが汗で吸い付き、体のラインなどがはっきりとわかり。
凹凸は大きくはないが、自分にはむしろその方がありであり。
視線を向けると胸元も薄く透けていることに気が付くが、凝視すれば流石に非難されると泣く泣く諦め。
気楽にと言えば良い返事と頬を両手で包み、はにかんだ微笑みを見せられると、いいぞと笑い。

「受けた後に衣装を渡されたって訳か。
やっぱりそうか、踊りにしては動きのキレが違うと思ってたんだ。
という事は本業は冒険者か?
……そういや、踊る以外に募集に何かなかった?」

リボンを手にしての説明に感じていた通りだったかと疑問が解け。
そして少女の言葉に同業者だと思えば、確認するようにし、溌剌とした笑みに笑みを返して。
そしてふと、こういう酒場での踊り子、交渉次第ではお持ち帰りもできる。
少女はそういう契約はしているのか気になり問いかけて。

メルリンディア > 「そうします……踊るだけって見たのはよくなかったです」

しょぼんと肩を落としながら、曇り空な表情で項垂れていく。
その合間に体を見られていたとは気付いておらず、羞恥が注意力を散らしているようだ。
彼の微笑みにこちらも少しずつだが緊張が溶けていき、続く言葉にはそのとおりですと言わんばかりに何度か頷いていく。

「もっと布地の厚いのって言っても駄目でした。ふふっ、お手製の鞭なんですけど、くるくるって魔法とかを包むとかき消したりできちゃうんです。それでああいう動きを元にってやったんですけど……キレがいいって言われるのは、ちょっとうれしいかも」

はにかんだ微笑みのまま、楽しそうに装備の話を語っていく。
その度に手振り身振りを重ねるので、彼の目の前で透けそうな胸元が上下しているのは気付いておらず。
冒険者かと問われれば、コクリと頷くのだが、その先の言葉にはパチパチと人見が幾度も瞬いていき、思案顔で首を傾げて顎の横に人差し指を当てた。

「踊る以外の募集ですか? ……そういえば、踊りとは別に歩合制って掻いてあった気がします」

歩合、つまりは踊りを餌に寄ってきた男となにかするのは追加報酬という意味だろう。
そういった点では、自由にお持ち帰りに応じれる権利を有しているわけだが、それが自由とも分かっていない。
踊りの歩合制って何なんでしょうねと苦笑しながら想像するも、何も浮かばない当たり、気付いていないのはよく分かるはず。

ルース・コールフィールド > 「滅多にはないが、募集と内容が違うのもあるぞ」

肩を落として項垂れる少女に、そういうのもあると告げ。
曇り空のような表情に落ち込むなと、元気つけるように声をかけ。
そして恥ずかしがっている割に警戒心が緩いのか、身体をちらちらとみてりとして。
緊張が解けていく様子に、良い事だと頷き。

「酒場での踊り子だからな、そういう衣装じゃないと客から文句がな…。
魔法をかき消せるのか、それは凄いな。
あの動きは敵対したら戦いにくいと正直に思ったな、何度も練習してるな?」

楽しそうに装備の話を語る少女、魔法をかき消せると聞けば驚き。
身振り手振りを重ねる説明、それはよくわかり、何より透けそうな胸元が動くのも眼福であり。
冒険者ならあの体捌きも納得だと頷き、そして続けた言葉に試案顔になるのを見つめて。

「多分だがついてたと思うぞ。……やっぱりか」

歩合制と聞けばやっぱりかと頭を掻き、気が付いていない様子を見て。
同時に他の客は次のショーに夢中になっているのを見ればチャンスと取り。

「それはな、追加で稼げるってことだ。よかったらどうだ?」

細かく説明をしてもいいが、それは問われればにしようと考え。
少女にそう告げては真っすぐに顔を見つめた後に視線は上に、酒場の二階にある部屋を示すようにして。

メルリンディア > 「ホントですか!? うわぁ……今度からちゃんと気をつけないと」

今回は恥ずかしいだけで済んだが、それ以上の酷い目に合うケースもありそうとズンと頭に岩がのしかかるかのよう。
ちらちらと見られていても、やはりミスへの凹みようが意識をちらしており、気付いてはいない。
前に項垂れたことで、少しだけ丸まった胸元でテープがズレたのか、微かにだがツンと薄衣を押しやる部分があらわになる。
酒場の踊り子だからと言われると、むぅとほっぺたを膨らませてふいっとそっぽを向く。
もっと恥ずかしくなくたっていいじゃないですかとボソボソと呟いて、やはり不服なのだろう。

「凄いですかっ!? ふふっ、実は両親に倣って自分で作ったんです。お兄さんと敵対はしたくないかな、知ってる人とは戦いづらいし……でも戦いにくいって思われるのは嬉しい」

褒め言葉がいっぱい重なっていくと、ほわほわと幸せそうな笑みで頬を緩ませていき、両手で頬を包んでいく。
ニヤけてしまう子供っぽい笑みを隠したいが隠しきれず、何度も練習しているなと問われれば、勿論ですと勢いよく何度も頷いた。
足開くのも本当はキックなんですなんて説明しつつ、重なる言葉に思案して。

「どういうことです?」

やっぱりと曰う彼に、キョトンとしたまま瞳を瞬かせた。
他の客は次に出てきた大人っぽい踊り子に夢中であり、やっぱりああいう方が人気あるよねとちょっと寂しくなる。
そんな思考をよそに、誘いかければぱちくりと再び瞳が再度瞬いた。
数秒程、表情が硬直したまま思考も停止したが、次第に指差した先、この場所、男女と全てが繋がると首から上へと熱が上り詰める。
みるみる内に頬を高調させ、耳を真っ赤にして瞳をうるませると、唇がはくはくと声を失う。

「……!? ぇ、あっ、えっと、あの、その……わ、わわたしより、もっと大人っぽい人のほうが……っ、そ、そんな上手じゃ、ないし……」

普段なら断ってしまう提案だが、動きを褒められたりと少し踏み込まれたのもあって、断りづらい。
年上の男性ながら優しさも感じるのもあり、いい人なのかもしれないし、そういう悪いことをしたい気持ちが少し疼く。
けれど、あと一歩を踏み出すのははしたない気がして、そわそわと視線を彷徨わせながら、俯いてしまう。

ルース・コールフィールド > 「滅多にないけどな。報酬が変に良い依頼は気を付ける事を勧めるぞ」

簡単な内容の高額依頼はそういうのが稀にあると告げ。
真面目な話のときにする事ではないが、つい何度も見てしまい。
そうして見ていれば、少女が項垂れ、胸元を押し上げる内の突起に気が付き。
踊り子だからという言葉に頬を膨らませてそっぽを向く姿、それが失礼だが可愛く見え。
聞こえた呟きに、客を引かないとだけだから、と苦笑して。

「魔法の対策が一番面倒なんだ、それが出来てるんだぞ?
両親に?という事は親は何かを作ってる訳か。
そう言ってもらえると嬉しいよ、俺も顔見知りとは出来れば戦いたくはないな。特にあんないい動きが出来るのとは」

自分で作ったと聞けば、あれだけ動ける上にそんな事も出来るのかと才能の多さに感心し。
幸せそうに頬を緩める少女の姿は先ほどのキレのいい動きで舞っていた少女と同一には見えず。
隠しきれない子供っぽい笑みで何度も頷く姿に、頑張ってるのだとみて。
足上げのキレの良さも、やはりキックだったかと納得し。

キョトンとした表情にやはりかと見て。
マスターに説明をしろと言うようにカウンターに視線を向けるがそこに人はいなく。
他の客は次の踊り子に夢中になっているので、マスターもあの中にいるのかと思えば大きな息を吐き。
それはそれとし、ぼかして誘いをかけて少女の様子を伺い、瞳が瞬くのを見つめ。
表情が固まったのを見ては解ってないか解ったのか。頬が高調していくことに分かったのだと取れば、耳まで真っ赤にそて瞳を潤ませた少女を見つめ。

「俺はな、君だから誘いをかけてるんだ。
君を一夜買わせてくれないか?」

視線を彷徨わせ俯く少女に、君だからとはっきりと告げ。