2023/11/10 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にイェフィムさんが現れました。
イェフィム > ざわざわと賑わっている大通り。
ぎゅむぎゅむと押しやられたりしてよたよたと小さな路地に追いやられる。
ぐったりとした表情で肩を落とすと、昨日から厄日か、と思いながら近場の店先を覗き込む。

「……。」

じ、と店を覗き込み、次の店へ行き、再び店を覗き込み。
しゃがみ込んで興味を引いたものを手に取ってみたりと、
そこだけは年相応にふるまっている。

イェフィム > 「あれ…?」

そうこうしているうちにどうやら怪しい露店ばかりの場所に迷い込ん様子。
ニヤニヤした視線を浴びながら早く抜けてしまおうと足早に進んでいくが、
あちこちからは「寄っていきなよ。」「いいのあるよ。」と、下卑た笑い声交じりの客引きの言葉が聞こえてくる。

「……。」

ちら、と店先を見れば、明らかに男性器を模したものやら、怪しげなクスリやら。
目元を赤く染めながら、「結構だ。」と言うものの、がし、とその腕を掴まれて。
「そんなツレないこと言わないで。」と、下腹部を膨らませているのを隠しもしない店主がニヤニヤと顔を寄せてくる。

ご案内:「王都マグメール 平民地区」にアドラーさんが現れました。
アドラー > 王都の地形は複雑だ。
平民地区とはいえ、ひとたび足を踏み外せばこのような露店が立ち並ぶ場所に行きついてしまう。
自分のような男性ならいざ知らず、女性となると身の危険を感じる時もあるだろう。

とはいえ、この通りは近道として最適だ。
露店には目もくれず、一目散に立ち去ろうとするも、聞き覚えのある声を耳にする。

「…イフ?ここで何をしているんだ」

怪しげな商店が並ぶ通りで見かけたのは、貧民地区で出会った騎士。
店主と知り合いなのだろうか、と一瞬は見過ごそうとしたものの
腕を掴まれ、顔を寄せられる様子に目を細めて、ついつい声をかけてしまう。

「失礼、この子は私の友人なんだ。他所を当たってくれないか」

ニヤニヤと友人の腕を掴んでいる店主の間に割って入り、そのように述べる。
口調は物腰柔らか、表情も笑顔。しかし、目のは見えない圧力のようなものを店主は感じるだろうか。

イェフィム > こういう場所の男は、自分より弱い女に対して遠慮がない。
ニヤニヤとした笑みをそのままに、無遠慮にズボン越しに下腹部に触れてくる。
そして「お嬢ちゃんのココ、気持ちよくしてあげる物一杯あるよぉ?」と、ねっとりとした声で囁かれれば、
ゾワリと鳥肌を立てながら身じろぎをして。

「ッ…アドラーさん…?」

さすさすと下腹部を撫でる手を、
そこだけはやめろとばかりに右手で押さえ、
聞こえてきた声にパッと顔を上げる。
今回はなんとも情けない姿を見られたことになった。

「………。」

情けないやら恥ずかしいやらで視線を逸らしつつも、
店主はその男の言葉に含まれる圧のようなものを感じてか、
「ああー、さてさて仕事仕事。」と、わざとらしい言葉と一緒に離れていく。

「……すいません、ありがとうございます。」

さす、と触られていた下腹部をさすりながら眉尻を下げてお礼を言うと、ぺこん、と頭を下げた。

アドラー > 「礼には及ばない。
 私が介入せずとも、君ならば独力で解決できただろう。
 むしろ、邪魔だったかな?」

お辞儀をする彼女をフォローするかのように言葉をかける。
あの店主よりも強そうなチンピラを3人相手取っても余裕綽々と言った様子だった彼女が、されるがまま、というわけもないだろう。いずれ自力で解決したはずだ。
あるいは、『そういう目的』だったのなら。邪魔したことを謝罪しよう。

「敬語はよしてくれ騎士様。
 しかし、こんな所で何を?買い物に来た、という風には見えないが」

なぜか丁寧に謝る彼女。前回の凛々しさとのギャップに若干驚きつつも、微笑みを浮かべる。
普段は貧民地区で活動していると聞くが、なぜこんな所に。
純粋な疑問を解決しようと質問を投げかける。

イェフィム > 「……いや、俺だって誰彼構わず切り捨てるわけにはいかないから。
 助けてもらった分には助かった…、
 って、ンなわけ無いでしょ…!!!」

下腹部を撫でられたことに対して鳥肌を立てる身体をさすりつつ、
チンピラにしたように切り捨てるわけにはいかなかったと軽く肩をすくめる。
そして『そういう目的』だったと誤解されるなんて冗談じゃないと眉を吊り上げた。
…いや、さっきのわずかな刺激で多少下腹部が疼いてはいるが。
それでもあのオッサン相手にはさすがに御免だと。

「いや、だって年上だろうし…。
 …まぁ、そっちがイイっていうならいいんだけどさ。
 ……や、ちょっとぼーっとしてたらここまで来ちゃったんだよ。」

微笑みを浮かべる様子を見て、ん、と小さく頷き返す。
一応年齢を考えて年上には丁寧に、くらいの気持ちは抱いている様子。
そしてあんまり自分でも自慢できない現状に至るまでの経緯を簡単に説明した。

アドラー > 「そうなのか。騎士の面目という奴か。やはり難儀だ。
 はは、そうだよな。失礼した、イフ」

騎士という役職柄、無暗に力を行使するわけにはいかないのだろう。
冒険者とは異なる立場に厄介だ、と考えつつ
自分のやや下種な考えを真っ向から否定される。ちょっと必死そうな彼女が面白くて、微笑みながら謝罪する。

「私より年下で騎士となっている君の方が立派だと思うが。
 本来ならば私の方が敬語を使うべきだろう。
 
 …さすがに気が抜けすぎだ」

年齢の話になれば、こちらは立場の話を持ち出して、不要といった風に述べる。
年齢や立場などの堅苦しいのは好かず、あくまで素で話してほしいとニュアンスで伝わるだろうか。
そして彼女がここまで来た経緯を聞くと目頭を抑えて呆れ気味に発言する。

イェフィム > 「チンピラを懲らしめるのと、
 商人を懲らしめるのとじゃ違うからね…。
 ましてや自分の管轄外のことするわけにはいかないし。
 ……ぐぬ。」

下手したら貴族につながりのある商人もいるわけで。
そんな奴を懲らしめたら、結果として痛い目に遭うのは自分だろう。
ん、と小さく下腹部を押さえながら言葉を濁す。

「立派かと言われたら俺も立派な騎士じゃないからね。
 別に俺に対して敬語なんて使う必要ないよ。
 騎士にもなり立ての下っ端騎士もいいとこだし。

 ………自分でもわかってるよ。」

そういうことならば、と頷きを返す。
こちらとて堅苦しいのは好かない。
敬語なんて不要だと首を左右に振った。

…そして気を抜きすぎとの言葉にはつい、と視線を逸らした。

アドラー > 「あの手の商人は一度痛い目を見た方がいいとは思うが…
 なんだ。痛いのか?」

立場や貴族との繋がりなど、知ったことではないと振舞えないのは中々窮屈そうだ。
騎士という役職は自分には向いていないと改めて実感する。
直後、下腹部を抑える様子に心配そうに顔色を伺う。確かあの店主が下腹部を触っていたな。
毒でも盛られたのかと、外套の中に解毒剤がないか探す。

「以前言っていたな。泥に浸かっている騎士だ、と。
 私はそうは思わない。君は私にとっては立派な騎士様だ。
 
 まぁ、皆まで言わないが、気をつけろよ」

自分は騎士らしい騎士ではないと、以前貧民地区で聞いた言葉を思い出す。
しかし、子供のために刃を振るうその姿は、自分にとっては紛れもなく騎士であった。
立派な騎士の彼女に尊敬の念を抱きつつも、それはそれとして呆れたような顔で目を細め彼女を見つめる。

イェフィム > 「…痛い目ね、でもああいうのは大体需要があるから成り立つんだろ。
 ……や、痛いわけじゃないんだけど…ッ…。」

一応貴族という立場なれど、今の立場は騎士。
騎士というのは貴族よりは立場が下なわけで。
自分勝手に暴れていいわけじゃないのです。

そして下腹部を押さえる手に力がこもっていく。
おそらく衣服の下でそこには紋様が浮かんでいるのだろう、
顔を赤く染め、額にじわりと汗を滲ませながらその場に膝をつき、
それでも痛みは無いと首を左右に振る。

「ンな立派な騎士だったら、俺は今頃この街にいないよ…。

 …ん、悪いね、ありがとう。」

きゅっと唇をかみしめる。
本当に立派な騎士ならば、呪いのことも気に留めず、
弱きを助けて強きをくじくような、そんな騎士になっていただろうと。

呆れた目には反論する言葉もなく、ふう、ふう、と荒く息をしながら頷いた。

アドラー > 「痛いわけじゃないって…そうには見えないが…!」

紅潮する顔、発汗、膝をつく様子に焦ったように顔をのぞき込む。
やはり毒か。と外套から解毒剤を取り出し、飲むように促す。
媚薬などやダンジョンのトラップに効く解毒剤だが、呪印にはもちろん効果はないだろう。

「どうした!?イフ!
 何が起きた…!どうすれば楽になる…!?」

先ほどの余裕そうな表情が崩れ、苦しそうに息を荒くする友人に焦る。
徐々に様子がおかしくなってくることにとりあえず肩を貸して立たせようとする。
教会に行くべきか?ともかくここじゃ危険だし、目立つ。どこに移動するべきが最適か思考する。

イェフィム > 「……ッ…んっ、はぁっ……。」

その場に膝をついて、絶え間なく荒く息をつく。
顔を覗き込まれて、解毒薬を飲むように促されるが、
それが効くわけもないのに無駄遣いさせるわけにはいかないと、
ゆるゆると首を左右に振る…。

「ッ…あ、あどらー…。
 ごめ……だ、……。」

明らかにおかしい様子に周りもざわめく。
だが、その中にはイフの表情を見てニヤリと笑みを浮かべる者もいる。
はくはく、と口を開閉させ、うるんだ瞳で男を見上げる。
ごめん、と言う気持ちと、楽になりたいという気持ち。
ないまぜになった気持ちで、男の手を自分の下腹部に導き。

「ここ…苦しい…ッ…。」

涙を浮かべた金色の瞳で男を見上げる。

アドラー > 首を左右に振る様子に困惑するも
何か本人にとって心当たりがあるのだろう。
解毒薬を仕舞いながら、考えられる原因を探るも…

「ここか…!」

周りもざわめくも、それに注意を払う余裕もなく
彼女の下腹部に自身の手を誘導されれば、原因の部位を特定できて
服の一部を脱がせて、該当の部位を観察しようとする。

そこにあったのは紋様。感じるのは呪いの力。
彼女の症状に、下腹部の模様。全て、合点がいったという風に納得し、冷静さを取り戻す。
金色の瞳に自身の青い瞳を交差させて。

「…わかった。移動しよう」

彼女を横抱きにかかえて、走り出す。
教会などは遠くて手遅れになる可能性がある。第一治せるかわからない。
応急処置的ではあるが、近くに宿がある。間に合わなくなる前にそこへ行くべきだ。

彼女に刺激を与えないようにしつつ、早急にそちらへと向かっていった―――

イェフィム > 一人で立っていることもできず、
男に支えられながらはぁはぁと息を零す。

「んくっ…!!!」

しゅる、と衣服の一部が脱がされれば、
周りの関係ない連中は眼福とニヤリ顔を晒すが、
そんなことに気を配っていられない。

男にも感じられる呪いの力、下腹部の紋様、
それでいろいろと悟ってもらえれば、
僅かにだがほっとした様子で…。

「……ん、ごめん…ありがとう…。」

ぎゅ、と男の身体に身体を委ねて、
そのまま男の足の行くままにすべてを預けて―――。

ご案内:「王都マグメール 平民地区」からアドラーさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」からイェフィムさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にアウルムさんが現れました。
アウルム >  
「……ふぅ、結構…大荷物になっちゃったな」

ほんの僅かに汗ばんで、透けた白の布が肌に張り付く。
片目を覆い隠す髪も少々乱れてしまって、少年はそれを直しながら息を吐く。
両手に抱えていた籠を足元に降ろし、少しだけ休憩しようと道の脇へ寄る。

籠にはパンパンに食べ物が詰め込まれていて、一見して華奢な少年には大荷物。
修道服の少年は、如何にも買い出しの帰りと言った様子であった。

アウルム >  
通りの傍、小さな段差に腰掛けて一休みする。
少し休んで息も落ち着いてきたら教会に向かおうと、ぼんやりと考えながら周りを見渡す。
王都に来てまだ日は浅いが、やはり人通りが多い場所だと改めて実感した。

「……ここ、他に何があるんだろ」

そんな言葉がふっと零れる。
王都に来てそこまで月日が流れていないとはいえ、まだ殆ど王都を巡っていないのだ。
日々の生活に今は慣れるのが必至で、他の事を考える余裕がないからでもあるのだが。
それでもいつかは見て回りたいものだと、少年は考える。