2022/02/11 のログ
ご案内:「王都マグメール 王城(過激描写注意)」にメイラ・ダンタリオさんが現れました。
■メイラ・ダンタリオ > 「決 闘 で す わ っ ! ! 」
その日 王城内にて 普段なら粗相をするはずもない一人として数えられはするだろうと自負できる
メイラ・ダンタリオの怒声が響いた
北や戦場 砦など 戦場のどんな場所であろうとも存在理由が成り立つ 暴れるだけの一家
その内のメイラが、声を荒げ向かい合う
鎧姿ではなく互いに黒の一張羅と貴族服に身を包んだ者
周りの制止などあるはずもない
メイラの理性という図太い糸
動じることがむしろ少ないといえるはずのそれに触れえる理由を周りは知っている
王に関する何かを何か口内で向かい合う者は弾いたのだと。
そも、周りからすれば狂気的な忠義を持つダンタリオとて
現在 王とは存在せず王とは争われる席
メイラは先代がなくなっている今 誰もいない空位の王にその身をささげ続けているという
誰かを王にする気もなく 誰かを王として阻むつもりもない
徹底的な指示待ち勢の極致のような存在でもある
空っぽの玉座に頭を下げるような行為を働き続け
首級をどれだけ上げようとも周りの評価よりも 空位の王にそれを求める以外にない。
そんなメイラをイカれと称し 戦狂いではなく王狂いの性質に触れたのだった。
一家同士の争いでは話が大きくなるため飽くまでも個々での対立
それは王城広場にて現在行われ、阻むつもりなら酒を浴びて、片方のガントレットをグローブ事頬にたたきつけもする
そこまですればどのみち、逃げ場はないからだ。
メイラは雪が静かに降る昼間
白い吐息と共に、そのやや癖のある緩やかに波打った髪がまるで
己の意思を反映させるように揺らめくような幻視を与えるほど煮えたぎっている。
相手も背水のそれ 引き分けや落としどころの決着がない限り
互いのどちらかが死ぬだけである 目の前の王狂いがそんなことを気にする者ではないと知っている
メイラも ダンタリオも どこまでも どこまでも イカレれていると周りが知っていた。
■メイラ・ダンタリオ > 決闘が綺麗に終わればまだいいほうである
騎士の剣技 冴えわたる切り口 鮮やかな一撃
そんなものがあればむしろ楽の死ねたろう
それでもこの雪降る中で幾人もの立会人や野次馬がいる中で
メイラが保身的な殺し方をするはずがないだろうと 周りも予想が立っている
寧ろどう殺すのかに興味を示す外道精神もいるようだった
互いに誰かの合図と共に剣が抜かれる
質のいい鋼鉄直剣
異質さを見せる反りを含んだ片刃の剣
互いに口を叩き合うだけの腕はあるように
始まりと共に突きの撃が幾度も放たれる
突きとは引き戻す速さ 突き出す速さによる
殺意の高い貫通 速度 それを大刀一つで互いの剣を削り合うような音
こすれ合う度に剣花が咲き その咲き乱れる方位はメイラ側
橙色か白に近い火花が何度も、三つや四つに分かれて咲いていく
近づかせない相手と間合いを踏み切れないメイラ
互いに片側を前に突き出し間合いを伸ばす方
今だ両手で握り間合いがそれよりも低いメイラでは
攻防は一方的なものが続く
王城内広場は 鉄の鳴きと剣の花が咲く度に
メイラの赤い瞳はギラギラとしたままその剣先を見据え
相手もまたメイラの足元を注視する。
ご案内:「王都マグメール 王城(過激描写注意)」にエイガー・クロードさんが現れました。
■エイガー・クロード > 「……」
どうしてこうなった、など考えるまでもない。自分が彼女を挑発した。
目の前で真っ赤に目を、殺意を向けて、髪すら逆立って見えるほど怒気を放つ彼女。
それを前に、自分はどこまでも冷たく彼女を見ていた。
「決闘、ねぇ。いいわ……受けて立って差し上げましょう」
そう、彼女の激昂の声に対して、どこまでも冷たさを感じる低い男性の声。
エイガー・クロード。彼もまたこの国に仕える騎士の一人であり、国に忠誠を誓う者。
しかし、彼女とは違う。
「私は空席の王などに興味はない」
事の発端はその一言からだった。
それを面と向かって言った訳ではない、しかしたまたま、そう呟いたのを彼女の耳に入ってしまった。
互いに互いの顔はそこまで知らない。しかし王城に入り浸り、たまに顔を合わせることもある。
戦場では一度も互いに戦ったことなどない。ダンタリオ家は基本、外敵を滅ぼすために運用される。
それに対して、クロード家は内部の腐った根や巣食った外部要因を処刑するために運用される。
畑が違う。互いに、交わることがない役割なのだ。
故に。こうして決闘場で向かい合うことなどあり得るはずもないのに。
彼らは会ってしまった。
力で攻めてくる彼女に対して、自分は技を使う。速さなど、その時その時で分野が違う。
反りのある片刃の刃。おそらくは特注品だろうか。に対して、自分は鋼鉄の直剣。
普段から使用して帯刀しているもの。そう、普段から使っている。
注視すべきは足の動き。互いの獲物が剣の類なれば、それで合っている。
足の動きから、踏み込み、そしてその力の入り具合がわかる。
対人戦という意味では、自分は彼女には負けていない。否、職業柄。
『自国民』に対しては絶対に自分は負けてはならない立場なのだ。
「……」
静かな呼吸、そして一呼吸の間に、瞬く間に突きが放たれる。
自分の本来の得物は槍だが、それは彼女も同様に本来の得物は別の物だろう。
だがこうして彼女の殺気を受けている以上、こちらもそれに対応した戦いをせねばならない。
即ち……殺し合いだ。
■メイラ・ダンタリオ > ダンタリオという教育による狂気と怒り
クロードという教育による自負と体現
互いに後に引けないのは同じことであり そこらの雑踏雑兵ではない
殺し合いに箔があるそれは周りの人数で消える人影はほぼ見えない
見つめられる視線の中 野次もない 雪の静寂の中で互いの白い吐息と剣花だけが
お互いの活動を知らせている。
速度の突きに対抗するには同じく突きを打ち込む以外に間合いを消すには
踏み込みという手段しかない。
そして突きという手段だからこそ 一瞬で勝負がついていなかった。
周りも意見同意 同じく突き以外 袈裟や胴薙ぎでは隙が生まれることを知っている。
受け止められた瞬間が終わりだろうからだ。
一線ではなく一点の連打
それに対し、刃を合わせ、軌道を逸らせるように刀で左右上下に払うメイラのほうが手間は掛かる
無論エイガーにも、片腕を酷使し続けるという点はあるものの
ダンタリオは混ざりものであり エイガーもまた、向かい合うメイラ自身すら知らない混ざりものである
互いに混ざりもの同士 なぶり殺しではなく一撃で殺す方向で思考を切り替える決断は案外早かった。
皮肉なものである 外部闘争で発揮しているダンタリオが内側に牙を向ける可能性は大いにあれど
それが内部粛清に対して発揮されるクロードとぶつかり合うのだから。
耳の傍を通り抜ける剣風
目の前で散り咲く剣花
互いに決定打に欠けている中で、パワーファイトではなく技術力と駆け引き
それはメイラの中で一種の歯ぎしりを生んでいる
―――内部粛清するだけはありますわね……。
―――剣を叩き折る前に引き戻し、そして再び突きを放ってくる。
―――間合いの詰めようがない。
バリッ バリッ バリッ
不思議な音が小さく響く
それが、獰猛なメイラ特有の口元 ギザ歯並ぶそれが綺麗に閉じ
それを擦り鳴らす歯軋りの音とクロードだけが見えている。