2022/10/09 のログ
■エレイ > ともかく、男は客を迎え入れ。カーテンは再び閉ざされて──
ご案内:「九頭竜の水浴び場 マッサージ室」からエレイさんが去りました。
ご案内:「何処か」にエリーシャさんが現れました。
■エリーシャ > ――――――遠く、雨音が聞こえる。
目覚めて初めに気づいたのは、そこが室内であるらしきこと。
躰の傷に手当てが施され、清潔な包帯が巻かれていること。
頭上にあるのがベッドの天蓋であり、自身の躰はベッドに寝かされていること、
そして、――――――そこが見覚えのない部屋である、ということ。
「――――…… ぅ、して、……… っ、っ」
ここは何処だ、何がどうなって、こんなことに。
跳ね起きようとしたけれど、右肩に走る激痛に阻まれる。
起こしかけた躰を再び柔らかなベッドに沈めて、震える呼気を吐き出しつつ、
視線だけを巡らせ、周囲の様子を窺う。
閉ざされた窓、枕元の小卓に灯る小さなランプの灯、
そして、同じく、閉ざされている扉。
手当てを施されている、ということは、すぐに死なせるつもりではないということ。
けれど、それが即ち、味方、同胞の所業であるとは断じきれない。
常に手近に携えているしろがねの見当たらないことも、娘の不安を募らせていた。
■エリーシャ > 娘の意識はゆらゆらと、薄闇を揺蕩い始める。
恐らくは体力が回復するためには、まだ、時が必要なのだろう。
ここが敵地であるとしても、手当てされた以上は、
差し迫った生命の危険はない、ものと考える。
否、考えるというよりも、もう本当に躰が限界で――――
程無くして室内には、娘の健やかな寝息が満ち始める。
繊細なようでいて豪胆な、それは母の血か、それとも――――――。
ご案内:「何処か」からエリーシャさんが去りました。