2017/10/20 のログ
ご案内:「王都マグメール 貧民地区 裏通り」にジードさんが現れました。
ジード > 貧民地区の中でも一層治安の悪い路地裏の片隅。
ちょうど平民地区と貧民地区とを繋ぐ裏道に当たる路地に怪しげな露天が構えられていた。
とはいっても場所が悪いのか訪れる人影もほとんどなく店の様相は閑古鳥。
繁盛していないのは一目瞭然。

「今日も今日とてこの当たりは人気が無いな、っと。――そろそろ店出す場所考えないとなあ」

はて、と声を上げながら騒々しい繁華街のある方角に目を向ける。
この当たりは特に昼間は繁華街に抜ける客足が結構な数あるのだが夜になると
途端に足が途絶えてしまうようだった。治安的には良い事
かもしれないが商人としては実によろしくない状況だ。

ご案内:「王都マグメール 貧民地区 裏通り」にジードさんが現れました。
ジード > 「だからと言って
「かといって平民地区のあたりに店を出すわけにもいかんしね。
 ――そっち向けの薬でも設えるかなあ。ポーション辺りなら売れるか」

自分の取り扱っている薬の類はどちらかというと日常で使うものだ。
主に夜によっている事は否定できない事実だが冒険者やら一般家庭やら
面を歩いてる人間に今一つ用事があるかと言われれば無い者ばかり。
当然そういう薬の心得が無い訳ではないのだが。

「ちょっと割に合わないんだよなあ。薬の類、冒険者でも雇って材料とりにいかせるかねえ?」

ジード > 「今日はハズレだな。やれやれ、もうちょっと人通りのいい場所を探そうか」

娼館街の喧騒とは裏腹に静かな路地の様子に苦笑いが浮かぶ。
これはどうにもならぬと思ったか立ち上がると手早く荷物を片づけ、
路地の向こう、繁華街へと消えていくのだった。

ご案内:「王都マグメール 貧民地区 裏通り」からジードさんが去りました。
ご案内:「廃村」にクトゥワールさんが現れました。
クトゥワール > 戦場に生き死にはつきものだが、生死の天秤に掛けられるのは何も戦士ばかりではない。
何の咎がないにも関わらず巻き込まれる者達も居る。
世が荒れれば珍しくない風景ではある――そう一言で纏められるにはあまりに悲劇的ではあるが、この村もそんな類の一つなのだろう。

「しかしまァ、焼けに焼けちまって。」

石畳などはない。かつて村の大通りであったのだろう場所は人が踏みしめ続けた事により他に比べて草の生えが少なく、土が露になっていてそうと判る。
一本長く続くそこから川の支流のように枝分かれする先には幾つもの家屋が夜闇の中に佇んでいる。
家屋――であったのだろう。略奪にでもあった際、念入りに火を放たれたのか。黒焦げになっていないものは一つとしてない。
最早住むものなどおらず、まともな家屋としての役には立つまい。だが、使い道がないわけでもない。

「雨風ぐらいは凌げりゃな。」
「化けて出て来るヤツでも居るってんなら、話は別だけどよ。」

とりあえず、四方が壁に囲まれ天井が燃え残っていれば夜を過ごすにはそれなりだ。
似たような用途で使う旅人が他にも居るのだろう。大通りを歩いていけば、比較的新しい焚き火の跡も散見される。

クトゥワール > 歩きながら家々を見て回るが、なかなか気に入るものがない。
襲撃者は余程念入りに焼いて回ったのだろう。村人が住んでいたのだろう小さな家屋は凡そどこかしらが崩れ、穴が開き。一晩のねぐらとするにしてももう一声欲しいというものばかり。

「ほんとよくよくやりやがったな……この分だと生きて逃げれた奴もいねぇんだろうな。」

何とはなしに、やり口に尋常ならざるものを感じる。
ボヤきながら歩いていけば、やがては村で一番大きかった建物へと辿り着く。

「やっぱ、一番持ち堪えるのはこういう所か。」

長の住まいだったのだろう。作りも規模も、他の邸宅と比べればしっかりしたもののよう。
傍から見てもまだ形を保っているのが判る。
魔力の光の灯ったステッキを掲げ、焼け焦げた扉を押し開くと歪な音を立てて開いた。

中もやはり荒れているが、他の場所よりは良い。焼けた床を踏みつけると、燃えさしを踏み砕く鈍い靴音がした。