2022/11/16 のログ
ご案内:「平民地区/古書店」にバルゴラさんが現れました。
バルゴラ > 平民地区にある一軒の古書店。
珠玉混合、様々な時代の様々な内容の本が扱われ、時折貴族や冒険者が本を売りに来るという隠れた名店……のようだ。

今夜は図書館では中々見つからなかった本が此処でなら?と思ってやって来たのだが、外見はこぢんまりとしたお店で入り口も狭いのだが、一歩中に入ると魔法で店内の空間を広くする為に歪めているのか、逆に店の外見を歪めていたのか、判別はつかないが、とにかくとても広いお店であった。

中は雰囲気抜群の天井から吊るされたランプの橙色の明かりに包まれ、書架はそれこそ小さな図書館かと見紛うばかりの数が並び、奥を見ればカウンターがあって其処に店主らしき、或いは店番らしき、人型魔導機械っぽい人影が本の整理をしている……値付けかもかもしれないが。

「……此処なら春画じゃあなくて、モテる方法も近くて遠くて、禁呪クラスは期待していないが魅了の魔法の本とか夢魔関係の本とか、1冊くらいないだろうか?」

あれば買うのに、と。
今は古書店の入り口にいるが、少し足を進めて中ほどまで入ると、直ぐ傍にある書架の方を向き、少々険しい表情を浮かべながら、灰銀色の眼を細めて、古本の背表紙を睨みタイトルをぶつぶつと小さな声で読み上げていく。

<<夢魔に聞いたもてる男の条件>>、<<正しい友人の作り方>>、<<淫魔が教えるもてもて料理レシピ>>、<<奴隷を買うならまず資産を作れ>>、これ、どれを読んでも残りに売れ残った本にしか思えない中古本が並んでいた。

中古本なのだから、古書店なのだから、そんな本ばかりでも仕方ないとはわかっているが、何ともいえない気持ちにはなれる。

これなら富裕地区のオークションハウスとか覗くべきであったか?或いは貧民地区に足を踏みいれるべきだったか。

ご案内:「平民地区/古書店」にレキ・キドーさんが現れました。
レキ・キドー > (――宿敵たる神だか悪魔だかにまつわる品を求めて、また一件。
 ここが名店とは知らず、期待せず、しかし多少は脈のありそうな古書店として、大太刀抱えて入り口を潜る。
 店員が声でもかけてくれたなら太刀は預けて。
 霊的な感知能力を働かせた目で周囲を見回していれば、そういう感覚に聡い人には呪物を探していると知れるだろうか。)

……ごめん。

(御免、をライトな発声で。ちょっと失礼しますねとパルゴラの脇を通り過ぎようとする。
 ……自分の装束がどういう形をしているかは熟知しているはずだけど。
 和装のビラビラした袖が本棚を擦り、そこが絶妙なバランスでどうにか保たれている箇所だったりしたのだろう。
 ――本の雪崩が、起きようとしている。)

バルゴラ > <<淫魔が教えるもてもて料理レシピ>>に意識を取られていたため、脇を通り過ぎる人影に気がつかず、普通なら通りやすいように少しズレるだけの常識を持ち合わせていたが、今はその灰銀色の眼も意識も此処に在らず、で向けられた声にも適当に聞き流すような返事を。

「……ん………。」

いえいえ、と言ったニュアンスで小さく唸ったが、視界の影に何かひらひらとした布が移り、そこで初めて誰かが脇を通り抜けた事に気がつくと、そのひらひらが脇を抜けようとしている誰かの袖が積み重ねられた未整理の古書の塔を横合いから叩いて、絶妙なバランスでつみあがっていたそのバランスが崩れそうに……なったのを見て、慌てて手を伸ばして崩れかけた古書の塔を両手で押さえた。

「……ごめんじゃなくて、もう少し、もう少し慎重にあるいてくれると、嬉しいんだけどもさぁー!」

古書店で大きな声をだすのは気が引けたが、両手で古書の塔が崩れるのをおえていれば、声を抑える余裕はなく、ついつい声を荒げてしまうのだが、身長的に自分と同じかそれ以上の古書の塔は完全に崩れるのを防ぐのは無理みたいで、一番上の本がすぅーっとすべり、自分の額に古書の角が当たる、刺さる、その状態で額で本を受け止めた状態で、それからやっと相手の方に灰銀色の瞳を向けて、じぃっと恨めしげな眼差しを送る。

レキ・キドー >  通路を侵食する本への気遣いだったのかもしれない。
 背表紙に集中する少年と、本も避けようとするのは、
あまり周囲に気を配らない出自のこの女としては進歩した行動だけど、慣れない事はするもんじゃなく。

「――は?」

 ガサッと、袖が何かに触れたのは感じたが、そんな大事になるとは思わなかった。
 小さな体で塔を押さえてくれている少年を振り返ってから事態を察し。

「えっ、今ので?
 そんな、ちょっとだと思―― ッ!」

 どこに手を添えて助けようかと迷う一瞬に、耐えきれなかった一冊が少年の額を打った。
 痛そうな角度だ。油断した、と気まずさに顔をしかめる。

「ご、ごめん。こんなに不安定とは…! ごめん。
 とりあえずコレ、ちょっと、押すからちょっともうちょっとそっち押さえてて。いやもうどかそうか上の方。」

 怪我無いかと覗き込むが、それより額を打たれても手を放さないでいてくれた塔を安定させるのが先だろう。
 落ちた本も無事だろうかとそわそわしながら、所々押し込んだり一部下ろしたりして雪崩を防ごう。

「…ええと、助かった。
 怪我無いね? 一人か?」

 たんこぶとかあるかもだけど、こぶが出来てるなら安心みたいな事をのたまうタイプだ。
 親御さんにもご挨拶しないといけないような年齢ではないように見えるけど、外の世界で子供と、
それも男の子と接した事はあまり無く、この子で何歳くらいなのかねと見下ろして。

バルゴラ > は?とか今ので?とか不安定とは!とか何でもいいので、さっさと支えて欲しくて仕方がないが、文句をいう為に身体を相手の方に向ければ古書の塔は間違いなく自分の後頭部に雪崩れ込んでくるのは間違いない――…少し堪えよう。

と、こちらから向き合う前に相手の方に顔を覗きこまれるとふっと思わず仰け反りかけたが、何とかそれも堪える事で、相手の女が古書の塔の流れを防ぐまで、大人しくしていた。

「……怪我はないわけないだろ?額に古書の角がね、刺さったんだよ……ザクっと……わかる?ザクっとだよザクっと……。」

古書だったが本の角は新品の本と変わらず鋭い。
幸いな事な本の角が金属で装丁さていなかった事。
額はまあ大げさに文句を言いはしたが、赤くなっている程度、だと思うし実際に血が滴る感覚もないので、額は赤く少しへこんでいる程度。

「はぁ……あと一人だよ一人。誰か友人でも一緒に居たら、きっとこうなる前に支えてくれただろうね。」

額が赤い状態で両手を自分の腰に当てて、古書の塔が安定したのでやっとの状態で自分より背の高い女の方を振り向いて、その額、ジト眼の眼差しを相手の女に向けた。

オールバックの銀髪、色白なので余計に額の本の角により傷ついた額が目立ち、ジト眼の灰銀色の眼は痛みに対して涙を滲ませることもなく、ただ何者だと言わんばかりの眼差しを向けた。

自分より10cm以上背の高い和装の女。
対して背丈の低い小柄な自分。

諸々のコンプレックスがわきかけたが、その背丈の所為で女に向けているジト眼は角度により上目使いになりそうで。

レキ・キドー > 「――ハハ、唾つけときゃあ… …あー、いや、ごめんか。ごめんね。」

 怪我が無いわけないと言われると、思わず可笑しそうに返してしまう職業戦士。
 しかしザクッと連呼されると痛かったのは想像できたし、悪かったとパルゴラのおでこを撫でようと。
 ……服装とか髪型とか、いいところの子供なのかなと何となく思う。

「一人か。渋い趣味じゃん… あ、お使いかな?」

 あまり子供向けの店には見えず、お利巧なんだね、エライじゃんと慰めに言ってみるけれど、
背表紙読み上げに真剣なものを感じていれば、誰かのお使いで具体的な目当てがあったのかなと。
 …何者だと言わんばかりの視線は、おー怒ってる怒ってると見てしまって名乗るに至らず、
けれどお詫びは必要なのかねと本のジャングルを見回して。

「私も総当たりだ。何か目当てがあるなら手伝おうか?」

 少年よりは高くとも成人組では低い方。
 しかし少年従士のような容貌は、男の子の競争心を刺激したりするのだろうか。
 いずれにせよジト目にさして怯んだ空気は無く、何探してるのって。