2020/08/31 のログ
■レギオン > 素直に黙ってしまう娘に、少し虐め過ぎたかなと反省。
まごつく様子に、左右色の違う目を同じように細めてみせる。
「忠告をひとつサービスしてやるなら
説得したいのか、恫喝したいのか――決めてから喋った方が良いぞ。
“理”を説くだけでああそうですか、って相手は存外少ないもんだ。」
例えば、誰かの目のある街中なら、彼女の対応は間違いない。
ある程度武力をもっていて、争いを好まないなら理想的だろう。
では、こういう誰も他に見ていない場所ならばどうか。
――翻って彼はどうか?と言われれば
『オレはどっちもするつもりなくてね』と嘯くだろう。
と、次いで迫るように告げられる言葉。
その機転は中々に面白かったから――笑った。
「ああ、良いぜ。
つまみの値段は制限しなくていいよな?いやー……悪いな。」
うんうん、と二回頷いて、もう一回頷く。
愉し気な色合いは崩さない侭の仕草。あっさりと、入口の辺りで止まる。
「良いから、早く行けよ。
心配すんな。後ろから襲ったりしないからさ。
ちなみに、多分、入って右手だ。
罠の類はないだろうが、それなりに脆くなってるから気をつけろ。」
――まるで“見てきたような”言葉を忠告じみた色で投げる。
信用するかしないかは彼女次第。
ただ、自分は戦意がないことを示すように両手を左右に上げてみせるだけだ。
「二個あったら一個くらいくれよ」なんて言葉を添えるだけ。
■シンディ・オーネ > 事を荒立てたくないのだから方針は説得なのだが、
いかんせん相手の出方が怖いので、やんのかやんのかみたいな威嚇もしてしまう。
何か諭すような事を言われるとやはり自分が年齢とかでなく格下のようで、
なるほど、と思ってしまいながらも表情はむむむと反感持つ風に。
「――は!?
い、いやそれはっ… メインじゃなくつまみだし、安酒とセットならそのう…
…だ、ダメだぞ。あんまり高いのは、というか魔術鉱石一本分の半額までだ常識的に考えて。」
それでは山分けと変わらないのだが。
今回の仕事で使用済み魔術鉱石の回収一つに支払われる報酬の、半額までと慌てて念を押し。
「…そこの壁の裏側だ。
部屋に入った時は、その壁に取り付けられていると思ったけど…」
自信が感知している魔力の発信源が魔術鉱石であるかどうかは実のところ定かでない。
しかし他にそんな物がこの遺跡に残されている事は無いだろうと当たりをつけて、
その場所と男の言葉に大差が無いようなら、自分の言葉を参考に適当言っているか、
あるいは魔術師なのかもと考えながら、特に相手にせず警戒して裏へ回ろう。
「…そうだな、それが一番後腐れない。」
一か所に二本、そういう場合もあるのかとはっとして、あればいいなと願いながらの舞台裏。
遺跡の内部機構に繋がっているであろう壁面の窪みに取り付けられている鉱石は、やはり一つだった。
「――あった。『遺物がごちゃごちゃ』はしていないな?」
物置のような場所だが持ち出せる物は持ち出されてる。
それでも棚やら箱やらの残骸と思しき物はあるけれど、それを遺物と呼ぶかなと、ハズレーという感じで外に声をかける。
木造と思しき床で内部が一段高くなっているのは、古代人が床下収納なんかを設えたためか?
ギッギと鳴る床を言われた通り慎重に鉱石に向かって進んだが――
「――ッ!?」
ミシシと沈み込むような壊れ方で床が抜け、片脚を取られる。
防刃性に優れたスーツはきっちり脚を守ってくれるが。
■レギオン > “説得”するんだったらまず考えるのはいかに相手の警戒心を下げ、敵対心を抱かせないか、が大事だ。
もし聞いたらそんな風に嘯くかも知れない。
納得させるだけでは、まだ遠い――納得しても武力に物を言わせる連中は一定以上いるから。
ともあれ、むむむ、と可愛らしく唸る顔に思わず、という風に笑ってみせる。
軽く鼻で笑うような色合いの、有体に言えば小馬鹿にしたような風だ。
そして、次いだ言葉には。
「えー?話が決まってから後から条件付け足すんですかー?
それって、どうなんですー?
……なんて、目の前に吊るされた餌に何も考えずに飛びつくからそうなる。」
「レッスン1」なんて指を一本上げてから、冗談だよ、と言葉を添えるた。
中に向かっていく娘には「いってらっしゃい」なんて言葉をかける。
少なくとも、その真っすぐな気性は好感が持てる。
――あとは待つだけだ。
こっちに報告は良いから、早く取って来いと待つ。
――そうして、しばらくの後、聞こえたのは苦痛の声。
「……ほら、言わんこっちゃない。」
吐息をひとつ零す。待つだけ、とはいかないようだ。
ディパックをその場に置けば、歩き出す。
入口を潜り抜け、内部を確認するように視線を巡らせて。
「あー…下手に動くなよ。
ちなみに――レッスン2をサービスしてやろう。
炭鉱に入るときは、できるだけカナリアがいた方が良い。
……言ってる意味わかるか?痛いのに忙しいなら気にしないでくれ。」
そう言って、片足を取られた彼女の方へ向けて歩き出す。
ゆっくりと一歩一歩、木乃伊取りが木乃伊にならないように慎重に。
■シンディ・オーネ > 条件の付け足しには「非常識な事を言い出しそうだからだ!」とか抗弁するが、
ひとまず相手が受け入れてくれる風なら、もう半分こになってもいいや面倒くさいという解決して投げやりになる感じ。
約束したならそれは果たすつもりで、名乗ろうか?でも後でいいかなと少し悩みながらの侵入。
それでもまだ男の方を警戒はしていて、足音がどうかとかを気にしながらで、自分のそれがおろそかになったのかもしれない。
足を取られ、今突入されたらマズイと慌てる。
「――っま、待て!平気だ来るなっ…!」
距離を詰められるのが、とても怖い。
魔術で先手を取れる距離をキープする事が大事で、男がこちらに来るのを察知すると慌てて足を抜こうとし――
力んだ足がバキッと床を踏み抜けば、今度は腰までハマるの図。
…あれ?石造りの部屋に、底上げする形の木の床。
床下収納でも設えようとしたのかな?という高さは階段2,3段のものだが…
何故か足がつかず、あれ?あれ?とパタパタさせる。
「――あ、足がつかない。なぜか、つかない。どうなってる…?
ま、待って、自分で出た方が、良くないかしら…?
二人分の体重、乗せるよりは…」
近付いてくる男の足取りはゆっくりしたもの。
助けてくれるんでしょと思って、今度の待っては拒絶でなく相談の姿勢だが。
■レギオン > 少し虐めすぎたか。
先程も反省した内容をもう一度、反省する。
ついつい、こういう真っすぐな人間はからかってしまう。
ま、助けるくらいはタダでしてやろうかと、踏み込んだ室内。
―――そこで見てしまった光景。
足を取られて、足掻く娘の図。
木造の床が、悲鳴を上げて――。
「いや、どう見ても平気じゃな―――あ……。」
腰まで一気に落ちていく。
流石に、その下がどうなってるかまでは知らないが。
「――自力で脱出したい気持ちもわからんではないが、お勧めはしないな。
そういうときは「助けて」くらい言った方が良いぞ。
とにかく、空が飛べるんじゃなきゃ、動くな。」
さて――どうするかと、少しだけ思案。
床下がどうなってるかわからないのが、一番困った点。
「んー…」と唸ってから
「とりあえず、約束しろ。動くな。余計なことをするな。
必ず無傷で助けてやるから。」
そう言って、足を前に踏み出す。
今度は慎重さを捨てた歩き方だ――床が抜ける?別に構わない。
■シンディ・オーネ > 「…傷は、負っていないと思う。
飛べはしないけど、魔術の風で自分の体を吹き飛ばすくらいは出来るわ。
あ、あなたこそ止まって。ロープでもあれば…」
魔術の風は最後の手段だ。
自身を吹き飛ばすような風はこの舞台裏の木床を無事では済まさないだろうし、
そうするともしかしたらそこの壁面にある魔術鉱石を取り外す足場が無くなるかもしれない。
今は何とか床の上に這い上がってみるべき。
命綱としてロープでもあれば助かるなと、そういえば自分の荷物には遺跡初心者らしくそういう物が揃っているぞと、
言おうとするが、近付く男。必ず助けるとか言われると心強いけれど、方法を説明しろとじれったく思う。
いやそもそもそんな近付き方では――
「――え… え、えちょっ、ちょっと待て!待てッ!!」
慌てるが遅い。ミシミシミシと不穏な音が一斉に響き、近付く男ごと自分の身体が、床が崩れ落ちる――
■レギオン > 「あー……ロープか。その手があったな。
悪い、思いつかなかった。」
魔術の風は、論外としてもロープで助ける手はあったな。
なんて、言葉を返して詫びる。少なくとも、自分は必要が無くて持っていない。
それに……そんな普通の助け方をしても面白くない。
様々な理由が頭を過ぎる頃にはもう遅かった。
体重に耐えられない床があっさり抜ける。
――重力からの解放は、その瞬間だけはいつも気持ちが良い。
落下という結果に目を瞑れば、の話ではあるのだけれども。
落下していく光景に最後に映るのは、彼女に向けて手を伸ばす男の姿。
そして、許可なくその身を抱きしめて、自分が下敷きになるように。
そのまま、闇の中へと二人の姿は消えて―――。
■シンディ・オーネ > 【継続】
■レギオン > 【継続】
ご案内:「しゃぶり尽くされた遺跡」からシンディ・オーネさんが去りました。
ご案内:「しゃぶり尽くされた遺跡」からレギオンさんが去りました。