2019/02/11 のログ
エルディア > 此処のお湯は不思議な事に日によってお湯質が違うらしい。
番頭のおじーちゃん(ハゲ)曰く、気圧と地脈の影響で流れるお湯の割合と順路が変わって成分に違いが云々。
速い話世界の神秘。そういう事でOKとする。めんどくさいし。
今日はどんな味だろうと唇についた飛沫をペロッと舐めとる。

「……うぇ、しょっぱい」

しかもちょっと苦いし。

エルディア > とりあえずおじー(ハゲ)の言う事を意訳すると
なんかこう、今日は女性におすすめなお湯質らしい。
むしろお勧めじゃないお湯質とかあるのかとか
そんなのあったら客入れない方が良いんじゃとかいろいろ思う。
まぁあのおじー(ハゲ)のことだ。半分趣味で変な薬湯とか作りかねない。

「……へーわ」

その点此処はおじー(ハゲ)の魔手に影響されないという点で平和だ。

エルディア > 思い返すと自分はこう、一定以上の年齢のヒト族とは変人としか縁がない気がする。
なぜか毎回こっちをみてはぁはぁしながら本を押し売りしてくる古書店長(ハゲ)とか、
お湯マニアで覗きが趣味の番頭(ハゲ)とか、腰みの一丁で
いつも変な踊りを踊ってるダンサー(ハゲ)とか。
全員ハゲなのは何かの呪いかと思う。

エルディア > まぁ正直半分精霊界に足突っ込んでるような老人以外は眼中にないというか
むしろ嫌いまであるというのが本音なのである意味道理だとも思う。
基本ヒトは嫌い。煩いし。
その点老人は無害だ。

「けど……これはすきー」

桶に入れて浮かせた瓶に手を伸ばす。
薄く浅い、子供の片手に納まる様な円状の皿とセットのそれに入っている飲み物は
エールと違い香りが良く飲みやすい。

ご案内:「九頭龍の湯浴み場」にキニスさんが現れました。
エルディア > 全年齢対象ではない飲み物であるこれは
本来子供が飲んではいけないものらしいが
産まれた時代だけで言えば3桁も前なのだからセーフ。
大体のヒトより実年齢は大人である。だから問題ない。
……その殆どを寝てただろとかそういう野暮なツッコミを入れる人も此処には居ない。

「はふぅ……」

少しだけ皿に注いだそれをぺろりと舐めて満足げな声を漏らす。

キニス > 「うわっ、寒すぎ!」

脱衣所から出て来た白髪で灰色の瞳を持つ男性
身体はがっちりと鍛えられており、筋肉も程々についているその男は
腰にタオルを巻き、寒そうにしつつもさっさと掛け湯を終わらせる

「ふぅ…」

湯船に浸かればそのように大きく息を吐き、溶けるように体を伸ばす
以前ハテグ主戦場で出会った災禍。
現在、桶に入ってる飲み物を飲んでるその少女には気づいておらず

エルディア > こっそりこんな所で飲んでいるけれどこれは普通の酒場ではなかなか手に入らない。
この姿で酒場にいこうものなら売ってくれるのは喧嘩とミルクのみ。
同居人に頼もうにもなかなか気が引けるものがあり
実はこっそりじー(ハゲ)に貰っているものだったりする。
こういう所はじー(ハゲ)も判る相手だと思う。

「んぅー……」

鼻に抜ける香りに上機嫌に声を上げる。
既に頬は少し上気しているけれどこの程度は問題ないと盃を重ねる。
まさか番頭(ハゲ)がロリがお酒を飲むシーンを想像してはぁはぁしちゃうような特殊性癖の持ち主であることをこの幼女は知らない。

キニス > 「寒い中来た甲斐があったな…」

湯の効能を一番に受けつつ、縁に寄りかかるように顔を上に向ける
そう言えば、この湯には桶に入れられた酒があったとか無かったとか
東洋では風呂の中でも酒を飲むってのが、ここまで届いてることに正直驚きつつ、それを探せば

「…あっ」

何処かで見た、あの魔王の如き強さの彼女を見つける
しかもめっちゃ裸で自分が探してた酒を飲んで上機嫌になってる
これは不味い。早くどっかに隠れた方がいいか?どうすると目をグルグル回して悩む

ご案内:「九頭龍の湯浴み場」にメンシスさんが現れました。
エルディア > 「ん―……?」

上げられた声に視線を向けると
なんかどっかで見た?気がするような相手を見つける。
そういえばさっき誰か近づいてくる気配があった。
何か逃げようとしているような気配があるけれど、何かしたっけ?
まあいいか。今の私は機嫌がいい。

「……のむ、か?」

ずいっと盃を差し出して首を傾げてみたり。

キニス > 「う、おう…」

彼女に盃を差し出され声を掛けられる
まさか、自分の事を覚えてないのか?
そんなことを考えて、とりあえず彼女に近づいてそれを受け取る

「あの…どっかであった事、ないですか?」

彼女の顔を伺うようにしてその様に問いかける
内心はヒヤヒヤしつつ、またあの時のように暴れられたら困ると
一応敬語で、盃の酒を一口飲んで

エルディア > 「んー」

曖昧な言葉を返しながら桶を引き寄せる。
これではすぐに飲みきってしまいそう。
略(ハゲ)に念話を送る。びびびー。もひとつびびびー。

「……んし」

その内追加のお酒を持ってきてくれるだろう。
幸い盃は複数ある。

「んとねー」

易い軟派のような言葉に首を傾げる。
何だか戦々恐々としているように見える。
失礼しちゃう。一緒に遊んだだけなのに。

「はでくのこと、いってもいーよ?
 かわりにうめてもいーい?」

さらっと答えながらくたりと湯の中に体を沈めて。

キニス > 「…?」

彼女が念話をしていることなど分からず
何をやっているのかと首を傾げる
戦闘の時とは打って変わってマイペースな彼女に困惑を深めつつ
次の発言を聞く

「…いや、埋められるのは嫌だからやめておくわ」

さらっと怖いことを言う彼女
でも一応自分の事を覚えており、かつ戦闘の意思はない
それだけでほっとしつつ、肩の力を抜く

本来、体を休める場所なのになぜだかぐっと疲れたような気がして
大きな溜息を吐く

エルディア > 「じょーだん。えるはねー、いまおふ、だから。
 がまんするよー?」

此処には温泉に浸かりに来ているのだからと戦いの気配すら漂わせず
のんびりとお湯につかり満足げ。
ついっと指で桶を男の方へと押しやって自分は悠々と足を延ばす。
なお、余談ですが番頭に念話機能は実装されておりません。

キニス > 「た、頼むぜ…というか、エルって名前なのか?お前」

思い出してみればまず、名前すら知らなかったような気がして
のんびりと足を延ばしている彼女の顔を見る
桶を自分の方へと持ってきてくれれば、盃に残った酒を入れ
それを楽しむ

エルディア > 「えるはえるだよ」

もふーっと上機嫌な表情で降りしきる雪を見上げる。
お湯は少し熱いくらいだけれど雪の冷たさで頭が良い感じに冷えて気持ちが良い。

「おにーさん、は、ひえしょー?
 それともほもばらんすのみだれ?」

こんな露天風呂にわざわざ歩いてくるなんて相当のモノ好きだと思う。
人嫌いでもなければこの寒空の下、こんな所に歩いてくる理由がない。
だとすればお湯目当てかなと見当をつけてみたり。

キニス > 「あ、あぁ…俺はキニスだ。なんというか、よろしくな?」

何だか上機嫌な彼女に此方も名前を名乗っておく
機嫌が悪かったらどうなっていたんだろうと、内心で考えつつ
その考えを拭い去るように首を振って

「ん?ほ、ホモ!?…あー、多分それ、ホルモンバランス、だと思うぞ
 ちなみに俺は冷え性でもバランスの乱れでもないぞ」

彼女の言葉にその様に返す
一応、お湯目当てではあるものの、そのような効用が主目的ではない
普通の温泉から離れた半秘境な温泉に少し興味が湧いて、ここまで来たのだ

エルディア > 「よーしく」

別に覚えなくていいのになーと思いながらぱちゃぱちゃと足でお湯を跳ね上げる。
ぬるいお湯が動く独特の質感がぐっど。

「なるほど……わからん」

ホルモンって何だ。内臓か。
内臓がこうぎゅいんと片方に寄ったりするのだろうか。
大惨事じゃないかホルモンバランスの乱れ。

「……まさか、こんよくにつられた?」

じとーと半眼で眺めつつ湯舟の真ん中にある岩陰に半分隠れる。
個人の趣味には文句はつけるつもりはないけれど、身の安全は確保しておこうと思う。

キニス > パシャパシャとお湯で遊ぶ様子を見れば、まだ中身は子供なのだろうか、と考える
そう言えば戦闘を遊びと言ってたし、そういう感性なのかもしれない

「いや、まぁ…あんまし知らんくてもいいけどな」

彼女がどんな想像をしていたかは知らないが
多分違うだろうと思いつつ、そのように告げる
とはいうものの、自分もホルモンバランスの乱れとかには詳しくないのだが

「それは…!…少しだけ、な?
 でもお前の身体に興味はないから安心してくれよ」

岩陰に半分隠れる彼女を見て、誤解を解くようにそう告げる
これはこれで失礼な発言だが、彼女はどう捉えるだろうか

エルディア > 「ぐっど」

変な所で評価が上がった。
岩陰から出ると桶に手を伸ばし近くに座り込む。
元々体をみられること自体に忌避感があるわけでもなし。
見せつけるつもりはないが見るなら勝手に見ればいい位の勢い。
野辺の獣は常に裸です。

「しょうじきはいいこと」

なんか雄ってそういうものらしいし。

キニス > 「う、おう」

とりあえずは信頼は得られて用で安心する
まぁ、彼女も承知の上でやってきているのだろう
しかし、あまりジロジロ彼女の身体を見るのも失礼だと思い、視線を逸らす

「まー、確かにそうだな。…ちなみに、今ので嘘言ったらどうなってたんだ?」

湯船に深く浸かればそのように問う
恐らく、あまりいい結果になってないのは確かだが
とりあえずは聞いておこうとして

エルディア > 「おじーをよんで、きにすのはだか、かんしょうかい」

正確には嘘でもほんとでもどうでも良いというのが正しい回答だけれど
気分で嫌がりそうな回答を返す。
幼女と老人にじろじろと裸を眺められるのはさぞかし居心地の悪い事だろう。
しかもこの寒空の下。凄く嫌がりそう。

「よかったね」

実際そんな事はしないけれど、面白くないし。

キニス > 「最悪だな。需要何処にあるんだ!?」

その言葉を聞けば、彼女に突っ込みを入れるようにそう告げる
というかおじーって誰!?
いきなり知らない登場人物出て来たし!
寒いし、知らん奴と怖い奴に見られる裸とか嫌だわ!

「いや、全然よくないんだけどな…ピチピチな女の子ならともかく、俺の筋肉ってそれこそホモにしか需要ないだろうよ…」

こっちとしても面白くないので遠慮してくれると助かる

エルディア > 「ない」

バッサリ言い切った。
そもそもこの幼女、たとえ傾城の美女が目の前で寝転んでいても
興味が無いとばかりに踏み越えていくタイプ。
雄だろうが雌だろうが老若男女問わず需要がない。

「じぶんでいう……なるしすと?」

そして結構毒舌だった。

キニス > 「だろうな」

ジト目で彼女にその様に告げる
年頃の娘、という訳でもなさそうだ
そういうことに関してはかなり疎いというか、興味が先ずないだろう

「ナルシスト言うな!?
 まだ女の子にモテモテだわ~、ドヤ?みたいなことは言ってないだろ!!?」

毒舌な彼女に、湯面をばしゃっと叩いて告げる

エルディア > 「……おとこに、もてもてなの?うれしい?」

無邪気に首を傾げて。
別に藍に性別は無いと思うけれどまさか混浴の目的が同性の裸だったとは。
……普通に男性用浴室に行けばいいのに。

「いってるよーな、もの」

とは言えこの応酬は軽いジャブのような物。
暇つぶしに軽口を交わしているにすぎない。

キニス > 「いや、嬉しくねーけどな!?」

何かを勘違いしている彼女にその様に告げる
男性の身体には余計興味がない
寧ろムキムキムサムサな男なんて願い下げだ
もっとこうムチムチの女の方が…

「くぅ…うるさい!この野郎!」

お湯を手ですくって彼女の頭にかける
軽口に勝てなくなったからか、物理的な仕返しをする。こっちの方が余程子供っぽい

エルディア > 「ぅ。」

お湯をかけられぽたぽたと髪を伝う雫をみて
プルプルと頭を振ってそれを弾き飛ばす。
ぐるぐると舞い上がり張り付いた髪の毛をざっと手櫛で纏めると
避難するような目でじとーっと眺める。

「おさけ、おゆはいる」

あじがかわっちゃうでしょーもー。と膨れながらお酒を注ぐ幼女。
見た目だけで見るなら完全に要指導案件。

キニス > 「そんな目で見るなよ。言っていいことと悪いことがあるんだぞお嬢ちゃん」

ジト目で見られて、そのように返答する
実際、年下のような見た目の彼女に軽口を言われっぱなしなのは性に合わず
お湯での反撃は少し有効で、満足気に頷く

「あー…それは済まない。っと俺にもいいか?」

盃を取り出して、彼女にその様に聞いて

エルディア > 「む―……」

犬のように弾き飛ばしたお湯の飛ばしきれなかった部分が顔を伝う。
髪の量が長く多い分、こういう事はしょっちゅう起きる。
しかも今日のお湯はしょっぱいし苦い。

「ん」

ぶすっとしながらも差し出された盃に酒を注ぎ
自分もまた小さな盃になみなみとついで口をつける。

「……んまい」

やっぱりこれは美味しい。
ささくれたような感情がわずかに上向く。

キニス > お湯が顔を伝う様子を見れば、彼女の頭に乗ってる手ぬぐいでそれを拭う
というか、この子お湯飲んでないか?
多分だが、温泉のお湯って飲むものじゃないと思うんだが

「すまないな。ありがとう」

彼女の顔を見つつ、とりあえず礼を言う
盃の酒を飲めばぷはっと息を吐く
心なしか、顔が少しだけ赤くなって来た気がする

「そうだなー、何ていう酒なんだろ―な?これ!」

酒を指差して、少しだけテンションが高くなってそのように告げる

エルディア > 「れーしゅ、だって」

同居人にこれを飲んでいるのは秘密。
これというお気に入りを見つけるまでは。

「きーす、よった?」

風呂という血行が良くなる環境で飲酒とはある意味一種の自殺行為。
かなりお酒に強くなければ推奨できない。
実は自分もお酒には強くないのだけれど、今は”とある事情”により
水もかくやと言った勢いでがぶがぶ飲める。

「……おふろ、でたらおじーのとこいく」

あの薬草マニアお爺ちゃんの事だ。
凄くよく利く酔い止めを処方してくれるはずだ。

キニス > 「ほほう、冷酒…」

ふむ、と盃を見て顎を弄る
ちょっとばかり色合いが無いが良い酒だとじーっと見つめて

「酔ってない酔ってない!何言ってるんだいえるちゃーん」

彼女にその様に調子よく言いつつ、ペシペシと背中を叩く
完璧に酔っている。呪いなど色々あるものの、酒を飲めば普通に酔うし
風呂に入れば普通に結構は良くなる
もはや顔が真っ赤である

「おじー?ん~?お前のお父さんか?もしかしてご挨拶!?
 早いってエルちゃん!!まだお付き合いして1日目なのに!」

お付き合いもしてないのだが

エルディア > 「……」

酔っぱらいは大体酔ってないというもの。
酔ったと返事をされたら?それは酔ってるので帰って寝てください。
完全に出来上がっている男を
即席蟒蛇と化している幼女は完全に可哀そうなものを見る目で眺めていた。
多分秋口に道端でひっくり返っているセミを見る目の方がまだ暖かい。

「……ゆかいな、おとな」

すごぉぉぉぉく薬膜に包んだ表現にした。
両親に挨拶とは幼女に趣味は無いと嘯いたのは
いったい何だったのか。
それがありうると公言しているようなものだとおもう。

「あーもー。
 きにす、うるさい」

背中から湧き出た黒手がバシバシ背中を叩く男の顔面を掴みずいと遠ざける。
文字通りのアイアンクローで握りつぶさないだけ感謝して欲しいと思う。
そのままべしっとタオルを顔に投げつける。

キニス > 「ん…なんらよーその視線は?
 まさか…俺に惚れちまったかい?」

キリッとキメ顔をすれば、呆れている彼女の視線など物ともせず
完璧に普段やらないようなことをどんどんとやっていく
これが冷酒と温泉効果なのだろうか
というか、彼女が冷たい視線を向けるのももっともだろう
ダサい

「はははは!ありがとうな!そういうエルちゃんはいい子だ!よしよし!」

オブラートに包んだ表現を受け止めて、それこそ愉快に笑う
先ほどの発言など酒のせいですでに吹き飛んでいる様子で
よしよし、と彼女の頭を気安く撫でる
正直、今腕を吹き飛ばされても文句は言えない

「うぉう…そう固いこと言いなさんなって~」

タオルを顔にベシッと投げられ、はいはいと言った風に手を遠ざける
流石に彼女が本当に嫌だって事は理解できるようで
そこは酔ってても無理強いはせず

エルディア > 「はー……」

だめだこのヒト完全に酔っぱらってる。
理性が半分吹っ飛んでるのは見て取れる通り。
これが酔っぱらい効果です。明日頭痛で苦しむと良い。

「そうだったら、どうして、くれるの?
 だいて、くれる、の?」

無表情のままずいと顔を近づける。
そんな爆弾発言を投げつけて僅かに口角が上がる。

「える、わるいこだ、よ?」

酒気と湯気で僅かに上気した顔を近づけたまま、
無機質な声で尋ねる。

キニス > 「はははは!」

彼女のため息と相反して、そのように笑顔を浮かべる
後日、100%頭痛で苦しみ、記憶が無くなるのは確かである

「ん~?勿論だよ。
 惚れられた女にはそれぐらいしてやらねーとな?」

キリッと彼女の言葉に対してそのように返す
ぶっちゃけた話、彼女は彼のストライクゾーンには入ってる様子で
実際そのようなことになったら、責任を持って最後まで済ませるだろう
少しでも機嫌を損ねるとパンチが飛んできそうなのが怖いが

「本当に悪い子は自分で悪いって言わないの!
 というか顔近いなー?まさかチューしたくなったのか?」

近付いてくる顔に、酒臭い息を吐きつつその様に返す
言ってることは少しだけ良いことなんだが、見た目とか動きとかが全部台無しにしている

エルディア > 「……うわぁ」

秋口にひっくり返っているセミを見る目より冷たい眼が
冬にひっくり返っている虫を見る目よりも冷たくなった。
季節柄間違ってはいないけれど。
心底どうでも良いと思っているのがその視線から伝わってくる。

「おんなのこ、に、こんなこといわせるってさいてー」

ひとのまねごとしっぱーいと躰を離しながら嘯いて。
いや勝手に言ったんでしょうと誰かが居たら突っ込んだかもしれない。
致命的にこの空間突っ込み不在すぎる。

「きにす、このみじゃなーい」

厳密に言うとこの幼女の好みにおいて
人間も魔族もストライクゾーンに入っていない。
そもそもストライクゾーンなるものが存在しない。

キニス > 「うわぁって何だよ~?そんなに感激するなって」

冷たい視線が更に冷たくなっていく
しかし、その視線も気にならない程に完璧に酔っていた
最早彼女がじーと呼んでいるはた迷惑な人物と大差はない

「フハハ、すまないな!本来は俺から言うべきだったな!」

景気よく笑う
酔ってなければ彼女の発言にツッコミを入れたかもしれないが
そんな余裕というか、発想がまず頭にない

「うへぇ…手厳しいな!俺はエルちゃんのこと好きだけどな」

一応、これは怖いながらも少しは思ってたことで
前回の邂逅の最後に回復してくれたことで最悪な印象は持っておらず
少しだけ仲良くなりたいと思っていた

エルディア > 「うわぁ……やっぱりなるしすと」

心底どうでも良さそうな口調でどうでも良さげに呟いて
距離を置く様に離れる。
この感じだと勢い余ってセクハラされかねない。

「のーせんきゅー」

生憎もう、予約済みなのだからあきらめて欲しい。
言われても切り捨てるだけだし。と思いつつ
盃に酒を注いでじっと表面を眺める。
すっきりとした酒精は飲みやすいけれど……
あのヒトは気に入ってくれるだろうか。

「きーてないし」

きょーみもないし。と一蹴しつつ盃を煽る。
雪が盃の上にゆっくりと舞い降りる事に気が付き空を見上げる。
ああ……また降り出した。
今夜は冷える。明日の朝は積もっているだろう。

キニス > 「ふふん、ナルシストじゃないって!」

ドヤ顔になりつつもその様に一応否定はできる様で
距離を置かれたらすすっと此方から距離を詰める
だけどタッチする様子はなく、適切な距離は弁えてるようだ

「ん~…俺はウェルカムなんだけどな?」

彼女に先約が居ることは知らないが
ノーセンキューと言われてるなら無理して迫ることはせず
盃の酒をくいっと喉に入れる

「ふぅ…眠くなって来たぜ…
 俺はそろそろ上がろうかなー。エルちゃんはどうする?」

雪が強くなってきたタイミングで眠気が襲ってきて、盃を桶の中に入れる
頭を抱えつつ、彼女に問いかければ上がる準備を初めて

エルディア > 「……ちてきせーぶつに、しんかしてから、きて?」

多分その誘いをかける事は今後一切ないだろうと思う。
良くも悪くも自分の好みはピンポイント。
そこに微塵も引っかからない時点で多くの人間には可能性がない。

「える、は、かんがえごとするの」

だからまだ浸かっているつもり。
酔っぱらっているのだからさっさと帰って今日の事を忘れると良い。
……忘れれば幸せでいられる。
正気に戻れば自身の振る舞いに戦々恐々する羽目になるだろうから。

「じゃーね、きにす」

そのまま瞳を閉じて湯舟に身を任せぷわぷわと揺れ始める。

キニス > 「ははは!手厳しいのぅ!」

何故かオヤジな口調になって湯船から上がる
酒とお湯で体が熱くなったからか、寒気は殆ど無く
吐く息は白くなり、景色に溶け込む

「そっか…またな、エルちゃん」

また、と手を振り脱衣所へ戻る
彼女にとっては二度と会いたくない相手かもしれないが
酔ってる彼にとってはとても良い話し相手だったようで、上機嫌に帰っていく

その後、激しい頭痛と高熱などの風邪の症状に魘され乍ら
ベッドで一日中、苦しんでたことは言うまでもない

ご案内:「九頭龍の湯浴み場」からキニスさんが去りました。
エルディア > 「ふぁ……」

いつまでそうしていただろう。
唐突に引き戻される意識にばしゃっと身じろぐ。
……いつの間にやら眠り込んでいたようだ。

「……かえろ―…」

流石にこの時間は”夜遊び”扱いを受けそう。
これは怒られるなーと思いながら足取り軽やかに湯舟から立ち上がり去っていく。

……たまには怒られるのも楽しいと思うから。

ご案内:「九頭龍の湯浴み場」からエルディアさんが去りました。
ご案内:「設定自由部屋3」にエルディアさんが現れました。
ご案内:「設定自由部屋3」からエルディアさんが去りました。