2018/07/28 のログ
ご案内:「王都マグメール 貧民地区/酒場」にカインさんが現れました。
カイン > 騒々しい声の響く貧民地区の酒場のカウンターに一人陣取って、
エールのジョッキを煽る男の姿があった。

「あ゛ー…こう暑いとやってられん。
 この時期は用心棒稼業やら傭兵稼業やらにはキツいねえ」

人目をはばかる事無く愚痴りながらも、ジョッキをカウンターに置き、
店主に次の酒を注文する迷惑な客であった。
団体客が多い酒場の中にあって個人客の利用が主なカウンター席は、
騒々しい店内の中でも人気の少ない空間になっている。
それもあってか、あるいはいつもの事なのか周りの客も店主も大した反応はしてこない。

カイン > 「もっと涼しくなってくれればいいんだがな。
 ないものねだりをしても仕方ないとはいえ、
 こんなときばかりは器用に魔法を使える奴らを羨ましくも感じるな」

世の中自由自在に温度を操って自分の過ごしやすい環境を作り出す輩などもいると聞く。
残念ながらそんな小器用な真似は自分自身には到底できそうにないのだが。
その代わりにと渡されたエールを手に取り軽く煽れば体の冷えていく感覚に人心地つき。

ご案内:「王都マグメール 貧民地区/酒場」にフェイさんが現れました。
カイン > 「とはいえ働かないとそれはそれで暇だしな、っと。
 …何か依頼をこなすかねえ。とはいえこの辺の依頼って大体怪しげなのが多いんだが」

遠目に見えるボードに張り出された依頼の数々を眺めてみると、
この場所から見える物だけでも怪しげな魔物の討伐やら人探しやら、
あるいは禁制品の入手なんて既に非合法な依頼だという事を隠してない物まで見て取れる。
酒を一口煽って顎に手を当て。

「…こういうのしょっ引かれんモンなんだな」

逆に感心したように声を上げた。それこそ騎士を含んだ官吏もそこまで暇ではないという事だろうが。

フェイ > 貧民地区に来たは良いが、暑さから建物に入ろうと酒場に入る。
酒は飲めない年だが、他の飲み物くらいあるだろうと。

明るい茶髪を暑さから後ろでひとつに纏め、仕立ての良い服を着た少年風の。
カウンター席の一席に座り、店主に頼んで水を一杯頼んだ。

他の客たちが酒を飲んで、各々酔い方は違うが言動に現れている。
自分も酒を飲める年になったら、量を計りながら飲んでみたいと思った。

カイン > 一人酒を傾ける時間が暫し続いた後、何を見ると無しにボードを眺めていると、
明らかにこの場に見合わぬ風体の姿が見て取れる。
水を頼む様子に興味を惹かれた様子で軽く手を挙げて声をかけ。

「よう、こんな所に一人で来るとは物好きだな。
 酒が好きなようには見えないが――どうせここなら咎める人間はいないんだ、
 一杯飲んでみたらどうだい?何だったら奢るぜ」

酒場に来ておいて水というのはあまりであると笑いながらに付け加えて邪な誘いをかける。
傍目には善良そうな少年を邪な道に引きずり込もうとする悪い大人そのものだ。

フェイ > 掛けられた声にそちらを向くと、一人で来て飲んでいたのであろう男性に気付く。
彼は背が高く、座っていても目線は彼の方が上だ。
あまり気にはしないが、身長は欲しかった。

「社会勉強も兼ねて、来ていたんです。
 まだ飲んだことは無いですね。――僕でも飲めるんですか?
 奢られるのは少し気が引けるので、自分で払います」

水しか頼めるものが無かったが、良いと言われるなら飲んでみたい好奇心。
喉は乾いていたので、水は飲む。きちんと作法を知っている、貴族の所作だ。
なんとなく女性っぽいのは、男の恰好をしてても誤魔化せない癖なのだろう。

カイン > 「ハッハッハ、社会勉強と来たか。確かに、
 ここいらの周りは悪い奴しかいないからな。
 そんなろくでもない連中を見るのにはちょうどいい」

自分も含めてと言外に示唆しながら、女性らしい所作の見える相手に、
少しだけ訝しげな表情を浮かべはしたものの一旦は脇に置き。

「そりゃあ、こんな所で法律についてとやかく言うようなやつはいないさ。
 それこそ法に則ったらこの街にはいられない奴らなんてのもゴロゴロいる」

自分がそのうちの一人だというのに快活に笑い飛ばしながら、
手にしたグラスを持ち上げて軽く揺らして見せる。

「本来の年齢に届いてない奴が酒を頼んでも誰も気にしないさ。
 ま、そこはお近づきの印って事でな?誘った手前もあるし、奢られてくれると嬉しいね。
 何か好みはあるかい?」

無理にとは言わないがと言い置きながらもそう返し、
視線をマスターに向けながら酒の好みを問いかける。
それこそ酒を飲んだことのない人間には中々想像のつかなさそうなものではあるが。

フェイ > 「まあ、悪い人ばかりでも無いですよ。
 ろくでもない奴ほど周りをよく見ているので、いろんな情報が聞けます」

凹凸の少ない体に男物の服。わざと少年に見えるようにしている。
この国ではいつどこで教われるかわからない、と考えてのことだ。

「法や決まりは破るためにある、ですか?
 ――そうですね、従ってばかりじゃ成長できません」

少し考えてそう答える。
不思議そうな顔をしているが、微笑みを浮かべた。

「国によっては若いうちから飲むところもあるらしいですね。
 わかりました、奢ってください。
 えっと…初めてでも飲みやすいものありますか」

好奇心旺盛で、興味を持ったものには積極的になる。
酒の好みも何も知らないのだから、おすすめをとお願いして。
酒の強さはどうなんだろう。

カイン > 「確かに目端が利かなければこの辺りじゃあ生き辛いからな。
 違いない。でも気を付けろよ?この辺りの連中は手癖も悪いからな」

グイと酒を煽りながらも相手の言葉に喉が鳴る。
事情があるらしい様子に益々興味を惹かれた様子で、
ひとまず酒を飲ませてみようかと乗り気な相手に頷いて見せ。

「まさか、そこまではいわない。
 でもそこに居場所がない奴らが片隅に居られる場所は必要だろう。
 そこではしゃぎすぎるのはご愛敬――で済ませてくれればいいんだが、な。
 おう、その根性大いに結構。気に行った!」

この辺りも時折騎士やら何やらがやってきて騒動が起きるのはよくある事。
笑い飛ばしながらも注文を聞いてマスターに酒を注文する。
程無く出されたのは甘めの赤ワインだ。とはいえワインだけにそこそこ強い度数はあるのだが。

「こいつなら飲みやすいんじゃないか?
 それじゃ乾杯といこう」

上機嫌な笑みを向けて見せながらグラスを掲げてあいてに向けて傾け。

フェイ > 「手癖が悪い…スリとかですか?
 対策はしていますが、気を付けます」

相手の飲み方に、相当慣れているのかと推察する。
慣れている人に教えてもらえば、命の危険は無いだろう。
飲んでみて気分が悪くなったら止めれば良いだけのこと。

「法に触れるか触れないかのぎりぎりのラインではしゃぐのは楽しそうです。
 楽しければ良いのですよね。
 根性と思い切りだけは良いので、良かったです」

はしゃいでいて、やりすぎることもあるのだろうか。
そんな言い方にこちらも苦笑する。
マスターに出されたワインのグラスを受け取り、興味深そうに見つめる。

「飲めれば良いですけどね…
 乾杯しましょう」

相手のグラスに自分のグラスを軽く当て、困ったように相手を見る。

カイン > 「それもそうだが女癖男癖、どっちも悪い奴らがここには多いな。
 ま、歓楽街が一番大きな場所だと考えれば当然だが」

そういう場所なのだから仕方がない。
言葉にしてしまえば簡単だが、実際にそうなのだから困ったものだ。
意を決した様子でグラスを差し出す相手にグラスを当てて、
響く甲高い音に軽く笑って見せ。

「若い頃はそんな危ない遊びを楽しむのもいいもんだからな、
 俺みたいにいい大人になってそれが日常になってしまうと有難みも何もない。
 そうだな――じゃあ、この出会いに?」

何せ傭兵なんて稼業は色々な意味でグレーな稼業である。
常にそんな状態だと喉を鳴らして笑い、乾杯と付け加えて
見本を見せるかのようにグラスを傾けて中の酒を煽って見せた。

フェイ > 「そっちの癖もですか…
 僕なんかが狙われることなんて無いと思いますけど」

路地の奥の方へ行くといちゃついている男女を見かけることもあるが、そういうことだったのか。
グラスのぶつかる音に微笑んだ。

「若い時の挑戦は良いですよね。
 新鮮なうちに感覚を覚えておきたいです。
 ――乾杯」

遠慮がちに呟くと、戸惑いながらもグラスを傾ける。
意外と飲めるが、慣れないせいか少しくらっとする。

カイン > 「ふうん?」

自分が狙われることは無いという相手の言葉に意地悪い笑みを浮かべながらも、
どうにも老成した言い回しに思わず軽く噴き出して笑い。

「ハッハッハ!そういうのは実際に若い奴が言うと、
 何だか変に感じるもんだな。……ま、無理はするなよ?
 酒ってのはブレーキが利きにくいからな」

少し酔いを感じているらしい様子を見て取れば、忠告するように言いながらも、
ひょいと手が伸びて相手の肩を軽く寄せてしまおうとし。

「そうでなきゃ、悪い男に口説かれちまうからな?」

首尾よく体を引き寄せられればそのまま顔を覗き込んで意地悪く笑いかけようとし。

フェイ > 「人の目を惹く魅力なんて無いですから」

でも、こうして話し掛けて来てくれたのだから目立つのであろう。
ただの優しさかも知れないが。

「年上の方と話すこともあるので、言われるんですよ。
 若いうちにしか出来ない経験をしようと思って。
 無理はしませんよ…大丈夫です」

少ししか飲んでいないのに顔が熱くなる。
どうやら酒に弱いらしく、少量で酔ってしまう。
肩に手が当たれば、触られるのに慣れていないからかくすぐったそうにした。

「あなたは悪い人じゃないでしょう?」

へにゃ、と緩んだ顔で顔を覗き込んできた相手を見つめて微笑む。

カイン > 「そりゃあ過小評価が過ぎるという物だぜ?
 俺が口説きにかかる位にはいい女だと思うがね」

はっきりと性別の事を口に出して見せながら、
顔を覗き込んだまま肩を揺らして見せれば相手の反応に軽く笑い。

「なるほど、それを素直に受け取れるのは良い事だな。
 まさか、俺は悪い男さ。お前さんに酒を薦めたのだって下心の賜物かもしれないぜ。
 ――今日一晩、俺と一緒に過ごす気はないかい?」

微笑んで見せた相手に対してからかうように笑って返し、
続けて随分と直截な口説き文句を投げて見せる。
名も知らぬ相手とのやり取りを楽しみながらゆっくりと目を細め。

フェイ > 「……気づいていたんですか。
 隠す気はなかったですが、この格好だと基本バレませんから」

質問もせずに確かに当てるとは、人を見る目は凄いな、と。
人との密着は嫌ではないが慣れず戸惑ってしまう。

「人生の先輩のアドバイスは素直に受け入れないと。
 悪い人なんですか?でも、根は優しく感じます…
 ――良いですよ。出会いは大切にしたいですから」

悪い人は怖いと思うが、会話も無しに襲ってくるよりずっと良い。
一晩過ごすと言っても何か話す程度にしか思っていないので快く承諾し。
その上で名を教えるべきかと口を開く。

「僕、フェイって言います」

名前を呼びやすいように、何の躊躇もなく告げる。

カイン > 「そりゃあ、長い事生きてると色んな奴に出会うからな。
 何となく隠し事してる奴は解るさ」

良しにつけ、悪しにつけではあるのだが。
戸惑う様子を見せる相手にクックと喉を鳴らしながら、
存外あっさりと受け入れる相手の様子に思わず驚いた表情が浮かぶ。

「それにしたって、もうちょっと躊躇がありそうなもんだと思ったが。
 ま、こっちとしてはそれで構わんけどなっと。
 あんまり性的な経験が豊富って風にも見えないが。
 俺の名前はカインという、よろしくなフェイ」

相手の勘違いには気が付かないままに、
上機嫌に笑って言い返しながら体を放して立ち上がると、
存外洗練された所作で一礼して右手を差し出し。

「それじゃあお嬢さん、このまま俺の部屋にどうかな?」

フェイ > 「さすがですね。普通の人なら見分けられない」

その観察眼は何で磨いたのかは聞かないで置くとして。
身体はもともとくすぐりなどに弱いが、特に首と腰は苦手だ。
酒のせいもあってあまり頭が回っていないので、簡単に頷いた。

「仲良くなるのに躊躇なんてしないですよ?
 まだ色んな経験が浅いので、経験したいですね。
 カインさん、よろしくお願いします」

首を傾げて不思議そうな顔をする。だが、まあいいやという風に気にしない。
経験、豊富という単語だけ聞こえて、よくわからないままそう言う。
カインさんの右手を取り

「はい、お邪魔させてもらいます」

カイン > 「そういう方向性でほめられるとそれはそれで困るんだけどな…まあいいか」

何せ魔族である。文字通り人間を見てきた数が違うだけであり、
別の言い方をするなら年を食った結果である。複雑そうに頬を軽くかき。

「仲良くなるにも種類ってモノがあると思うんだがな。
 …ん、そうか。じゃあちゃんとしておかないとな。」

準備はと後から言い置いて少し考える仕草を見せる。
相手もあまり考えてない様子を見ればとりあえず納得し、
手を握り返しながらゆっくりと歩き始めていくのだった。

ご案内:「王都マグメール 貧民地区/酒場」からカインさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区/酒場」からフェイさんが去りました。