2017/08/31 のログ
■ジード > 「それはまた、風情も何もあったものじゃないな。どうせなら女性を口説く所まで楽しめばいい物を。
――おや、それは残念。ミステリアスな男の方は受けが悪かったかな。
せっかく口説くネタにでもなるかと思ったけど」
おどけた様子で肩を竦め若干本気で残念そうに言い返しながらも金貨を手渡して薬を受け取り手元でしげしげと眺め始めた。
「俺の商品かい?どちらかというとこういう物騒なのは作らないかな。
媚薬や麻薬といったリピーターが付く様なのが中心さ。
そういう薬を取り扱ってても男はお前に使ってやろうか――なんて事にはならない事だけは利点だね」
時々商人の間の笑い話として言われる話である。
最も、ココで商いを行う人間であればそれが冗談でない事もよく知っているはずだが。
透かして見る薬の傍目にもわかる出来の良さに感心した様子で顎に手を当て。
■ナイチンゲール > 「よっぽど余裕がないんだろうさ。そういう輩に襲われるより君に口説かれた方が何百倍もいいね。
――いや、そういう男にも興味はあるさ。まあ、裏表のないウブな男の方が私の好みだけれど」
受け取った金貨を小箱に入れつつ、肩を竦める男に微笑みかける。目を細め、少し首を傾ける様は男慣れした女の仕草に見えるかもしれない。
「麻薬の方がよっぽど物騒に思えるがな。ここでそう指摘するのも今更だが。うちの薬は案外副作用もない安心安全の薬だぞ。多分。
……ははは、たまにいるな、そういう奴は。そんな奴が来たら大抵はお引き取り願っているが。
……君、その薬を私に使ってやろうか、なんて考えたりしてないか?」
冗談めいて、でも少しばかり色を含んでそう問いかける。フゥ……と甘ったるい紫煙を吹きかけてこようとする彼女の表情は、悪戯娘の笑みか、もしくは娼婦が相手を誘う笑みか。
■ジード > 「ハハハ、それは嬉しい事を言ってくれるね。
おや、なるほどからかいがいがある方が好みかい?」
こういったやり取りにもなれているのだろう。
そつなくといった様子が良く似合う所作で男の相手をする女性に向けて笑い返し。
「俺の薬だってそうだよ。副作用は無いし中毒性も殆ど無い者さ。
――だからと言って他の薬までそうとは限らないけどね。
それが正解だろうね。男に対してそういう事を考える輩もいるとは聞いてるが残念ながらお目にかかった事は無い。
考えない、と言えば嘘にはなるとも。けどもこういう薬を問答無用で使うというのは好みじゃないな、
どうせなら口説く所から始めるさ。――そういうわけで、この後一緒に過ごすってのはどうだい?」
別に他の薬の副作用を打ち消すような都合の良い何かは残念ながらない。
中毒者をどうにかするまではできないと少しだけ肩を揺らして言い返したかと思えば、
吹きかかる煙を突き破る様にして瓶を懐にしまい込めば右手を差し出し流れるように口説きにかかり。
■ナイチンゲール > 「ウブな男の方が可愛がり甲斐があるからな。勿論、テクニシャンな男も捨てがたいが」
相手もそういう経験が豊富なのだろう。慣れた様子で小気味良く会話をする相手に、楽しそうな笑みを浮かべる。
「なるほど。だけどリピーターは多いと。ふふふ、それは君の薬の質が良いからだろうなあ。
おやおや、随分とキザなことをする。やはり女の引く手数多なんだろう?そのこなれた感じだと。
――さて、ならば今日は店仕舞いだな。そろそろここにずっといるのも飽きてきたところだ。君の誘いに乗ろうじゃないか」
相手の小慣れた口説き文句に口角を上げ、差し出された右手の上に自らの手を乗せ。ついでに掌をそっと、しなやかな指でくすぐろうとする。
「退屈を紛らわしてくれるのなら、何処に行っても良いさ」
■ジード > 「苛め甲斐のある方が、の間違いじゃなくてかい?
ふふ、それはまた随分と期待値を上げてくるものだね」
打てば響くと言った様子で帰ってくる返答を愉しみながら差し伸べた手に載せられた
指の動きにくすぐったそうに身を揺らす。お返しとばかりに軽く手を握って引きながら一礼し。
「そうだといいのだけど、そこで自信を持てる程自身かって訳でも無くてね。
まさか、まさか。引く手あまたというならこの路地で管を巻いて薬売りなんてしてないよ。
そうだね――ほんの少し人より長生きだから経験だけはある、かもね。
お誘いに乗っていただいて恐悦至極、ではいこうかお嬢さん」
そっと手を引いて示す先は路地裏の先にある宿の方。
そのままエスコートするかのように手を引いていく。
■ナイチンゲール > 「ははは、まああながち間違いではないがな。……それなりに期待はしているんだが。もっと上げてもいいぞ?」
軽く握られた手の指に、自らの指を絡ませ。そのまま立ち上がり、手を引かれる。勿論、置きっ放しの商品や金貨の入った小箱等は回収。もう片方の手で指を鳴らせば、全て一人でに宙に浮き腰のポーチへと入っていく。大きさも質量も全て無視して、すんなりと全ての物がポーチに収まった。
「ふむ。君もなかなかの薬師だとは思うがね。なかなか良さそうな商品を作りそうだ。
……そうかそうか。それは私も同じだ。私もそれなりに長くは生きているから、それなりに経験はあるがね。……ふふ。お嬢さんなんて呼ばれたのは久しぶりだな」
エスコートするように手を引かれ、そっと寄り添うように近付く。宿へと向かう足取りは、何処と無く軽かった。
■ジード > 「君に苛められるのは楽しそうだとは思うんだけどね。――期待に応えられるよう頑張ろう」
絡められた指を擦るように動かし歩き出す刹那に起きた現象にどこか感心したように頷く。
なるほど防犯の必要が無い訳だと羨ましそうに感じて呟くのは商人ゆえの性だろうか。
「それはどうも、褒められて悪い気はしないね。
お互いはぐれ物同士、って訳かな。それも悪くない。
――おやまあ、本当に口説くって事を知らない奴らだね」
呼ばれたのが久しぶりという言葉に眉が上がる。
何とも複雑そうな表情を浮かべながらも相手の様子にどこか楽しそうに連れ立って去ってゆくのだった。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区 裏通り」からナイチンゲールさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区 裏通り」からジードさんが去りました。