2017/03/29 のログ
■アーヴァイン > 今夜は城が騒がしい気がすると、義父は窓の外を見やる。
この城に住まう同族や貴族達に、義父はあまり興味を示さない。
使えるやつは使いまわす、使いようのない奴は殺してすげ替える。
命を道具のように使う人間が、そんな言葉をつぶやいて外を見やるのは少々不思議に思えた。
お互いのグラスに酒が満たされると、義父がすっとそれを前へ差し出した。
馬鹿息子に乾杯してやる と、馬鹿にされながらも困ったように笑みを浮かべれば、グラスをカツンとぶつけた。
「では俺は、人でなしの義父に乾杯するとしよう」
遠回りした、この人の成りも理解した。
自分はもう少し、人をよく知るべきだったかもしれないと思いながら、再びグラスを傾ける。
味わうなんてしみったれた飲み方ではなく、一気に飲み干して見せれば、義父が満足げに口角を上げた。
そして、懐から何かを取り出すと、乱雑に彼へと放る。
パシッと綺麗に受け止めれば、なんだろうかと訝しみつつも、促されるがままに包みを解く。
脇差しの鍔だが、王族らしくということか、鍔の飾りに王家の紋が掘られていた。
「…ありがとう、早速変えるとする」
仕事から手にいした輸入品の一振りだが、これで少しは泊のある一品らしく見えるだろう。
武器は実用性重視とする二人としては、その物を変えろという事はない。
■アーヴァイン > 鍔をはめ替え、ズレがないのを確かめると、どうだと具合を見せるように柄の部分を義父へと突き出すが……その合間が酷く退屈だったのか、頬杖をついたまま眠りこけていた。
勿論こんなところで寝ていようと、いざという時は昔取った杵柄の如く、すぐに対処してしまうのだが。
勝手な人だと思いながら軽く肩をすくめると、立ち上がり、給仕の女達へ薄っすらと笑いかける。
「酔い覚ましに散歩してくるとする。義父を頼む」
勿論ですと丁重に頭を下げる給仕達も、実際は腕利きの護衛だったりもする。
脇差しを帯刀したまま廊下へと抜けると、少し風の冷たい廊下をあるき始める。
向かった先は何処か…。
ご案内:「王城 小さな宴会場」からアーヴァインさんが去りました。
ご案内:「温泉施設近くの沢」にアンセルさんが現れました。
ご案内:「温泉施設近くの沢」にシンシアさんが現れました。
ご案内:「温泉施設近くの沢」にノーガルトさんが現れました。
■アンセル > 温泉の宿で一泊した翌朝
夜に話をした沢へと3人でやってくる
ノーガルトを隣に、背中にシンシアという3人で出かけるスタイルで道をゆっくりと歩いて沢へと
「思ったよりも立派な場所だな」
沢へと付けば周囲を見回すように首を巡らせて、どうする?とノーガルトとシンシアを交互にと見る
■シンシア > アンセルの背中に揺られながら宿近くの沢まででてきた
天気もよくて流れる水音が涼しげに聞こえる
アンセルの足がとまれば、背中から降りるように地面に足をつけ
背伸びをするように腕を伸ばして、ノルの釣り場のポイントになるようなとこがあるかと周囲を探してみる
■ノーガルト > (宿から釣り具一式と、キャンプ用の道具も一緒に借りてきた。
時間は朝、このまま河原で魚を釣りバーベキューというのも乙なものだ。
もし魚が取れなくても、アンセルに頼んでそのあたりの野生動物でも買ってきてもらおう。
野菜に関しても、シンシアにいろいろと教えて野草を取ってきてもらえばいい。
本当は、魚が連れてくれるのが一番いいのだが。
キャンプ用品の中に、少し刃渡りが長めのナイフも入っている。
捌くことも難しくはないはずだ。)
「ああ、これなら魚が釣れそうだ…。二人はキャンプの用意を頼む。」
(テントを組む必要はない、だが日よけくらいは準備したほうがいいだろう。
手にしている釣り具を確認しながら、ノーガルトも沢のほうへと足を進めた。
沢の大きさはそれなり、ちょうど釣りのポイントにでもなっているのだろう。
座ってくださいと言わんばかりに岩が用意されていた。
用意されていた、というよりも自然にそこにあるだけのものだとは思う。
しかし、透き通った水の向こう側で魚影が見えているあたり、ポイントなのは間違いなさそうだ。)
■アンセル > 足を止めればシンシアが背中から降り、脚を滑られたりしないかと確認をしてから沢をもう一度見るようにする
背伸びをして周囲を見回すシンシアを見てから持ってきた道具へと歩み寄って
「ここならば釣れるのか。それならば安心だ。
わかった、準備は任された」
ノーガルトの言葉に魚は任せれると思えばキャンプの用意は任せろと頷く
だがオオカミの姿では何もできないので他に人目がないことを確かめて人の姿にとなり
「シンシア、俺は日よけを立てる。シートを頼む」
力仕事は自分がした方がいいと考え、そうお願いすれば
以外にも慣れた様子で棒を立てて日よけの準備を始める
■シンシア > 「ん、わかった」
場所として悪くないという、沢から少し離れ平坦なとこで借りてきたキャンプの骨組みをアンセルが組み立て始めた
シートを広げて、地面に敷くものと骨組みから天井に日よけになるぶ部分を結びつけながら
借りてきた道具を広げていく
外でのキャンプの支度は慣れてないけど、アンセルならわかるだろうと
一緒になって3人分が入れるくらいの日よけのテントを作っていく
お魚が釣れるといいけど、他にもなにか周囲にないかと見回すようにして
「枝集めてくるね」
火を起こすために近くの草場や木のそばで枝を集めながら、なにか果物とか木の実がないかと探しはじめて
■ノーガルト > 「あんまり安心できるかどうかはわからないぞ?…もし釣れなかったら、アンセルには悪いが少し狩りを頼むかもな。」
(できれば、三人分釣れるのが一番いい。
ここまで来たのだから、わざわざアンセルに狩りをさせるのはとても申し訳ない。
とはいえ、魚が釣れるかどうかは正直運や魚の気分にもよる。
釣りをした記憶などほとんどないのだが、さて釣れてくれるかどうか。
いや、自信がない顔をすると家族が心配してしまう。
ノーガルトはいつも堂々、胸を張って家族と接してきたのだから今更自信がない表情など見せられはしない。
シンシアには気づかれているけれども、方向音痴だということも黙っているのだから。)
「さて……。」
(まずは餌を針に突き刺す。
人工的に作成された餌を少量、丸めて餌にするとどっかと岩に座る。
傍には水を入れたかご、つれればここに魚を入れるつもりでいた。
一つ深呼吸をすると、餌を水の中に投入した。
痕は忍耐の勝負と、宿の者に教えてもらった。
じっくりと、あわてずに魚影が餌に食いつくのを待つ。
手に意識を集中させ、少しでも重みが変わればすぐにでも引き上げられるように。)
■アンセル > テントを組み立てる傍らにシンシアの様子を見詰めて大変そうなら手伝いもしながらに棒に布をかけていき
一緒にテントを組み立て準備を終えれば満足そうにして
「この辺りは危ないものがあるかもしれない、気を付けてな」
近くで枝を集めるシンシアを心配そうに見ていたがノーガルトに視線を移し
「釣れなければ任せておけ。魚は俺が取ろう」
狼なのに狩りだけでなく何故か川で魚を獲ることまで覚えてしまっている狼
もし釣れなければ沢に飛び込み魚を獲るという意気込みを見せて
もしかして自信がないのかと見るがそんな事はないとノーガルトを見詰め
テントは立ち、シンシアは枝集め、ノーガルトは魚釣り
自分はどうしようと考えて
■シンシア > ノルが沢のほうで魚つりをはじめたのが見える、水は綺麗だし期待しながら
片手に枝を抱えるようにして一度もどってくる
テントを張り終えたアンセルに
「石少し集めようか、火を起こさなきゃだし
沢に飛び込んでくるのなら、ノルのいるとこより下流でね?」
上流でしてたら逃げてしまいそう
下流なら…ノルの釣りしてるポイントに逃げた魚が入り込むかも、と考えたからで
「大丈夫、遠くまでいかないから」
せめて2人の見える視界の範囲で再び、なにか季節的に食べれるものがないかと探しに動き
■ノーガルト > 「さすがアンセルだな。じゃあ、釣れなかったら頼りにさせてもらうぞ。」
(…よくよく考えれば、何を気取る必要があるのだろうか。
アンセルは家族だ、弱いも強いも隠す必要などないという気もするが…そこはやはり、男の矜持というものがあるのだろう。
くだらないものだと、ダインがいたら突っ込みを入れられたかもしれない。
釣りをしながら、シンシアたちのほうを振り返る。
たき火を用意しているシンシアはともかく、アンセルは少し手持ち無沙汰というところか。)
「シンシア、アンセルを連れて何か山菜がないか探してきてくれ。この時期なら、少し早いが何か生えているはずだ。」
(その山菜が食べられるものかどうかは、ある程度ならば判別できる。
シンシアのいう通り、つれなければ下流でアンセルが捕まえてくれればいい。
三人で食べられる、比較的大きな魚影もあることだし期待はできるだろう。)
■アンセル > 「石……?そうか、焚火を作らねば火を起こせないな
判っている、釣りの邪魔をする場所には飛び込まないぞ」
そして遠くに行かないと告げるシンシアの言葉を信じて。
「色々と覚えてな。出来ない事も多いが狩りならば任せておけ」
頼られればどこか誇らしげにして見せて
普段はペットのようにしているだけにこういう時には頼られるようにしようという狼心で
シンシアとノーガルトを交互に見ながら手持ちぶさにして、告げられた言葉に尻尾が立ち
「山菜探しか?それなら…俺は足になろう」
手持ちぶさにしていれば仕事を貰え嬉しそうに尻尾を振り
狼の姿に戻れば山菜取りに行こうという様にシンシアの傍へと向かっていく
■シンシア > ふらふら歩きながら森の方へむかってると、後ろからアンセルがついてきた
ノルの山菜の言葉も聞こえてたから、隣にくると頭を撫でるようにして
「このへんの野山はアンセルの縄張りじゃないしね、匂いでわかるかなあ…」
近くに果物でもあればと思うけど、知らない土地ではアンセルの嗅覚たよりで
暖かくもなってきてたから、山菜もちょこちょこと覚えたての野草や外での知識を思い出しながら
時々みつけた山菜は少しずつ袋に入れていく
やっぱりほしいのは果物、視線を時々木々の枝を眺めるようにして
■ノーガルト > (アンセルは、喜ぶときには必ずしっぽが揺れる。
狼の時には表情があまり読めないが、目は…もとい。
尻尾は口ほどにものをいうというところだろうか、足早にシンシアの後を追っていくのを横目に見遣った。
さて、山菜や果物はあの二人に任せて大丈夫だろう。
メインディッシュは自分の釣る魚だ、ぜひとも大きいものを捕らえたい。
二人が喜ぶ顔を見るのが、今のノーガルトにとって何よりもうれしいもの。
意識を集中させるその目は、釣り人というよりも完全に戦士のそれだった。)
「…………。」
(さて、来るかどうか…。
じっくりと待つべきなのだが、どうしても気が焦ってくる。
経験のない釣りだと、タイミングや手の感覚がどうしてもわからない。
一度釣竿を引き上げるが、食いついてすらいない。
難しいものだと、顔をしかめながらもういとど、水の中に餌を投入した。)
■アンセル > 僅かに駆け足でシンシアの傍にとかけより、頭を撫でられると嬉しそうに目を細めて
「この辺りまでは流石に来ないな。匂いでは…わかると思う」
すんすんと鼻を鳴らして匂いを嗅ぐが果物の甘い匂いは近くではあまりせず
野草は煮込んで食べた事があるモノのみをここにあると前足で刺したりして
山菜を見つける傍らに野イチゴを見つければここにあったとシンシアを突き
そして振り返れば魚を釣るではなく戦士の顔で竿を持つノーガルトの姿が見える
視線を沢にと移せば水の中には酒場はいるのだが…彼の放つ気配に魚が散っているようにも見えて
「ノーガルト…落ち着かねば魚が逃げるぞ」
どういうかと考え…それしか言えずに
■シンシア > 嗅覚のいいアンセルの鼻でも果物の匂いはしない様子
仕方ないと思いながら、教えてくれた野いちごでも嬉しそうに摘み取っていく
「アンセルは鼻もいいから助かる、ね、ノルのほうにもいこ?」
獣としての目も匂いもいいアンセルに頼りながら
山菜と野いちごを2つの袋にいれながら、近くをウロウロと
振り返れば気難しそうな顔で釣りをしてる姿がわかり
つい、くすくすと笑ってしまう
多くはないけど袋に詰みとれたものを入れて
ノルの背後のほうから回り込むように驚かさないようにして、そばにいこうと
■ノーガルト > (このあたりで果実というのは、さすがに見つからないだろう。
季節が外れてしまっているし、残念ながら果物の期は少なくとも見当たらない。
代わりに、もっと季節が遅ければ栗やキノコなんかも採れたかもしれない。
この場所は、春よりも秋にぴったりの場所だった。
さて、ノーガルトはいまだに気迫あふれる表情で水面をにらみつけている。
今まで鍛えていただけあって、その集中力は高いのだがいかんせん釣りの経験がないのが痛い。
さすがのこの男でも、経験がないとどうしてもうまくいかないものだった。)
「むっ……お、おう…。」
(落ち着け、とアンセルがアドバイスしてくれる。
どうやら知らず知らず、ものすごい集中をしてしまっていたようだ。
ダインなら、きっといい訓練になると皮肉の意味も込めて言ってきただろうが。
軽く苦笑いしながら、ゆっくりと深呼吸をしてからもう一度、餌を投げ入れた。)
「…それで、山菜はどうだった?」
(釣りをしながら、二人へと振りかえる。
こんなに早く戻ってきた、ということはそんなに遠くへは行かなかったのだろう。
それでも、少しでも山菜が取れているならば御の字だ。)
■アンセル > 美味しそうな果物ではないが野イチゴだけでも見つかってよかったと安堵して
それを収穫する姿を見詰めて
まさか今の季節はこの辺りには果物がないなど思いもよらないあたり行動範囲が狭いオオカミであって
「あぁ、そうだな。行こうか」
頼りにされながら山菜や野イチゴを採取して歩き
シンシアの言葉に頷いてノーガルトの方へと
気難しそうな顔と戦士としての気配にあれでは魚も警戒するだろうと見て
集中力は素晴らしいが戦士としての気配がそれを台無しにしているとまでは言えずに
その辺りはうまく説明もできないままに歩み寄っていき
「そこそこだ、そちらはどうだ??」
振り返るノーガルトに告げれば成果はどうだと問いかける
聞かないよりは聞く方がいいだろうと考えて…
■シンシア > 後ろからノルに近づき、隣まできたら袋を見せるようにして
「多くはないけど、とれたよ
野いちごもアンセルがみつけてくれたから」
1人集中してるのもいいけど、その気の大きさで余計、魚が遠ざかってそうなほどの真剣さ
靴を脱いで裸足になれば、近くの岩に座り足をつける
まだ水は冷たいけど気持ちいいほど、日差しがいいから
「ノールー?」
わざと片手くらいのわずかな水をすくいあげ、ノルのほうへと飛ばしてみる
集中しすぎてるとこを崩してみようという、いたずら
■ノーガルト > 「そうか……こっちはまだまだだな。」
(確かに聞かれるほうが気晴らしになる。
ただ、これでもし釣れていたらどうだと言えたのだろうけれども、残念ながら収穫はまだ一匹もない。
その気迫あふれる真剣さのせいで、さっきを感じ取った最中が逃げてしまい引っかからない。
もう少し気を安めながらやらないといけない。
いつでもそうだ、張りすぎてもいけないのだと教えられている。
少し深呼吸をして、肩の力を抜き自然体でと、水面へ目を移す。)
「…ん、どうしたシンシ……わっ!?」
(呼ばれて、視線をそっちに移せば、ふいにかかる冷たい水。
集中していたために無警戒だったようで、シンシアの悪戯は見事に命中した。
その用を、少し目を吊り上げながら笑みを浮かべると…。)
「……アンセル、許す。行け。」
(家族ならではの団欒だろう。
仕返しにと、アンセルをけしかけることにした。)
■アンセル > 「山菜とデザートは確保した。後はノーガルトのメインを待つだけだ」
それなりな戦果を自慢しながら頑張れという様に言葉をかけて
大物も多い沢なのだが一匹もかかっていないのはやはり彼の一流と言える戦士の気配のせいなのだろうと…
もしかして本当に飛び込んで魚を獲る事態になるのかと沢を眺めていれば聞こえる声に視線を向ける
その先にはシンシアに水をかけられているノーガルトの姿
その微笑ましい光景に良い物だと見ていたのだが
「夫婦喧嘩は犬も食わないというぞ
……だが…」
家族の団欒は別だと笑い
けしかけられるままにシンシアの後ろに回って立ち上がり
背負われるようにのしかかる狼である
■シンシア > 「ふふ、もー釣りなんだから気迫ありすぎ」
戦いでも挑むような空気で水面と向き合ってる雰囲気を崩すことはできたようだけど
アンセルをけしかけられる言葉に
喜んで沢に入ってくる、魚も逃げてしまいそうに浅い水の中ではしゃぐ
「もー、アンセルおっきいんだからズルいぃー」
ぱしゃばしゃと笑いながら水しぶきをあげて、ノルの釣り場から下流側での水あそび
アンセルまで川に入ってきて動き回るから
自分もアンセルも少し濡れながらも楽しげに
■ノーガルト > 「はっはっは、先に俺に手を出したのが悪い。いいぞアンセル、そのまま沈めてしまえ!」
(―――楽しかった。
水遊びをしているアンセルとシンシア、二人の光景を見ていると自然と笑みが浮かぶ。
声をあげて笑いながら、少し下流のほうで水遊びをしている二人を見ながら、もう一度水面に向かう。
だが、先ほどまでの気迫は消え失せていた。
二人とのやり取りが、どうやらいい具合に緊張をほぐしてくれたようだ。
戦いではないと言いつつも、やはりどこかいいところを見せたいという思いはあったらしい。
もう一度だと、一度餌を引き上げて新しいものに取り換える。
そして再び水面へと沈めて…しばらくは二人のやり取りも見ながら、時間を過ごして―――そして、その時はきた。)
「―――お?……おおっ!?」
(沈めているだけの手ごあてではない、何かが餌に食いついた。
手ごたえは大きいし、重い。
大物の予感をひしひしと感じながら、ノーガルトはしっかりと踏ん張り魚との格闘を開始した。)
■アンセル > 「釣りに必要なのは気迫ではなく存在を消すことだ。
魚によっては人の気配に敏感なものも居るぞ」
そんな事を言いながらもノーガルトに命じられたままにシンシアへと飛び掛かり
指示通りに沈めるつもりはないが水を跳ねあげてじゃれつきながら少し下流へと
魚釣りの邪魔にならないように控えた動きで水遊びをして
濡れるのも厭わずに遊んでいればノーガルトから感じる気迫が消えた事に視線を一瞬だけ向けて
そして時間を過ごしていれば声が聞こえ
もう一度向けば竿を踏ん張って支える姿を見れば動きを止めて見守りだす
■シンシア > 「ぷー、ノルがむずかしい顔してるせいなんだからねっ」
口を尖らすようにして言い返すけど、拗ねてるわけではない、ノルが誘ってくれた家族旅行なんだから
自然にいてほしかっただけ
なのに、後ろからアンセルがバシャバシャするから川魚も逃げてノルの釣りをしてる川上に逃げていったのかもしれない
「ちょ、まってアンセル、もーだめ、おすわりっ」
下流側で遊んでたけど、ノルの釣竿が動いてるのに気づいて水遊びは途中で終わり
じーっと、ノルが釣れるのを祈るようにみつめながら
■ノーガルト > 「……犬かっ…!」
(おすわり、のシンシアの声に思わず突っ込みを入れてしまった・
だが、その竿の動きが重く、なかなかに暴れん坊なのでそっちに意識が向いている。
水しぶきを上げて、割と深いところで魚が食いついている。
しかもその魚影、ずいぶんと大きい。
三人で食べるには十分すぎるほどだ。
こういう時、ディンがいてくれればと思うが、その考えはすぐに追いやった。
魔剣に頼ってはいけない、この釣りは自分自身の戦いだ。
必ず釣り上げて見せる、と足を踏ん張り、しなる竿と格闘する。
その姿はまさに、歴戦の戦士というところだった。)
「くっ…この……おとなしく釣られろ…っ!」
(二人が見守る中、何とか引き上げてやろうとノーガルトも踏ん張る。
水の中では魚というものは、ずいぶんと力が強い。
それを無理に釣り上げようものなら、竿が折れてしまって負けてしまう。
うまく動きに合わせ、竿を右へ左へ、しなりを抑えながら魚が弱るのを待ち―――)
「―――おりゃあっ!!」
(――――――掛け声とともに、一気に引き上げて見せた。)
■アンセル > 「ノーガルトの難しい顔はよく見るぞ」
駄目なのか?と不思議そうにシンシアを見上げて
楽しい家族旅行で自然体なのではないのかと思っていて
シンシアにお座りと告げられれば一言ワウと鳴いて川の中にばしゃりと座る当たり犬化の進行がすごくて
そうして魚と格闘をするノーガルトをシンシアと二人で応援するように見つめ
大きな掛け声とともにあげられる竿に釣れている事を祈って